2025年3月期 決算説明
田口雅教氏:みなさま、お世話になっています。株式会社BTM代表取締役社長兼CEOの田口です。平素から当社をご支援いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、2025年3月期通期の決算について説明します。
MISSION(経営理念)
当社は「日本の全世代を活性化する」というミッションを掲げ、ITを通じて、活き活きと暮らせる世の中の実現を目指しています。私ともう1人の代表が地方出身で、昔から首都圏と地方の機会格差について、課題意識を持っていました。
優秀な人財がいても、就職の選択肢が狭く、活躍の場がありません。技術・ノウハウを持つ企業があっても活かせる場が少ないなど、非常に機会格差を感じています。こちらを是正していきたいという思いで立ち上げた会社です。したがって、当社は、地方人財を積極的に活用して、企業のDXを推進するという事業を行っている会社です。
エグゼクティブサマリー
2025年3月期決算概要について説明します。まずは、エグゼクティブサマリーです。2025年3月期は、売上高は50億9,900万円で期初計画進捗率110パーセント、営業利益は9,100万円で期初計画進捗率約122パーセント、当期純利益6,200万円で期初計画進捗率約128パーセントで着地しています。
DXのニーズは、非常に増加しているとともに、各部門のKPIの進捗が良かったことから、売上・利益ともに計画を上回って着地できています。
エグゼクティブサマリー
続きまして、2025年3月期に行った主な施策です。M&Aに関しては、Laniakea社からSES事業を譲り受けて、AIやデータ分析関連のエンジニアが獲得できています。子会社に関しては、株式会社BTMAIZを設立しています。AIに特化した子会社で、すでに複数案件を受注し、実績ができつつあります。
加えて、ヘッドウォータース社と資本業務提携を実施しています。ヘッドウォータース社は、AIに強みを持っている会社で、当社もAI領域へ力を入れるという方針を掲げて、より強固な連携を図るという意味合いで、連携強化の資本提携を行っています。このように、少しずつではありますが、もともとBTMが目指していた姿に一歩踏み出せたと感じています。
P/Lサマリー
P/Lサマリーです。売上高は前期比22.8パーセント増の50億9,900万円、営業利益は前期比39.9パーセント減の9,100万円、当期純利益は前期比43.5パーセント減の6,200万円となっています。
2025年の3月期に関しては、利益を半減させ社内へ積極投資を行うという方針でしたので、もともと前期比50パーセント減程度を予定していましたが、少し上振れた結果となっています。
売上高・営業利益 四半期推移
売上高・営業利益の四半期推移です。2025年3月期第4四半期の売上高も過去最高を更新しています。営業利益に関しては、M&A費用等の計上によって、一時的な営業損失になっていますが、こちらは計画的な営業損失なので、特段、問題視はしていません。
重要KPI推移
重要KPIです。当社は、マッチングを行う営業人員数、案件、人材の情報量につながるアカウント数、DXを推進する自社エンジニア数、これらを重要KPIとして管理しています。
営業人員数に関しては、予定以上の採用が実現し増員できています。アカウント数に関しても、9,000を超えるアカウント数になっています。自社エンジニア数に関しては未達ですが、着実な増員が行えています。
営業利益分析
営業利益分析です。2025年3月期は内部への投資である人材投資、そしてM&Aへの投資を行ってきました。その結果、自社エンジニアの増員を目的とした昇給に関しては、自社エンジニアの採用を加速し、退職が低減できています。
次に、業容拡大に向けての幹部人材・営業・エンジニアの増員ということで、こちらも着実に増員できています。営業体制を強化するためのコンサルの活用も、一定の下地が作れています。
M&Aに関しては、ヘッドウォータース社との資本提携、そしてLaniakea社からSES事業を譲り受けています。結果、予定していた投資に関しては、想定どおり実施できました。
BSサマリー
BSに関しても、問題なく、現預金等の資産が増加し、自己資本比率も高水準で維持しています。
2026年3月期業績予想
2026年3月期の業績予想です。売上高は前期比22.4パーセント増の62億4,400万円、営業利益は前期比12.4パーセント増の1億300万円、経常利益は前期比9.8パーセント増の9,500万円、当期純利益は前期比9.8パーセント増の6,800万円を予定しています。
トップラインは着実に伸ばしつつ、利益面は増益を計画しています。基本的な方針は、利益増加分を積極的に成長投資に使い、前期比でマイナスにならないように、着実な成長を維持していく方針です。
2026年3月期重要施策
2026年3月期の重要施策です。成長を加速させるために、主に3つの積極投資を行います。1つ目、自社エンジニアの増員を目的とした昇給です。2つ目、業容拡大に向け、幹部人材・営業・エンジニアの増員です。3つ目、成長を加速させるための積極的なM&Aに対して、予算を投じたいと思います。
業績推移と予想
業績推移と予想についてです。市場は拡大を続けており、売上は着実な成長を予定しています。営業利益、および利益率に関しては、引き続き積極投資を行うため、前期同様の水準で考えています。
重要KPIの予想
重要KPIの予想としては、営業人員数・アカウント数・自社エンジニア数、すべて成長を見込んでいます。
拡大が予想されるDX市場
ここからは、成長戦略についてお話しします。DX市場は拡大を続けており、2030年度には8兆円を超えると予測されています。また、新しく参入している国内AIシステム市場は、2028年には3兆円弱まで拡大する試算になっています。
