クレジットカード事業について
堀井啓太氏(以下、堀井):それではほかにご質問のある方。
質問者5:みずほ証券タカハシです。2点お願いしたいんですが、決済プラットフォームということで、クレジットカードに対する考え方なんですけれども。今おそらく百数十万枚くらいクレジットカードがあるのかなと思うのですが。とはいえ、それほど積極的に取り組まれていないないのかなとも正直感じています。
ただauユーザーのなかには毎月クレジットカードで支払っているユーザーも相当数いるんじゃないかなと。そういった場合、その手数料というのがおそらく社外流出してるんじゃないかなと思いますが、その部分を内部に取り込むことをふくめて、クレジットカードのビジネスをどこかのタイミングで加速されるお考えがあるのかどうか。この1点をお願いします。
田中孝司氏(以下、田中):まず数字ですけど、クレジットカードは今160万枚で、プリペが1,730万枚というのが1クオーター末の数字です。それで、一生懸命やっていないように見えてるかもしれないんですけれども、それなりに一生懸命やっているつもりなんです(笑)。
そこはコレクションしていただいて、これはイネーブラーというふうに位置付けてまして、まず数を増やしていく、さらにクレジットカードですので、みなさん複数枚所持されているんですけど、そのメインカード化を進めるということで、先ほど少し(au)でんきの話をさせていただきました。
メインカードになると利用額が格段に増えるというような、数字を見て取れています。そのうえでこういったトランザクションをビックデータに入れて、あとはサービス化しなきゃいけないところを、ステップバイステップでやっていこうと思っております。
それなりに一生懸命やっているということなんですけど、髙橋さんどうですか?(笑)。一生懸命やってないっていうご指摘でしたので。
髙橋誠氏(以下、髙橋):あの、すみません。一生懸命やっています。でももともとクレジットカードってじぶん銀行の一部としてやっていたんですけれども、その連結子会社に移行して、KFS(KDDIフィナンシャルサービス株式会社)として今やっているわけですよね。
先ほど説明していただいたように、通信料金にもう1つの公共料金を加えると、解約率も下がって、なおかつメインカード化するというのは本当に実現できそうで、これとのWALLETのプリペイドカードも非常に親和性がよくなってきている。これはかなり気合を入れてやっていくことになると思ってますし、それはau経済圏の拡大にもつながると確信しております。
過度な期待はされないように
質問者5:すみません、見方を改めます。2点目なんですけど、ちょうど15時過ぎに公取(公正取引委員会)からリリースが出てまして、先日新聞報道があった内容だったんですが、リリースを見ていると直接影響しそうなのが割賦販売のところで、独禁法上問題だという書き方になっていましたので、今後なんらかの対策をする必要があるのかなと思うんですが、そのあたりのお考えを教えていただきたいと思います。
田中:今日の15時過ぎに公取からプレスリリースが出てましたので、まだ詳細に分析をしておりませんけれども、割賦販売につきましては、1種類を指定するとそれは問題でございますけれども、我々は店舗に「この価格で売ってください」と指定したことはございませんし、割賦につきましても複数指定できるようになってますので、公取さんがおっしゃるようなことは問題ないんじゃないかなと認識しております。
質問者6:モルガンスタンレーのツサカです。よろしくお願いします。全体の決算の内容と計画の不整合というか、そのへんを教えていただきたいんですけれども。まず単純に、今の2,750億円が出て、あとの3クオーター全部前年比と横ばいだと、ちょうど計画ぐらいに着地するので、そんなことはないだろうということなんですけれども。
通常であれば、第3クオーターで着地が見えてくるというので見直すんですけれども、今回はあまりにもずれすぎているような気がするんですけれども、そうなるとまず中間で状況を見てやるということはあるのかないのか、ということですね。まずそれをちょっと教えてください。
田中:まだ1クオーターですから(笑)。それから先ほどご説明したau STARというのが実質的に下期から始まってきますので、これの費用がそれなりにかかってきますので、下期のコスト増要素にそれが出てきます。
コンサバティブな計画であることは十分理解しておりますので、ちょっともう少し進捗を見てから考えていきたいと。あまり過度な期待をされないように。
質問者6:わかりました。では、あまり過度な期待はしないようにします。次に、モバイルのARPUがいいというのもわかるんですけど、モバイルのサービスの収入のイヤーオンイヤーの増額を見てると、150億くらいでずーっと推移していて、けっこう巡航速度で心地よい感はあるんですけど、一方で加速感もないし、減速感もないんですけれども。
