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武藤英明氏:みなさま、お忙しい中、当社の決算説明をご視聴いただきありがとうございます。JPMCグループCEO 代表取締役 社長執行役員の武藤英明です。ただいまより、2024年12月期第2四半期の決算説明を行います。よろしくお願いします。

本日は、3つのコーナーでお話しします。最初に業績ハイライト、2番目にビジネスモデル、3番目に持続的成長に向けた考え方をご説明します。

2024年2Qの概況/株主還元

まず、2024年第2四半期の概況です。売上高は過去最高を更新しました。ストックである運用戸数は11万164戸となり、良質化も進んでいます。

営業利益も上期計画を達成しました。ストックの良質化により、戸当たり利益が改善しています。人員増強の先行投資に伴い、前年同期比では若干の減益となるものの、予想には織り込み済みですので、通期での増益予想は据え置きとなります。

株主還元に関しては、ストックビジネスの成長により連続増配方針を堅持しています。年間配当は55円、中間・期末配当はそれぞれ27.5円、配当性向は51.3パーセントの予想です。

連結決算ハイライト

連結決算ハイライトです。スライドの各数字をご覧いただければと思います。第1四半期ではみなさまにいろいろなご指摘をいただきましたが、上期は予定どおりの着地になっています。

運用戸数(期中平均)の増加とストックの良質化を背景に、売上高は前年比プラス2.3パーセントとなりました。物件の入居率や収益性の向上により過去最高を更新しています。

営業利益は前年比マイナス5.9パーセントですが、戸当たりの利益は改善しています。繰り返しとなりますが、人員増強のための先行投資が影響しています。2025年中頃には新システムが稼動し人員の抑制ができると思いますが、それまでの間は人員が必要です。

必要なタイミングで即採用とはいかないため、人員を確保した先行投資により若干の減益となりました。

もちろん計画的に行っていることですので予想には織り込み済みであり、上期計画を達成しています。また、上半期で人員の獲得が進んだため、今後の人員増強のための投資は限定的なものになると考えています。

株主還元

株主還元についてです。我々はストックビジネスによる安定成長で連続増配を約束しています。もちろん配当性向は状況により多少の上振れ・下振れがありますが、連続増配が原則です。2019年から5年間は増配を継続しています。

人件費増による若干の減益もありますが、プロパティマネジメント事業の収益力強化、あるいは付帯事業のクロスセルの進展が順調に進んでいます。これにより粗利率は改善し、上期は営業利益を達成、通期での利益計画と増配計画も据え置きとなります。通期においては、年初に発表した計画から変更はございません。

賃貸住宅マーケット規模

ビジネスモデルは最もみなさまにご理解いただきたいところです。まず、賃貸住宅マーケットについてご説明します。

みなさまも賃貸アパートやマンションをお借りになると、居住予定の地域や物件については詳しくご存知かと思います。同様に、紹介する賃貸業者・仲介業者も地域のことは非常に詳しいのですが、木を見て森を見ずの賃貸業者は非常に多いものです。

賃貸住宅マーケットは非常に規模が大きく、住宅全体の37.6パーセントを占めます。さらに忘れてはならないのが、人口が減っていくことと、21.4パーセントの空室がある現状です。東京ですら19パーセントが空室となっています。

ただし、メンテナンスコストや新築にかかる建築コストを除いても、年間賃料収入換算で約15兆円という非常に大きなマーケットです。さらに特殊なことに、家賃には消費税がかけられていません。

賃貸住宅マーケットで業界1位の大東建託ですら、シェアはわずか約5パーセントです。我々はそのさらに10分の1ですから、我々自身のさらなる成長が見込めます。我々はまず、賃貸住宅という大きなマーケットでシェアを高めることを第一義に考えていきたいと思っています。

我々は賃貸住宅マーケット業界においては6位です。上位には大東建託、レオパレス21、積水ハウス、大和ハウス工業、東建コーポレーションが名を連ねます。

いろいろな企業がありますが、上位5社はすべて賃貸住宅メーカーです。主にプレハブのアパートですが、入居者は住みたがらないため、オーナーも相続税対策にはなるものの儲かってはいません。

このような現状を変えていこうと目論み、22年前に創業したのが当社です。古い物件を「スーパーリユース(リフォーム+サブリース)」することにより、入居者は新築並みの賃貸に3,000円安く住めて、オーナーにとっても、大きく言えば日本や地球にとっても、負の遺産になりません。当社は持続可能な賃貸経営を基本にした会社です。

