開会挨拶
松本大氏:みなさま、こんにちは。マネックス証券ファウンダー、カタリスト投資顧問取締役会長の松本です。本日は会場にも大勢のお客さまが来てくださり、オンラインでも大勢の方が視聴されていると聞いています。
ちょうど4年前の2019年1月から「マネックス・アクティビスト・フォーラム」を始めました。単にマーケットや会社を見るのではなく、しっかりと意見を言ったり、企業にかかわったりすることで、投資リターンを増やすことができるという考えのもと、あえて「アクティビスト」という名前を使っています。
そして、世界中からアクティビスト運用をしているファンドマネージャーの方に来てもらい、彼らの話を聞きました。その時の個人投資家のみなさまの熱気は本当にすごかったです。これまで私たちマネックス証券は、お客さまとマーケットを近づけることに取り組んできましたが、それだけではなく、みなさまと発行体企業をより近づけなければならないと考えました。
普段とは違う圧力・熱気を感じ、「他のアクティビスト運用をしている方たちを紹介しているだけでは足りない。自分たちがエンゲージメント運用、アクティビスト運用を始めなければいけない」と思うに至りました。そこで、カタリスト投資顧問を設立し、3年前に「マネックス・アクティビスト・ファンド」の運用を始めました。
AIが進み、さまざまなかたちで早く情報が共有される中、投資の中で「+α」を見つけることは大変難しくなってきています。人間が分析するよりも早くAIが分析してしまう時代になっていますので、すでにある情報で投資しても平均的なリターンしか出ません。
そうではなく、まだ出ていない情報を新しく作り、まだ世間に出ていない企業、まだ変わろうとしていない企業に、「このように変わりましょう」と働きかけて変えることで、自ら「+α」を作っていくことがエンゲージメント運用です。それが大変重要な時代になっていると思います。
特に日本においては、多くの企業が変わらない中、投資家が強く働きかけることで企業も変わっていきます。それが、ひいては日本全体の生産性向上につながり、株価も上がり、資産も増えます。そのようなことができる可能性があると思っています。
本日は楠木先生をはじめ、そうそうたるメンバーに集まっていただきました。「アクティビスト運用・エンゲージメント運用ではどのようなことが可能なのか」「これからの投資がどのようなかたちであるべきなのか」について、みなさまと一緒に考えて議論し、ご案内できればと思います。4時間という長いセッションになりますが、どうぞ最後までよろしくお願いします。
長期利益追求の経営
楠木建氏:みなさま、こんにちは。楠木と申します。このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。僕は競争戦略という分野で仕事をしています。アクティビズム、特に長期エンゲージメント投資がどのような意味を持っているのかをご説明し、最後に僕なりの考えをお話ししたいと思います。
経営(戦略)は自然現象ではない
「経営(戦略)は自然現象ではない」「自然科学でいう『法則』がない」というのは大前提であり、商売と科学は違います。「ビジネスには法則がない」ということです。幸か不幸か、「こうやったらこうなる」「こうやったらうまくいく」など、自然科学が想定している法則はありません。
アインシュタイン方程式
法則というのは、つまり方程式のようなものです。「アインシュタイン方程式」をご存じの方はいらっしゃいますか? こちらの方程式は非常に有名な法則です。いつ、どこで、誰が、どのような気分で自然を観察しても、自然現象は左辺が右辺に等しくなるように動いており、観察する時間や場所、人、気分によって変わったりはしません。常に「E=mc²」です。
このようなものを「法則」と言います。したがって、科学者の仕事は法則を探求し、解明することにあります。
同じアパレルの経営者でも……
一方で、僕がずっとお手伝いしているファーストリテイリングの柳井正氏は科学者ではなく、商売人です。法則がない世界で成果を出そうとしている方です。
また、あまり見慣れないかもしれませんが、アマンシオ・オルテガというスペインの方の名前を聞いたことがある方はいますか? この方はインディテックスという会社を作った方です。インディテックスは「ZARA」をはじめ、さまざまなブランドを展開するアパレル企業です。
2人とも非常に優れた経営者であることは、成果からして間違いありません。しかも同じアパレル業界です。ただし、この2人が来週月曜日から経営する会社を交代したら、いったい何が起こるでしょうか? ファーストリテイリングもインディテックスも、大幅に業績を落とすと思います。これが「法則がない」ということです。つまり、科学の本質は人によらないということです。ところが、ビジネス・経営は人による、というまったく当たり前の話になります。
『1日36万円のかばん持ち』
『1日36万円のかばん持ち』という本の宣伝が新聞に載っているのを見ました。僕はこの時点で三流が確定しており、少し悲しい気持ちになるのですが、「三流は出されたコーヒーを『ゆっくり飲む』」「二流は出されたコーヒーを『急いで飲む』」だとすれば、一流は何でしょうか? 一流は「飲まない」のです。
