2024年度第3四半期 連結業績サマリー
端羽英子氏:みなさま、こんにちは。ビザスク代表取締役CEOの端羽です。本日はビザスクの決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
2024年度第3四半期連結業績のサマリーです。2024年度第3四半期は連結累計で取扱高107億円、営業収益73億円となりました。取扱高10パーセント成長と、おおむねお伝えしている業績予想どおりに進捗しています。
調整後EBITDAや当期純利益、その他の各種の利益の指標については通期業績予想を上回っているものの、業績予想は据え置いています。第4四半期の業績の進捗を見つつ、必要に応じて今後業績予想の修正も検討していく予定です。
事業別に見ると、ご心配いただいている国内法人事業は、この第3四半期で第2四半期を上回る成長率を達成できています。また、国内ENS事業については想定どおりに進捗しています。海外ENS事業については、第3四半期は特定顧客からのプロダクト強化の要請に応じていたために想定を下回ったものの、第4四半期中にこの対応を完了しているため、業績に長期的な影響を与えることはない見通しです。
このように、いずれかの事業においていろいろな要因が発生し、業績にマイナスがあったり、予想どおりに進捗していなかったりということがあっても、各々の事業が補完し合うことで、会社全体連結でおおむね想定どおりの進捗となっています。
Contents
決算説明資料には2024年4月に公表した中期経営計画についても再掲していますが、以前もご説明しているため、今回は説明を割愛します。
2024年度第3四半期業績及び連結業績予想
あらためて2024年度第3四半期累計の業績についてご説明します。取扱高は106億6,700万円、営業収益は73億900万円となりました。前年同期比9.5パーセントの成長となっています。通期予想に対してもおおむね順調に進捗しています。
調整後EBITDAについては6億5,700万円となり、当期純利益は1億9,600万円と、しっかりと黒字にて着地しています。
先ほどもお伝えしましたが、2024年度業績予想に対し、利益面においては進捗率が高い水準となっていますが、業績予想は据え置いています。第4四半期の業績の進捗を見つつ、業績予想の修正は必要に応じて今後検討していく予定です。
取扱高推移
スライド左側は事業部ごとの年間実績を積み上げたグラフと今期の全社取扱高予想、右側は全社の四半期ごとの取扱高を積み上げたグラフです。連結で順調に進捗しているのではないかと思っています。
2024年度:取り組みの概要と、その進捗
2024年度の取り組みとその進捗状況についてご説明します。2024年度の期初に、国内事業全体、国内法人事業と国内ENS事業を合わせ、正社員の報酬水準の引き上げや研修費用の増加によって採用・リテンションを強化すること、既存社員の育成を強化することなどに取り組んでいくことを計画し、この取り組みについては順調に進捗しているところです。
一方で「想定を若干下回る」と書いてある事業の状況についてこれからご説明します。国内事業全体でいくと、取扱高成長率15パーセント前後を想定しており、第3四半期までの累計で12パーセント、営業利益率でいくと予想も実績も35パーセントになっています。
15パーセント前後の想定に対して累計12パーセントとなっているために、「想定を若干下回る」とコメントを書いているものの、繰り返しになりますが、組織の強化についてはしっかりと進捗しています。
国内法人事業については、前回および中期経営計画の説明会でもお伝えしたとおり、今期からあらためてターゲット顧客をしっかりと選定し、その開拓および深耕、顧客内の横展開などにフォーカスするような新たな戦略を実行しています。
また、4月にはこの戦略に沿って体制や担当の見直しを行っています。これによって、4月から上期にかけて営業活動量・提案数の低下が見られ、取り組みの進捗としては想定を下回るような状況になっているものの、上期からの取り組みが実を結んでいるところや、担当の提案力が向上しているところもあります。
また、KPI管理を改善し、よりしっかりと管理するようなところも含め、取り組みを強化してきた結果、想定どおりの成果を上げ始めているチームも出てきています。復調傾向にあるものの、上半期の低調をカバーするまでには至っておらず、年間トータルでいうと想定を下回っている状態ですが、引き続き改善を積み重ねていきたいと考えています。
