2019年3月期第2四半期決算説明会

武内延公氏(以下、武内):みなさまにはご多用のところ、当社の決算説明会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役の武内でございます。よろしくお願いいたします。

当社の説明会はまだ2回目でございまして、今回初めてご来場いただいた方もいらっしゃいますので、まずは会社概要の説明として、当社の会社案内動画をご覧いただきたいと存じます。

(以下、動画)

ナレーター:ものづくり。今や世界に名だたるジャパンクオリティの、その根底にあるもの。半世紀以上、このものづくりにこだわり続けている企業があります。

株式会社エノモト。エノモトの製品は、人々の生活に欠かせない家庭製品や自動車、IT機器などの内部で使われている半導体のリードフレームやコネクタ、そしてインサートモールド部品といった高品位な精密部品たち。

リードフレームとは、ICやトランジスタ、LED等の半導体パッケージに使われ、半導体チップを支持・固定し、外部配線と接続する金属部品。またコネクタは、電子回路や光通信において、機器や部品を接続するために使用されます。

お客様企業が満足する製品づくり、健全なものづくりを通じて、豊かな社会の実現に貢献する。それが、私たち、株式会社エノモトの理念であり、変わらぬ使命です。

設立は1967年。業務拡大に伴い、製造拠点を増やしながら、2017年には東京証券取引所第二部に上場。現在も成長し続けています。

国内拠点は本社を山梨県上野原市に置き、製造拠点として山梨県甲州市に本社工場を。東北は、青森県と岩手県に、それぞれ津軽工場と岩手工場を有しております。

また、海外拠点としてフィリピン・中国に、それぞれ製造拠点を設置。お客様がご要望する製品を、最適地・一貫生産で提供しています。

最新の3DCAD/CAMや流動解析を駆使しながら、品質向上と同時に、コストダウンが図れる精密金型の設計・提案を行います。

こうしてできあがった量産金型は、プレス・樹脂成形金型とのベストマッチングを追求したものとなっています。

量産プレスでは少人化・自動化を追求し、高速かつ高精度なプレス加工を実現。微細な電子部品であるリードフレームやコネクタを効率的に生産します。

メッキ加工は、リードフレーム用銀メッキ。コネクタ用金メッキを津軽工場で対応。国内以外でもフィリピン、そして中国でも行っています。

金属プレス部品と樹脂を一体化させた微細で高品質なインサートモールド生産ラインでは、ロボットをはじめとした自動化による無人加工を推進し、高精度及び生産性を高めています。

そして、徹底して行われる品質管理。エノモトでは、全工場で ISO9001・ISO14001を取得し、またIATF16949の認証取得を進めております。

変化する時代のニーズに、独自の技術力を駆使し、応えることで、これからもお客様と社会の発展に貢献したい。それが私たち、株式会社エノモトの願いです。

■国内拠点

武内:当社はビデオにありましたように、1967年の設立でございます。本年で52年目を迎え、各種精密電子部品と、その生産に使用する金型及び金型部品のメーカーでございます。

半導体部品のリードフレームや、各種コネクタ用部品のプレス加工・メッキ加工・樹脂インサート成形加工及び金型製造を手がけております。

国内の拠点といたしましては、山梨県上野原市に本社を置き、同じく甲州市と上野原市に、主にリードフレームを生産する製造拠点と、金型技術部門・新規開発部門を有しております。

また青森県五所川原市と、岩手県大槌町に、主にコネクタ部品と車載用電子部品を生産する製造拠点があり、国内は合計4拠点となります。

■海外拠点

海外におきましては、ホンコンに販売拠点として1ヶ所、中国とフィリピンにそれぞれ1ヶ所の製造拠点をそれぞれ有しております。海外の工場は、中国・フィリピンともにメッキ設備を持っており、現地でのプレス、メッキ、樹脂成形の一貫生産が可能な体制となっております。