ただし、出されたコーヒーを飲まなければ、誰でも一流になれるのかというと、そうではありません。つまり、これはもともと法則が成立しないところに法則のようなものを持ってきているだけのお話です。
『ストーリーとしての競争戦略』
僕は競争戦略という分野で仕事をしていますが、実際に商売をされている方に「どうしたらよいのか?」と聞かれても、「いやー、わかりません」としか言いようがありません。そうすると「お金を返せ」という話になってしまいますが、商売にしても投資にしても、「どうやったらいいか」を当事者がご自身の状況で考えて判断して実行するしかありません。
そのような時に、「このような角度から考えてみたらいかがでしょうか?」「要するに、このようなことなのではないでしょうか?」ということを提供することが、自分の仕事だと心得ています。
『ストーリーとしての競争戦略』は、「優れた戦略とは、このようなものではないでしょうか?」と、僕なりに考えて書いたものです。気が向いたら、ぜひ読んでいただければと思います。
理論はなくても論理はある
つまり、自然環境のような「理論」はありませんが、商売が拠って立つ「論理」はあるということです。セオリーはありませんが、ロジックはあります。僕は、ロジックを考えることを仕事にしています。
現象は変わる、論理は変わらない
「論理はそう簡単には変わらない」ということは、論理を持つことの最大の恩恵だと僕は思っています。
タイムマシン経営
少し前に思うことがあり、『逆・タイムマシン経営論』という本を書きました。「タイムマシン経営」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? これは昔、孫正義氏がよく言っていたものです。
未来は偏在している
「もう未来は実現している」という前提があります。すでにどこかに未来はあるということです。
例えば、シリコンバレーに行けば最先端のテクノロジーが動いています。それを日本に持ってきたら、時間的なアービトラージが取れてよいのではないかということです。このような考え方を、孫正義氏は「タイムマシン経営」と呼んで実践していたそうです。
タイムマシン経営の論理を反転させる
僕が考えたのは、「その逆を行ったらどうなるだろう?」ということです。過去は現在に至るまで連面と積み重なっています。
例えば、メディアからありとあらゆる情報が連日発信されています。今だと、「今こそ激動期!」「ポストコロナのニューノーマル!」「DXに乗り遅れるな!」「ジョブ型採用で働き方改革!」という話を目にするのではないでしょうか?
ただし、これは今に始まった話ではありません。今でいえばDXや脱炭素のように、これまでもずっと、誰もが注目するテーマが散々発信・議論され、いろいろな人がいろいろなことを考えて判断し、実行してきました。それが歴史として積み重なっているわけです。
日経ビジネス(1969-)
僕は先ほどご紹介した本を書く時に、戦争が終わってから現在まで、近過去のさまざまな古新聞・古雑誌を読みました。特に参照したのが『日経ビジネス』という、経営者によく読まれているビジネス雑誌です。『日経ビジネス』を読んだことがある方もたくさんいらっしゃいますが、僕は1969年の創刊以来のすべての雑誌を読みました。
同時代性の罠
そこで見えてくるのは、「同時代性の罠」があるのではないかということです。つまり、DXでもCXでもSXでもいいのですが、旬の言説ほど、その同時代のステレオタイプ的な物の見方が強く入り込んでいます。それが情報の受け手である我々にもバイアスをかけ、振り返ると、事実として「みんな実に変なことをしてきたものだな」ということが見えてきます。この成り行きを「同時代性の罠」と言っています。
400万台クラブ(1998年ごろ)
典型的な例をイメージしてください。古いお話ですので、多くの方は記憶にないかもしれませんが、「400万台クラブ」という、1998年当時の自動車産業で非常にホットな議論がありました。これは、自動車産業だけではなく、ビジネス雑誌や新聞の一面に連日出ているようなテーマでした。
「これから自動車産業の競争は、グローバルでますます激しくなります。将来の技術開発への投資も加速します」と、ここまでは現在と同じことを言っていました。しかし、400万台クラブというのは、「今後は年間生産台数400万台の規模がなければ、この業界では生き残れない。400万台クラブに入れるかどうかが勝負の分かれ道だ」というお話です。
当時の『日経ビジネス』の記事には、「ホンダはアウトだ。400万台はほど遠い」と書いてありました。要するに、規模の大小に帰結するということです。「フォルクスワーゲンも安泰ではない」と言っていました。
DAIMLER CHRYSLER
これはメディアが言っていただけではありません。実際にこの業界の経営者も、次から次へと大きな決断をします。ショッキングだったのは、ダイムラーとクライスラーが、ダイムラー・クライスラーという1つの会社になったことです。これで400万台クラブ入りを確実にしたと言われています。
フォードのPAG戦略
また、当時のフォードの経営者は、ジャック・ナッサーという非常にアグレッシブな方でした。彼が打ち出したのは、「プレミア・オートモーティブ・グループ」という考え方です。それまで持っていたリンカーンに加え、プレミアムセグメントのメーカーを買収し、上のほうで台数を押さえていこうということでした。
