1-3Q 連結業績ハイライト
髙橋誠氏(以下、髙橋):本日はお忙しい中、KDDIの決算説明会へお越しいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、2019年3月期第3四半期の決算につきまして、ご説明をいたします。
まず、業績のハイライトから。業績のハイライトでございますけれども、左側の(グラフにある、2019年3月期の)第1四半期から第3四半期の連結売上高につきましては3兆7,717億円。右側の営業利益につきましては8,225億円。売上高・営業利益とも、持続的に成長いたしています。
1-3Q 営業利益 増減要因
次に、第1四半期から第3四半期の営業利益の増減の要因でございます。
左側から、料金プランの値下げによる減収影響などによりまして、上期に続き、au通信ARPA収入につきましては365億円の減収となったものの、MVNO収入・付加価値ARPA収入の増収に加えまして、ビジネス・グローバルセグメントの増益が牽引いたしまして、前年同期比プラス87億円の増益となりました。
その他の減益要因といたしましては、前期のauポイントの失効影響などが含まれています。なお、第3四半期単独では、競争環境の悪化に伴う端末販売コストの増加等もあり、社内計画を若干下回り減益となっています。今後は想定以上に販売コストが膨らむ可能性があるものの、必要な対策をしっかり講じながら、現中期目標の1兆200億円をしっかりと目指していきたいと思っています。
au通信ARPA/au通信ARPA収入
国内通信事業の状況についてご説明をいたします。まず、au通信ARPAおよびau通信ARPA収入になります。
左側の第3四半期のau通信ARPAにつきましては、前年同期比で0.7パーセントの減収でございます。右側の第1四半期から第3四半期のau通信ARPA収入も同様に、前年同期比2.7パーセントの減収になっています。
また、「auピタットプラン」「auフラットプラン」導入時のキャンペーン営業が一巡いたしましたことから、データ利用増に伴う大容量プランの拡大、そしてスマホ浸透率の上昇。このようなことを原因といたしまして、au通信ARPAにつきましては(2019年)1月に対前年で反転の見込みでございまして、第4四半期も前年同期比で反転の見込みとなってございます。
学割キャンペーン
次に、学割キャンペーンでございます。(2018年)12月から新たな学割キャンペーンを開始していまして、魅力ある料金設定で、学生の方やそのご家族にも手軽にスマートフォンをご利用いただける内容といたしています。
また、データの使い方に応じてプランが選択できるように、学割専用の5ギガバイトのデータプランを新たに用意しまして、「NETFLIXプラン」も学割でご利用いただけるようにいたしました。
引き続き、お客さまのニーズに合った、お得で選べるサービス提供に努めてまいる所存でございます。
au解約率/モバイルID数
次に、au解約率およびモバイルID数です。
左側のau解約率につきましては、「auピタットプラン」「auフラットプラン」をはじめとする料金プランの影響や「au STAR」の会員特典、あるいはライフデザイン商材とのバンドルとの組み合わせによりまして、前年同期比でマイナス0.06ポイントの改善をいたしていまして、0.72パーセントとなっています。
一方、右側のモバイルID数につきましては、au解約率の低下やMVNOの純増によりまして、2,680万IDということで、着実に成長いたしております。
CM好感度 4年連続No.1
続きまして、CM好感度でございます。
CM総合研究所が行いました、2018年度の銘柄別CM好感度ランキングにおきまして、auのCMシリーズが4年連続No.1を獲得いたしています。おなじみの「三太郎シリーズ」をはじめとして、年間を通じて多くのみなさまからご支持をいただいた結果かと思っています。
これからも、より多くのお客さまに親しまれ、一番身近に感じていただける会社になることを目指していこうと思っています。
au経済圏 流通総額/売上高
それではここから、今後の成長ドライバーとなる新たな成長領域についてご説明をいたします。まずは、ライフデザイン事業におけるKPIの進捗について。
