2017年3月期第3四半期決算概況

阿部和彦氏:おはようございます。それでは、私から決算の概況についてご説明をさせていただきます。

売上高が208億円、前期比14.8パーセント増。EBITDAが38億円、前期比6.3パーセント増加となっております。

売上原価のほうが、LMP(Lifull Marketing Partners)の売上増加に伴いまして、原価も増加しているというところで、これは異常値ではございません。

販管費は17億円増加しております。こちらは主に3点ありまして、1点目は人件費です。こちらは社員が増加しておりまして、878名から200名増加の現状1,078名(グループ全体の平均従業員数)になっております。

ご周知のとおり、(今後の10年間で)100社・100ヵ国の目標がありまして、それに伴いまして人材の先行投資を行っているという状況でございます。

それから広告宣伝費も前回から比べると5億円増えておりますけれども。こちらは新しいCMが10月からスタートしております。非常にインパクトのあるCMで認知度も上がっておりまして、今後の反響につながってくると思っております。

その他のところが、約5億円ほど増えております。こちらは、社員が増加したり、新しい会社を増やしたりしておりますので、その関係のサービスやシステムの利用料が増加していると。

それと今度新しく、本社が移転しますので、それに伴う費用が増加しているという状況でございます。

あと、特徴といたしまして、一番下の減価償却ですね。こちらも本社移転に伴いまして、こちらの事務所の建具のところの耐用年数を減価償却することになりましたので、そちらの費用が増加しているという状況になっております。

売上収益に対する費用

続いて、売上に対するコストのバランスについてご説明させていただきます。

ご覧のとおり、一番上の原価とその他の販管費のところで、とくにLMPが売上の増加に伴いまして原価が上がりました。

その関係で、前々回から比べると3.4ポイント、前回から比べると2.2ポイント増加しているというところで、あとの大きな変動要因はございません。

セグメント別売上収益

次はセグメント別の売上の分析になっております。

売上の全体が208億円に対しまして、70パーセントが国内不動産情報サービス事業なんですけれども、その内の約65パーセントが賃貸不動産売買。こちら主力の事業になっておりますけれども、そちらが13.7パーセントの増収となっております。

ここに書かれてますとおり、3,500店舗ほど前年から加盟店が増えました。その関係で堅調に推移している状況でございます。

一方で、新築分譲マンションなんですけれども、市場は冷え込んでいるんですが、当社の営業努力で増収となっております。

それから注文住宅・リフォームも金額は小さいのですが、順調に推移しております。

あとはLifullシニア、介護のところなんですけれども、こちらは順調に推移しておりまして、その他のセグメントでプラス要因となっております。

国内不動産事業者向けでいきますと、LMPが一昨年の6月から連結の対象となりました。こちらが好調に推移している関係で、前年比約50パーセントの増収となります。

一方で、海外は12パーセントほど減収になっておりまして、主に為替の変動要因が大きく影響されています。

その他のところは、金額は小さいんですけれども、順調に着実に成長しているという状況になっております。

セグメント別損益

続いて、セグメント別の利益になります。

全体で31億2,200万円に対しまして、主力事業の国内不動産情報サービスが28億円となっております。

費用等は増えているんですけれども、売上が好調に推移しておりますので、2桁増となっております。

一方で、国内不動産事業者向け、こちらは約1億円の赤字となっております。ソフトウェアはいろいろ開発しているんですけど、仕掛計上していたものを、原価のほうに振り替えた関係で費用が出ているということで、先行投資になっております。

それから、海外。主にTrovit社なんですけれども、賞引を戻しておりますので、これはプラス要因になったんですが、為替の変動による売上の減少と、人件費、広告宣伝費等々かかっております関係で、こちらが利益を圧迫しておりまして、前年から比べると40パーセントほど減益というかたちになっております。 その他のところは割愛したいと思います。

(ご参考)四半期の業績推移

  こちらはご参考の資料なんですけれども、四半期の業績推移になっております。

第3クオーター、売上は伸びたんですけれども、原価と販管費が増加してしまいまして、EBITDAで30パーセントほど減益になっております。 こちらの状況としては、先ほど説明したとおり、採用増を行っております関係で人件費の増加と、あとは第3クオーターからHOME'SのCMを新しく変えまして、広告宣伝費を投入いたしました。その関係で費用が増加しているという状況になっております。 あとは大きなトピックスはございません。

財政状態計算書とのれんの状況

続いて、BSです。

BSにつきましては、先ほど為替の影響で言いましたとおり、資産が減少しておりますが、大きな変化はございません。各社ののれんにつきましては、(スライド)一番下の注記に書いておりまして、一番大きいところでいきますと、Trovitが約85億円というかたちになっております。

