KDDI 2016年3月期決算説明会

司会者:お待たせしました。本日は大変お忙しいなかお集まりいただきましてありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまよりKDDI2016年3月期決算説明会を開催いたします。本日司会を務めさせていただきます。4月からIR室長となりました堀井と申します。よろしくお願いします。

この説明会は和英同時通訳体制で行います。またその模様はインターネットでライブ配信を行い、その後オンデマンド配信を行いますので予めご了承下さい。本日の出席者をご紹介いたします。向かいまして左手中央より社長の田中でございます。

田中孝司氏(以下、田中):よろしくお願いします。

副社長でコーポレート統括本部長の両角でございます。

両角寛文氏:よろしくお願いいたします。

常務で技術統括本部長の内田でございます。

内田義昭氏:よろしくお願いいたします。

理事で経営管理本部長の本田でございます。

本田弘樹氏:よろしくお願いいたします。

変わりまして、右手中央より専務でバリュー事業本部長の髙橋でございます。

髙橋誠氏:よろしくお願いいたします。

専務でコンシューマー事業本部長の石川でございます。

石川雄三氏:よろしくお願いします。

常務でグローバル事業本部長の田島でございます。

田島英彦氏:よろしくお願いいたします。

常務でソリューション事業本部長の東海林でございます。

東海林崇氏:よろしくお願いいたします。

司会者:本日の配布資料は決算関連3点、及び東証開示5点の計8点を配布しており、同様の資料をIRのwebサイトに掲載しております。なお配布資料に記載、また本日の質疑応答などで述べます、業績及び契約数目標等は各資料における免責事項の記載内容をご確認ください。本日の進行は、はじめに社長の田中より決算についてご説明し、その後質疑応答に入らせていただきます。それでは田中社長よろしくお願いいたします。

これまでの3年間の振り返り

田中:みなさん、本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは2016年3月期決算についてご説明したいと思います。次お願いします。

まず始めに、この度熊本県及び大分県を震源とする地震によりですね、被災された皆様そのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。ネットワークは復旧しておりますが今後は被災地の復興に向けて引き続き全力で取り組んでまいります。それでは次お願いします。

本日のご説明内容は次の3点になります。1点目はちょうど前の中期が終わったところでございますので、2016年3月期までの中期の振り返りをさせていただき、その後これから3年中期目標についてご説明いたします。最後にですね、今年の年度2017年3月期の業績予想についてご説明してまいりたいと思います。次お願いします。

まず最初に、これまでの3年の振り返りからご説明します。次お願いします。

3年前に掲げた中期目標の振り返りです。その時は持続的な利益成長と株主還元の強化を掲げ、3M戦略の推進により事業成長を目指してまいりました。

具体的にはメジャーな2つのサービスということで、auスマートバリューによりモバイルと固定の双方の顧客基盤を拡大してまいりました。さらに、上位レイヤーにつきましては、auスマートパスにより付加価値、事業の顧客基盤の拡大、結果としまして利益成長として営業利益を毎期2桁の成長、株主還元については配当性向30パーセント超を目指してやってまいりました。次お願いします。

主なオペレーションの結果でございます。スマートバリューとスマートパスの結果について書いてあります。

左側auスマートバリューの契約数はモバイル契約数で累計で1,155万になりました。固定における世帯数は累計で572万になりました。右側auのスマートパスの会員数は1,447万まできました。3M戦略の推進により強固な顧客基盤を確立し、国内事業の増収を実現してまいりました。次お願いします。

3年間の利益成長の結果についてでございます。

売上額が成長を伴うかたちでですね、3期連続の増収増益を達成しております。上の2つのラインでございます。表の2段目でございますけれども、営業利益は毎期2桁の成長率を達成いたしました。

また当期利益及びEPSについても同様にですね、毎期2桁の成長率を達成しております。次お願いします。

次のページが株主還元についての結果でございます。配当性向を目標としていました30パーセント超を3期連続で達成しております。最終年度は配当のアップもございますけど配当性向は35パーセント超になっております。配当性向の引き上げに加えてEPS成長もあり、1株あたりの配当金ベースでございますけども毎期2桁の成長率を達成しております。

