用語解説
クロス取引とは、1つの証券会社が同一銘柄について同量の売り注文と買い注文を証券取引所に提出し、取引を成立させる方法です。この取引方法は、1967年10月に禁止された「バイカイ」(取引所を介さずに証券会社内部で売買を成立させる方法)に代わるものとして導入されました。
バイカイは「呑み(ノミ)行為」に該当するおそれが強く、市場集中原則にも反することから禁止されましたが、クロス取引は売買注文が実質的に市場に出されるため、バイカイとは大きく異なります。
クロス取引は主に機関投資家などからの大量売買注文の処理に使用され、市場インパクトを抑えるなどのメリットがあります。ただし、不適切な利用は市場操作(仮装売買)とみなされるリスクもあり、注意が必要です。