左側でございますが、au経済圏流通総額は、第3四半期で6,580億円。通期目標の2兆4,600億円に対しまして、第1四半期から第3四半期の累計では1兆8,260億円。進捗率につきましては74パーセントで、順調に推移いたしています。
一方で右側でございますけれども、au経済圏売上高。第1四半期から第3四半期の累計で4,910億円、前年同期比で23.7パーセントの伸びとなっています。流通総額・売上高とも、着実に成長を続けていると思っています。
付加価値ARPA
次に、付加価値ARPAでございます。
第3四半期で720円となりまして、前年同期比ではプラス22パーセントの成長です。前年同期比を見ますと15.7パーセントでございましたので、この成長率も加速しているとお考えいただいてけっこうかと思います。この成長の背景といたしましては、決済手数料の増加に加え、(2018年)8月から開始した「NETFLIXプラン」の好調も、この要因に挙げられると思っています。
また、「auスマートパスプレミアム」の会員数につきましては、12月末で650万会員になりまして、今期末では700万会員を目指して順調に伸ばしているところであります。付加価値ARPA向上へも、この件が大きく貢献いたしています。
通信とライフデザインの融合
次に、通信とライフデザインの融合です。
第3四半期におきましても、ライフデザイン事業領域を拡大いたしています。左上から、コマースでは、「Wowma!」のお買いもの金額の最大10パーセントのau利用料金への還元を、(2019年)1月16日から開始いたしています。
左下のエネルギーでは、エナリス社を連結子会社化いたしています。
また、右上の金融では、「auのiDeCo」を開始いたしています。
また、右側中央のエンターテインメントの分野では、「NETFLIXプラン」の学割を開始いたしています。
また、右下のエデュケーションの分野では、キッザニアとのパートナーシップの構築を行っているということで、非通信のライフデザインサービスを複数ご利用いただくことで、お客さまとのタッチポイントが増加するということ。また、複数のサービスをご利用いただければいただくほど、エンゲージメントが非常に強くなっていくことが明確になってきていますので、このあたりの強化についても努めてまいりたいと思っています。
また、その拡大に今後も積極的に取り組むことで、お客さまにはもっと(当社を)身近に感じていただくことを追求するとともに、今後の成長基盤の構築を図っていくことを考えています。
通信とライフデザインの融合
次に、au経済圏の拡大でございます。
au経済圏の拡大につきましては、2019年4月から、QRコード決済の「au PAY」を開始する予定であります。この分野では後発となるものの、すでに2,000万超の「au WALLET」ユーザー(がいます)。これだけのユーザーさんが、「au WALLET」口座をお持ちになっていまして。
月間900万人の方がご利用される、「au WALLET」アプリケーション(ということです)。ここからすぐに始められること。あるいは、「au WALLET」のポイントとチャージ残高を合わせて、今は1,000億円超の残高を有していること。このあたりが強みになってくると思っています。
さらに、楽天さまとのパートナーシップによって、スマートフォンで決済できる場所が100万ヶ所になることもありまして、これらの強みで十分に対抗できると考えています。
とくに、先ほどの繰り返しになりますけれども、1,000億円超の残高を、QR決済で使い勝手を良くして循環を加速させることが、au経済圏のさらなる拡大につながると考えています。ライフデザイン領域で今後、さらにサービスや利用店舗の拡大を進めていこうと思っています。
5G時代に向けて
次に、5G時代に向けてということです。
今後5Gへの移行を進めるにあたりまして、昨年(2018年)11月に、2022年3月末の「3Gサービス」の終了を発表いたしています。現在3Gサービスをご利用のお客さまが、安心して4GのVoLTEの対応スマートフォンに変更いただけるよう、専用の料金プランやサポートを用意して、丁寧に対応させていただくように考えてございます。
また、3Gからの移行を早めることで、スマートフォンへの移行促進を図っていくと同時に、ネットワークの設備も3Gからシンプルな5Gへと切り替えを進めていこうと思っています。また、4Gにつきましては、5Gと並行して運用してまいりますので、既存の4Gネットワークをさらに強化して、受信最大1ギガ超を実現していこうと思っていまして、5G時代に備えて、準備を着実に進めてまいります。
