INDEX

平瀨智樹氏:株式会社GENOVA代表取締役の平瀨智樹でございます。本日はお忙しい中、当社の2024年3月期第2四半期の決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。

それでは、さっそく本日の内容に入らせていただければと思います。本日はこちらのアジェンダどおりにご説明させていただきます。

まず、事業概要のご説明から入らせていただきます。

MISSION

GENOVAは「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」をミッションに掲げ、2つの事業を展開しています。

メディカルプラットフォーム事業においては、医療情報格差をなくすために「21世紀型の医療インフラを創る」というビジョン、スマートクリニック事業においては、時間の無駄やストレスを解決するためのソリューションの提供を目的としていることから、「21世紀型のクリニックを創る」というビジョンで事業を進めております。

当社のサービスにより各ステークホルダーの課題解決を実現

当社では、利用者と医療従事者の医療情報格差の課題や長い待ち時間の課題、医療関係者が抱える業務過多の課題、クリニック経営者や医師の適切な医療提供や集患の課題、そういったすべてのステークホルダーの課題解決を目指し、事業運営を行っております。

当社のサービス概要

メディカルプラットフォーム事業では、医療メディアである「Medical DOC」を運営しており、健康・未病予防情報などの医療関連情報や医療機関の紹介を一般ユーザー向けに無料で提供しております。

一般ユーザーは、その情報をもとにクリニックに訪れるため、医療機関には紹介記事・動画の制作を有償でご依頼いただき、当社として記事・動画作成費用として売上を計上させていただいております。

当事業は弊社の主力事業であり、売上構成の6割から7割ほどを担っており、粗利ベースでは8割を作っております。

当社がMedical DOCにて提供しているメインコンテンツ

「Medical DOC」内のコンテンツの内訳になります。左半分は医師が監修する医療情報記事の掲載や、身近な健康問題への関心を高める啓蒙コンテンツとして、著名人による闘病体験記事、未病への取り組み記事等になります。無料配信記事は累計で5,540記事を超え、前四半期から約500記事増加しました。

右半分は医療情報コンテンツで、医療機関の紹介記事・動画を制作するサービスを医療機関向けに有償で提供しております。一般ユーザーは左の医療情報記事を求め、右のクリニックを訪問するため、患者さまにとって適切な医療機関へ誘導が実現できております。

Medical DOC一般利用者への無料配信記事事例

メディア内の無料配信記事の事例になります。こちらは監修記事のサンプルになりますが、病気について、概要・原因・治療法に加え、監修医師からの解説が一般的に入ったコンテンツとなっております。

このような記事を無料配信することで、ユーザーは弊社のメディアにアクセスいただいております。

Medical DOC医療機関紹介記事事例

メディア内の医療機関紹介記事の事例になります。「エリア」×「治療」にフォーカスし、医院紹介記事を作成しており、こちらのサンプルでは「渋谷」の「インプラント治療」の場合のGENOVA歯科医院をピックアップしております。

コンテンツとしては医院情報をはじめ、電話番号・詳細リンク、医院紹介文、医院の特徴などを記載させていただいております。

無料記事を見たユーザーが当メディアの中で自分に適したクリニックを検索していただくことが可能となっております。

当社のサービス概要

当社のもう1つの事業がスマートクリニック事業です。この事業は主に医療のDX化で、いわば業務効率化を推進し、将来的には「受付0」「待ち時間0」「現金0」で運営できるようなソリューションの構築を目指しています。当事業は弊社の売上構成の2割から3割を担っており、粗利ベースでは1割から2割を作っております。

スナップショット 2024年3月期第2四半期末時点

それでは、第2四半期の業績ハイライトに入らせていただきます。2024年3月期第2四半期は、連結売上高が累計で39.8億円を超え、営業利益が9.6億円となりました。

メディカルプラットフォーム事業における医療メディアの記事数は1万1,600記事を超え、月間PV数が今までで最高水準の1,300万PVを超え、当メディアの価値がさらに高まっていることを確認いたしました。

また、自動受付精算機とセルフレジの導入台数も累計1,700台を超えることができました。

2024年3月期第2四半期実績 及び 3ヵ年サマリー

2024年3月期の計画と第2四半期の実績及び3ヶ年サマリーを記載しております。2024年3月期第2四半期累積の売上高は39.8億円となり、上期の計画を上振れての着地となりました。

通期計画に対しては下期に売上が偏重することもあり、現時点においては47パーセントの進捗率になっております。営業利益も9.6億円と、計画より1億円以上上振れている進捗になります。通期においては進捗率44パーセントで、弊社としては良好な上期の滑り出しだと考えております。