国内ENS事業については、本当に想定どおりに進捗していると考えています。海外ENS事業については、特定顧客からのプロダクト強化の要請という一次要因があったため、ドルベースでいくと若干想定を下回っています。こちらの対応は第4四半期中に完了しているため、あくまで一時的な要因であると考えています。
国内法人事業:業績推移(ビザスクliteを含む)
ここからは事業別の状況についてもう少しご説明します。
国内法人事業の業績の推移です。こちらは「ビザスクlite」を含むすべての国内法人事業の数字です。取扱高と営業収益についてスライド左側に年間の推移を、右側に四半期ごとの推移を示しています。
国内法人事業全体でいくと、第3四半期は前年同期比7.6パーセント増と、全体で見ても第2四半期の状況よりは復調していることがおわかりいただけるのではないかと思います。
国内法人事業:主要KPIの推移(ビザスクliteを除く)
「ビザスクlite」を除いた数字です。「ビザスクlite」は、直接取引いただくアカウント数が非常に多い事業になるため、我々はこちらを除いてアカウントの状況を管理しています。そのため、こちらでは「ビザスクlite」を除く数字でご説明しています。
ここでは国内法人事業のKPIとして、直近12ヶ月の間に「ビザスクlite」を除くいずれかのプロダクトを活用いただいたクライアントの1口座あたりの取扱高とクライアントの口座数を示しています。
「ビザスクlite」を除いた取扱高も復調傾向となっています。「LTMで見たアクティブな口座数が2023年度末と比較して伸びていないのでないか」と前四半期とその前の四半期にご指摘いただいていたのですが、スライド真ん中のグラフをご覧いただくと、しっかりと復調傾向にあることがおわかりいただけるのではないかと思っています。
大企業の深耕についても、我々もKPIの分析などをいろいろとより細かく行っています。対象顧客の取扱高については、この四半期には前年同期比16.7パーセントの増加を遂げており、しっかりと注力するべきところについては結果が出始めているのではないかと思っています。利用口座数も順調に推移しています。
一方で、課題としては、ターゲットとして選定した大企業以外の顧客において、利用口座数は引き続き増加しているものの、口座あたりの取扱高が減少しているところがあります。こちらについてはやはり提案力の強化不足や、組織の改編によって担当の変更があった影響など、さまざまな要因があります。この点は課題と認識しており、提案力の再強化について取り組んでいるところです。
このようなかたちで、ターゲットの国内法人事業全体をさらに深く見ており、ターゲットとしている大企業深耕に今期取り組んでいます。取り組んでいる領域については、スライドにも数字を1つご紹介しているように、この第3四半期でしっかりと結果が出始めているかと思います。
一方で、まだ課題を抱えているそれ以外の顧客群もあり、引き続き全体で提案力の再強化に取り組んでいるところです。KPIで見ると復調傾向にあることが見ていただけるのではないかと思います。
国内法人事業:主な商材別取扱高の推移
国内事業会社に提供している主な商材別の取扱高の推移です。
国内ENS事業:業績推移
国内ENS事業の業績推移です。先ほどもお話ししたように、年間として非常に予想どおりに推移しているのではないかと思っています。
海外ENS事業:業績推移
海外ENS事業の円ベースでの業績推移です。ご説明のとおり、第3四半期については、顧客からの要請があり対応していたことから想定を下回っています。引き続き、しっかりと自助努力により成長していけるように取り組んでいるところです。
事業別の人員数
事業別人員数です。スライド左側の図については期中平均による推移を示しており、右側の図においては期末時点での人員比率を示しています。採用の状況については、おおむね想定どおりに進捗していると思います。
調整後EBITDAの事業別内訳の四半期推移
調整後EBITDAの事業別内訳とその推移です。国内事業については、中期経営計画に基づく成長施策を実施中でもあり、取扱高の成長に対して投資も進んでいます。調整後のEBITDA事業別の内訳としては、昨年同期と同水準となっています。こちらは想定どおりかと思います。
国内に対して、海外ENS事業については、取扱高、営業収益がドルベースで減少しています。ドルでコストがかかってくるため、円ベースにおいて減益となっています。