キャッシュフローの状況

  続いて、キャッシュフローの状況です。

特徴的なところは、本社移転に伴う費用が計上されております関係で、3点ほどあります。1つは減価償却のところ。こちらが昨年から比べると、約1億円強のプラス要因。それから、有形固定資産の取得による支出。これは新しい事務所に移りますので、その関係でキャッシュを先に出していくところ。

それから、敷金・保証金。こちらも新しい事務所の関連で支出が出ているというかたちになりまして、そこのところで、お金が出て行っている状況なんですけれども、一方でいろんなコストの削減も行っている関係で、昨年から比べますと約3億円ほどプラスになっているという状況になっております。

2017年3月期の業績予想と進捗状況

  これは参考までですけれども、最後が3月期までの業績予想との進捗率になっておりまして、売上高とEBITDAともに、進捗率が66パーセントになっております。

第4クオーターは繁忙期になっておりますので、通期の達成に向けて努力しているという状況でございます。数字については以上でございます。それでは、山田からご説明させていただきます。

事業の状況

山田貴士氏:みなさま、おはようございます。HOME'Sを担当しております。山田と申します。私からは事業の状況についてご説明をさせていただければと思います。   私たち株式会社ネクストは、1997年3月12日に設立をしております。おかげさまで、今年3月を持ちまして、20周年を迎えることになります。

この間、創立からの「すべての不動産情報が公開される仕組みを創りたい」といった想いを一貫して事業運営をしてきております。   その結果を持ちまして、おかげさまで、会社設立当初からは、比較にならないくらい大きく成長することができていると思っております。

最初の10年を創業期、上場から次の10年を拡大期としますと、これからの10年、次の10年というのは、グローバル展開期と位置付けておりまして、世界に挑戦して、さらなる成長を目指していきたいと考えております。

そのためにも、国内不動産領域において、圧倒的No.1を取ること。それが当社の最重要課題であると認識しております。

国内不動産情報サービス

それでは、当第三四半期におけます、各事業の状況をご説明させていただければと思います。まずは、国内不動産情報サービスになります。

加盟店数推移

加盟店舗数は順調に拡大を続けておりまして、2万1,944店舗と過去最高を更新することができております。中長期的に目指しております、4万店舗に向けて、着実に進捗をすることができているのではないかなと思っております。

掲載数推移

またそれに伴いまして、物件掲載数につきましても、昨年末の時点で815万件となりまして、こちらも順調に推移しているかなと思っております。

国内不動産情報サービス 各事業の成長戦略

  国内不動産事業における主要な各領域の市場環境の自社分析になりますが、賃貸は引き続き安定、不動産売買、リフォームは拡大していくと。それから新築系は少し厳しい状況かなと思っております。   それぞれの領域において積極的な投資を行うことによって、反響を拡大させて、売上を上げていき、さらに増加した分を再投資に回していくと。

そういった成長サイクルを加速させていくことによって、シェアの拡大はまだまだできるだろうと考えております。

ここで「再投資」と申し上げておりますのは、主にサイトへの新規の追加ですとか、コンシェルジュデスクやそういった機能の拡充ですとか、新サービスの開発といった顧客体験、エンドユーザー様とかクライアント様の顧客体験を高めていくというものと、広告宣伝・マーケティングといったサービス利用者の拡大を狙っていくもの。この両面をイメージしております。

顧客体験の最大化 モバイル強化

顧客体験を高めていく上で、今、一番大事なものはやはりモバイル対応だと考えております。

社内では、スマデバシフト・モバイルシフトということを、数年前から掲げて取り組んできておりますけれども、こちらにありますように、HOME'Sへのアクセスの7割がモバイルからという状況になっております。ですので、そこを外しては語れないかなと思っております。    第3四半期におきましても、モバイル対応は強化しておりまして、ユーザーのみなさまがさらに使いやすいサービスになるようにさまざまな施策を行っております。

2つほど紹介させていただきたいんですけれども、2016年11月よりLINE問合せを開始しております。こちらは弊社がLINE社のSMEパートナーとなりまして、友達登録不要で問い合わせできる不動産会社さんを増やしていくことで、ユーザーが利便性を感じる機会を増やしていきたいなと考えております。

2点目のアンドロイドアプリにも大きく機能を2つ追加しております。土地勘のない方に向けて、路線ごとに、始発駅や急行停車駅が一目でわかる機能ですとか、物件の周辺をストリートビューで簡単に確認できる新機能を追加しております。   先般発表がありましたけれども、1年を通じてプロダクトを磨き続けてきた結果、HOME'SのアンドロイドアプリがGoogle社の選ぶGoogle Play 2016年ベストローカルアプリに選出されることができました。