マーケットの展望 入居者サイド(需要)

今後、日本の人口は大きく減っていきます。現在でも21.4パーセントが空室ですので、今まで貸してこなかった方々に貸したり、あるいは需要を予測して住んでもらえる物件作りにシフトしていかなければいけません。

借りにくい人としては、高齢者、フリーランスやフリーターなどの定職に就かない方、外国人などが挙げられます。大型犬と一緒に住みたいというような、ペット共生を望む方も排除されてきました。これら4つのマーケットはチャレンジする価値があると認識しています。

さらに基本的なことを言えば、今後はファミリー層がぐっと減ることがスライドのグラフからも見て取れます。すなわち、ファミリー向け物件よりも単身者向け物件の需要が高まるということです。

単身者といえば若者、若年層、1K、ワンルームというイメージが強いですが、単身者は40代で2倍、50代で4倍、60代以上で6倍に増えています。つまり、今後マーケットが拡大するのは年齢の高い単身者層ということです。

したがって、狭い3点ユニットのワンルームや1Kではなく、1DK、1LDK、2LDK、あるいは高齢者向け賃貸へとパラダイムシフトしなくては、ますます空室が増えることになります。

運用戸数ランキング

繰り返しになりますが、我々より上位の会社は概ね賃貸住宅メーカーです。建築し、管理仲介し、サブリースするといったように、ワンストップで垂直統合型のビジネスです。それに対して、我々は今のストックを活かし、この時代に合ったビジネスを展開していこうと取り組んでいます。

マーケットの展望 オーナーサイド(供給)

供給側から見るマーケットの展望です。人口は減っていきますが、賃貸住宅の新築の着工件数は増加傾向です。2023年は若干減ったものの、増加傾向は今後も続くものと考えます。

部屋が余っていても、建てなければ儲からないのが賃貸住宅メーカーです。これに建築資材の高騰や人件費高が加わり、オーナーの利回りはますます低下していきます。

さらに、入居者の希望も多様化しています。プレハブアパートよりもRCマンションやオートロック付きが好まれ、供給と需要のミスマッチが起こっています。その結果が空室率21.4パーセントという現状であり、空室対策をなりわいとする当社の事業はなくならないと言えます。

加えて、ESG(環境負荷)の観点からも、二酸化炭素の排出量を増やす新築の着工よりも、今ある既存物件の躯体を活かし、今の入居者向けに作っていく、あるいは、新築を建てるくらいならば、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなどの高齢者に特化した賃貸にするなど、我々は常にSDGsに向けた事業を展開しています。

持続可能な賃貸経営をサポートするJPMC

スライドの図は、今後の我々のあり方をまとめたものです。この22年間で賃貸経営ノウハウを十分に培い、入居率が上がる方法がわかってきました。

以前、大手の賃貸住宅メーカーが建築偽装を起こしました。このメーカーが持つ51万戸の物件のうち、25万戸が法人契約です。多くの上場企業は社員をコンプライアンス違反の物件に住まわせられないということで、我々にも10万戸程度のオーダーがきました。

当時、空室率が8パーセントほどしかなく、すべてをアテンドすることはできませんでした。そこで、法人斡旋を専門にするJPMCエージェンシーを設立しています。

基本的に社宅には家具家電付きが求められます。一般賃貸を家具家電付きにし、契約期間後に引き上げることはなかなかシステマティックにはいきませんが、それを実現したのが法人入居斡旋専門のJPMCエージェンシーです。建築偽装を起こした賃貸住宅メーカーに代わる事業モデルです。

さらに、今後ますます増えてくる外国人にも部屋をお貸しします。一般の70代、80代の日本人オーナーが、東南アジアや南アジアの方にお部屋を直接貸すのにはためらいがあります。

そこで、サブリースでオーナーから借り上げ、当社のノウハウと責任において外国人に貸します。外国人に対する滞納保証を使い、言語の問題も解消します。

その推進のため、フォースバレー・コンシェルジュ社やYOLO JAPAN社など、外国人を対象として就業支援・職業斡旋を行う企業に出資してきました。これにより、職と部屋をセットで紹介する事業をスタートしています。

高齢者向けについては、2011年4月28日に高齢者住まい法の改正法が公布され、同年10月20日からサービス付き高齢者向け住宅という制度がスタートしました。施設は不足していますが、それを作るだけの国の余力はなく、増え続ける高齢者に国が施設を提供すれば財政が破綻します。