ゼネラルモーターズの戦略
一方で、対抗するゼネラルモーターズは「これからは新興国だ」ということで、日本企業を傘下に収めました。当時の新興国はなんといっても中国です。「商業用の車両や小型車両が伸びるはずだ」ということで、いすゞ自動車やスズキをグループに取り込みました。
フォルクスワーゲンとBMWの競争
ヨーロッパでは、フォルクスワーゲンとBMWが、どちらがロールス・ロイスを買収するかで争っていました。今では信じがたいですが、両社とも非常に高額な買収価格を出し合い、とんでもない値段になっていました。結局、身動きが取れなくなって痛み分けとなり、フォルクスワーゲンがベントレーを買収し、BMWがロールス・ロイスを買収しました。
「400万台クラブ」幻想の崩壊
一方、当時の日本では日産の経営危機が深刻になっていました。当初は多くの人がダイムラー・クライスラーと一緒になると思っており、実際に日米欧三極の自動車会社が1つになる方向で調整していました。ところが、土壇場でルノーと一緒になりました。
その時に日産の経営者として送り込まれてきたのがカルロス・ゴーン氏です。当時のカルロス・ゴーン氏は「400万台クラブに入らないと話にならない」と言っていました。「ダイムラー・クライスラーが出てきて自動車業界の競争構造が一変した」と、誰もが言っていました。
そして、ダイムラー・クライスラーは10年ほどで解体され、残ったクライスラーはリーマンショックの時に破綻しました。ゼネラルモーターズも破綻し、フォードは株や会社を売却しました。そして、「もうダメだ」と言われたホンダが400万台に達したのは14年後のことです。もちろん山谷はありましたが、ホンダは現在に至るまで、独立した企業として経営を成り立たせています。
論理の不在
このような激しい動きを見ると、論理が素っ飛んでいることに気づきます。あたかも法則のように言われていましたが、根拠はありません。偶然ダイムラー・クライスラーの数字が400万台だったことが独り歩きしていた面があると思います。
因果の錯乱
もちろん、自動車業界にとって規模の経済が大切なことは言うまでもありませんが、因果関係の理解において、多くの人が錯乱していたのではないかと思います。
これは子どもでも理解できる理屈だと思いますが、競争力のある車を作ることができると、それを世界中でうまく売ることができますので、結果として台数は伸びます。つまり、台数は競争力の「原因」よりも「結果」である面が大きいと思います。
したがって、論理がなければ「成長」と「膨張」がごちゃごちゃになってしまいます。足し算で台数は増えますが、それは果たして競争力の原因になるでしょうか? そもそも弱い者同士が一緒になって強くなれるのでしょうか? PMIの問題もありますし、このような激しい動きを今から振り返ると、つくづく「同時代性の罠」だと思います。
「同時代性の罠」を回避する
ウォーレン・バフェット氏は投資の世界の方ですが、「潮が引いた後でだれが裸で泳いでいたかが分かる」と、非常に良いことを言いました。これはまったくそのとおりだと思います。
みなさまは未来が気になると思いますが、たまに過去を遡ると本質が見えてきます。時間の経過のおかげでデトックスされ、本質がむき出しになるため、嫌でもわかります。つまり、潮が引いた後で、本物と偽物の見分けがつくということです。
「本質」とは何か
よく「本質を見よう」と言いますが、本質とは何でしょうか? どのような意味で本質とおっしゃっていますか? 辞書的には「物事の基底にある性質」「そのものの本来の姿」という意味ですが、僕が考える本質の本質は「そう簡単には変わらないもの」です。これこそが生涯を支える本質だと思います。
「去年今年貫く棒の如きもの」という高浜虚子の有名な俳句がありますが、この「貫く棒の如きもの」というのが本質ではないかと思います。
変化の逆説
僕は「変化の逆説」と呼んでいるのですが、近過去の歴史を見るだけでも本当に変化の連続です。ただし、変化を追いかけることによって初めて、その中でも一貫して変わらないものが見えてきます。これこそが一番大切なことではないかと思います。
新聞雑誌は10年寝かせて読め
したがって、「新聞雑誌は10年寝かせて読みましょう」というのが『逆・タイムマシン経営論』のメッセージです。
このようなことを言うと怒られてしまうと思いますが、『日経ビジネス』の最新号を読んでもあまりおもしろくありません。10年くらい置いておくと少しおもしろくなります。20年くらい寝かせておくと、とてもおもしろいです。どこを読んでも勉強になります。それは変わらない本質を教えてくれるからです。
揺らぐ「日本的経営」
例えば、「日本的経営が崩壊しつつある」というお話は、みなさまもよく聞くと思います。そこでジョブ型雇用などのホットなトピックが出てきます。
「揺らぐ『日本的経営』」というこの記事も『日経ビジネス』からの引用ですが、こちらは実は47年前のものです。当時からすでに「揺らぐ『日本的経営』」「日本的経営は崩壊する」と言っていました。
半世紀にわたって崩壊を続ける「日本的経営」
