2022年3月期第1四半期決算説明会

宮川潤一氏(以下、宮川):あらためまして、社長の宮川でございます。2022年3月期第1四半期の決算説明会を開催させていただきたいと思います。第1四半期の決算ですので、業績やビジネスの進捗を中心に、簡潔にお話しさせていただきたいと思います。第2四半期はしっかりと、ビジネスの細かな内容をまた追加してまいりたいと考えています。

売上高

まず、連結業績について説明します。売上高は、約1兆3,500億円ということで、約16パーセント増収となりました。LINEの子会社化が完了したことと、新型コロナウイルスによって昨年に大きく影響を受けた、端末の販売台数が回復した結果です。

売上高 セグメント別

セグメント別に見ると、全セグメントで増収となりました。

営業利益

営業利益については2,831億円と、前年対比32億円で、僅かですが1パーセントの増益となりました。

営業利益 セグメント別

営業利益をセグメント別に見ると、法人事業は23パーセントの増益となり、コンシューマ事業の減益を補ったかたちになりました。

純利益

純利益については、残念ながら微減益となってしまいました。

純利益 増減分析

内容についてです。投資先の株式評価益があり、プラスになったのですが、法人所得税の増加が少し影響し、微減となりました。

2021年度 第1四半期 連結業績

2021年度第1四半期業績のサマリーです。売上高は16パーセント増、営業利益は1パーセント増、純利益は1パーセント減と、1年目のスタートとしてはまずまずの結果だと思います。

2021年度 通期業績予想 進捗率

本年度の業績予想に対する進捗としては、売上高で5.5兆円のうち25パーセント、営業利益で29パーセント、そして純利益で30パーセントと、総じて順調に進んでいると思います。

2021年度 セグメント別 営業利益 進捗率

セグメント別の営業利益は、ご覧のとおりです。通期予想の30パーセント程度の進捗となり、引き続き気を緩めることなく実現していきたいと思います。

コンシューマ事業 売上高

それでは、少しずつ、各事業のご説明をしたいと思います。

まず、コンシューマ事業の状況について説明します。端末の販売が回復したため、売上高は全体で11パーセント増収となりました。昨年はコロナ禍の影響で、店頭の営業活動が制限され、端末が非常に伸び悩みましたが、それが回復した結果です。

モバイルの収入は、値下げの影響がそろそろ出始め、減収しています。ただし、期初にお話ししたとおり、年間でだいたい700億円程度の減収になると見込んでおり、それは一応オントラックだと思いますので、この見込みどおり進むと思います。

コンシューマ事業 営業利益

営業利益については、新料金プランの追加によりARPUが下がった影響で、3パーセントの減益となりました。

スマートフォン 累計契約数

スマートフォンの累計契約数は、前年対比で168万件の増加、増加率は7パーセントほどでした。

スマートフォン 累計契約数(ワイモバイル)

累計契約者数の増加を牽引しているのが「Y!mobile」です。ソフトバンクブランドから低料金の新プランへの移行というかたちですが、一方で、グループ内の流出が抑制できているとも言えます。引き続き、ほかの事業者からの転入が意外と好調で、「Y!mobile」の累計契約者数は、3ヶ月で10パーセント増加という結果になりました。

ワイモバイル

この勢いをもっと継続していこうということで、「Y!mobile」に「データくりこし」を導入しました。加えて、再来週には「データ増量オプション」を改定し、さらにもう少し魅力を増していこうと思っています。

LINEMO

オンライン専用ブランドの「LINEMO」も好評で、人気が出ており、20GBで2,480円のプランに加えて、3GBで900円の新プランを発表しました。これは、お客さまの声を反映して作ったプランで、これからもお客さまに「安くなった」と実感してもらえるような商品作りを、できる限りすることで、声に応えていきたいと思います。

でんき 累計契約数

前回の決算でも、できるだけ細かく情報開示していきたいとお話ししました。今日は一つ、情報開示充実の一環ということで、今回初めて「でんき」の契約数を開示したいと思っています。前年比45パーセント増で、累計188万件になりました。

これは、実は電気だけの収入に頼っているのではなく、スマートフォンとのセット割を行っており、これが解約抑止に非常に効いています。加入した人としていない人の解約率を計算すると、加入者は未加入者の半分に抑えられており、解約抑止効果を非常に期待している商品ですので、今後も「でんき」の販売については、契約数をどんどんと伸ばしていきたいと考えています。

法人事業 売上高

続いて、法人事業について説明したいと思います。法人事業の売上高は1,715億円で、6パーセントの増収となりました。

法人事業 営業利益

営業利益は、23パーセント増益の385億円です。

法人事業 ビジネスモデルの転換

法人事業は、この数年間で大きくビジネスモデルを転換してきています。従来の通信単体売りではなく、現在、私どもが焦点を当てているのは、お客さまの経営課題の解決を目的とした、ソリューションの提案です。

法人事業 ソリューション等 売上高の内訳

このソリューションの売上高の内訳として、今後このように開示するとわかりやすいのではないかということで、シート別に作ってきました。継続し続ける収入と、ワンタイムの非継続収入にわけて、これから開示していきたいと思います。