そこで、国土交通省と厚生労働省の共管事業として、民間でも提供可能となる制度がスタートしました。我々はこの1年前の適合高齢者専用賃貸住宅(適合高専賃)の時代から、シニアハウス事業部を設立し参入しています。

その結果、サービス付き高齢者向け住宅の分野だけで見ると当社は業界3位、住宅型有料老人ホームも含めた高齢者向け賃貸の分野では6位まできています。

単に物件を作る・運用するだけではなく、JPMCワークス&サプライの中にJPMCセンターデポという事業でメーカーから直接部材を引っ張ることにより、利回りの合うサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームを作ることができる機能を備えています。

センターデポ事業は、もちろん物件の再生や新築にも活きています。我々のサブリース力を活かし、164の提携金融機関からオーナーに有利な条件で融資を得て物件を再生します。この事業を東京・名古屋・大阪で推進している企業がJPMCワークス&サプライです。

入居者の選別についても、できる限り我々の自前のハンドリングで多くの人に貸せるように、連帯保証人がいるような滞納保証、および入居者にお入りいただく家財保険については、グループ連結子会社で運用しています。

できる限り多くの方に良い条件で賃貸住宅に入居していただくことで、入居率を上げ、快適に住んでいただくこともグループ内で管理しています。

サブリースをはじめとした、我々が創業来から行っている事業に加え、新しい6つのパワーにより、より一層持続可能な賃貸経営をサポートしていきます。スクラップ&ビルドをし続けず、SDGsにかなったリユースを促進するという側面からも、賃貸住宅の事業をさらに活発にしています。

当社の強み① 全国で既存物件のサブリースが可能

名古屋を抱えている中部・北陸エリアと、大阪のある関西エリア、あるいは東京・首都圏を中心にした関東エリアは物件が多いです。もちろん、創業の地である九州にも多くあります。バランスよく全国で物件を運用しています。

物件は、学生向けのワンルームから3LDK、分譲・賃貸まで、幅広く借り上げることによってポートフォリオが効いています。学生アパートやマンション専門でもなく、ファミリー物件にも偏っていません。

地域も北海道の北見から石垣島まであり、リスクを極小にしたポートフォリオが効いているサブリースを展開しています。

東京近郊はこれからも拡大していきます。現在も津田沼に加え、立川、丸の内と首都圏には事業所が何ヶ所かあります。東京近郊以外では札幌・名古屋・大阪・福岡だけですが、スモールユニットで全国47都道府県に事業展開しています。非常に効率が良く、オーナーにより良い条件のサブリースが提案できる上、コンピートしても負けません。事業の継続性の高いサブリース会社です。

当社の強み② パートナー制度で効率的な運用を実現

札幌・東京近郊・名古屋・大阪・福岡以外の地域を我々に代わって管理・仲介したり、建築や介護事業を展開していただいているのがパートナーです。全国に約1,400社あり、これは不動産業界と建設業界のどちらから見ても最大級のネットワークです。

不動産会社が約700社、建設会社が約600社、介護会社が約100社のネットワークになっています。このパートナーのネットワークを活用することで、効率よく事業展開ができています。

当社の強み③ 金融機関との提携

最近、新たに提携しましたので、現在は164の金融機関と提携しています。ほとんどは、地方銀行とメガバンクです。信用金庫や信用組合はまだ提携していないところが数多くあると思いますが、ほとんどの第一地方銀行、第二地方銀行とは提携しています。それだけ銀行からの当社のサブリースに対する信頼が厚いということです。

当社のサブリースを活用した賃貸オーナーは、金利が優遇されたり、担保評価を減免してもらえます。さらに、当社と優先的にビジネスマッチングさせてもらい、お客さまをご紹介いただくといったことが実現できています。

賃貸住宅業界の展望 DX化

持続的成長に向けた考え方についてお話しします。私は、大学を出て10年間は普通にサラリーマンをしていました。まったく違う業界です。不動産会社に勤めたことは一度もなく、建設業に従事したこともありません。

不動産・建設の門外漢で、32歳の時にネット検索の草分けの会社を創業しました。それ以来、28年間、ずっと賃貸1本でこの業界にいますが、まったく変わっていないことと大きく変わったことがいろいろあります。

