スペースシャワーネットワークグループの企業理念

近藤正司氏(以下、近藤):このたび、株式会社スペースシャワーネットワーク取締役社長に就任した近藤正司です。

創設当初よりスペースシャワーTVの立ち上げに携わり、以来音楽ソフト事業の推進にいたるまでコンテンツプロデュース関連部門を歴任してまいりました。

今後は社業全般の発展に向けて尽力いたす所存です。よろしくお願いします。

それでは、2017年3月期 スペースシャワーネットワークグループ決算説明および今後の事業展開についてご報告させていただきます。

まず当社グループの企業理念について、改めてご説明させていただきます。

当社グループは、さまざまな事業、サービスを通じて音楽を核とするアーティスト・クリエイターの活動をサポートし、人の心に感動を送り届け心豊かな文化創造の一助となるべく社業を展開しています。

1989年、当時画期的であった音楽専門チャンネル「スペースシャワーTV」の出発以来28年、当社グループはステークホルダーのみなさまとともに事業領域を拡大しながら、事業規模を広げてきました。

当社グループを取り巻く環境は大きく変化しています。放送通信業界、音楽業界、広告業界エンターテインメント業界に、パラダイムシフトが訪れています。

デジタル技術の革新が、さらにそのスピードを加速して進んでいます。そして来るべき2020年を射程に、インバウンド環境はさらなる転々を繰り返しています。

この変革の時代に対し、当社グループは過去の経験に学びつつも過去にとらわれることなく、グループ内の機能連携を強化しさらに魅力的な新しい価値の創造に取り組みます。

そのために今後なお求められる経営改革を推進し、社業に邁進してまいります。

スペースシャワーネットワークグループの役割と目指す方向性

次に、当社グループの役割と目指す方向性についてお話しさせていただきます。

当社グループとしては、各種事業展開を通じて生まれるアーティスト、クリエイターとのネットワークを大切にし、アーティスト、クリエイターの生み出す価値を最大化する。

そのために、さまざまなコンテンツをプロデュース、そしてそれらのコンテンツサービスを自社メディアを含めた多種多様なプラットフォームに向け、360度展開していくことを目指しています。

当社の強みであるアーティスト、クリエイターとの信頼関係、また番組、楽曲、イベント、映像を含めたあらゆるコンテンツのプロデュース力をより強固なものとすること。

そういったことで、さらなるヒットコンテンツの創出を目指すとともに、コンテンツライツホルダーとしての立ち位置を築くべく、音楽出版事業領域の拡充に努めてまいります。

加えて、自社メディアを含めたさまざまなウィンドウ、プラットフォームを活用し360度展開することで、総合的な情報発信力を高め、サービス多様化社会へ対応すべく、会社の基盤整備を進めていきます。

2017年3月期の主な取り組み

続いて、スペースシャワーネットワークグループ事業における2017年3月期のおもなトピックスについてご説明します。

アーティスト戦略は、当社の推進してきた組織、事業構造改革の成果としてアーティストビジネスの基盤が構築でき、2017年3月期にスペースシャワーミュージック事業のレーベルマネジメント関連の躍進が実現しました。

とりわけ、当社マネジメントアーティスト「Suchmos(サチモス)」のブレイクは広く世の中に知られることとなりました。

コンテンツ戦略は、音楽とカルチャーの新たな祭典「TOKYO MUSIC ODYSSEY」を昨年度に続き渋谷を拠点に開催しました。

アジア・海外戦略は、当社の出資参画するMCIPホールディングスとの共催により、スペースシャワー列伝初のアジアツアーをタイ、シンガポール、台湾で開催し、各国とも盛況となりました。

エンターテイメント戦略は、昨年度連結子会社となったインフィニアの運営する「@ほぉ~むカフェ」所属メイドによるアイドルユニット「@17」を結成するなど、新たな展開にも取り組んでいます。

また昨年9月にライブハウス「WWW」の2号店として1号店の入居するビルの2階に、キャパシティが一回り大きくフラットなダンスフロアを擁する「WWW X」をオープンしました。

2017年3月期 連結決算

案納俊昭氏:続いて、2017年3月期決算につきましてご説明します。

2017年3月期連結決算は、連結売上高147億9,900万円、連結営業利益5億8,800万円、経常利益6億2,600万円、当期利益3億4,900万円でした。

売上、利益ともに前年度実績を大きく上回る結果となりました。また、経常利益は期初予想も上回っています。

これはアーティストビジネスなど、今後の基幹事業とすべく事業構造改革を進めてきた成長期待事業に成果が見られたこと、および新規連結子会社の増加とその好調によるものであす。

2017年3月期 連結決算 業績の推移

次に業績推移をご説明します。2017年3月期決算の売上、利益は、過去7年間の推移においてそれぞれ最大の着地でした。

なお、連結売上高は創業以来最高を記録しています。

売上高の推移と事業分野別の売上構成比

次に連結売上高の事業分野別構成比推移を説明します。

2017年3月期連結売上高147億9,900万円の内訳ですが、成長著しかったのはスペースシャワーミュージック事業ならびに子会社関連となります。

スペースシャワーミュージック事業は、事業構造改革による成果が見え始めたことにで、従来より当社の売上高を支えるスペースシャワーTV事業と肩を並べる水準となりました。

また、子会社関連は、昨年度連結子会社となったインフィニア・コネクトプラスの貢献がありました。

2017年3月期 連結決算 経常利益の事業分野別増減要因<前年同期比>

最後に、連結経常利益の事業分野別増減要因を説明します。

経常利益増加の主要因としては、先般もご説明申し上げたアーティストマネジメントビジネスの著しい成長が経常利益にも及んだこと、放送関連においては運用コストの削減、「スカパー!」の配分単価上昇による利益貢献が挙げられます。

結果、連結経常利益は前年同期比で4億9,000万円増加し、6億2,600万円でした。

以上、ご報告申し上げます。

スペースシャワーネットワークの各事業とグループ子会社

近藤:2018年3月期の業績見通しについてご説明します。

2018年3月期の当社グループは、スペースシャワーTV事業・スペースシャワーミュージック事業・スペースシャワーエンターテイメント事業・ライブハウス事業の4つの事業、および映像制作会社セップ、音楽ソフト制作会社Pヴァイン、コンセプトカフェ運営会社インフィニア、ファンクラブサイト運営会社コネクトプラスの連結子会社4社で事業展開を行っていきます。

2018年3月期 売上・利益予想

これら事業を有機的に連結させながら、2018年3月期は、連結売上高145億5,000万円、連結経常利益3億5,000万円の達成を目指していきます。

売上、利益ともに2017年3月期を下回る減収減益の予想とはなっていますが、基幹事業の堅持ならびに効率化を推進するとともに、アーティストマネジメントや音楽出版等、今後の成長エンジンとなる事業のさらなる伸展や布石の実効化を行うことで、まずは基礎収益力を向上・安定させながら、ヒットプロジェクトの創出を目指していきます。

以上、ご清聴ありがとうございました。