年平均7パーセントの増加に向けて
司会者:続きまして、質疑応答に入らせていただきます。恐れ入りますが、ご質問の方は、はじめに会社名とお名前をお申し出ください。ご質問が複数の場合は、1問目の回答のあとに、2つ目のご質問という順でお願いいたします。それでは、ご質問のあります方は、挙手をお願いいたします。こちらの、3列目の方お願いします。
質問者1:みずほ証券○○と申します。ご説明ありがとうございます。中期目標について2点ほどおうかがいしたいのですが、1点目が、19年3月期まで、年平均7パーセントの成長を目指すということで、単純に計算すると、19年3月期の営業利益というのは、大台を突破して、1兆200億くらいになるという計算になると思うんですけれども、終わった期の実績から見ると、2,000億円弱、増やす必要がありますよ、と。
そのなかで、オーガニックで伸びていく部分と、M&A5,000億によって伸びていく部分と、どういうイメージを持たれているのか、まずその点についてお願いいたします。
田中孝司氏(以下、田中):はい。スライドがちょうど出ていますけれども、1、2、3と3象限あると思うんですけれども、だいたいCAGRで7パーセント伸ばしていくと、今から1,700億円くらい積み上げるということでございますけれども、国内通信事業のところで、約1,000億円、3年間で積み上げていきたいと思っています。
もう1つは、2と3合わせて、700億円増やしていきたいと思っております。それぞれ、今年のガイダンスを出しておりますので、それを引いていただければ、残りがあと2年、ということになります。こんなものでよろしいでしょうか。
質問者1:わかりました。ありがとうございます。
2点目なのですが、中期の目標達成に向けて、成長投資だったり、株主還元の強化、両面行っていくうえで、フリーキャッシュフローの創出力というものが大きなポイントになると思うんですが、今年度のご計画を見ると、3,500億ということで、利益等とのバランスを見ると、かなり低めに映ると。
おそらく、5,000億のM&Aのいくぶんかが考慮されていたり、もしくは、すでに投資されているミャンマーだったり、クレジットカード事業だったり、そういったところへの投資も、含まれているのではないかなとは思うんですが、そういった、M&Aとか新規事業関連の投資を除いた、ベースとなるフリーキャッシュフローを考える場合に、だいたい今年度、どれくらいの規模感になっているのか、今後3年間で、どういう方向感を持たれているのか、この点についてお願いします。
設備投資は下がっていく方向感
田中氏:先ほど、5,000億のM&Aと申し上げましたけれども、これを3で割って、今期ですと1,700億円くらいになると思うんですけれども、それを、先ほどのフリーキャッシュフローのターゲットに足していただくと、5,000なにがしになるかと思うんですけれども、そういったものが、だいたい3年間に向かって、出ていくというような計画でございます。
質問者1:設備投資は、今後3年間、トレンドとしては下がっていく方向感と思ってよろしいでしょうか。
田中氏:今期は、先ほどご説明しませんでしたけれども、ページの一番最後のappendixの、31ページを開けていただきたいんですけれども、今期は300億くらい増やしているんですね。5,300億は昨年度ですから。
右上のところに小さな字で書いてありますけれども、いくぶん、いろんなものが今期に流れてきておりまして、それで300億増えているというような注が入っておりますけれども、具体的には、auとかUQの基地局が若干今年度にいった、あとは、海外データセンター、さっき少し話に出ましたけれども、あれが少し竣工が遅れているとか、J:COMも一部ありますけれども、これで遅れているんですけれども、だいたいこの程度の規模が、フラットに出ていくのではないかなと見ております。若干下がっていく方向感ではあるというふうには思いますけど。
質問者1:ということは、ベースとなるフリーキャッシュフローは、利益成長を目指されていますし、投資も下がっていくということで、5千数百億というレベルから、やはり19年3月期に向かって、拡大していくという方向感で見ていらっしゃるということで、よろしいですか。