ということは、この半世紀にわたって日本的経営は崩壊し続けてきたのでしょうか? いまだに「崩壊する」と言っているということは、まだ崩壊しきっていないのでしょうか? 「『日本的経営』はどれだけ盤石なのだろう」とも思うのですが、それもこれも「日本的経営」などというフワフワした主語を使って何を議論しても、まったく無意味だということです。「もう少し考えましょう」と思います。
戦前の「日本的経営」
日本的経営とは何かというと、「年功序列や終身雇用ではないか」と言う人がいます。また、それがなぜ日本で定着したかというと、「農耕民族だから」や「日本の文化だから」と言う人がいます。
しかし、少し過去に遡ると、これがいかに変な話であるかがよくわかります。戦争のリスクが出てくる昭和8年頃より前や大正時代で、比較的経済が安定していた頃、日本の財界人たちは、今も昔も最大の経済大国であるアメリカで「学べ」と言っていました。
昭和5年頃をイメージしてください。なぜアメリカに学ぶべきなのかというと、アメリカでは、大きな会社が事実上の終身雇用、長期雇用で人を雇い、まるで大きな家族のようになっていました。技能が蓄積され、ものづくり大国になっていたということです。イメージしているのは、デトロイトの自動車産業です。
一方、日本は当時でいう「日本的経営」を行っていましたが、労働資本の流動性が高すぎて「少し金払いがいいと、みんなすぐそちらに行ってしまう」という状態でした。基本的には金融資本が財閥を形成していたため、産業ではなく金融の論理ですべて動いていました。
M&Aばかり行っており、「こんなことをしていたら、いつまで経っても日本はダメだ」「だからアメリカのように大企業を作らなければいけない」と言っていました。今と言っていることが逆です。
100年続かないものは「日本に固有の文化」ではない
僕は、100年続かないものは日本の文化とは言えないと思います。単にその時々で状況に適応してそうなっているだけ、ということだと思います。
「いまこそ激動期!」
また、コロナ禍による騒動が3年ほど続いていますが、このような状況になると「いまこそ激動期!」と言いたくて仕方がない方がたくさん出てきます。これを学術的専門用語で「激動期おじさん」と言っているのですが、「戦後最大の危機」などと言うだけで気持ちいいらしいのです。
僕が創刊号以来の『日経ビジネス』を読んでわかったのは、今回のコロナ騒動は戦後23回目の「戦後最大の危機」であり、12回目の「100年に一度の危機」です。また、コロナ禍が始まってから2年が経つと、早くも戦後24回目の「戦後最大の危機」であるウクライナ侵攻も起きます。
なぜ、このようなことが言われるかというと、人間の世の中だからです。利害を抱えている人が限られた時空間にこんなにもたくさん住んでいます。それは揉めるわけです。ある一定の条件でパンデミックも起きると思います。
つまり、人間の世の中である以上、安定しないのです。変わっていくものなのです。もし、人間社会が長期的に安定するような事態になれば、それこそ激動期だと思います。それこそ戦後最大の危機ではないかと思います。
したがって、『日経ビジネス』ひとつとっても、「いまこそ平常期!」という特集記事は過去に一度もありません。常に毎月、毎週、「いまこそ激動期!」と言っています。激動というのは、論理的には連続しません。つまり、それが普通の状態だということです。
激動期おじさんに「どうする?!」と聞くと、「判断が難しい……」と言います。「その難しい判断をするために、そこにいるのに」と思うのですが、単に変化する現象を追いかけているだけで目が回ってしまうのです。なんら有効なデシジョンが打てません。
僕が『日経ビジネス』を読んで感動したのは、この雑誌では毎年産業革命が起きているということです。滅多に起きないことを革命と言うと思いますが、なぜか第4次産業革命が始まったというのです。
また、この10年くらいでは、ソフトウェアのバージョンのアナロジーで「商社3.0」という言い方が好きな人がいます。フェーズが変わり、すべて新しい時代に突入したことをニュアンスとして表現する「3.0」は便利な言い方です。僕はそのようなことを言っている人を見たら、「それは2.0と本質的に何が違うのですか?」と、必ず問うようにしているのですが、今まで納得のいく答えを得たことは一度もありません。
このような話は、高校の野球部員が「目指せ、甲子園」と言っているのと同じだと思います。つまり、かけ声です。それは悪いことではありません。言っているほうは気持ちがいいと思います。しかし、かけ声をかけていれば甲子園に行けるかというと、そうではありません。
ソサエティー5.0
その極が「ソサエティー5.0」です。聞いたことがある方はいらっしゃいますか? 一応、日本の政策の1つです。5.0とは何かと気になったので調べてみたのですが、かなり古いところから話が始まっており、1.0が狩猟社会、2.0が農耕社会、3.0が工業社会と来て、4.0で情報社会に突入しています。「ということは、果たして5.0は何か」と大変気になりました。
ところが、僕は腰を抜かしました。5.0は「新しい社会」だそうです。「まさに革命的に生産性を押し上げる新しい社会である」ということだそうです。大の大人が政府に集まり、このようなことを言っているのですが、みなさまどう思いますか? 新しい資本主義とは何なのでしょうか?
