中期経営計画-基本方針
八嶋大輔氏:それでは、今年(2019年)からスタートする3ヶ年の中期経営計画について、そのあらましを、ここで紹介させていただきたいと思います。
私どもの社内での掛け声は、「Brand-new SEMBA」。まっさらな気持ちで新しい船場をつくっていこうと、社内に向けて3つの収益構造改革を伝えております。
改革に向けて大幅に組織を変えています。その組織体制のもと、3つの改革を進め、企業価値を向上させてまいります。これから一つひとつご説明いたします。
中期経営計画-重点施策Ⅰ
1つ目は、「注力分野に対する深耕と新たな事業創造への挑戦」をやります。新設した「ZERO事業本部」は、まったく新しい「ゼロからの仕事」を立ち上げることに挑戦していこうという本部でございまして、そのような意味では、この本部には既存のクライアントがございません。既存の事業領域もございません。どんどん新しい仕事に挑戦していくスタンスで活動しております。
取り組むテーマとしては、5つ。「Food&Wellness」は、食から健康へという1つの切り口で、今までにはないような新しい場を提案していきます。
それから、「Culture」。私どもは、図書館やTSUTAYAさまの仕事も随分やらせていただいている中で、知識・教育といった切り口が(今後は)いろいろなところで求められていくだろうと考えております。
「PPP(公民連携)」とありますが、これは例えば公共公園の再整備を民間とタッグを組んで推進していく(カフェをつくるなどの)動きに着目して事業を切り開いてまいります。
それから、「Work Space」です。今(の日本にとって)まさに1つのテーマであります、働き方改革。日本人の働き方が変わっていくなかで、当然のことながら、これからはオフィスのかたちもずいぶん変容してまいります。そのような意味では、私どもが新しいオフィスをデザインしていこうと考えております。すでに、担当者がサンフランシスコの有名なIT企業のオフィスを見学し、研究し、その新しい切り口で新しいオフィスを提案していく仕事にとりかかっております。
最後に「Global」。1つのテーマとして注力し、海外戦略を強化してまいります。
以上が、私どもの新しい事業領域、ストレッチしていく事業分野でございます。
中期経営計画-重点施策Ⅱ
今(注力分野のご説明の)最後のテーマとしても申し述べましたが、「海外戦略の拡大」が2つ目の重点改革です。
やはりGDPの成長率から見まして、海外市場は非常に魅力的でございます。
私自身が、昨年(2018年)まで商社で仕事をしておりました。約15年間、海外駐在で仕事をしてきた経験がございます。そのような意味では、当社の海外戦略(については)先ほど申し述べましたような拠点もございますので、これを起点としてレバレッジをかけてどんどん強化していこうという方針がございます。
まず、1つ目としては、私どもの持つ企画構想力が、日本のマーケットよりも海外市場で、より価値を発揮できるのではないかと考えております。
(2つ目としては)やはり海外の仕事をやっていくためには、グローバルな人財を増強しなければなりません。そのような意味でも、人財面に力を入れていきたいと思っております。
それから、3つ目。必ずしも海外の仕事は、当社単独で完結できるとは思っておりません。やはり、ローカルのパートナーが非常に大事であり、今後は海外とのパートナーシップ戦略を強化していきたいと考えております。
(4つ目としては)日本のお店に設置する什器についても、海外での調達等を強化していきたいと考えております。
企画・施工の海外実績として紹介いたしますが、ここに出ております写真は、昨年北京で行った1つのイベントでございます。日本のプロジェクションマッピングの技術を使いまして、非常に幻想的な空間を完成させました。
中期経営計画-重点施策Ⅲ①
(収益構造改革の)3番目の柱として、やはり「生産性向上の追求」をせねばなりません。
競争力向上を追求していくということで、獲得物件あるいは発注先は、厳選していかざるを得ない状況でございます。パートナーである協力企業さまとの事業シナジーを創出してまいります。
それから、納品力(のさらなる強化)です。私どもは島根県の出雲と熊本県(の上益城郡)に、(グループ会社の株式会社装備の)木工の自社工場を持っております。このような工場の稼働率をさらに上げていくことと、協力企業群をさらに強化していくことを計画しております。これによって、私どもの納品キャパシティを高めていきたいと考えております。
中期経営計画-重点施策Ⅲ②
生産性向上のもう1つの鍵は、やはり社内の士気でございます。
私どもは、今年(2019年)を「働きがい元年」としています。(3月1日時点で)新しい元号はまだ決まっておりませんが、当社の中では、もう「今年は『働きがい元年』である」「業界で、働きがいNo.1を目指してがんばっていこう」と、いろいろな改革を進めているところでございます。
1つは、業務の標準化・高度化によって付加価値を創出していきたい。新しいITの力を導入し、時間の価値を生み出す仕事の仕方を模索しております。
もう1つは、ワークライフインテグレーションの実現です。テレワークあるいはフレックスタイム制等を導入して、多様な働き方を支援してまいりたいと思います。
中期経営計画-経営目標<業績>①
業績目標です。
ご覧のようにここ3期は、残念ながら減益基調でございます。ですから、今年度からの中計は、もう不退転の決意で増益に転じるという計画でございます。
この3ヶ年を、新たな成長軌道への基礎づくりをしていく時期に充てたいと考えております。
中期経営計画-経営目標<業績>②
具体的には、今年度の2019年12月期は、売上高を300億円に戻します。それから3年間をかけて、それを340億円まで成長させていきましょうという定量目標を立てております。
中計の最終年度の2021年には、ROEを10パーセント以上。
それから、先ほど申し述べました注力分野で新しく立ち上げていくビジネスを、グループ売上高の中の10パーセント以上にしていくということ。
そして、海外のビジネスについては、昨年度(2018年)の売上高が28億円強でございましたが、中計の最終年度にはこれを40億円以上にもっていくという目標を掲げております。
中期経営計画-経営目標<配当計画>
最後に配当計画ですが、当社の財務体質には、今のところ懸念はないと考えております。そのような意味では、事業拡大のために(必要な)内部留保は継続してバランスをとっていきますが、配当もきちんとやっていくという考え方で、経営をしてまいりたいと思っております。
この中期経営計画の期間中は、連結配当性向50パーセントを目安に配当額を決定することとして、さらなる株主還元の拡充を目指したいと考えております。
私からは、以上でございます。