田中氏:まあ、予想通りだと思いますけれども(笑)。
質問者1:ありがとうございます。
「追い詰められている(笑)」
司会者:ほかにご質問の方は。では、最前列の方、お願いします。
質問者2:野村證券の○○です。まず中期のところなんですけれども、まず営業利益目標、これは、1兆円ということで、よろしいですね。その確認でございます。
田中氏:1.07を3回かけると、それくらいになると思いますけど(笑)。
質問者2:確認なんですけれども、これは、5,000億のM&Aをやって、1兆円ということになるのでしょうか。もしそういう算段がいかなければ、1兆円に届かないと。どういう組み合わせなのかという、そこの確認なんですが。
田中氏:今の我々の計画上は、今期もガイダンス出してますけれども、仮に、1,700億円のM&Aをしても、想定される利益を織り込んでいないです。
質問者2:M&Aは計画しているけれども、利益にはカウントしていない、と。
田中氏:はい。そういうことですね。
質問者2:わかりました。
田中氏:今期については、ですね。2期目、3期目になったら、別のこと言うかもしれませんので(笑)。
質問者2:今年度17年3月期の、補足資料に載っているフリーキャッシュフローのご計画は、3,500億円なんですけれども、これは、さっきおっしゃった、5,000億を3で割った1,700億を引いたあとで3,500億、というそういう理解でよろしいのでしょうか。
田中氏:おっしゃる通りです。追い詰められている(笑)。
質問者2:3年間の、中期のことなんですけれども、今期のEBITDAが1兆5,000億ですから、これが営業利益に沿って今後伸びていくわけで、そこから税金を引けば、税引後の営業キャッシュフローで4兆円くらい出て、年間5千数百億円くらいの設備投資で、1兆5,000~6,000億円出て、設備投資後で、多分2兆4,000~5,000億円残って、5,000億円M&Aをやって、だいたい2兆円くらい残る、と。
配当で、6,000億円払って、それでも1兆4,000億円くらい残るんですけれど、暗算だけでも、1兆円くらい資金は残るような計算になるんですけれども、基本的には、そういう感じで、今の状況あまり崩れなければ、それが実現するかどうかは別として、M&Aを5,000億円やっても、配当性向引き上げても、まだかなり資金的にはキャッシュが残るという、そういうつくりなのかなと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
田中氏:そうですね。株主リターンにつきましては、最低限の目標だということで設定しております。
それ以上聞かないで
質問者2:次に、足元の、今期の計画なんですが、通信のARPAを見ると、年度の計画が終わったときの第4クォーターと同じというか、下がるというか、通信ARPAがまったく増えないという前提になっていたり、バリューのセグメントも、ジュピターが入っていらっしゃるんですよね、入っても、足しても、ほぼ増えない、というか減るのか。プロフォーマですと、減るようなイメージですけれど、通信APRAが増えないことはないと思うんですが、そのあたり、バリューをもっと、プロフォーマでいけばもっと伸びないとおかしいと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
田中氏:今期は、控えめな数字にさせていただいております。以上なんですけど(笑)。それ以上聞かないでという話ですけど(笑)。
質問者2:バリューのところはいかがでしょうか。
田中氏:髙橋、どうですか。
髙橋誠氏(以下、髙橋):来期、おっしゃるように、ショップチャンネルの話は入れてあるので、若干弱含みになっているかもしれませんけれども、付加価値アップにつきましては、440円から500円までもっていく予定ですので、本当言うと、成長については、きっちり加速をした上で、成長を目指していきたいと思っております。個別の事情もいくつかあるので、それについては、期が進むごとに、お話していけるのではと思います。
質問者2:わかりました。ありがとうございます。
司会:ではほかに質問ある方。左手一番奥最前列の方お願いいたします。