30年ほど前は、リクルートが発刊している『フォレント』という雑誌で部屋を探していました。これがインターネットの普及により、今はほとんどがパソコン、iPad、スマートフォンで検索できるようになりました。

ここは大きく変わりましたが、スライドに記載の4つの段階のうち、3つはほとんど変わっていません。

不動産会社に行き、物件の紹介を受け、不動産会社のロゴの入った車に乗せられて、物件を内見に行きます。戻る際にいろいろな営業トークを受け、不動産会社に戻ってカウンターで契約します。重要事項説明を受けて、その場で現金かクレジットカードでお支払いをしたり、振り込みというケースもあります。

この3つは、戦後からずっと変わっていません。しかし、いよいよ変わる時が来ました。

今は、スマートフォンが鍵に代わるスマートキーも普及してきました。加えて、今までは重要事項説明は国家資格を持った宅地建物取引士がFace-to-Faceで行わなければいけない取り決めでしたが、「Skype」や「ZOOM」のようなテレビ会議システムを使って遠隔で行ってもいいことを国土交通省が認可しました。

さらに、「ドキュサイン」「IMAoS(イマオス)」「クラウドサイン」「freeeサイン(旧NINJA SIGN)」といった電子決裁システムが発達しています。これらを勘案すると、いずれは変わっていきます。スマートフォンで探すことは変わらないと思います。そして、世相は変わります。

賃貸住宅業界の展望 DX化

大学4年間のうち3年以上にわたり、「ZOOM」での授業などで人とのコミュニケーションがない中で育ってきた人が社会の主軸になってくると、直接電話でやり取りしたり、緑や赤や紺の看板を立てている仲介会社に行くのではなく、「LINE」で当社のようなサブリース会社や賃貸管理会社などの物元に連絡することが​進んできます。

そして自分のスマートフォンに信号が送られて、「Googleマップ」を見ながら現地に行きます。オートロックをスマートキーで解除し、見たい部屋のキーを解除してセルフ内見します。

これは、1分単位でコントロールできます。秒単位でもコントロールできるかと思いますが、例えば15分間有効にすれば、15分間セルフで内見できます。そして自宅に戻り、Web上の「ドキュサイン」で契約します。そして、手持ちのクレジットカードで支払いを行い、IT重説を受けます。

このような流れに間違いなく変わっていくと思います。スマート仲介は、入居者に大きなメリットがあります。仲介業者の手を煩わせないため、仲介手数料の家賃1ヶ月分が浮きます。不動産会社と待ち合わせて物件を見に行かなくてよいため、夜中でも、仕事帰りでも、不動産会社が閉まっている時間帯でも、いつでも見に行けるようになります。

このようなメリットから、これらが進んでくると考えています。そのためにはスマートキーの普及が必要ではありますが、その素地は十分にできてきていると思います。

賃貸住宅業界の展望 DX化

変化のデバイスはすべてそろいました。ただし、入居者からオーナーに直接連絡するのは現実的ではないと思います。オーナーは、電子デバイスをコントロールし、物件を登録して、信号を送らなくてはいけません。これはなかなか難しいと思います。

したがって、賃貸管理会社、サブリース会社、物元である会社は最後まで生き残っていると思います。そのような意味で、我々は優位性があると思っています。

スマートホーム領域への参入

スマートキーを普及させ、物件の付加価値を上げていきます。せっかく物価上昇の機運がある中、家賃はなかなか上がっていません。

我々は​​物件の付加価値や家賃を上げるため、ファイバーゲートと組み、「JPMCヒカリ」という名の下に20年前からブロードバンド無料物件化に努めてきました。その結果、一定の効果があるとともに先駆けとなって、ブロードバンド無料物件は比較的当たり前になってきました。

第2弾として、今度は三菱地所と組んでさらなる利便性を追求しています。スマートフォンでお風呂を沸かしたり、エアコンのコントロールができたり、鍵のかけ忘れを防止できます。例えば、地方から出てきた入居者の親御さまは鍵を持っていませんが、玄関の前から子どもに電話をすれば、その瞬間だけ鍵を解錠できるなど、いろいろな利便性があります。スマートホームにはさらなる可能性があると思いますが、賃貸で必要とされるのは主にこの3つだと思います。

これを普及させることで、物価上昇の機運に乗って家賃を上げていきます。建築資材の価格が上がった分を吸収し、物件のリニューアル・リフォーム・リノベーションの進捗などにさらに活用していきたいと思います。

