用語解説
増配とは、企業が株主に支払う1株当たりの配当金を前期や前年同期と比較して増加させることを指します。普通配当のほか、記念配当や特別配当による増配も見られます。
増配は通常、企業業績の向上や将来の成長への自信を示すシグナルとして受け取られ、株主にとって好ましいニュースとなります。増配が発表された企業の株式は、業績に対する期待感から株式市場で買われる傾向があり、株価は上昇傾向をたどることが多いです。
日本企業は伝統的に安定配当指向が強く、業績が良くても積極的に増配を行わない傾向がありました。一方、米国企業では業績が良ければ増配するのが一般的で、50年以上連続増配の記録を持つ企業も存在します。
増配が行われる主な理由には、収益の増加、投資計画の変更、株主還元策の強化などがありますが、過度な増配は将来の投資資金を減少させる可能性もあるため、企業は成長投資とのバランスを考慮する必要があります。
増配の対義語は「減配」で、配当金を据え置くことは「維持配当」と呼ばれます。