質問者3:大和証券の○○でございます。しつこい確認かもしれませんが、フリーキャッシュフローが想定よりも、中期でより増えていった場合は、還元のところと、投資のバランスは、どういうふうに考えればよろしいでしょうか。両方とも動いていくのか、そこのあたりのイメージをください。
田中氏:先ほど、少し質問がありました還元につきましては、これはコミットメントですから、逆に言いますと、最低限というふうにみております。投資については5,000億というガイダンスを出しておりますけれども、当然のことながら、上下する可能性もございます。5,000億と言っておりますけれども、少なければ自社株買いをしていくといったことも、当然、先ほどのニュアンスのなかで、バランスというニュアンスの中で、読んでいただければと思っております。
ペインポイントを解決していく
質問者3:ありがとうございます。2つ目は、事業の方の中期目標なんですが、お客様体験価値というものを強調されていて、その後に出てくるスライドがどっかで見たことあるようなスライドが多いんですが(笑)、我々、例えばユーザーとして、どういった新しい体験ができると期待してよいのか、という未来図のさわりみたいなものを教えていただければと思うんですが。
田中:まず課題認識としては、こういうふうに思っております。端末所有の長期化や販売数の低下、そういったことがございますので、お店にやってくるお客さんの数というのは、減っていく方向にあるかと思います。
また、提供する通信周りのサービスというのは、3年前と比べて、同質化が進んでおりますので、お客様が、本当にキャリアを選ぶとか、お店を選ぶというようなことになってきております。
こういった課題認識をもとに、よりお客様が当社のタッチポイント、リアルにおいてはauショップ、オンラインにおいてはポータルのほうに来てもらうっていうことを、本当に事業方針の骨格に据えてやっていかないと、なかなか成長というのは難しいかなっていうのが課題認識です。
具体的にどうしていくかということでございますけれども、いろんな数字、もしくは調査やインサイトを持っておりますので、それを、まずペインポイントという意味で解決していくというのが1つ。
例えば、お客様がお待ちになる時間とかですね。そういったことも1つのペインポイントだろうと思うんですけれども、ペインポイントをなくしていくっていうのが1つと、もう1つはポジティブに考えていただける来ていただけるような、いろんなことをやってかなければいけないと思っております。
まあ近々発表するような機会があるかと思いますので、その時までお待ちいただければと思っております。
司会者:よろしいでしょうか。それでは、ほかにご質問のある方。ではセンター3列目の方お願いいたします。
今期のガイダンスは、M&A分を含んでいない
質問者4:メリルリンチの○○です。質問が2点ほどあります。先ほどからの質問に重なるんですが、なかなか答えが明確に理解できないのでですね。「あまりつっこまないで」と言われるかもしれないんですが教えてください。
1つ目として先ほど○○さんも質問してましたが、7パーセント成長していくというのは、今期にはM&Aがなくてもあっても予算は達成できるという数字になっているというのはうかがいましたけども、3年後の数字はM&Aがなくても達成できるという意思があってお作りなのか、そこに関してはなにかやってかなきゃいけないという意識をお持ちなのか、ここをまず確認させてください。
田中:えー、まず1つ目の質問ですけれども、正確に申し上げますと、今期のガイダンスに対しては、M&A分を含んでおりません。
だから、M&Aをすれば、M&Aのプラスマイナスどうなのかよくわかりませんけども、その分が上乗せされるっていうご理解でいいかと思います。
2年目、3年目につきましては、5,000億も含んだかたちでみていただければいいと思います。
じゃ具体的になにをどうだっていうことでございますけれども、我々は3年後において1.07に3乗した2兆円越えということを目指してやっていくっていうことでございますので、個別のことにつきましては市場においても代わりますし、その都度施策とか新たなものをやっていくつもりでございますので、今ここで具体的に3年までのロードマップを開示できるまで詰めているわけではございませんっていうのがご理解していただきたいことです。
