1 連結損益計算書

齋藤政利氏:サクサ代表取締役社長の齋藤政利です。本日は2024年度決算の説明を行います。

はじめに連結損益計算書です。連結売上高440億円、当期純利益35億円、前年同期比で増収増益となりました。純利益に関してはサクサグループ発足後、最高益となっています。

主な要因として、グループ会社であるシステム・ケイの映像ソリューションの増収に加え、期中にグループインしたソアー社の連結などにより、前年同期比で増収となっています。

また、政策保有株式の売却による特別利益、繰延税金資産の回収可能性が高まったことによる税金費用の減少があり、前年同期比で当期純利益が増益となりました。

2 連結売上高の事業別増減内訳

売上高構成です。2023年度に受注残の消化が進んでいたアミューズメントの売上が平準化したことに加え、一部の商流変更等により減収となっていますが、システム・ケイ社の映像ソリューションの増収がそれを吸収し、既存事業全体としては前年同期比で同水準の売上高となっています。

加えて、期中にソアー社連結を実施したことにより、トップラインは前年同期比で増収となりました。

3 連結営業利益の主な増減内訳

営業利益の増減内訳です。全体として、前年同期比で同水準となっています。

中期経営計画の成長戦略である投資の加速で増加した販管費影響による減益を、売上高増加に伴う増益および経費削減等により吸収しました。

増益要因に関しては、期中M&Aの実施により前年同期比で25億円の増収となったことで、その粗利への影響はプラス2億円となりました。その他経費削減等もあり、営業利益へのプラスのインパクトは9億円となっています。

減益要因に関しては、中期経営計画で掲げた成長戦略に沿った投資を積極的に行っており、成長投資として、DX・人財への投資約6億円増に加え、決算賞与引当金約4億円増により、昨年同期と比較し10億円増加し、トータルとして営業利益は前年同期比で同水準となりました。

4 キャピタルアロケーションの実績

キャピタルアロケーションの実績値です。キャッシュイン105億円、キャッシュアウト59億円となっています。

2024年度年初予想のキャッシュインを大きく上回った要因は、営業キャッシュフローに関しては、2024年11月29日および2025年2月21日の業績上方修正に伴った税引前当期純利益増加によるものです。

有利子負債の活用に関しては、期中M&A実施に伴い資金調達を実施したことで増加しました。

保有資産有効活用に関しては、政策保有株式の縮減を積極的に実施したことによって増加しています。

キャッシュアウトに関しては、成長戦略として環境負荷低減に向けた技術への投資を行いました。システム・ケイにおいては、クローズド環境下での生成AI利活用による新商品創出に向けた研究開発を実施したことに加え、従業員のベースアップや採用、福利厚生の充実、DX人財育成などへの投資といった、人的資本投資も積極的に行いました。

株主還元においては、135円配当に加え自己株式取得も行い、9億円のキャッシュアウトとなっています。

5 連結貸借対照表

バランスシートの資産の部です。第2四半期の7月末にグループインしたソアー社を、9月末から連結しています。その影響に加え、税引前当期純利益の計上等もあり、流動資産、固定資産ともに増加し、資産全体では37億円の増加となっています。

流動資産に関しては、棚卸資産の減少はありましたが、税引前当期純利益の計上に伴い現金および預金が増加しました。さらに、ソアー社連結に伴う売上債権が増加したことにより、前年同期比プラス24億円となりました。

固定資産です。政策保有株式の縮減および時価評価の洗替による減少はあったものの、ソアー社連結に伴い、土地7億円、建物・機械装置7億円程度など有形固定資産が増加しました。加えて、株式による年金運用の良化に伴う退職給付に係る資産の増加により、前年同期比プラス13億円となりました。

6 連結貸借対照表

負債・純資産の部です。全体として37億円の増加となりました。負債の部に関しては、相模原オフィスに関する資産除去債務の減少はあったものの、人財投資に伴う決算賞与による賞与引当金の増加に加え、期中M&Aに伴い資金調達を実行し、13億円の増加となっています。

