エグゼクティブ・サマリー

段卓氏(以下、段):本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。株式会社アクシージア代表取締役の段です。執行役員の溝田より、2025年7月期第1四半期決算についてご報告します。よろしくお願いします。

溝田逸平氏:株式会社アクシージア、執行役員の溝田です。これより2025年7月期第1四半期決算についてご報告します。

まずは、サマリーです。2025年7月期第1四半期累計の売上高は30.7億円で、前年同期比12.8パーセントのプラスとなりました。営業利益は0.5億円で、前年同期比77.6パーセントのマイナスとなりました。

2024年2月に子会社化したエムアンドディ社の連結効果により、売上高は前年同期比12.8パーセントの2桁伸長となった一方で、同連結による原価率の悪化、本社およびエムアンドディ社における人的投資等の影響もあり、営業利益は前年同期比でマイナス77.6パーセントとなっています。

当四半期のトピックスです。エムアンドディ社の売上寄与もあり、中国以外の地域の売上比率が30パーセントまで拡大しています。

中国三大イベントの1つ「W11」が10月中旬から実施されていますが、越境ECの総売上が過去最高を記録しました。前期比では6.5パーセントの伸長となっています。

また、「RED」の旗艦店は、日本企業で唯一、カテゴリ別ランキングで売上トップ10に選出されています。

日本市場においては、インフルエンサーマーケティングを強化しています。先ほど、エムアンドディ社についてお話ししましたが、それを除く部分でも、日本ECの売上が前期比2倍以上に拡大しています。

美容家電ブランド「Medullux(メデュラックス)」をローンチし、美容家電市場に本格参入しました。以上が主なトピックスとなっています。

売上・利益の状況 (2025年7月期 1Q 連結)

業績ハイライトです。2025年7月期第1四半期の売上高は30億7,900万円、前年同期比で12.8パーセントの伸長です。営業利益は5,700万円、前年同期比でマイナス77.6パーセントです。経常利益は5,100万円、四半期純利益は2,900万円となっています。

エムアンドディ社の連結効果によって、売上は前年同期比12.8パーセントの伸長となりました。ただし、営業利益については、原価率の悪化、本社とエムアンドディ社における人的投資等の影響により前期を下回る結果になりました。

地域別・チャネル別 売上高 (2025年7月期 1Q 連結)

地域別・チャネル別の売上高です。こちらもトピックスで言及したとおり、日本売上強化によって、日本ECの売上が前期比23倍超の大幅拡大となりました。その結果、中国以外の地域における売上比率が30パーセントまで拡大し、中国依存が大きかった地域ポートフォリオの偏りが改善しています。

中国売上高は21億円です。構成比は86.2パーセントから70.4パーセント、売上高前期比はマイナス7.9パーセントとなっています。日本・第3市場売上高は9億円です。構成比は13.8パーセントから29.6パーセント、売上高前期比はプラス142.3パーセントとなっています。

中国EC売上高推移 (2025年7月期 1Q 連結)

中国EC売上高の推移です。スライドのグラフの一番左側のバー、処理水影響前の2024年7月期第1四半期と比較すると、一番右側のバー、2025年7月期第1四半期は、「Douyin」の売上が減少しています。

ただし、真ん中のバー、2024年7月期第4四半期との比較では、「Douyin」含め中国EC全体で増収しており、足元は回復傾向です。

また、「Tmall」と「RED」については、芸能人の起用や自社ライブ販売等が奏功し、2024年7月期第1四半期との比較でも増収を達成しています。

<参考> 「W11」にて過去最高のGSV (総売上) を記録

参考ですが、「W11」で過去最高の総売上を記録しました。こちらについては、すべてが第1四半期の売上高に含まれているわけではありませんが、前期比で6.5パーセント伸長しました。

「RED」の旗艦店については、日本企業で唯一、カテゴリ別ランキングの「グルメ・栄養カテゴリ、ブランド旗艦店部門」で売上トップ10に入っています。

また、自社企画のライブ販売が売上に貢献し、2024年10月と11月の2ヶ月連続で「RED」の「グルメ・栄養カテゴリ・ライブ部門」で1位を獲得しています。

ブランド別 売上構成 (2025年7月期 1Q)