それぞれの国で、このような精密部品の一貫生産体制を保持する日系企業といいますのは、非常に稀な存在でありまして、これは当地における強い優位性となっております。

■東証一部指定のご報告

続きまして、当社が最近開示いたしました事項についてご説明申し上げます。当社は、長く腰を据えておりましたJASDAQ市場から、昨年12月に東証二部へ市場変更し、本年11月9日に東証一部指定をいただくこととなりました。短期間で一部指定をいただけましたのも、業績の推移や、ガバナンス体制の整備もさることながら、みなさま方のお力添えがあってのことでございます。

心より感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

当プロジェクトは、初動からいたしますと、約3年にわたるものでございました。その中で体制の弱点を洗い出して改善していくという作業を着実に行い、認定をいただいたところです。

この目標を掲げましたのは、ガバナンスやリスク管理体制の強化によって、経営基盤を盤石なものとし、より一層の企業価値の向上を目指すため、事業規模の拡大及び新事業分野への進出などで、さまざまな経営環境の変化に対応できる会社とするためでございます。

また、従前以上の強固な体制、企業イメージの向上、信用力といったものは、優秀かつ安定的な人材の確保に対しても重要な要素になると考えております。

■利益配当

続きまして、配当政策でございます。昨年度は東証二部への市場変更記念として、普通配当30円に加え、5円を記念配当とさせていただきました。本年につきましても、一部指定の記念配当を同額の5円といたしますので、当初の配当予想から修正いたしました。

■通期業績予想

業績予想の修正につきまして、ご説明を申し上げます。前年と比較して、微減収・微増益という予測でございましたが、第1四半期に一部の製品において、出荷のタイミングの後ろ倒しが起き、その影響で四半期末の時点では予測を下回るスタートとなりました。

第2四半期末時点において、信用しうる情報を集積しましたところ、出だしの遅れを当期中に挽回することは困難であると判断し、下方修正を開示させていただきました。原因といたしましては、主にモバイル関連のコネクタ部品の変動によるものが、大きく影響しています。

それを除く、車載関連及びその他の電子部品、半導体部品については、おおむね期初の予測に沿った水準でございました。そのような中、修正後の業績予想数値は、当社としてはリーマンショック後では昨年に次ぐ高い水準でございます。

■連結業績の推移

それでは、本年度第2四半期末における当社の業績につきまして、ご説明を申し上げます。連結業績の推移についてですが、国内における売上高の減少が大きなマイナス要因となっております。

第2四半期末までの推移では、売上及び各段階利益は総じて前年比減となっておりますが、これは量産による収益効果が大きいモバイル関連品目の動き出しが遅れたことが大きな要因でした。第3四半期以降は、営業利益率の面で生産繁忙期に向けて、改善するという見込みでございます。

■当上期の概況(1)

グループ全体の業績を見ますと、車載向けの部品は前年と変わらず、堅調な推移を見せております。また大型ディスプレイ向けや、アドバタイズメント用途の、主にLED向けの部品の需要は、当社の予測をやや上回りながら伸長しております。その反面、モバイル向け部品については、当期のスタート時点で動き出しが遅れました影響で、当初の予測を下回る推移となりました。

地域別に見ますと、フィリピンでは車載向け部品は、変わらず堅調な推移となっておりますが、セブの金型工場をマニラに集約し、合理化を推進しております。中国におきましては、コネクタ部品・リードフレームともに需要動向は堅調でしたが、リードフレームにおきましては、前年にスポットオーダーの受注がありましたため、前年対比でいきますと、売上は減少しました。

■当上期の概況(2)

経常利益段階での内容については、売上の減少に伴う付加価値の減少が大きく、それに伴い運賃搬送費と経費の減少が表れています。

為替変動については、円安傾向により若干の差益方向となっております。その他につきましては、非連結子会社からの受取配当金が発生したため、増加しました。

■財政状態

財政状態に目を移しますと、2018年の期末の自己資本比率の増加は、東証二部上場と同時期に実施した上市の影響によるものではありますが、その後も財政状態は良好に推移しております。