経営の根幹にある不変の論理
これは純度100パーセント、まじりっけなしのかけ声です。かけ声をかけるよりも、変わらない論理を持つことが大切だと思います。非常に変化が激しく、また、変化しているからこそ成立する投資をしている方ほど、不変の論理が必要だと思うのです。
戦略のゴールは?
今日、僕がお伝えしたい不変の論理は、何がゴールなのかということです。みなさんが今、経営者だとした場合、利益やシェア、成長、顧客満足、従業員満足、企業価値、社会貢献、どれもすべて大切だと思いますが、どれが一番大切ですか?
「カネか名声か権力か女(男)」という話は昔からありますが、ご自身にとってどれが一番大切ですか? あえてこの4つの中から一番大切なものを選んで、正直に、1人1回、必ず手を挙げてください。
「カネ」だという方はいらっしゃいますでしょうか? さすがマネックスのフォーラムです。もうこれで8割です。
「名声」だという方はいらっしゃいますでしょうか? 「権力」だという方はいらっしゃいますでしょうか? 「女(男)」だという方はいらっしゃいますでしょうか?
うかがっておいて言うのもなんですが、これは愚問かと思います。なぜ愚問かということをご説明したいのですが、圧倒的に多かった「カネ」に手を挙げた方、もう一度手を挙げてください。
今、手を挙げている方がこの問いを聞いた瞬間、間違いなく考えたのは「カネがあれば女(男)が寄ってくる」ということだと思います。カネがあれば権力が手に入るかもしれません。または名声があれば、女(男)が寄ってきます。もしかしたら、カネも手に入るかもしれません。
つまり、論理的につながっているものを切り離してどれが一番かと聞くのが、愚問の典型です。利益やシェア、成長、顧客満足などの中でどれが一番かという質問は、もっと愚問です。これはものすごい勢いでつながっているからです。
長期利益「長いこと儲け続けるためには……」
この大切なことの間にあるつながりを常識で考えると、自ずと「長期利益」がゴールだということになります。「経営のゴールは長期利益の創造である」ということが、僕の考える不変の論理です。
顧客を騙して儲けたり、従業員を泣かせて儲けたりなど、一瞬だけ儲けるということであれば話は違いますが、これは長続きしません。「どうすれば長期で儲かるか?」ということが、経営におけるあらゆる意思決定の基準になっているべきだ、というのが僕の考えです。
長期利益=顧客満足
少しつながりを振り返っておきたいのですが、みなさまが投資している企業は、多くが普通の競争にさらされていると思います。一番正直な顧客満足の指標は、長期利益だということです。まったく儲かっていないのに顧客が満足しているというのは、どこかに嘘があります。
もちろん、従業員を幸せにすることも大切ですが、儲かる商売があるからこそ、雇用を作って守り、給料を払うことができます。
みなさまのような投資家・株主は、企業の重要なステークホルダーですが、順番としては、儲かる商売があって儲け続けていれば、「やめてくれ」と言っても資本市場で評価されて株価が上がり、時価総額も上がります。配当も株主に対する重要な利益貢献ですが、これも利益処分の一形態ですので、儲かっていないと話になりません。
「レバレッジを効かせてROEを上げる」?
言うまでもなく、エクイティの上にリターンが乗っているということです。自己資本分の儲けです。「レバレッジをかける」とは、分母に他人資本を入れる、つまり借金をするということです。当然みなさまのような投資家の視点からすると、レバレッジをかけるのは悪くない話かと思います。
仮に「10」の自己資本を回して「1」の儲けが出る商売をしている場合、そこにもう「10」の資本を持ってくると、利益率が同じであれば、儲けは「2」になります。ただ、ROEは常に分母の自己資本しか見ないため、レバレッジをかければROEが上がります。
投資家からすれば、エクイティに対してどのくらいリターンが発生するのかを気にするのは当然です。したがって、特に上場している企業である以上、「ROEを気にするな」というのは、ヘビに「クネクネするな」と言うのと同じようなものです。これは非常に重要です。
僕は特定の事業の収益性を評価する時は基本的にROICを見ますが、ROEだけでなく、どの指標でもよいです。この中で1つだけある共通点は、分子はすべてリターン(儲け)だということです。
ウイスキーの「山崎」のように、もともとのウイスキーがおいしければ、水でもソーダでもロックでも、もちろんストレートでもおいしいです。
企業ができる最大の社会貢献は何か?