質問者4:あと、株主還元についての考え方で確認させてください。
1つ目が前回の中期のご計画のなかでは、「3年間のなかで投資と株主還元のバランスを見ます」ということで、3年後にある程度お約束通り1,000億という自社株買いを実施していただいたわけですけれども。
今回に関しても同じように3年後の最終的なバランスをみて株主還元、自社株買いをお考えになるのか。今回の中期計画では、走りながら、もうちょっと短期で今期は投資しなかったから自社株買いをやるとか、そういうもう少し短期のご判断になるのかというのを教えていただきたいのと、目標とするバランスシートで、D/Eレシオですとか、Debt/EBITDAですとか、なにを見てそこのバランスを見ていくのか。
逆に5,000億円投資しちゃえば、十分投資したんだから株主追加的な還元はないのか、そこら辺含めて教えていただけますでしょうか。
au経済圏流通総額の2兆円の内訳
田中:まず、前半の部分のご質問ですけれども、3年後に自社株買いをやるっていう意味じゃございませんので、その都度株価の状況を見て、短期っていう言葉にわりと引っかかっているんですけれども、それを取り除いていただければおっしゃる通りかなとは思っております。
もう1つのほうは、D/Eレシオも相当低いと思っておりますので、先ほどのご質問にあった通り、株主リターンについては、ここから下に下げることはないということで考えていただければいいし、前の期の3年のようなことではなくて、もう少しフレキシブルに考えていきたいというようなスタンスでいます。
質問者4:なんか財務的なターゲットってあるんでしょうか。
田中:開示するはっきりしたものはございません。
質問者4:ありがとうございます。
司会者:それではほかにご質問のある方。では最前列真んなかの方お願いします。
質問者5:SMBC日興証券の○○です。2つございまして。1つはバリューセグメントというかau経済圏のところなんですけれども、2兆円を目指されるということで、この中身ってどういうような構成なのかなと。そのカテゴリと同じカテゴリで今って今どんな感じで、それをどんな感じでそれぞれ伸ばされていくのかというのをご説明いただけるとありがたいです。
田中:それでは髙橋のほうから説明します。
髙橋:あの2兆円の内訳っていうことなんですけど、今のバリューセグメントというか経済圏の定義をもう1回今整理していて、これをみなさんの方にもお話をしてるんですけれども、なんて言うかな……2兆円の内訳っていうのは開示してないんでしたっけ?
ちょっと待ってください……すみません。
2兆円の内訳については、今回開示はしてないですね。今期、ドコモさんとの比較をよくされるので、スマートライフ事業との比較をしたときにどのような数字になってるかについては見てるんですけれども、ちょうどDocomoさんが流通総額が今期3兆円とおっしゃってるなかにおいて、我々だいたい流通総額を見ていくにおいては、7,000億円程度、今持ってまして、スマートライフ事業とだいたい同程度とみた場合に1兆円きるぐらいの流通総額になっていると思います。
ただそうすると2兆円程度の差分があるんですけれども、この部分については、クレジット契約の枚数が向こうがだいたい800万枚程度あって、うちは140~150万程度ありますので、この差分でだいたい計算ができるのかなというのが、今期の流通総額になってます。
で、2兆円の流通総額の内訳については今回まだ開示しておりませんので、ここについては追々お話ができるんじゃないかなと思っております。すいません。よろしくお願いいたします。
次のライフデザインは検討中
質問者5:わかりました。内訳は開示ないということなんですけれども、どのへんを伸ばしていかれるということですか?
髙橋:基本的に流通総額ということになってきますので、今回ライフデザイン戦略というなかにおいては、コマース、金融というものを中心に検討しておりますので、このあたりを中心に伸ばしていければよろしいのかなと思っていますが、ライフデザイン、この金融コマースの次のライフデザインとしてなにを定義するかについては現在検討しておりますので、これについては、また公表させていただきたいと思っております。
質問者5:もちろんそのM&Aももちろん活用するという認識でいいんですか?