■製品群別業績の概況

次に、製品群別に説明を申し上げます。まず、IC・トランジスタ用リードフレームですが、国内・海外ともに車載向けの需要は変わらず堅調に推移しておりますが、海外において前年のようなスポットオーダーの大型受注がなかったため、総量では微減となりました。

オプト用リードフレームにつきましては、アドバタイズメント向け大型ディスプレイ関連をはじめ、受注は増加傾向にあります。コネクタ用部品は、海外での車載向け大型コネクタ部品の増加傾向は持続しておりますが、前述の理由により、総量では減少しています。

■製品群別業績(売上高)

製品群別の売上高を見ていただきますと、ご覧のとおり、コネクタ用部品の減少が大きくなっています。その他については、主にリレー用の部品と金型の部品単体の売上になりますが、この伸長は設備投資の活発化によるものと考えられます。

■1株当り指数

次に、1株当りの指数の推移でございます。こちらの数値は、一昨年の株式併合と昨年の株式分割を考慮しまして、現在との比較となる数値としています。1株当り純資産は3.3パーセントの増加となっておりますが、当期純利益は18.6パーセントの減少となっております。

■製品群別の動向①

各製品群の動向についてご説明申し上げます。IC・トランジスタ用リードフレームは、先ほども申しましたとおり、堅調な成長が見込まれております。IoT事業の成長や自動車の自動運転に向けての電装化率上昇などの要因によりまして、出荷数量は堅調に増加していくものと考えております。

車載向けの需要は底堅く、今回修正開示いたしました業績予想のベースの実現可能性は、高いものと考えております。その他の種目につきましても、当社が取得しうる情報においては、固い推移を維持するものと考えております。

■製品群別の動向②

オプト用リードフレームです。先ほど申し上げましたとおり、競技場やアドバタイズメント用の大型ディスプレイ向け需要の成長が顕著化しております。

国内においては、2020年に向けて成長するものと予測しています。現状におきましても、予測を上回る好調な推移となっておりますが、この傾向は短期的なものではありません。例えば、パブリックディスプレイの需要は、中長期的に全世界で伸長するものと見込まれており、大型設備を中心とした需要は、成長傾向を持続するものと考えております。

■製品群別の動向③

コネクタ用部品におきましては、車載用大型コネクタ部品の需要は、変わらず順調に推移しています。当社の生産能力につきましても、高まる需要に対応するべく注力を続けておりまして、今後も柱の1つとして大きな期待を持っています。

超精密コネクタ部品は、昨今ではウェアラブル端末品の需要に伸長が見られております。要求される技術的難易度はさらに高まっており、対応できるサプライヤーの限定化は加速していくものと考えられます。

ここで、当社が生産している当該部品の画像をお見せしたいと思います。(画面を指して)こちらがお米1粒の大きさでございます。それに対して、このリセットプラグが2つで1セットになるのですが、この小ささで4芯……片側4つのことを4芯、片側3つのことを3芯といっていますが、こうした4芯・3芯といったものを、小さなコネクタのプラグドレスを1対にして、お客様に納めています。

小さくないとウェアラブル端末には搭載されないというところから、非常に精度が要求される小さく精密な部品を納入しています。このように微細な加工と安定した品質で量産化するという品質能力が求められるわけですが、そういう意味で当社はトップランナーとして、強い優位性を保持しています。

またスマートフォン向け部品につきまして、来期に向けては、5G対応等々の変革が予測されており、買い換え需要の加速が期待されます。

■使用先別分類

量産品目の用途別売上高を見ますと、車載部品の割合が増加しています。これは、モバイル関連の出遅れが車載部品の割合を引き上げた面もありますが、フィリピン等における大型コネクタ部品……中国及び日本では、車載向けリードフレーム関連の割合が増加しており、中長期的な観点からも、車載部品のウエイトは今後増加していくものと考えております。

中間期末における業績と見通しにつきまして、ご説明を申し上げました。ありがとうございました。