ここは条件が揃えば加速感が出るようになるのか、もしくは気を緩めると減速していくことになるのか、今年は奨励金の問題もあって利益が上がるというのは全社そうだと思うんですけど、来年以降を見据えて、ここを現状どのようにとらえていらっしゃるのかと。
田中:まあID×ARPAが我々のビジネスの基本だと思っています。IDについてはリテンションをきかして、ARPAのほうについては、オーガニックに伸びてきていますし、我々の予想よりもよく決算してしまいましたけれども。
先ほどの1.42という数字もありましたように、まだまだマルチデバイスの世界というのは伸びてくると思います。その次のフェーズはなにかと言いますと、通信ARPAという見方をしていましたけれども、もっと総合ARPAを見ていかなきゃいけない時期がくるかと思います。
そういうことで、ビジネスモデルは変わりませんけれども、その内容というのは市場の変化に合わせて年々変わっていくというようにオペレーションしてますので、まあいいんじゃないのと。うまくオペレーションできてますし、今はそんなに心配するようなことも起こっていませんし、MVNOにつきましてもそれなりに対応できてますので。そんな感じです。
UQモバイルの営業戦略
質問者6:最後にUQモバイル、御社のグループのMVNOについておうかがいしたいんですけど。iPhoneが選べて6GBのプランが出て、デバイスもふくめると、まあ相当お得な値段になっていると思うんですね。2つありまして、1つ目はなぜあそこまで踏み込んだ値段を……競合を見ればもうちょっと高くしてもよかったんじゃないかと思うんですが、ちょっとものすごい踏み込み方をされたなという印象がありまして。
もう1つは、ほかのMVNOさんとお話をさせていただいていると、ちょっと相当不満があるというか、グループMVNOを優遇しすぎではないかと。フェアにトリートされてないんじゃないかという不満も相当聞こえてくるんですけど。そこはまず問題ないのでしょうかというところをお答えいただければと思います。
田中:具体的なUQモバイルの営業戦略についてはUQ側で決めておりますので、なぜというふうには……。直接聞いた話だけお話ししますと、MVNO市場において、我々のネットワークっていうのはいわゆるCDMAキャンプにいます。端末が揃ってないということがあって、なかなかこの市場には積極的にマーケティングできなかった。
ところが、端末も複数種類出たっていうふうに聞いておりますし、もう1つはiPhoneなんとかというのも発売するというタイミングが来ましたんで、とくにUQモバイルが弱い、認知ができておりませんので、認知を含めて垂直立ち上げのようなマーケティング手法をとったというふうには聞いております。
そういう意味で、なんとなく開店セールっぽいような料金の値付けだというふうには僕らは見てますけれども、それは問題ないのかっていうことですけれども、これは当然ほかのMVNOさんと一緒のような決まった料金をやってますし、その分UQは赤字が先行することになりますけれども、不公正なことがあるかっていうとそれはないということです。
やはりMVNOのなかで、いわゆるauネットワークを使っているキャンプは、ほとんどドコモさんの回線でございますし、ソフトバンクさんがセカンドプランとかやられている。レイトカマーがどういう戦略をとるかっていうとまず認知だというと、非常にリーズナブルな戦略だっていうふうに思っております。
で、料金のキャンペーンですから。そんなふうに見ております。
質問者6:ありがとうございました。
堀井:それではお時間が近づいてまいりましたので、あとお一方のご質問とさせていただけばと思います。
付加価値ARPAはスマートパス、au WALLETTが伸びしろ
質問者7:SMBC日興証券のキクチです。簡単に3点お願いしたいんですけれども、ファーストクオーターの増益要因として一番大きなパーソナルの通信収入以外のその他のところなんですが、先ほどコミッション削減で年間260億円あると。その一部がメインなのかなと思うんですが、この260億円の内訳をもう少し教えていただけるとありがたいなというのが1点目で、それが第2四半期以降は若干同じような増益がやっぱり続くと思いますけれども、そういう考えでいいのかというのを教えてください。
田中:260億円の内訳を端的に申し上げますと、端末販売粗利がプラス119億、これが固定通信も入ってますから、これが33億、で、残り105億という構造です。
ですから最初に申し上げた点というのはこの119億ということです。
質問者7:その他の105億というのはいろんなものが入っている?