そして、マーケットをさらに活性化させていきます。三菱地所と組み、「HOMETACT(ホームタクト)」の活用を我々の自社物件や私の個人の物件で実験を重ねてきましたが、十二分な効果が見られました。このようなことも、先駆けかつ最先端の賃貸管理業者として取り組んでいきます。

賃貸住宅業界の展望 高齢化

日本では高齢化が叫ばれていますが、高齢化しているのは賃貸オーナーだけではありません。入居者の方も高齢化していますし、物件そのものも老朽化して、人間に例えると高齢化しています。

我々はこれら3つの課題を解決しなくてはなりません。入居者の高齢化は悪い面ばかりではなく、20代、30代の方より、40代、50代が増えてくれば引っ越しの回数が減ります。

単身者や一生未婚の方などは、離婚率の増大などによってこれからも一定数増えてくると思います。加えて、年齢層も上がってきます。そうすると、長いリレーションの下に賃貸に住む方が増えます。このようなニーズをしっかり捉えて、入居率や収益アップにつなげていきます。

スーパーリユースによる持続可能な賃貸経営

老朽化した物件は、オーナー、日本、地球にとって負の遺産になってしまいますので、「スーパーリユース」で改善していきます。

高齢者向け賃貸住宅の経営代行

入居者の高齢化には、高齢者向け賃貸サービスの「ふるさぽ」という武器を提供します。

家族信託事業への参入

オーナーの高齢化に対しても、新しい一手を編み出しました。認知症になった賃貸オーナーが家賃改定やエアコンの交換に同意しても、民法改正がありましたので、将来無効になる可能性があります。

認知症になってからオーナーが決定したことは後々覆ってしまう可能性があるため、入居者にとっても、我々賃貸管理業者にとっても大問題になります。

そこで、オーナーの後継者をあらかじめ指名していただきます。オーナーは認知症になっても今までどおり受益者です。その物件から上がる収益は、もともとの持ち主であるオーナーにそのまま入ります。

ただし、「JPMC家族信託」では、指名された受託者が家賃改定やエアコンの交換などを決定できます。後々覆せません。したがって、オーナーが判断を間違えないようにするとともに、判断を間違えてもトラブルにならないようになります。

これにより、物件をスムーズに運営したり、後継者と早くコンタクトを取ることで、管理の継続、サブリースの継続、あるいはJPMCアセットマネジメントによる売却などに早めに結び付けていきたいと思っています。

管理会社のM&Aのターゲット

現在、約1,400社のパートナーのうち、不動産会社だけで約700社ありますが、後継者のいない会社が3分の1以上です。我々の事業拡大のためにも、パートナーに店じまいされてしまうと困ります。

これを逆にチャンスと捉え、パートナー同士を結びつけて、大きなパートナーになっていただきます。あるいは、当社にグループインしていただいたり、M&Aすることにより、我々の戸数アップやプラットフォームの拡大につなげていこうと取り組んでいます。これは、我々の社長室にM&Aの部署を置くことにより、私の直轄で推進しています。

M&A実績 JPMCシンエイ

2021年7月20日に、立川の9,000戸余りの物件の管理会社であるシンエイをM&Aしました。我々の事業とのシナジーにより、オーナーの物件をリニューアル・リフォーム・リノベーション、スーパーリユースすることで良質化しました。

そして、我々のPMノウハウを注入することで収益性が改善しました。さらに、非上場から東証プライム上場企業の社員になることで、従業員のモチベーションも上がっています。

M&A実績 JPMCシンエイ 入居率の改善

その結果、M&A当時は入居率が81.3パーセントだった9,000戸余りの物件は、たった3年で92.6パーセントへと大幅に改善しました。さらに、家賃も3万6,000円から4万7,000円へ上昇しています。

我々とのM&Aにより、このようなメリットが生まれます。みなさまに喜んで当社にグループインしていただくためにも、これらの周知を推進しています。

持続的成長に対する考え方

まとめです。我々が行うことは2種類しかありません。まず、プラットフォームの拡大です。M&Aや営業により、物件数を拡大します。そして、いろいろな付加価値商品をつけることで、戸当たり収益を上げていきます。この2種類で企業を成長させることが我々の基本姿勢です。

説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:国内金利の上昇による影響について

「日本での金利が上昇していますが、貴社にはどのような影響がありますか?」というご質問です。

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