3ヵ年サマリー 四半期事業別売上

各四半期の売上高を記載しております。2024年3月期第2四半期においては、過去最高の売上高を創り、前年同期比で約139.6パーセントの成長を遂げました。

主力のメディカルプラットフォーム事業が売上を牽引し、四半期で最高の約14億円の売上にまで登りました。前年同期の成長率と比較すると、単体事業として約146.8パーセントの成長率になります。

スマートクリニック事業は第1四半期からモメンタムを取り戻し、前年同期比で約130パーセントの成長で着地しました。

利益構造及び利益率の推移

次に、利益構造及び利益率の推移になります。コスト構造の中では前四半期からの大きな変更はございません。引き続き新規事業の開拓・開発のため先行投資を行っており、その他経費が増加傾向にあります。

他方で、営業利益率は第1四半期の23.4パーセントより2パーセント改善しており、25.2パーセントで推移しております。前年もそうでしたが、下期にかけて上昇していくことを予定しております。

四半期費用内訳の推移

各四半期の費用の内訳を記載しております。毎期のことではありますが、営業スタッフの増員もあり、弊社の費用構造上、人件費が一番大きいウェイトを占めております。また、本年度から特化型サイトの立ち上げを含む先行投資費用をその他経費として計上しております。

なお、各四半期で特別発生する費用等はありませんが、新卒が入社する第1四半期は人件費の増加が毎年見受けられます。

3ヵ年サマリー 四半期事業別営業利益

各四半期の営業利益を記載しております。毎期のことではありますが、主力のメディカルプラットフォーム事業が営業利益を牽引しております。第2四半期の営業利益としては過去最高益の5.2億円となり、前年同期比で約1.6億プラスされ、約144パーセント成長いたしました。

3ヵ年サマリー 四半期新規既存比率

我々のビジネスモデルはフロー収益をメインとするため、顧客数が増えて満足度の高いサービスを提供し続けることが安定的な売上成長につながると考えていることから、こちらの表を意識して載せています。

売上を構成する2つの要素

続いては成長戦略です。当社の売上は契約件数と契約単価に分解できます。先ほど、既存と新規のページでご案内しましたとおり、既存に対しては、直接営業の人員強化を行うことでさらなる接触回数を実現できると考えています。接触回数が増えることにより顧客のニーズを吸い上げ、新たな新サービスの開発につなげています。

新規は、代理店販売の強化・営業所の開設・投資額が少ないクリニック向けのプラン構築を行うことで、顧客増加につながると考えております。

右半分は契約単価につながるものです。第2四半期においては、主にメディカルプラットフォーム事業の価格を引き上げさせていただきましたが、販売価格を上げても件数を落とすことなく、弊社のメディアが提供しているサービスの価値が向上していることの現れだと考えております。

営業人員一人当たりの売上高

営業のスタッフ数も増えてきており、今年4月に入社した人数を含めますと在籍人数が200名を超えました。また1人あたりの生産性も上がってきており、採用と研修の2つがうまくいっていると思っています。引き続き、採用と研修に注力し、この数値も上げていきたいと思います。

既存深堀及び新規開拓による顧客数の増加

営業拠点の展開においては、今期も1拠点新規先を検討しております。現時点では中国地方の新営業所を第4四半期ごろに設立する準備を進めております。より細部のクリニックまでアプローチができるよう、コストと人員を見ながら最適な運営を心掛けていきます。

代理店についても第2四半期で新たに7件の先とパートナーシップを提携することができ、こちらに関しても強化をさらに進めていく予定です。

メディカルプラットフォーム事業の契約件数と契約単価

メディカルプラットフォーム事業の件数と単価をグラフ化しております。従前は各事業別に「件数×単価=売上」という方程式に当てはめ、各項目を分析しておりましたが、多くの投資家さまから四半期ごとのトレンドを見たいという要望があったため、このように改定させていただいております。

こちらを見ておわかりのとおり、件数及び単価ともに着実に成長できており、第2四半期の契約件数は過去最大件数をたたいた2023年3月期第4四半期の件数と同じくらいの推移を示しております。

契約単価においては、メディカルプラットフォーム事業で価格の引き上げもあったことから、契約単価の上昇が実現いたしました。

スマートクリニック事業(ハードウェアサービス)の契約件数と契約単価

スマートクリニック事業内での自動受付精算機/再来受付機やセルフ精算レジといったハードウェアサービスの契約件数及び単価を示しております。昨年の下期から確認された半導体不足からくる部材価格高騰は利益率を圧迫しており、ハードウェアサービスについては契約件数が伸び悩んでいます。他方で、契約単価は過去4四半期横ばいに推移しております。