田中:そうですね。やっぱりパーソナル、いろんなことがありますから。すみません。開示できるのはそのレベルまでです。
質問者7:わかりました。2点目がですね、付加価値ARPAなんですが、去年と比べると伸びていて、たぶん第4四半期っていろんな季節要因がありますので、少し下がっていてもとくに問題ないと思うんですけれども、これから通期500円に向けた伸びしろってどこらへんの分野で伸びていっているのかと。
これからどういう付加価値ARPAの内訳で伸びしろが期待できるのかっていうのを教えてください。
田中:付加価値ARPAの伸びしろ。
髙橋:今お話あったように、第4クオーターから第1クオーターについては今回10円落ちてるんですけど、実は前の期を考えてみると第1で30円ぐらい落ちているので、第4クオーターは今のお話もあったとおり、年度末はセールとかいろいろやりますんで、その影響だと思っていただいてけっこうだと思います。
年度末の付加価値ARPAを一応500円にセットアップしてるんですけど、これについてオントラックでいっていると思っていただいてけっこうです。
それで、プラス要因は、伸びしろのところは1つはスマートパス。で、我々スマートパスについては開示の通り順調に伸びていっているのと、かなり解約率も低いので、いいステップになってると思います。解約率も1パーセント切っている状況なので、よりお客さんに楽しんでいただけるサービスにしていけばいいと思いますし、あとはau WALLETTとau WALLETマーケット、このあたりが伸びしろですね。
マイナス分はたぶんフィーチャーフォンのほうがマイナスのほうに効いてくるのかもしれませんけど、基本的には500円に対してオントラックと思っていただいてけっこうかと思います。
質問者7:わかりました。ありがとうございます。3点目、設備投資なんですが、今期計画に対する進捗はちょっと遅くて、とくにモバイルが遅い感じがするんですが、通期の見通しというのは、まあオントラックというご回答なのかもしれないですけれども、いつのクオーターあたりが加速度的に増えてくるのかということと、今のそもそものこの水準というのは、高い水準なのかと。年間でですね。
来期、再来期を見た場合というのは、設備投資期間が終われば下がっていくのか。あるいは今の投資規模が居心地がいいというか、御社のネットワークを維持するにはこれくらいの設備投資が年間これからも必要だと考えたほうがよろしいでしょうか。
田中:じゃあ内田のほうからお答えいたします。
内田義昭氏:お答えします。ちょっと、進捗は確かに悪いです。当初予定よりは、第1クオーターだと8割ぐらいの進捗でして、いろいろ原因はあるんですけど、下期ぐらいから上がってきて、なんとか予定通りいく予定です。
で、投資の規模はだいたいこのような感じで進むんじゃないかなと。これより上がることはないかなと思っています。
以上です。
質問者7:ありがとうございました。
堀井:それではお時間となりましたので、これにてKDDI、2017年3月期、第1四半期決算説明会を終了いたします。本日はご出席いただきましてありがとうございました。