トヨタ自動車様との取り組み
次に、トヨタ自動車さまとの取り組みについてでございます。
トヨタ自動車さまと取り組んできましたグローバル通信プラットフォームをもちまして、2019年の秋から、全米で発売するトヨタ車・レクサス車でコネクティッド環境を提供することを、今月(2019年1月)初旬に発表いたしています。2024年までに数百万台規模となる見込みでございます。今回、現地の4G・LTEにつきましては、AT&Tさまと提携をすることにいたしています。
米国に加えまして、2019年に日本・中国でも、グローバル通信プラットフォームを利用しての提供を開始する予定でございます。また、グローバル通信プラットフォームを活用するIoT世界基盤につきまして、2019年度の商用化に向けて準備を進めています。現地キャリアとの直接接続に加えまして、グループ会社のソラコム社との連携により、120超の国と地域での接続を順次行っていく予定でございまして、新たな成長領域になると期待いたしているところでございます。
5G実証実験
次に、5Gの実証実験でございます。
5Gはその特性を活かしまして、新たな用途での社会課題解決に向けた活用を期待しています。人手不足や災害対応・地方創生の活用として、5Gを利用した建設機械遠隔操作の実証実験を、大林組さま・NECさまと実施いたしています。昨年(2018年)12月には、1人のオペレーターで2台の建設機械を同時に操作することに成功いたしています。
建設現場では人手不足あるいは有資格者の不足、災害復旧現場においては危険が伴うといった課題を抱えていますので、5Gを活用した遠隔地からの操作により、このような課題の解決にも活用できるのではないかと考えています。
今後もパートナーさまとの取り組みで、5Gを活かして社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
スマートドローンプラットフォーム
次に、スマートドローンプラットフォームについてご紹介したいと思います。今回も若干動画をご用意いたしましたので、このプラットフォーム全体像についての映像をご覧いただきたいと思います。よろしくお願いします。
(動画が流れる)
髙橋:ありがとうございました。ドローンにつきましては官民一体で、ドローン市場における国際競争力を高める施策が推進されています。当社は、2016年から「スマートドローンプラットフォーム」構想を立ち上げまして、トップランナーとして取り組んでまいりました。ドローンもIoT・5Gを活かし、警備や災害対策・安全点検・物流・地方創生などの社会課題の解決に向けた活用が期待されています。
とくに最近では、地方創生の取り組みが増えていまして、さまざまな地方自治体さまと取り組みを実施いたしています。当社は、このプラットフォームをB2Bトータルソリューションサービスとして、さらにはB2Cのお客さまへの幅広いサービス提供も視野に入れ、2020年からの本格的なサービス開始に向けた取り組みを進めてまいります。
KDDI DIGITAL GATE
最後は、「KDDI DIGITAL GATE」についてでございます。
(2018年)9月のオープン以来、盛況が続いています。12月末までに、相談やツアーの参加で100社超の企業さまと接点をもちまして、これをきっかけとして、さまざまな内容の受注案件が生まれています。お客さまの抱えるビジネス課題に入り込み、ビジネスプロセスからプロットタイムの開発までのトータルなIoTソリューションを、お客さまと一緒に作り上げるアプローチが信頼を得ています。
5G・IoTの新しいビジネスを生む場として機能していまして、今後もお客さまとの重要な接点として活用していく所存でございます。
まとめ
最後にまとめでございますが、第1四半期から第3四半期の業績につきましては、売上高・利益とも持続的に成長いたしています。
非通信分野の収益基盤は、順調に拡大いたしています。事業戦略につきましては、通信とライフデザインの融合を推進いたしていますし、また5G時代に向けた取り組みを推進いたしています。また、パートナーさまとともに、5G・IoTの取り組みを拡大してまいります。
以上、決算説明をさせていただきました。どうもありがとうございました。