また、毎年恒例になっておりますけれども、先日発表されましたGomez社の賃貸不動産情報スマホサイトランキングで総合1位を獲得することができております。

とくに安定性と信頼感、それから便利な機能・サービスが高く評価されて、総合1位という結果となっております。

売買部門に関しましては、惜しくも総合で2位となっておりますが、同様に安定性と信頼感、それから便利な機能・サービスという面においては高く評価されております。

顧客体験の最大化 オムニチャネル戦略

  今ご説明したようなオンラインでの豊富な情報量を活かした便利な機能を使いこなしていくと。基本的には、自ら探していけるユーザーさんをターゲットとしておりますけれども、どこかのタイミングでは必ず「誰かに相談したいな」「わからないな」という局面があると思いますし、最初から人に相談しながら不動産を探すことを進めていきたいというユーザーの方もいらっしゃると考えております。

そのようなニーズに応えるべく、今期よりスタートしております、オムニチャンネル戦略の進捗について少しご報告させていただきます。

顧客体験の最大化 HOME’S 住まいの窓口

「HOME’S住まいの窓口」という名称で、リアルのカウンターを運用をスタートさせておりますけれども、トレッサ横浜店、ユニモちはら台店を加えまして、常設3店舗、仮設2店舗の計5店舗で運営をスタートしております。

このトレッサとユニモちはら台さんはショッピングモールということで、人通りの多い場所での出店となって、飛び込みでの相談というものも、じょじょに増えてきているとのことですので、今後にご期待いただければなと思っております。

顧客体験の最大化 情報の可視化

  それから我々の得意領域であります不動産テック、ReTechの取組みについては、こちら毎度ご報告させていただいておりますが、HOME’SのPRICE MAP、こちらも引き続き対象エリアを拡大すべく現在開発中でございまして、こちらは今年の3月に愛知と福岡エリアを公開予定となっております。

顧客体験の最大化 サービス品質の向上

  そのほかには、話題のディープラーニングを活用した取組みというものをご紹介させていただきたいんですけれども、物件画像における不整合な画像を検出する仕組みを取り入れました。

HOME’Sでは、登録されている物件画像の枚数だけではなくて、その画像の多様性を評価するランクアルゴリズムというものを取り入れております。

そのアルゴリズムの精度を高めていくために、この画像と登録されている項目の不整合を検知するシステムということで、開発をさせていただきました。こちらは今後もアルゴリズム精度向上ということで努めていきたいなと思っております。

新・広告宣伝戦略

  マーケティングに関しましては、昨年10月から新しいテレビCMを開始しております。

1月から第2弾のクリエイティブということで放映をしておりますが、今年のCMのコンセプトとしては、「おウチ探しのプロ」ということでホームズくんが登場しまして、「住まいにまつわる悩みを抱えている人たちのために奔走する」というものをコンセプトとしております。

こちらに掲載されていますグラフは、ホームズくんの認知度を表しておりますけれども、CMの開始の10月前後でホームズくんの認知が急拡大をしているという状況でございます。

それに合わせまして、ブランド認知度とHOME’Sの利用率も伸長してきております。 また、右下に書いてありますが、LINEのスタンプのほうも、かわいいホームズくんということで配信しておりますので、みなさまぜひダウンロードしていただければ幸いでございます。

日本のリフォーム市場の成長余地

続きまして、リフォーム市場についてご説明をいたします。   政府のほうでも、2025年までにリフォーム市場を今の倍の12兆円にするという目標を掲げております。リフォーム市場、今後も大きく拡大していくものと我々も考えております。

HOME’S リフォーム事業の課題

  すでに弊社でもリフォーム会社の紹介を中心にリフォーム事業というものは展開しておりまして、2年前に成約課金ということでビジネスモデルを変更しておりました。

そこから、反響だったところから成約モデルに変換したので、反響・応札・現地調査・成約というステップを追いかけていくなかで、サイトから反響があっても応札されない、応札しない。内部では応札ゼロと呼んでましたけれども、その応札ゼロをいかに減らしていくかということが課題となっておりました。

リフォームの元請会社を設立

  加盟店を増やしていく、または加盟店にインセンティブ施策を打つなど、さまざまな取組みをしてきましたけれども、それでも完全にはなくならないということもありまして、このたび新たにリフォームの元請会社ということで、LIfull Remodelを株式会社クワザワ様と一緒に合弁会社というかたちで立ち上げをいたしました。   クワザワ社の施工力を活かしまして、リフォーム紹介事業とのシナジーを最大限発揮させ、ここの垂直立ち上げということを目指しております。