ROEも16年3月期で15.5パーセントと高水準を維持しております。着実に目標を設定した結果、みなさんのご支援もございまして2016年3月末の株価はですね、3年前の2.3倍になる3,006円で着地しております。次お願いします。

8項目目は8ページ目でございますけども、中期目標最終年度における株主還元についてでございます。株主のみなさまのこれまでの3年間のご支援に感謝の意を表して2016年3月期の配当は当初見通しからですね、5円増配となる通期70円を予定しております。これにより配当性向は35.4パーセントになります。加えて1,000億円分のですね自己株取得について実施を決定いたしました。以上がこれまで3年間のまとめでございますけれども、これから中期目標についてご説明します。次お願いします。

お客様体験価値を提供するビジネスへ

今後3年間の新たな方針についてでございますけども、事業運営方針としてお客様体験価値を提供するビジネスへ変革を掲げております。事業戦略は3点で、国内通信事業の持続的成長、au経済圏の最大化、グローバル事業の積極展開ということで、財務目標は後ほど詳細をご説明申し上げますけども、引き続き持続的利益成長と株主還元のさらなる強化ということで、この両立を目指していきたいと思っております。次お願いします。

事業運営方針についてでございます。これまでは当社の独自性を活かした3M戦略の推進により、通信事業において確固たる成長企業を目指してきました。とはいえ足元では端末、料金、ネットワークにおいて同質化が進むなか、これからはお客様に選んでいただける企業になることが必要であると、このように考えております。

したがって今後はですね、よりお客様視点と革新、この2軸を重視し、お客様の期待を超えるお客様体験価値の提供を目指してビジネスを変革していきたい。このように考えております。次お願いします。

事業戦略ですけれども、今後は事業運営方針としてお客様体験価値を提供するビジネスへの変革に基づき、3つの領域で事業成長を追求していきたいと思っております。1つ目は国内通信事業で引き続き3M戦略を進化させることによって、「ID X ARPA」の最大化による成長を目指すというのが1点目。2つ目はauの顧客基盤をベースに事業領域を非通信事業に拡大することによって、au経済圏を最大化していきたいと思っております。3つ目はグローバル事業の積極展開でございます。次お願いします。

それぞれの事業について説明してまいります。まず1つ目でございますけれども、国内通信事業の持続的成長についてでございます。今後3年間の市場や事業環境の変化に対して3M戦略、とくにマルチデバイスとマルチユースを本格的に推進します。具体的にはで、タブレット等のスマートデバイスをさらに進化させて浸透化させていきます。2つ目はIoTに対する取り組みを強化していきます。3つ目はさまざまなデバイスが連携することによって新たな体験価値の創造に取り組んでいきたい。このように思っております。次お願いします。

端末料金、ネットワークにおいては同質化が進み、このグラフの横軸のIDの拡大が困難になってきております。我々は縦軸の1人あたりの収入であるARPAを重視した経営に、よりシフトする必要があると考えております。今後はマルチデバイス、マルチユースによって「ID X ARPA」の最大化を目指していきたいと思っております。次お願いします。

au経済圏の最大化、グローバル事業の展開

今度は、2つ目のau経済圏の最大化についてでございます。非通信領域において成長軸を確立するために通信企業からライフデザイン企業への変革を目指してまいります。お客様のライフステージに応じてさまざまなサービスをご提案するとともに、お客様体験価値を提供する基盤を強化してまいります。

お客様とのタッチポイントにおいては、その下のほうに書いておりますけども、これまで確立してきましたオンラインのauスマートパスと、右側オフラインの実店舗であるauショップを強化し、この連携、オムニチャンネル化を推進してまいります。次お願いします。

au経済圏の最大化に向けた戦略でございますけれども、au経済圏とは上の丸で囲んだところですけども、左上のオンラインコンテンツから右上のオフラインのコンビニ等や実店舗の決済、自らやる真んなかで囲んだところですけどもコマースとか金融などを含むauの顧客基盤上で新たな経済圏を表しております。