2023年3月期第2四半期以降に、低価格帯の「NOMOCa-Regi」が販売台数を伸ばしたことによって平均契約単価を押し下げましたが、利益率に直接影響があるわけではございません。

スマートクリニック事業(ソフトウェアサービス)の契約件数と契約単価

スマートクリニック事業におけるハードウェアサービス以外の契約件数及び単価を示しております。主にCRMツールの「CLINIC BOT」や待合室に設置するモニター作品、また、第2四半期から販売を開始した「NOMOCa AI chat」の件数を示しております。

2023年3月期第4四半期より単価の低いスケッチピストン等が堅調な伸びを示したことで、契約単価が減少しているように見えます。また、今期の第2四半期においても、より単価の低い「NOMOCa AI chat」が堅調な件数の伸びを示したことにより、平均販売価格がダウントレンドにあります。

ただし、ソフトウェアサービスはハードウェアサービスと比較して早期導入が可能なことに加え、利益率も高いサービスが多く含まれておりますので、スマートクリニック事業にとってはポジティブな影響を与えております。

メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策

メディカルプラットフォーム事業は、主力の医療メディアの医療関連記事が増えることで、PV・利用者が増加してまいりました。その結果、ネットワーク効果が生まれ、メディアとしての価値が高まり、値上げの実行がさらに可能になります。

メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策

スライドは、メディカルプラットフォームの記事数とPV数をチャート化したものになります。2024年3月期第2四半期には過去最大の1,324万PVまで月間PV数が上昇しました。前年同月比との比較ではプラス785万PVとなり、約2.5倍の水準まで成長しました。記事数においても、前年同月比で約1.5倍の1万1,630記事まで伸びました。

新サービス

当社が直近1年で発表いたしました新サービスの事例です。こちらのアップデートとしましては、「SMART One」において、4月からサービスの提供を開始してから半年間で1,000名以上の患者さまが利用いたしました。今後のさらなる利用もそうですが、オンライン診療や薬の配送までサービスの幅を拡大していくことを目指しております。

プレスリリースも出しておりますが、7月からは左下の「NOMOCa AI Chat」のサービス販売を開始しました。こちらは電話業務の効率化をDXで解消することを目的としたAI Chatです。サービスの提供を開始してから医療機関からのしっかりとしたニーズが確認できており、良好な出だしを示しました。

AIや「ChatGPT」などの技術の進化を弊社としても今後も取り入れ続け、医療現場の課題解決に繋げたいと考えております。

NOMOCa AI chatを当社HPお問合せページに実装

先ほどのページでもご紹介いたしました「NOMOCa AI Chat」ですが、弊社HPのお問い合わせページにも今週から実装しております。

当サービスはクリニックの受付業務の1つである 「電話業務」にかかる時間やコストを削減し、医療DX化により、ヒトからAIへタスクシフトすることでスタッフの余裕ある時間を生み出し、さらには患者さまの利便性を向上することを目的としている取り組みになります。

この技術は、弊社のステークホルダーにもよりメリットがあると考え、我々の問い合わせフォームの代わりに取り入れました。

特化型メディアの立ち上げ

第2四半期より取り組みを開始した「Medical DOC」の特化型サイトでございます。「Medical DOC」は、「近い」や「安い」といった利便性を優先しているのとは違い、当特化型サイトはより「質」にこだわる利用者をターゲットとしたかたちで、一定の基準を満たしている豊富な経験を持つ信頼できる医師を、エリア別にまとめて紹介記事を掲載しております。

現時点ではスライドに示している矯正歯科、インプラント、歯周病、眼科、再生医療の5サイトを立ち上げておりますが、今期中に追加で3サイトほど追加する予定でございます。

当アップデートにつきましては、継続的に四半期を追って各サイトのご紹介をさせていただく予定でございます。

DXがより求められている医療現場の実情

日本における医療の現場のDX化は、他業種と比較しても後れをとっているといわれております。医療の現場では人手不足が課題の1つになりやすいですが、人手不足なのではなく、人に頼りすぎている業務が多いことが問題であると考えます。

スマートクリニック事業では、人で解決するのではなく、新しいテクノロジーで解決していくサービスをどんどん生み出していきたいと思っております。

スライドはその一例ですが、ピンク色の項目はすでに我々が取り組み始めているものです。このように、人でなくてもできるサービスはまだたくさんありますので、これからもスマートクリニック事業のサービスをさらに増やしていければと考えております。

以上、第2四半期の決算説明をご説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。