2017年度第2四半期決算説明会
内田幸雄氏(以下、内田):みなさんこんにちは。JXTGホールディングスの社長の内田です。株主・投資家のみなさまには、常日頃JXTGグループに対するご支援ご協力を賜り、誠にありがとうございます。
本日のご説明のポイントは、大きく3つございます。1つ目は、第2四半期の決算、いわゆる上期決算につきましては、対前年対比、計画比でも大きく増益。改善しております。2つ目は、上期の好決算を受けて、通期の見通しを修正させていただいております。
最後3番目は、統合の目的であります、単独ではできない統合シナジーの追求をはじめ、いこの半年間いろいろな施策を着実に実行して、進捗していると考えております。それでは内容のご説明に移ります。
事業環境① 原油価格・銅価格・為替レート
まず、私どもをとりまく事業環境です。資源価格は前年対比で上昇しております。とくに銅価につきましては、中国経済の堅調さを背景に、7月以降大きく上昇しております。
為替につきましては、2016年度が期中、円高が進行したのに対して、当期はおおむね安定的に110円近辺で推移しております。
事業環境② 白油4品・パラキシレンマージン推移
続きまして、マージン関係です。白油マージンにつきましては、当期は堅調に推移したと考えております。とくに7月以降、リッターあたり11円を超える高いレベルで推移しております。8月が天候不順ということで、需要が振るわない月でありましたけれど、その中でもこの水準を維持しています。
この背景が何かというと、高度化法(エネルギー供給構造高度化法)の第2次告示に対して、各社いろいろな対応をしておりますけれど、結果として供給能力が落ちているということや、アメリカのハリケーンの影響がどこまであるかわかりませんけれども、海外マーケットが非常に堅調に推移した結果、我々の輸出環境も非常によかったと。このような要素があるのではないかなと考えております。
もう1つ挙げると、原油価格が上がっているということで、タイムラグ的なものが発生したのではないかと考えております。
一方、基礎化学品のパラキシレンにつきましては下流のPTA装置のトラブルなどもあり、前年対比では若干の悪化となっておりますけれども、基礎化学品全体ではベンゼンをはじめ、それなりに順調に推移しており、市場環境は良かったのではないかと考えております。
2017年度 第2四半期決算・通期業績見通し 概要
上期の決算につきましては、営業利益で1,954億円。在庫影響除き営業利益は2,194億円となっています。先ほども申し上げましたけれども、それぞれ前期比で大きく改善する結果となりました。
この決算を受けて、通期の営業利益は従来3,500億円と見込んでいたものを4,100億円に、当期損益は従来2,000億円と見込んでいたものを2,500億円と、それぞれ上方修正しております。
2017年度 第2四半期決算 概要
上期決算の概要をご説明いたします。上期の在庫影響除き営業利益は、前年同期比で約2.4倍ということで2,194億円となりました。セグメント別に色分けしておりますけれども、私どもの中核事業である3セグメントともに増益で終わっております。
各事業のポイントを(スライドの)右に簡単に書いておりますけれども、エネルギー事業につきましては、統合シナジーの創出に加えて国内の白油を中心とした石油製品のマージンの改善、輸出環境の改善等により、大幅な増益となっています。
石油開発事業は、油価の上昇と経費の減少によりこちらも増益になっており、前年度は残念ながら赤字でしたけれども、今期は黒字に転換しております。
金属事業は銅価の上昇、圧延銅箔などの電材加工事業の増販もあり、上流、中流、下流ともに増益です。
2017年度 通期見通し 概要
上期決算を受けた通期見通しということで、下期の環境の主要前提ということで簡単に申し上げますけれども、為替は従来どおり110円、原油価格も従来どおり50円をだいたい9月の水準ということで見積もっております。銅価につきましては、従来の250セントから290セントに見直しております。
その結果、通期の業績見通しは、エネルギー事業を中心として、上期でご説明した増益を主因に、在庫影響除き営業利益は3,500億円から4,100億円と、600億円の上方修正で見通しを出しております。
2017年度-2019年度 中期経営計画
こちらの説明は割愛させていただきますけれど、今年を初年度とする3ヵ年の中計の基本的な方針と、数値目標を4つ並べております。我々がこの3ヵ年取り組んでいくとお約束している数字です。
各セグメントにおける取り組み①
上期の各セグメントにおける取り組みです。基本的には中計で掲げた戦略に沿って、各種施策を着実に実行していると考えております。
まず「統合シナジーの創出・積み上げ」ですけれども、上期の実績が175億円ということで、内容は製造部門において、川崎地区一帯運営による生産効率化や省エネの推進。供給部門において、製油所が11、製造所5というかたちになっておりますので、これらの最適な組み合わせによる製品輸出入や製油所間の転送の最適化、それから原油選択・配船選択の最適化に取り組んでまいりました。この結果、当初計画から約90億円の上積みとなっております。
また、上期の順調な進捗を受けまして、通期の見通しで申し上げますと、ここにありますように、当初の230億円から110億円上積みして、340億円を見込んでおります。
販売部門におきましては、(スライド)左にも書いておりますけれども、7月に仕切価格の統一を行っておりますし、SSブランドの「ENEOS」への統一を決定しております。
製造部門におきましては、2019年3月いっぱいを目途に、室蘭製造所での生産停止を決定しております。各部門における強化策を着実に実行・決定していると考えております。
各セグメントにおける取り組み②
石油・天然ガス開発事業は、中計でも謳っておりますけれど、強みを発揮できる地域・技術にフォーカスした戦略を実行していきたいということで、今朝偶然、NHKでも取り上げていただきましたけれども、米国で実施しているCO2-EORプロジェクトにおいて、二酸化炭素圧入による原油をすでに開始しております。マレーシアでのラヤン油ガス田においてもガス田の商業生産を開始しております。
金属事業はご存知のとおり、IoT関係もあり、電子材料部品につきましてもスマートフォンの高機能化の流れを受けて、好調な販売が継続しております。そのため、伸銅品生産の主力である倉見工場はフル稼働がずっと続いております。
今後もこの高機能箔製品のさらなる需要増が想定されますので、これに対応するために倉見工場や日立事業所において、順次設備増強を図って生産能力増強を継続中です。
それから、上流部門のカセロネス銅鉱山につきましては、5月に発生した記録的な大雪や強風により生産が一度ストップしておりましたけれども、現在は回復しております。下期につきましては、過去の実績を勘案して、従来対比で約9割程度の生産量を見込んで見通しにいれています。
変革に向けた取り組み
こちらもご説明を割愛させていただきますけれども、10ページ目は変革に向けた取り組みについてまとめております。こちらにつきましては、節目節目でみなさま方にご報告したいと考えております。
キャッシュフロー・資本効率の重視
上期のフリーキャッシュフローは1,887億円の黒字ということで、先ほど申し上げた損益と厳格な投資管理を反映したかたちになっています。
通期の見通しに関しましては、営業利益の増加、在庫の圧縮、売掛金の回収期間の短縮などで運転資金の削減に努めたいと考えており、フリーキャッシュフローにつきましては、当初計画対比600億円の増加ということで、2,700億円を見込んでおります。このとおりに進めば、年度末のネットD/Eレシオは0.74。ROEは11パーセントと大きく改善すると考えております。
株主還元
株主還元方針です。こちらは中計で発表した方針から変更ございません。2017年度につきましては、今進めている統合による効果追求を、積極的かつ早期に反映するということで、1株当たり2円の増配を決定させていただきました。私からの説明は以上です。