髙橋:当然そうなるかと思います。5,000億というものの使い道については今回明確にしておりませんけれども、当然今から目指していくライフデザイン戦略のなかでの投資というもの、あるいはグローバルにおける投資というものに振り向けていくということについては間違いないと思います。
質問者5:わかりました。ついでにというか、ショップチャンネルの影響額というのは、今期のガイダンスには、数字としてはどんなイメージで入ってらっしゃるんでしょうか。
髙橋:えっとですね、今期ですよね……。今期のショップチャンネルですね。ちょっと待ってくださいね。
えー、バリューセグメントにおけるショップチャンネルの影響ですけれども、前期の第4クォーターでは利益ベースで19億程度。
来期についてはですね……。
田中:……すみませんちょっといろいろあって。
髙橋:今期についてはですね、ジュピターショップチャンネルの連結利益については154億程度を見込んでおります。16年3月期については19億でございますので、17年3期で174億程度が見込まれていると。 ですから、前期との差分としては154億というふうにみております。
質問者5:そうすると、先ほどの○○さんのところの議論と同じですけど、バリューセグメントは営業利益はショップチャンネル以外は利益伸びないような内訳になってるんですかね。
髙橋:そこは先ほど申し上げた通り、ショップチャンネルの部分の影響が大きいんですけれども、それ以外のところの利益成長があまり大きく今回見込めていないということについては確かです。
これについては、先ほど申し上げた通り、500円程度上げていこうと思ってますので、今後のバリューセグメントの成長のためにいろいろと仕掛けを考えておりまして、その部分で投資、あるいは経費の使い道も考えておりますので、その関係が影響してですね、そこが伸びていないようにみえていると。
内部留保バランスシート強化について
質問者5:ありがとうございます。2点目なんですけれども、すみませんすごくしつこいですが、頭の整理として。
フリーキャッシュフローの使い道として、M&Aと株主還元と、内部留保バランスシート強化と、一般的には3つあるのかなと思います。
先ほどの質問のなかで、内部留保バランスシート強化については、あまり重視してないというふうに理解はしたんですけれども、そういうことでよろしいんでしょうか?
結果的にこっちに回っちゃうっていうこともあると思うんですが。
田中:あの……いい質問ですね(笑)。まあ、そういうふうなところですね(笑)。
質問者5:わかりました。ありがとうございます。
結果としてそうなることはあると思いますが。
司会者:それではほかにご質問のある方。では、右側の2列目の方お願いします。
質問者6:三菱UFJモルガン・スタンレー証券の○○です。2点ありますので、1点ずつお願いします。
詳細資料のほうの3ページで、ビジネスセグメントなんですけれども。終わった第4四半期の利益がかなり小さいかなというところがありますので、このあたりのご解説と新年度に向けての取り組み、このあたりを補足をお願いします。
田中:じゃ東海林のほうから。
東海林崇氏(以下、東海林):ここは、とくに第4クォーターに関しましては、かなりモバイルの総販売台数が実は上振れしております。純増数もさることながら、機種変更も含めて、かなり総販が増えたということでございます。
昨年度は減収減益で、厳しい状況だったのでございますけれども。とくに我々は新料金プランの影響が大きかったので。
ただ、これもだいぶ新料金プランの影響も少しずつかなり少なくなってきてると思ってますので、なんとか今年度は増収増益に持っていけるだろうといったこともあり、4クォーターはむしろ少しインテンショナルに販売台数も増やせるということでございます。よろしいでしょうか。
質問者6:かなり増えた背景というのはなんでしょうか?
東海林:1つは、もちろん営業的に頑張ったと言ってしまえば、それまでなんですけれども。もともととくに法人は4クォーターってかなり駆け込みもありますし。とくに昨年度はお客さんを今年のなんとなく、おそらく景気の不透明感なんかも見ておられたというところもあるような、感覚的にですけど、営業現場的にはそういったところもあると思っております。
IoTの取り組みについて
質問者6:ありがとうございます。あとスライドのほうで13ページのところで、IoTの取り組みを強化というところ、社長のほうからも触れていただきましたけれども。将来的にビジネス規模というか利益規模とか、なにかイメージできるようなものがあれば、内容含めてご紹介いただければありがたいです。
田中:3年間を見ますと、やっぱりどういうのが先行していくかといいますと、いわゆるスマートメーターとかコネクティッド・カーのエリアが先行してきます。
そのあと、IoTの本命なのかどうかよくわかりませんけれども、家庭を中心としたホームIoTみたいなものがこの3年間の後半のところには出てくると思います。
IoT自身は通信料の問題もあって、それほど利益には寄与しないと思いますけれども。とくに車なんかはわりと利益が寄与しますけど。
と思いますけれども、3年間で通信部分じゃなくて、プラットフォームも含めて利益化を進めていくというようなことを考えております。
非常に漠としたとした説明であれなんですけれども。たぶん今年はいろんな意味での潮目みたいになってまして。従来のスマートフォンを中心とした通信料の伸びというのが厳しくなってくると。
そのあと、販売奨励金があわせて落ちていきますので、利益をそれによって確保し。次の時代の時代IoTもしくIoTに伴うプラットフォーム収入とか、そういったもので支えていくような3年間の絵を考えてます。具体的な利益寄与については、ちょっと今日においては開示を差し控えたいと思ってます。
質問者6:考え方としては、通信料収入がそんなに大きくならないけれども、プラットフォームを御社のほうで、ある種用意をして。それを利用してもらうことによるフィーを得るみたいな。そういう感じの?