下のほうから見ていただきたいのですけれども、auの契約は厳格な本人確認の元で行われており、au顧客基盤は確かなクレデンシャルを有していると考えております。このau顧客基盤の上で誰もが利用しやすい決済プラットフォームの提供、DMPの構築とビッグデータを活用する、さらにはau WALLETポイントの循環モデルにより、19年3月期に2兆円を超える流通総額を目指してまいりたいと考えております。次お願いします。

3つ目のグローバル事業の積極展開についてでございます。グローバルコンシューマー事業においては、2014年7月にミャンマーでトップシェアをもつMPTと共同事業契約を締結しております、今年3月にはモンゴルでトップシェアを持つMobiComを連結化しました。今後も国内外で培った経験やノウハウの海外市場での活用により、この分野においても着実な成長を目指してまいります。次お願いします。

次はグローバルのICT事業、法人側の事業でございます。データセンターグラウンドTELEHOUSEとして世界13の国と地域24都市48拠点で今展開しております。このなかで一番大きなロンドンサイトは英国最大のIX事業者LINXを含め約500社のキャリア、ISP、ASPが集積しております。英国のインターネットトラフィックの7割がこのデータセンターを通過しております。

現在、拡張を進めており、夏には23,000平米のDOCKLANDSのNORTH TWOを開業する予定です。今後も主要ハブにおいてはお客様に選んでいただける接続性の高いプレミアムデータセンター事業者として収益力の強化と事業基盤の拡大を目指してまいります。

中期目標のまとめと今期の業績予想

19ページ目、中期目標のまとめでございます。1点目は、利益成長について。営業利益は、年平均成長率7パーセントを目指してまいります。au経済圏流通総額は、2兆円超を目指してまいります。

また、事業成長に向けたM&Aとして、3年間累計で、5,000億円規模を実施する予定でございます。

2つ目は、株主還元についてでございますけれども、配当性向は、従来の「30パーセント超」から「35パーセント超」に引き上げます。成長投資とのバランスにより、自己株式の取得を、これからは実施していきます。発行済株式数の5パーセントを目安として、超過分については、自己株式については、消却する方針でございます。ここまでが、中期のまとめでございます。

続きまして、今期の業績予想でございます。21ページ目でございます。業績予想ハイライトについてでございます。

売上高は4.7兆円、YOY(対前年比)プラスの5.2パーセント、営業利益は8,850億円、YOYプラスの6.2パーセント、親会社の所有者に帰属する当期利益は、5,400億円、YOYプラスの9.2パーセントを目指してまいります。次お願いします。

1株あたりの配当金についてですけれども、16年3月期は、期初見通しに対して、5円の増配として、年間配当70円を予定しております。また、今期17年3月期は、中期目標における配当性向の引き上げをふまえ、年間配当80円を予定しております。15期連続の増配、及び6期連続の2桁増配を目指してまいります。次のページお願いします。

株主優待制度についてでございます。当社株式への投資魅力を高めることで、より多くの個人投資家の方に、長期的に保有していただくことを目的として、株主優待制度を拡充していきます。従来の優待に加え、au経済圏の最大化に向けて昨年開始しました新サービス、「au WALLET Market」の人気商品の詰め合わせを贈呈する予定でございます。右のような内容でございます。

次お願いします。これが全部のまとめになります。

チャートの左側が、これまでの振り返り、半分から右側が、「中期目標~19年3月期に向けて~」という構造になっております。

まず左側から入ります。営業利益、3期連続で2桁成長を達成いたしました。これまでの3年間の株主様の支援に感謝し、株主還元を強化します。16年3月期の期末配当を、期初予想から5円増配します。さらに、1,000億円を上限とする、自己株式取得を決定します。これまでの感謝の意ということでございます。

右側、これからの中期ですけれども、営業利益は、年間平均成長率7パーセントを目指してまいります。株主還元につきましては、配当性向は35パーセントに引き上げ、さらには、成長投資とのバランスにより、自己株式を取得していきます。今後も持続的な利益成長と、株主還元強化の、両立をはかってまいります。

以上で、16年3月期の決算発表について、説明を終わります。ご静聴ありがとうございます。