特に最近、「企業ができる最大の社会貢献は何か?」という話が非常に重要なテーマとなっていますが、答えは同じです。僕は「儲ければ社会貢献できる」「企業の社会貢献は法人所得税の支払い」であるということこそが、株式会社ができる最大の社会貢献であり、あとはすべておまけだと思っています。
トヨタがすごいのは、トヨタ5発で国防が可能だということです。毎年1兆円は払っていただきますので、僕は「バンバン稼いでバンバン納税する」ことが王道だと思います。
行政府やNPO、NGOは違いますが、企業経営に限定して言えば、長期利益を出すことです。ワクチンを1回打つのにもコストがかかりますので、その原資を作るということが、企業の役割だと思います。
税金を取るほうからもお話しすると、基本は「法人所得税」「個人の所得税」「消費税(資産課税)」の3つです。日本は今、どの税収が一番大きいでしょうか? 正解は消費税です。これは何を意味するのでしょうか?
日本は、成熟した国の割には驚異的に消費税率が低く、いまだに10パーセントです。にもかかわらず、消費税の割合が一番大きいということは、稼ぎが足りないということです。個々の経済主体が稼げないため、日々の取引の上前をはねるしかなくなってきています。つまり、企業経営へのメッセージは「もっと稼いでください」ということです。
ファーストリテイリングの年度方針
そのため、僕はファーストリテイリングの柳井正氏の「儲ける」という年度方針は正しいと思います。一言だけですので、新年の方針説明が5秒で終わります。
松下幸之助の基本方針(1965)
昭和の経営の神様である松下幸之助氏も、いろいろと考えた結果、結局「儲ける」というところにたどり着いています。これこそが原理原則ということです。
3つの市場、3つの評価の場
つまり、僕は競争戦略という分野で長期利益に着目しています。みなさまも関心がある株価も非常に大切なことですが、これは結果です。
利益の定義
利益とは何なのかについてご説明します。僕が専門とする分野ではよく出てくるのですが、WTPとは「willingness to pay」の略で、お客さまが支払いたい水準のことです。つまり、こちらからすると売上です。
なぜ売上が立つかというと、競争の中でお客さまが価値を感じて「willingness to pay」が発生するからです。その競争を勝ち取るには、当然コストがかかります。プロフィットというのはWTPからコストを差し引いた残りとなります。
競争優位
つまり、がんばってWTPを発生させ、かかるコストと儲けのギャップを大きくしようという話です。勝ちパターンとしては、「お客さまはそんなに余計に払ってくれないから競争価格でやる」「何かの理由でうちはコストが安いです」という、信越化学工業のようなパターンがあります。また、「まあまあコストはかかっていますが、お客さまがより払いたくなるんです」という、スターバックスのようなパターンもあります。
ようするに3つのどれかしかない
いずれにせよ、WTPが増えるか、コストが減るか、その両方かしかありません。話は非常にシンプルです。
シンプルに考える
僕は、経営者の方々に「とにかくシンプルに考えてください」といつも言っています。他のいろいろな活動と比べた時、長期利益という勝利条件が非常に明確であることは、商売ごとにおいて圧倒的によいところだと思っています。
みなさまの中で、家庭がうまくいっている方はいますでしょうか? 論理的に言えば、家庭の経営のほうが商売より難しいです。なぜかというと、「幸せってなんだろう?」という話になると、いつまで経っても夫婦で折り合いがつかない恐れがあるからです。幸せは多元的な概念だということです。
僕は岸田総理が行うことには感心しませんが、少し気の毒だとは思います。なぜかというと、政治も多元的な世界だからです。自民党と共産党は、どれだけ話し合ってもわかり合えないと思います。「何がいい状態か」という考え方がそもそも違うからです。
それに比べて、会社の中で「『こうやったらもっと儲かると思います』という話を持ってくるのはやめてくれ」という人はいません。僕はこれが圧倒的にやりやすいところだと思っています。逆にいえば、余計なことを考えるところから、経営はだんだん劣化していくと思います。
渋沢栄一『論語と算盤』
例えば、ESGが大切なのは当たり前です。渋沢栄一氏も、著書『論語と算盤』で「バランスを取れ」などとは言っていません。『論語と算盤』をバランス論だと思っている人は、絶対に渋沢さんの本を読んでいないと思います。彼は「道徳的な商売がいちばん儲かる」と言っています。
「算盤が暴走してしまうから、道徳でブレーキをかけなきゃいけない」という話ではありません。「算盤だけのヤツは欲がない」と言っているのです。「本当に長期的にガッツリ儲けようと思ったら、道徳的な商売がいちばん儲かる」ということです。
長期利益=ESG