田中:そうですね。それを加えてですね。全体としては収益に寄与させていきたいと思っています。
質問者6:ありがとうございます。
スマートパスの加入者を伸ばす
司会者:それでは、ご質問のある方。では真んなかの列の一番左の方お願いします。
質問者7:ゴールドマン・サックスの○○です。私も2つ質問があります。今年度の付加価値ARPAに関してなんですが、主になにで増やすことをターゲットにしているのか、というところをですね。
具体的に難しかったら、1つ2つ3つ、コントリビューションが大きいと期待している順番でもけっこうなので、教えていただけないでしょうか? それが1つ目です。
田中:髙橋のほうから。
髙橋:付加価値ARPAについては、先ほど申し上げた500円に今期上げていこうとしてるんですけれども。
スマートパスが相変わらず好調でございまして。基本的にスマートパスの加入者を伸ばすということが前提で。それに加えて、パス系のサービスの会員数の拡大。
これ加えて、これからauでんきとか、あるいは料金支払いのau WALLETクレカのセット化の促進とか、そういうことをやっていきますので、その決済単価の増加、あるいはau WALLET Marketのほうの会員数についても今順調に伸びておりますので、その商品ラインナップの強化。このあたりに着目をして、500円程度まで上げていこうと思ってます。
質問者7:ありがとうございます。2つ目は、先ほどそれらしき数字をおっしゃったように思ったんですけど、クレジットカードの会員数というのは、年度末でいくと、どの程度なのか? 可能ならば、取扱高はいくらなのかというところを数字を、もし可能なら、いただきたい。終わった期ですね。
それと、御社は通信キャリアなので、いろいろお金を使って、クレジットカード増やすということはできると思うんですけれども。なにか積極的にそれをやっていくというのを今年度考えてるのか。それとも、昨年までと同じスタンスでいくのか。それについて、ご説明いただけないでしょうか?
au WALLETの申し込み枚数
髙橋:まずauのプリペイドカード、それからクレジットカードの枚数という話についてですけれども。16年の3月期、第4クォーターが終わった段階で、au WALLETの申し込み枚数については2,000万枚ということになります。
それから、プリペイドカードの有効な発行枚数については1,650万枚。それから、クレジットカードの会員数が140万枚、というのが内訳になってますので、au WALLETの有効発行枚数という意味においては1,790万枚というかたちになります。
それから、流通総額について、先ほど2兆円の話をされたので、若干頭が混乱したんですけれども。16年3月期においての流通総額が7,300億となっておりまして。このなかの内訳としては、付加価値の経済圏の流通総額が約7,200億で、au WALLETの決済が4,300億、それから、かんたん決済が2,900億というのが内訳になります。これは終わった期ですね。
17年3月期については、流通総額1兆2,000億と言っておりますので、このなかでau WALLET決済6,900億。auかんたん決済で2,900億と。その差で2,200億というのが内訳になっています。これが開示できる数字というかたちになります。
質問者7:積極的にどう攻めるかというところで、なにかご説明していただけるところはないですか?