エンジニアの需給ギャップ
続いてエンジニアの需給ギャップについてご説明します。DX市場の大幅な需要増加に対し、エンジニア数の増加は微増に留まっています。これにより、需給ギャップが開き続けるという試算が出ています。
エンジニアの東京集中
当社は、地方DXにおいて地方エンジニアが必要不可欠だと考えていますが、ソフトウェア業務に従事する人数とその都道府県はグラフのとおり、首都圏をはじめとした大都市圏に集中しています。
したがって、地方DXを進めるためには、地方におけるエンジニアの育成と配置が急務であると考えています。
DXを推進する上で求められる人材像
続いてDXを推進する上で求められる人材像についてご説明します。リーダーシップ、ビジネスアーキテクトなど、物事を前に進めることができ、かつイノベーションが起こせる人材が必要とされています。
DXの展開による地方企業のイノベーション
最後に、成長戦略についてご説明します。当社は、DXをただのデジタル化で終わらせないために、デジタルを起点に企業のイノベーションを起こせる体制の構築を目指しています。
IT支援以外にもHR支援や営業支援、そしてマーケティング支援など、企業が成長する上で必要な支援を総合的に行い、日本全国にイノベーションを起こせる企業を増やしていきたいと考えています。
中長期成長戦略イメージ
続いて中長期戦略イメージについてご説明します。当社は既存領域と新規領域の2つに分けており、既存領域に関しては足元の既存事業の拡大を行っていく方針です。
既存領域に関しては、ITエンジニアリングサービスとDXソリューションサービスを引き続き拡大していき、ベースとなる売上・利益を作っていきたいと思っています。
新規領域に関しては同時に種まきも行っており、基本的にはデータベースを活用した事業展開を進めるほか、地方企業・自治体のDX支援として、現在関連するサービス拡張やパートナーとの協業などを進めています。
成長戦略1:データベースを活用したマッチングの最大化
具体的な成長戦略についてご説明します。1つ目は、データベースを活用したマッチングの最大化です。案件と人材情報をマッチングし稼働案件数を増やすため営業人員を増員します。また、案件と人材情報の増量に寄与するアカウント数も増加させていきます。これによりしっかりとトップラインを伸ばしていく方針です。
成長戦略1:重要KPI推移
2025年3月期に関しては、営業人員は8名、アカウント数は1,719件増えていますので、戦略どおりにそれぞれの数字を伸ばすことができました。
成長戦略2:独自ノウハウを活用した自律型フルスタックエンジニアの拡大
成長戦略の2つ目は、独自ノウハウを活用した自律型のフルスタックエンジニアの増員です。採用と育成を積極的に行い、DXを推進する自社エンジニアを増やすことで利益率を向上させていきます。
成長戦略2:重要KPI推移
2025年3月期に関しては、予定していた目標の達成には至りませんでしたが、採用増と退職減により、着実に人数を増やしています。
成長戦略3:地方企業のDX推進
成長戦略の3つ目は、地方企業のDX推進です。地方企業とのつながりを作るために、地方金融機関との連携を進めています。地方企業とのつながりの強いステークホルダーと連携することによって、これからも地方に入り込んでいく方針です。
成長戦略3:トピックス
成長戦略の3つ目における、2025年3月期のトピックスはスライドのとおりです。地方金融機関との連携を加速したこと、地方金融機関から連携を受けた企業のデジタル化を進めたこと、そして、さまざまな企業との協業を行ってきました。
成長戦略3:金融機関経由の地方企業のDX案件事例
金融機関経由の実績をご紹介します。こちらのスライドは、長野県の某細菌検査企業の事例です。某細菌検査企業のノウハウと当社のデジタル化技術を掛け合わせて新規のITサービスを開発しています。当社がゼロベースでビジネスアーキテクトから入り、システム開発まで実施しました。
成長戦略3:金融機関経由のDX案件事例
こちらのスライドは、東京都にある印刷出版業を営む企業の事例です。当社がプロジェクトマネジメントを担当し、他社のSaaS製品を導入しました。課題のヒアリングからSaaS企業の選定、導入支援といったプロジェクトマネジメントを当社が担い、デジタル化を推進しました。
成長戦略4: M&A・子会社設立により成長を加速
成長戦略の4つ目は、M&A・子会社設立による成長の加速です。当社とシナジーを発揮できる企業との連携を検討しています。
方針としては3つあり、1つ目は優良企業・人材獲得を目的とした連携です。実績としてはLaniakea社が当てはまります。
2つ目はエリア補完で、当社が進出しているエリアや進出できていないエリアに強みを持つ企業と連携します。
3つ目は、DXに関わる事業・技術を持つ企業との連携です。こちらの実績としては、株式会社BTMAIZがあります。
成長戦略4:M&A・子会社設立により成長を加速
M&Aや子会社設立を加速することにより、事業家の育成の機会を創出できると考えています。
当社では事業を立ち上げてグロースさせることができる人材を事業家と定義しています。当社は全国にイノベーション企業を増やすことを目指していますので、それを主導する事業家を増やしていくことが必要と考えています。
当社グループの役職者等を子会社の経営層に抜擢し経験を積んでもらうことで、事業家の育成と創出を行っていきたいと考えています。
以上、2025年3月期の決算概要、2026年3月期の業績予想、成長戦略についてのご説明となります。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。