僕はまったくそのとおりだと思います。なぜなら、企業は社会的な存在だからです。「E(Environment)」がダメだといずれ顧客に選ばれなくなります。「S(Social)」がダメだといずれ働き手に選ばれなくなります。「G(Governance)」がダメだといずれ株主に選ばれなくなります。これでは儲かりません。経営者が本当に長期利益を追求するならば、その途中で必然的にESGの条件を満足させることになると思います。もはやESG、CSV、サステナビリティは競争市場での実需です。
ダノン前CEO エマニュエル・ファーベル氏(在任2014-2021)
一昨年の印象的だったニュースについてお話しします。ダノンといえば、ヨーロッパの中でもとりわけESG、SDGs、サステナビリティの手本になるような先進的な経営をしている会社だと評判です。
CEOのエマニュエル・ファベール氏は、一発で解任されています。なぜかというと、商売がパッとしないからです。NPOであればよいと思いますが、企業経営者であればダメだと思います。
僕は競馬を見るのが好きなのですが、ダノンファンタジーという競走馬がいます。エマニュエル・ファベール氏の経営は、ファンタジーだったのではないかと思います。彼はダノンを解任された後、すぐにISSBの議長になっているのですが、そちらのほうがいい顔をしています。水を得た魚です。ISSBのほうで思いっきり活躍してほしいと思います。
やはり経営はダノンプレミアムです。常にプレミアムの利益を追求するものであり、それによってよいことが起きます。
SDGs
みなさま、SDGsをどう思いますか? 17個の目標がありますが、誰も反対しないと思います。これに反対する人がいたら反社会勢力です。しかし、僕は経営者であるにもかかわらず、SDGsのバッジを襟につけてうれしそうにしている方には「みっともないから外せ」と言っています。僕は丸の内でSDGsバッジ剥奪運動をしています。
なぜかというと、1番目の目標が「貧困をなくそう」だからです。「こんなことを言う前に早く自身の会社の従業員の給料を上げてくれ」という話です。「そのためにもっと儲かる商売を作ってください。それができないのに、どうやってアフリカの貧困を解消するのか」ということです。
行政の方やNPOの方、政治家などがSDGsバッジをつけるのはいいですが、経営者は外すべきだと思っています。「どうしてもつけたい」という方がいたら、中央に「長期利益」と書いてある、長期利益バッジを僕が作って売ろうと思います。長期利益が実現できて初めて、SDGsのいろいろな目標が達成できるという順番です。僕はこれが本質的な論理だと思っています。
競争戦略の基本論理
結局、競争戦略の基本論理は「競合他社との違いをつくる」ということです。高度成長期の主役は大型帆船でした。なぜかというと、追い風が吹いているため、高いマストを上げて大きな帆で追い風を受けて進んでいくほうがよいからです。ただし、みんなが同じ方向に進んでおり、個別企業を評価する意味はあまりありませんでした。
しかし、今や成熟して久しいため、「日本的経営」「日本企業の競争力」といった集合名詞を使って議論している場合ではないと思います。
今や追い風は吹きませんので、中にエンジンを積んでいるクルーザーが主役になります。一番大切なのは、キャプテンがどこに進んでいくかを決めているということであり、その結果として、みんなが違った方向に行きます。
競争と戦略の原点に立ち戻る
したがって、僕が今こそ経営者に言いたいのは、原点に立ち返るべきだということです。
僕には好きな話があります。本田宗一郎氏が現役のころの話です。ご存じのように、ホンダはもともと二輪の会社であり、本田宗一郎氏が50歳を過ぎるころになってようやく、他の会社よりもかなり遅れて四輪の事業に入りました。
もちろんその時は、トヨタはホンダよりもずっと大きな会社でした。ホンダのエンジニアの方々は、車を設計・開発する際、「どうやってトヨタに対抗しようか」「どうやったらトヨタに勝てるのか」「こうやったらいいのではないか」「ああやったらいいのではないか」などと、会社の中で散々議論しました。
それを横で聞いていた本田宗一郎氏は、最後に一言だけ「それ、トヨタにやってもらったほうがいいんじゃないか?」と言ったそうです。これが戦略の本質だと思います。その結果、その会議の内容はご破算になり、ホンダはホンダらしい車を作ったそうです。
すべては時間軸の取り方に帰結する
本日はいろいろなことをお話ししましたが、すべては時間軸の取り方に帰結すると思っています。つまり、ネオリアリズムが必要です。
短期リアリズムではどうしてもトレードオフになる
ネオリアリズムという競走馬がいたというお話をしたかっただけなのですが、昔から投資の世界にはリアリズムの方が多くいます。「慈善事業じゃないんだぞ」という言葉が好きな方や「背に腹は代えられないだろ」と言う方はリアリズムです。しかし、これは短期です。
ステークホルダーは必ず対立関係になります。経営者は経営の自由度を持ちたいと思っており、投資家は「自社株を買え」「レバレッジをかけろ」「配当をよこせ」などと言います。このようなタイプのアクティビズムは揉めると思います。利益を出したいと思う経営者と、給料を払ってほしいと思う従業員という関係も揉めます。しかし、これは時間軸の取り方が短いだけです。
