2016年第3四半期実績

川崎博也氏(以下、川崎):みなさん、こんばんは。代表取締役会長兼社長の川崎でございます。本日はお忙しいなか、またこのような遅い時間にIR説明会に多数お集まりいただき、誠にありがとうございます。

当社は、本日第3四半期の決算ならびに通期の業績見通しについて公表いたしました。建設機械事業におきまして、多額の貸倒引当金を追加計上したことなどから、今期3度目の業績下方修正を報告することとなりました。

本日は、お集まりいただきました機関投資家のみなさまや、アナリストのみなさまへ私から直接ご説明させていただきます。まず、第3四半期の業績でございます。4ページをご覧ください。

売上高は、前年同期と比べまして、1,363億円減収の1兆2,171億円。経常損益は590億円減益の260億円の損失。親会社株主に帰属する四半期純利損益は、226億円悪化の、364億円の損失となりました。

第3四半期セグメント別経常損益

セグメント別の経常損益につきましては、6ページをご覧ください。

ご覧のとおり、減益の主たる要因は鉄鋼と建設機械セグメントにございます。鉄鋼セグメントでございますが、加古川製鉄所における高炉改修工事費用を計上したことに加えまして、一時的なメタルスプレッドの悪化などから、昨年同期と比べまして217億円悪化の249億円の損失となりました。

建設機械セグメントにつきましては、日本国内の利用減少や中国での販売条件を厳格化して営業活動に取り組んだことから、販売台数が減少したことに加えまして、中国事業において多額の貸倒引当金を追加計上したことなどにより、前年同期に比べまして262億円悪化の372億円の損益となりました。

2016年度業績見通し

次に年度通期の業績見通しでございます。資料の8ページをご覧ください。

売上高につきましては、10月に公表いたしました前回予想を据え置き1兆6,900億円。経常損益は400億円下方修正の300億円の損失。親会社の所有者に帰属する当期純損益は400億円下方修正の400億円の損失を見込んでおります。

鉄鋼

まず、鉄鋼セグメントでございますが、11ページをご覧ください。

通期の経常損益は、300億円の損失と前回予想を据え置いております。ご承知のとおり、第4四半期の原料炭価格は285ドルで決着しております。

第4四半期から続いた原料炭価格の大幅値上げに対しまして、原料のコストアップと販売価格改定のタイミングにずれが生じることにより、一時的なメタルスプレッドの悪化を想定せざるをえない状況となりましたが、一方で鉄鉱石を加えた主原料価格が円安を伴って上昇し、在庫評価影響が大きくプラスに転じたため、メタルスプレッドの悪化を打ち消すかたちになっています。

建設機械

建設機械セグメントですが、19ページをご覧ください。

通期の経常損益は多額の貸倒引当金を追加計上などにより、前回予想から330億円下方修正し、340億円の損失を見込んでおります。

中国事業における、貸倒引当金の追加計上の理由等につきましては、後ほど具体的に申し上げますが、今年度における第3四半期までの引当金計上の累計額は343億円となります。

2016年度セグメント別経常損益

その他のセグメントにつきましては、ご説明を割愛させていただきます。ご覧いただいております資料に各セグメントの足元の状況を記載しておりますので、後ほどお見通しいただければと思います。

以上のとおり、当期純損益が大幅な損失であるという見込みを総合的にみた結果、誠に遺憾ながら本日の取締役会において当期の期末配当を見送る方針を決議いたしました。

また、今回の大幅な下方修正および年間配当の見送りを真摯に受け止め、社外取締役および監査等委員である取締役を除く取締役の基本報酬について、当面5~10パーセントの減額をいたします。

また、代表取締役会長兼社長である私と一部取締役につき、コベルコ建機における多額の損失計上を踏まえまして、報酬全般において3ヶ月にわたり自主返上する予定でございます。