ブランド別の売上構成です。中国におけるインナーケア需要の高まりを受けて、インナーケアブランド「Venus Recipe(ヴィースナレシピ)」と「RevWell(レヴウェル)」の2つを育成分野として位置づけています。

需要の取り込みがうまくいっており、育成分野全体では前期比でプラス18.8パーセントを達成しています。

売上原価・販管費の状況 (2025年7月期 1Q 連結)

売上原価・販管費の状況です。

売上原価は8億5,600万円です。売上比は27.8パーセント、前年同期比で8.2ポイント増加しています。原価率70パーセント超のエムアンドディ社を連結したことによって、原価率が8.2ポイント悪化したということです。

販売費および一般管理費は21億6,500万円、売上比は70.3パーセントとなっています。その構成比としては、前年同期比で0.5ポイントマイナスです。

ただし、人件費についてはプラス2.6ポイント、広告宣伝費はあまり変わらずマイナス0.4ポイント、支払手数料はマイナス3.3ポイントとなっています。人件費の増加は人的投資によるものです。また、中国ECにおける自社ライブ販売強化により、プラットフォーム側に支払う手数料を一部統制し、支払手数料が売上比で減少したものです。

バランスシートの状況 (2025年7月期 1Q 連結)

バランスシートの状況です。2024年9月に3億円の自社株買いを実施し、10月には前期末の配当金2億4,400万円を支払っており、純資産の部からマイナスになっています。その結果として、自己資本比率は80パーセントと高い水準を維持しています。

また、本日、決算発表と同時刻に自社株買いとその消却についてリリースしています。こちらは機関投資家から申し入れがあり、さまざまなことを総合的に勘案した結果、自己株を取得して消却することを決定したものです。詳細については、リリースをご確認ください。

【損益改善】 営業利益率向上のための取り組み

今後の方針です。営業利益率向上のための取り組み内容とその狙いについてご説明します。

既存事業においては、育成分野の成長加速等による中国ECの売上回復や、日本における認知度向上および売上拡大を図ることで、原価率や広告宣伝費率の改善を狙っています。

子会社については、コスト効率の観点で、シナジー追求によって利益率の改善を図ります。具体的な内容は、スライドに記載のとおりです。

中国については、主力2ブランドの売上回復、ならびにインナーケアブランドの育成加速に取り組みます。

また、うまく進み始めている自社ライブ販売の強化については、中国ECの売上回復による原価率の改善効果と売上高広告宣伝費率の低減を狙っていきます。

日本においては、インフルエンサーマーケティングの強化、目もと関連製品および美容家電の販売強化に取り組むことで、認知度向上による広告効率の改善を図っていきます。

子会社のユイット社においては、アクシージア製品のOEM受託量の増加による原価の削減、エムアンドディ社においては、在庫整理や高利益率製品の取扱い増加等にそれぞれ取り組み、子会社の原価率改善に伴う連結利益率の改善を考えています。

【中国】インナーケア市場への展開強化と新ブランド育成

中国のインナーケア市場への展開強化と新ブランド育成です。

2021年から2024年にかけての「Douyin」の保健食品・サプリメント業界のCAGRは120パーセントに達すると予測されています。

その需要に着目して、「AGドリンク」以外のインナーケア製品を育成分野と位置づけた「RevWell」と「Venus Recipe」についても販売を強化します。

【日本】インフルエンサーマーケティング活用によるEC売上拡大

日本におけるインフルエンサーマーケティング活用によるEC売上の拡大についてご説明します。

当社のターゲット層を抱えるインフルエンサーを起用し、SNS上で製品をご紹介いただくインフルエンサーマーケティングを強化しています。認知度拡大のみならず、SNSからECサイトに誘導することで、EC売上の向上を図ります。