その他の費用としては、コーポレート機能の強化や国内研修費用の人件費関連等が入っています。国内研修費と人件費に関連するようなものを除き、取扱高対比ではほぼ横ばいの状況です。
連結調整後営業費用構造(事業部に帰属するコストと人件費除く)
国内研修費と人件費を除いた調整後営業費用の取扱高対比がほぼ横ばいの状況であることは、こちらのグラフからおわかりいただけるかと思います。
調整後EBITDAの算出過程と損益計算書補足説明
こちらのスライドは、前回と同じフォーマットで、補足状況として調整後EBITDAの算出過程と、営業利益以下の詳細をご説明しています。
補足状況については、今期初に発表したのれんの減損の影響で、複雑な会計処理もあり、わかりやすくするために追記しているページになります。
調整後EBITDAについては、まず営業利益を起点として、株式報酬費用と減価償却を足し戻します。ここまではごく一般の処理かと思います。
これに加えて、我々は今期、Coleman社で計上したソフトウェアの減損計上額を、差し戻すのではなく、差し引いて算出しています。
Coleman社のソフトウェアについていったん資産計上し、そのすべてを減損しなければいけないということが今期起きています。ただし、ソフトウェア開発というのは定常的に起こるものであり、国内ソフトウェア開発についてはすべて費用と認識しています。それに合わせるかたちで、調整後EBITDAから差し引いて事業収益力を表すことが、国内、海外において同じ手段で計算できることから、このソフトウェアの減算額を差し引いています。
また、営業外収益および費用と特別損失が計上されています。こちらについてもすでに発表のとおり、今お伝えしたColeman社の減損については、毎回このように特別損失というかたちで起こります。
営業外収益には、Coleman社で生じた過去の売上税の還付金が計上され、営業外費用にはその顧客向け売上での返還に関する支出が計上されています。加えて、こちらものれん減損に伴う処理ではありますが、オフィス契約に関しては今回、「数年間にかけての契約をすべて1回減損処理するように」としたリース資産が特別損失として計上されており、当期純利益となっています。
今期はこれだけいろいろな特別損失を計上し、とりわけこの数年分のオフィス賃料を一括で費用計上しなければいけなかったということがあります。それを経ても、当期純利益をしっかりと黒字化できているということです。このスライドを見ても、収益力についてしっかりと管理できていると思っています。
連結でのバランスシートの状況
バランスシートについてです。バランスシートについては、前期末から大きな変化は特にありません。純資産がのれん減損の影響で非常に薄くなっていましたが、今お話ししたような収益力の強化により、順調に増加しているところです。
経営執行体制
経営執行体制についてご説明します。
経営執行体制
ビジネス側に変更はないのですが、Co-CTOとして2名追記しています。
Global Management Committeeは、各地域、各事業を代表し、経営執行体制としてさまざまな意思決定を行っています。ここに開発部門の2人が加わったというのは、我々としてはうれしいところです。
国内ENS事業については、大きなM&Aを行い、Coleman社で開発してきたプロダクトに順次移管しているところでもあり、全社でセキュリティの意識、またプロダクトの攻めの部分、守りの部分の両方について意識を上げていきたいというところがあります。
今回新たにCo-CTOの青野が、専任ではありませんがセキュリティの担当としてグローバル全体を見ることになります。
もう1人のCo-CTOであるIsaakは、現在ニューヨークにいます。特にグローバルのところで、AIの投資についてプロダクトの長期戦略を考えるメンバーになります。
経営体制もあらためて強化し、Coleman社においては2025年から新しい期が始まっています。また一層、成長に向けてがんばっているところです。引き続き、株式会社ビザスクの応援をよろしくお願いします。
質疑応答:第4四半期に赤字を想定する要因について
「第4四半期は赤字を想定されている格好です。その要因を教えてください」というご質問です。
こちらは、「利益については通期を上回っていますが、今回は業績予想を修正しない方針です」との私の発言に関してのご質問かと思います。
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