髙橋:基本的に先ほど申し上げた流通総額、たとえばドコモさんが3兆円目指しますとかおっしゃってるんですけれども。我々との差分を見ていきますと、とくにクレジットカードの枚数のところがやっぱり大きく違うようなので、こういう決済系のシステムをより多くお客さんに伝えて、そのうえでコマース、あるいは金融を中心として、そのうえの決済をお使いいただくということによって、経済圏を広げ、なおかつ、利益を伸ばしていくというところに着目していきたいと思ってます。
質問者7:ありがとうございました。
司会者:お時間も近づいてまいりましたので、あと1方とさせていただきたいんですが。では一番左の。
ドコモとの違いは?
質問者8:モルガン・スタンレーの○○です。よろしくお願いします。まず、全体的な通信キャリアが今後どういう方向に向いていくかなんですけれども。
御社も通信ARPAのところは伸ばしながらだけれども、新しい領域のau経済圏、もしくは今持ってるお客さんのバリューアップみたいな感じを目指してらっしゃると。あとはグローバルと。NTTドコモもまったく同じ戦略を取っているように私には見えてしまうと。
グローバルという意味では、NTTドコモさんはグローバルやりませんけど、NTTグループとしてはグローバルのビジネスのほうをかなり強化されている、というところでNTTグループとKDDIグループの戦略を見ると、そんなに大きな違いは感じられなくて。
これは、通信事業者というのはこういうステージになると、同じ方向を向いていくものなのか、というところが、もしも「KDDIはここが違うんだ」というのであれば、まず1点戦略面で教えていただきたいと思います。
田中:通信キャリアのライフサイクルというのはあると思ってまして。大きく種類が違うのは、昔よく言われた「ダムパイプ」「スマートパイプ」の議論だと思ってます。スマートパイプのなかで、いわゆるタッチポイントを維持し、かつ、通信以外のものを力を入れていくというのは1つの流れでございまして。
そのなかで我々KDDIもドコモさんも同じ方向を目指してるという意味では、大きな通信キャリアのカテゴライズとライフサイクルを考えると、当然の選択だろうと思ってます。
その中で具体的な戦略はどのように違うのかということですから、大きななかで見ると、おっしゃるように同じように見えるし。細かな部分で言えば、違ってくることもあるんじゃないかなとは思ってます。細かく見ていくと、少しずつ違っているという気もしないでもないんですけれども。
質問者8:すいません。いま全体的な戦略のところをおうかがいしたんですけど。一方で、業績も、実はドコモもKDDIも4.7兆円の売上げがあって。9,000億の利益があって。ボトムが5,000億か6,000億かという違いはありますけれども。
たぶんグローバルの投資家から見ると、一緒に見えるんですよね。おそらくARPAというところでも、ドコモさんも3パーセント伸びると。KDDIさんも伸ばす戦略になっていて、短期的にはまったく同じに見えてしまうと。
株主還元のところは、いろんなバランスシートの違いもありますけれども、NTTドコモは50パーセント以上配当で払って。持株会社に言われればでかい自社株買いをしないといけないと。そういう宿命を持ってる会社ですね。
御社は、自らいろんなことができるにも関わらず、なんとなく、還元のところでは劣位してるように見えてしまう。
今回も当然あげていただいて、素晴らしいことだとは思うんですけれども。例えば、株主もしくは投資家にアピールしていく時に、同じようなPLの構造を持っていて、同じビジネスを持っていて、どういうふうにKDDIをアピールしていきたいか、というのはございますでしょうか。
田中:ざっくばらんに言うと、過去3年間もそうなんですけれども、大きな目標を言って、ボラティリティが上下左右するというよりは、少なくとも言ったガイダンスについては必ずそれ以上を達成するというオペレーションをしてきましたので。
株主さんに向けては、コンサバティブに見えるかもしれませんけど。逆にいうと、安心感があるんじゃないかなとは思っております。それは経営のスタイルの差だと認識していただければよいのかなと。
質問者3:OKです。ありがとうございました。
司会者:それでは、お時間になりましたので、これにてKDDI2016年3月期決算説明会を終了いたします。本日はご出席いただきましてありがとうございました。