足元の成果としては、エムアンドディ社を除くオーガニックな日本のEC売上は、前期比で2倍以上に拡大しています。

【新規領域】 美容家電市場へ本格参入

新規領域としての美容家電市場への本格参入についてご説明します。

約2,500億円の市場規模を持つ美容家電市場に本格参入すべく、新ブランドの「Medullux」をローンチしました。同ブランドからヘアアイロンを上市し、積極的に広告投下しているところです。これは、日本における認知度向上と売上拡大を狙うものです。

スライド右側に、2024年11月上市の「Medullux」について記載しています。

【新規領域】 美容家電市場参入に伴う新設子会社活用

美容家電市場参入に伴う新設子会社活用についてご説明します。

2024年9月に美容家電の企画・販売会社のアクシージアテクノロジーを連結子会社として設立しました。製造以外を内製化することで、他社への流出費用の抑制や開発スピードのさらなる向上を図ります。

現在の商流としては、アクシージアが市場調査・コンセプト設計を行い、オプテックラボに製造工場選定や仕様検討等をお願いして、中国OEM先で製造し、オプテックラボで検収して、アクシージアでマーケティングと販売を行っています。

将来的な構想としては、アクシージアグループとして、アクシージアバリュークリエイターがマーケティングを行い、アクシージアは販売を担当します。そして、アクシージアテクノロジーで製造を除く部分を担当します。これにより製造部分以外での外部流出コストの削減を狙っています。

【子会社】 エムアンドディ社 株式取得後のシナジー創出

エムアンドディ社の株式取得後のシナジー創出についてご説明します。

エムアンドディ社の取得によって、狙いどおり日本売上が増強し、地域ポートフォリオも改善しています。

スロームービング製品の在庫整理等を実施したことで、足元の利益率は改善傾向にあります。今後も利益率改善のための取り組みを継続して、連結での利益率改善に努めていきたいと考えています。

株式取得後の変化です。グループ全体の日本EC売上は2,500万円から5億9,500万円と前年同期比で約23倍になり、日本の売上比率は9.5パーセントから26.8パーセントとなりました。

シナジー創出のための取り組みとその成果です。アクシージアバリュークリエイターからエムアンドディ社へのマーケティング支援によって売上を拡大しています。また、利益率の改善として、スロームービング製品の在庫整理、高利益率製品の取扱い数増加、値入率の高い仕入先への変更、販売価格の見直し等を行っています。

その結果、当第1四半期の売上高は、単純に単月を3ヶ月並べたものを比較した場合、前年同期間との比較で19.1パーセントのプラスとなりました。まだ期間としては連結に取り込んでいませんが、単月の黒字化にも成功しています。

今後は、さらなる利益率の改善を図るとともに、従来の取引先であるディスカウントストアと協業し、日本リテール向けの香水の開発、商品化に取り組みたいと思っています。

【子会社】 海外子会社の状況 (シンガポール、アメリカ)

海外子会社の状況です。スライドの表に、第1四半期までの動きと今後の方針を記載しています。第1四半期までの動きとしては、シンガポール子会社では、「TikTok」等にて、現地のインフルエンサーを起用したライブ販売を実施しています。

2024年6月に設立したアメリカ子会社は、順調に事業を立ち上げているところです。

今後の方針については、シンガポール子会社では、今述べたように「TikTok」をはじめとしたSNSによるECを中心に、販売を強化します。さらに、現地のサロンや展示会といったオフラインにおける販売も実施していきます。シンガポールで基盤を固めた後は、周辺の東南アジア諸国に展開していく構想で進めていきます。

アメリカ子会社については、2024年11月に実施した、インフルエンサーを招待したオフラインイベントの様子を、今後各インフルエンサーに、SNSで投稿いただくことによって、現地での認知度を向上させていきます。

あわせて、シンガポール子会社と同様に、「TikTok」等のSNSの当社アカウントを活用し、ECを中心に販売を強化していきたいと考えています。私からのご報告は以上です。

質疑応答:中国市場における拡販戦略について

司会者:「中国のローカル化粧品メーカーのシェアが伸びています。日本ブランドが苦戦する中で、中国市場におけるアクシージアの戦略を教えてください」というご質問です。

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