長期ネオリアリズムでは自然にトレードオンになる
ネオリアリズムとは、長期のリアリズムです。これならば、ごく自然にトレードオフが解け、トレードオンになります。経営者が儲かる商売をすれば、労働分配は結果的に増えますし、企業価値も配当も長期的に増えるため、悪くないはずです。
特に投資がそうかもしれませんが、人間の社会は放っておくとどんどん短期へと流れていきます。どうしても次の四半期決算の数字が気になるものです。その中で誰が本来の長期視点を取り戻し、ネオリアリズムを回復するのかというところにリーダーシップがあると思います。
株主はネオリアリズムの回復に貢献しうる
僕は松本大氏のアクティビズムにそれを期待しています。なぜかというと、長期エンゲージメントという意味でのアクティビズムは、ネオリアリズムとまったく対立関係にはなく、むしろ回復に貢献し得るからです。
ターゲット株主
ただし、経営者に対するメッセージがあります。投資家全員が経営者と互恵的な関係になれるわけではありません。経営者はターゲット株主をしっかりと持つべきだと思います。
商売では普通、競争市場でターゲット顧客を持ちますが、もちろん誰でもその製品やサービスを買うことができます。株式も同じように、上場を公開していれば誰でも買うことができます。そのような意味では、株主は選べません。しかし、経営としてどこをターゲットにするかは選べるはずです。
対話すべきは長期エンゲージメント株主
僕は、経営者が対話すべきターゲットは、長期エンゲージメント株主だと思います。短期で売買を繰り返す人は、どちらかというと短期リアリズムです。パッシブ投資は、そもそも個別の企業の経営に対して関心を持たないところに意味があるため合理的ですが、経営者に対する規律にはなりません。長期厳選株主こそが、経営者にとってとてもいい相棒だと思います。
経営者と長期エンゲージメント株主の補完性
これにはいくつかの理由があります。1つは、投資家ならではの岡目八目です。会社の経営者は、どうしても自分の会社に視点が集中してしまいますので、いろいろなことを知っている優れた長期エンゲージメント投資家は、その意味で補完性があります。
2つ目は、短期志向のアクティビズムからの「守り」です。今は当然、短期的なアクティビズムがターゲットにされています。日本の会社を見てください。突っ込みどころが満載です。僕はそのような意味でも、経営者は長期エンゲージメント投資家と対話したほうがいいと思います。
まず、経営者は投資家の心理をよく理解しなければいけません。男同士で集まって、どうすれば女性にモテるのかを延々と話しているよりも、女の人に「どうやったらモテるんですか?」と聞いたほうが話は早いと思います。
3つ目は、先ほどお話ししたように、短期の誘惑を断ち切り、長期視点を回復することが、投資家による長期のエンゲージメントとして意味があると思います。なぜかというと、長期エンゲージメント投資家はその性質上、絶対に長期視点からは逃れられないからです。
彼らは長期で構えないと儲からない仕事をしています。彼らがよって立つ論理は「複利」です。したがって、彼らは必然的に長い時間軸で考えます。これは、倫理や道徳のためではありません。そのほうが彼らにとって得になるからです。そのような意味で、長期エンゲージメント株主は経営者にとって非常によい補完性を持っていると思います。
セブン&アイ・ホールディングス
例えば、セブン&アイ・ホールディングスは、ようやくそごう・西武を売却する意思決定をしました。これには、バリューアクトという長期でエンゲージメントをかける株主の提案が間違いなくあったはずです。その前から、会社の中で「どうする?」という議論にはなっていたと思いますが、長期エンゲージメント投資家が背中を押したわけです。僕は、売却するほうが長期利益の点ではいいと思います。
ソニーグループ
この度、ソニーグループでは吉田憲一郎氏が会長に選任されることになりました。振り返ってみれば、今のソニーグループがパフォーマンスの出る会社になっているのは、やはり吉田憲一郎氏がアクティブな株主と会話をしてきたことで、ソニーグループの経営を鍛えたからです。
経営に対する3つの規律
要するに、長期利益はもちろん大切ですが、働きがいと株価も重要な規律です。人手不足は最高です。ついに経営に対して、労働市場からも規律がかかるようになっています。みなさまは経営に対して規律を与えられる人なのです。
僕も含めて、人間は基本ダメですので、規律がないとパフォーマンスが下がります。パフォーマンスを維持するという役割がみなさまにあります。しかも長期で考えれば、みんながハッピーになれます。そのような役割をご自身が担っているということを忘れないでいただきたいと思います。
手前勝手な話を聞いていただき、誠にありがとうございました。みなさまの健康と世界の平和をお祈りしています。