国内不動産事業者向けサービス

続きまして、国内不動産事業者向けのサービスについてご報告をいたします。

2015年12月にアクセリオンとHOME’Sの新築分譲の営業部門を統合して、約1年が経過をしております。

Lifull Marketing Partners

LIfull Marketing Partners、通称LMPと呼んでおりますけれども、LMPは単体の開示をしておりませんので、みなさまからは「なかなか経営状態が見えづらい」というお声をいただきますけれども、子会社化以降大きく成長しておりますので、ご安心いただければと思っております。   子会社化当初と比較しまして、売上高で約42パーセント。取扱いの案件数につきましても約30パーセント。コンサルティング事業なので、人が源泉になりますので、社員数も65名増加して成長してきていると思っております。

掲載数推移

  新築分譲領域の掲載数としましては、市場環境はご存じのとおり厳しい状況ではありますけれども、増加させることができていると思っております。   引き続き、こちらLMPとタッグを組んで、分譲事業者で最高のパートナーを目指してシェア拡大を目指していきたいと考えております。

DMP「NabiSTAR」

  それから、もう1つの不動産業界特化型DMPサービス「NabiSTAR」がございますけれども、こちらも順調に導入企業数を伸ばしてきてございます。

不動産業界特化と銘打っておりますけれども、不動産業界と親和性の高そうな他業界、自動車業界ですとか、家電業界ですとか、そういった業界の方からもお話をいただく機会が増えてきておりまして、こちらも新しいコラボレーション、新しい仕組みができるんじゃないかということで前向きに捉えております。

サービス一覧

  こちらはサービス一覧ですけれども、国際事業を譲り受けたことによりまして、右下の外国語対応というところを提供中にさせていただいております。   それから、よくご質問いただきます民泊につきましては、国土交通省の発表によりますと、3月上旬あたりに住宅宿泊事業法案、通称民泊新法と言われているものが通常国会に提出される予定とうかがっております。

民泊サービス

ですので、我々の取組みとしましては、昨年から民泊サイトをトライアルというかたちで始めさせていただいておりますけれども、新法の設立を待ちまして、来期中に本格ローンチをする予定で準備を今進めておるというところでございます。

  また、こちらもよくご質問いただきますけれども、クラウドファンディングの事業についてです。

不動産特化型クラウドファンディング事業

先月1月27日にJGマーケティング社に追加で出資を行いまして、子会社化いたしました。これにより、不動産の小口融資というところのクラウドファンディング事業をさらに加速させていきたいと考えております。

海外事業 Trovit展開国

続きまして、海外事業となります。

先ほどの数字のところからもみなさまにご心配をおかけしております、Trovitの状況についてのご説明になります。

展開国につきましては、トータルで51ヶ国になりました。新たにコスタリカ、ケニア、ルクセンブルク、パナマ、ウルグアイの5ヶ国に進出をしております。

2017年の取り組み

Trovitは12月決算になりますので、1月からすでに新しい年度としてスタートをしております。注力ポイントはここに掲げている3つです。

SEO強化を進めると。基本的なところではございますけれども、SEO強化を進めて各国に展開すること。

それからマネタイズしていくというところがありますので、営業を強化していきますと。

それから、海外でも同様にスマートデバイスですとかモバイルというところが主流になってきますので、モバイルの強化をしていって、トラフィックの早期回復を実現して、さらに成長していきたいと考えております。

Lifullオーストラリア

  Trovit以外の海外事業の取組みとしては、Lifullオーストラリアが、サイトOPEN後、約1年で大きく成長することができております。

Lifull×Trovit

  今回、先行して進出しておりましたTrovitの送客力というものを活かすことで、このLIfullオーストラリアの早期立ち上げを実現しております。

サイトのトラフィックを高めていくことによって、さらに物件数が高まり、集まっていきまして、その物件数が集まることでさらに送客・集客が増えていくということで、プラットフォームの正のスパイラルというものが回り出してくるかなと思っておりますので、今後課金会員の増加にもつながっていくものと考えております。

株式会社LIFULLへの社名変更

  2017年4月1日、我々は20周年を迎えまして、新たなステージへと進んでまいります。社名を株式会社LIFULLへと変更いたしまして、本社も麹町へ移転いたします。

「世界一のライフ・データベース&ソリューションカンパニーへ」ということで、あらゆるライフをフルにすべく取り組んでまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。私からは以上になります。