純資産に関しては、有価証券評価額の洗替による減少影響はありましたが、当期純利益の計上に伴い、24億円の増加となりました。

PBRに関しても、昨今、株式相場が乱高下している影響から、弊社株式も一進一退の状況が続いています。株主優待や中間配当といった株主還元策の決定を含め、企業価値向上施策を確実に実行しているものの、期末の時点で0.58倍と、PBR1倍割れの状態が続いています。

2025年度も引き続き中期経営計画を加速し、確実にスピード感を持って各施策を実行していくことで、企業価値を向上させ、PBR1倍の早期達成を目指していきます。

ちなみに弊社調べでは、弊社株価は2023年4月時点で1,990円、2024年12月末時点で2,855円、2025年3月末時点では3,080円と、同期間の日経平均が乱高下している中でも堅調に推移しています。

2023年4月1日から現在までの約2年間で、日経平均は25.9パーセント程度成長していますが、弊社株式は54.8パーセント成長とオーバーパフォームしています。

7 連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フローです。営業活動によるキャッシュ・フローに関しては、仕入債務の支払いがあったことによるキャッシュアウトがあったものの、税引前当期純利益の計上により、33億円のキャッシュインとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローに関しては、政策保有株式の縮減によるキャッシュインがあったものの、期中M&Aに加え、生産設備への投資および販売目的ソフトウェア取得によるキャッシュアウトにより、28億円のキャッシュアウトとなりました。

これにより、フリーキャッシュ・フローは5億円のキャッシュインとなっています。

財務活動によるキャッシュ・フローに関しては、配当金の支払い、自己株式取得に伴うキャッシュアウトがあったものの、期中M&A実施に伴った資金調達の実行により、トータル5億円のキャッシュインとなっています。

8 設備投資・減価償却費・研究開発費

設備投資などの内容です。有形・無形固定資産の取得額については、前年同期比で同水準ではありますが、取得内容の変化として、2023年度は新横浜オフィス移転に伴う投資が主体でしたが、2024年度は生産能力向上を目的とした成長投資が主体となっています。

2024年度も、2023年度に引き続き減価償却費を上回る設備投資を実行し、2025年度以降に向け成長投資を加速しています。

以上が、2024年度決算の説明となります。

連結業績予想の開示に関して

2026年3月期の連結業績予想および2026年3月期の配当予想については、本日開示した「株式会社テリロジーホールディングスとの資本業務提携に関するお知らせ」および「固定資産の譲渡および特別利益の計上に関するお知らせ」も踏まえ、2025年5月21日に「2024-2026中期経営計画」の進捗状況と併せて公表する予定です。

「2024-2026中期経営計画」の進捗状況においては、成長・育成への投資、DX投資、人財投資、設備投資に対するキャピタルアロケーションの具体的な施策とともに、株主還元施策の見直しについても併せて公表する予定です。

成長戦略に関しては、バリューチェーン変革として、米沢地区のサプライチェーン強化、生産革新ならびに物流改革をはじめとした積極的な設備投資を行います。

オープンイノベーションとして、セキュリティ・ワークスタイル・コミュニケーション領域に関する新規事業開発、ならびに事業育成への事業投資を検討していきます。

経営基盤に関しては、DX事業推進プラットフォームの実装や、コネクティッドサービスを実現するための「SAXA-DXサービスプラットフォーム」の構築などのDX投資に加え、成長戦略推進にあたり不可欠なDX人財の採用・人財育成のための人財投資、および固定資産売却によるキャッシュインを踏まえたキャピタルアロケーションの方針の見直しを検討します。

また、上記の投資を踏まえ、株主還元施策の見直しについても併せて公表する予定です。5月21日の発表をお待ちください。

決算説明会を踏まえたIRに関する質問の受付

前回同様、みなさまのお声を聞かせていただくための質問フォームを設置します。今回もたくさんのお声をお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いします。

IRメール配信サービスに関するご案内

サクサグループIR関連情報を共有するための、メール配信サービスについてご紹介します。適時開示情報だけでなく、説明会への出演情報やメディアへの登壇情報などもお伝えしていますので、ぜひご登録ください。

以上で、2025年3月期決算説明を終了します。ありがとうございました。