法人事業 ソリューション等 売上高

第1四半期の売上高は、473億円です。内訳としては、クラウド・セキュリティやデジタルマーケティングなどの継続収入と呼ばれるものが、473億円の中の7割ちょっとくらいをすでに占めています。

非継続収入というのは、IoTデバイス設置や、ソフトウェアをインプリメントして組み立てるなど、初年の導入の際にお客さまが一時的に負担するところが、一時収入になるところです。

このスライドは、毎年毎年、継続収入と非継続収入を分類して、年次に並べてみたシートです。継続収入は前年対比19パーセントの増加で、安定的な収入基盤としてだんだんと積み上がってきました。これからの法人事業の成長に、大きく貢献してくる礎になるのではないかと考えています。

ヤフー・LINE事業 売上高

続いて、ヤフーとLINE事業についてご説明します。昨日のZホールディングスの決算発表の焼きまわしで、我々の景気から見た目線での説明になると思いますが、売上高はLINEの子会社化によって36パーセント増収し、3,734億円となりました。

ヤフー・LINE事業 営業利益

営業利益は、LINEの子会社化に伴って、会計上の費用増の影響を受けましたが、それを吸収したかたちで、1パーセントの増益となりました。

ヤフー・LINE事業 営業利益 増減分析

この1パーセントの増益では、物足りないと言われるかもしれませんが、ビジネスとしてはここに記載のように、70億円の増加で、増加率では14パーセントです。

全体では、LINEの子会社化に伴う無形資産償却や株式報酬費用が影響したため、結果的に1パーセント増となりましたが、ビジネスとしては堅調に成長していると思っており、成長についてはこれからも大変期待できる範囲だと思います。

ヤフー・LINE事業 物販eコマース取扱高

ECの取扱高は、6パーセントの増加となりました。昨年はコロナ禍に伴う需要の急増があり、年間で非常に伸びたのですが、それを今年も上回ることができたということです。

「PayPay」 登録ユーザー数(累計)

次に、「PayPay」についてご説明します。「PayPay」の登録ユーザー数が4,000万人を超えたことは、一度きちんとご説明していますが、その後も順調に成長しています。

「PayPay」 決済回数

今日は、決済回数を議論に持ってきました。「PayPay」がスーパーアプリとなり、金融のエコシステムを構築していく上では、決済回数が最も重要なKPIだと考えています。この第1四半期だけで、7.9億回の決済回数となり、前年対比1.8倍となっています。今後もこの決済回数を重視し、最も使われる決済アプリとして、末永く育てていきたいと考えています。

「PayPay」 決済取扱高(GMV)

「PayPay」決済取扱高は、半期ベースで前年対比1.7倍の1.2兆円となりました。実は、来年度以降の連結子会社化を見込んでおり、順調に基盤作りができたと考えていますので、来年以降に、「PayPay」の連結子会社化とともに、戦略をもう少し充実して計画していきたいと考えています。

ブロックチェーン技術への取り組み

最後に、NAVERとの連携と、Beyond Japanの進捗についてご説明したいと思います。

ブロックチェーンを活用したQR決済の国際ネットワークを提供するTBCASoftという会社に、今回NEVER社と共同で出資することになりました。当社は最初から出資していたのですが、今回も追加出資して、我々は20パーセントの株式を継続します。NAVERは8.9パーセントになる予定です。

共同出資の目的

一緒に行う目的を、1枚で簡単にご説明したいと思います。共同出資の目的は、NAVERと協力して、国際的なQRコード決済を世界中に広げていくことです。

最初の段階では、台湾の観光客が日本に来た際のインバウンドの決済として、QRコード決済をスタートしたいと思っており、これを各国のQRコード決済事業者と連携して進めていきたいという構想を、一緒に行うことにしました。

我々の「PayPay」も、ここへの参加を検討しており、NAVERとの連携でBeyond Japanを推進していきたいと思います。

まとめ

「まとめ」です。第1四半期は順調に推移し、まずまずの滑り出しだったと私自身も感じているのですが、第2四半期以降は、正直に申し上げて、値下げ影響がだんだんと厳しくなってくると予想しています。

この1年間でだいたい700億円くらいで、最終的に効いてくるのではないかと考えていますが、それでも第1四半期の順調さを見れば、期初に掲げた通期の業績予想は達成できると思っており、達成できるようにより一層努めていきたいと思います。

情報革命で人々を幸せに

引き続き、「情報革命で人々を幸せに」という理念に向かって邁進してまいりたいと思います。簡単ですが、第1四半期の決算説明とさせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:社長としての手ごたえと携帯料金値下げの減収影響について

質問者1:1点目です。初めて社長になられて臨んだ四半期決算が閉まり、業績は比較的堅調だと拝聴しましたが、トップから見て、業績に表れないような発見や感じている手ごたえがあれば、教えてください。

2点目が、携帯料金値下げの減収影響についてです。通期ベースで700億円というのは変わっていないということですが、具体的な数字は難しいのかもしれないですが、第1四半期のだいたいの水準と、第2四半期以降にどのような影響が出てきそうなのかを、少し具体的に聞かせてください。

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