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庵原保文氏:代表取締役CEOの庵原です。株式会社ヤプリの2025年12月期第2四半期の決算発表を行います。
「2025年12月期第2四半期業績」および「事業ハイライト」についてお伝えします。事業概要については前回から変更ありませんので割愛します。
業績ハイライト 四半期
2025年12月期第2四半期の業績についてご説明します。まず業績ハイライトとして、スライドに主要な業績と主要KPIを記載しています。
売上高とARRはいずれも2桁成長を維持し、過去最高を記録しています。また、営業利益も利益率が15.2パーセントと高い水準を維持し、2億2,600万円と過去最高を更新しました。
主要KPIについては、契約アプリ数は前四半期比での成長がややフラットでしたが、一方で単価が大幅に伸びました。後ほど詳しくご説明しますが、アップセルが非常に好調で、単価がARRや売上の伸びを牽引しています。
解約率はやや悪化し0.8パーセントとなりましたが、引き続き低い水準で推移しています。
P&Lサマリー 四半期
P&Lのサマリーです。2025年12月期第2四半期は売上高と売上総利益が前年同期比で2桁成長を遂げ、前四半期比でも伸び、過去最高となりました。売上総利益率は原価が増加した影響により前四半期比で若干低下し、66パーセントとなりました。
営業利益はトップラインの成長に伴い過去最高となる2億2,600万円に達し、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期比で2.5倍強と非常に力強い成長を遂げています。
このように第2四半期は売上が堅調に推移し、利益が大幅に成長しました。
業績予想の進捗
業績予想の進捗状況です。トップラインは前年同期における進捗率は48パーセントで、今期はそれを1ポイント下回っていますが、概ね計画どおりです。足元の第3四半期、第4四半期が非常に重要で、達成に向けて気を抜けない状況です。
営業利益、当期純利益、調整後EBITDAといった利益面は、いずれもかなり好調に推移しており、進捗率は6割前後と順調です。利益については心配ないと考えています。
売上高 四半期
各業績の四半期ごとの推移についてです。トップラインは前年同期比で14パーセント成長しています。今回はバランス良く成長できたと考えており、初期制作などのプロフェッショナルサービス売上と、ストック型のプラットフォーム売上は、いずれも堅調に伸びました。
特にプロフェッショナルサービス売上では、アプリマーケティングという、アプリ制作後にその成長を支援するための広告集客やコンサルティングを行うサービスが急速に成長しています。
ARR 四半期
ARRは堅調に伸びており、当四半期においては平均月額利用料の成長が牽引しました。
件数については残念ながら純増とはならず、フラットでした。それでも売上高10パーセント以上の成長を記録しました。この点は、当社製品が顧客に支持され、NRRが伸びるというビジネスモデルの強みを証明できたと考えています。
契約アプリ数と平均月額利用料
ARRの基礎となる契約アプリ数と平均月額利用料についてご説明します。第2四半期の契約アプリ数は896となり、前年同期比では伸びたものの、前四半期比では横ばいとなりました。伸びなかった理由としては、獲得自体は好調に進んだものの、一部顧客によるアプリの統廃合がありました。当社が多数のアプリを提供している顧客のブランドが少数のアプリに集約されたことで、結果的にチャーンが増え、影響を受けたものとなります。
一方で、平均月額利用料はこの1年で最も力強く成長しました。特にアップセルが好調で、中でも「Yappli UNITE」が大企業への全社導入などにより単価を大きく押し上げています。また、「Yappli UNITE」がいよいよ全体の単価の面でも貢献し始めており、非常に喜ばしいことだと考えています。
全体として、今四半期は単価が成長を牽引し、業績拡大につながりました。SaaSにおける「Land and Expand」モデルを着実に実現し、まずは比較的ミニマムな単価で導入いただき、顧客の成功体験を創出します。その後、全社展開や利用範囲の拡大を通じて、契約単価が上がっていくという成長サイクルが確立しつつあります。この成長モデルを継続的に進化させることで、今後も安定的かつ持続的な収益拡大を見込んでいます。
ソリューション別 アプリ数の構成比率
ソリューション別アプリ数の構成比率についてです。一部顧客のアプリ統廃合の影響により、店舗向けアプリである「Yappli for Marketing」は残念ながら減少しました。一方で「Yappli UNITE」は順調に純増し、件数を増やしています。
「Others」にはメディア系アプリなどが含まれ、「Yappli UNITE」と「Others」が伸びている状況です。「Yappli for Business」については現在、積極的なマーケティングを行っていないため、少しずつ獲得数が減少しています。
店舗向けアプリは純増数が鈍化していますが、獲得は順調に進んでいます。一方で長年使っていただいていた顧客からのチャーンがやや増加しています。また、飲食や食品業界などは成長が加速しているため、「Yappli for Marketing」には依然として伸びしろがあると認識しています。
課題に対処し、強みをさらに伸ばすことで、「Yappli for Marketing」のさらなる成長を目指して取り組んでいます。
次に「Yappli UNITE」については着実に件数を伸ばし、足元での受注が好調です。いよいよ飛躍の時期を迎えるのではないかと期待しています。
大型案件も引き続き受注しており、大企業への部門導入を皮切りに、成功体験を提供することで全社導入へとつなげ単価が拡大する、この点は非常にうまく回り始めているところです。
売上総利益 四半期
売上総利益は、トップラインの伸長に伴い前年同期比で15.5パーセント伸びています。3四半期ぶりに過去最高を記録しました。売上総利益率はやや減少しました。サーバー費用などは効率化を進めていますが、人件費が増加しました。具体的には、新製品のリリースに伴いR&Dにおける人件費が一部原価に含まれたことで、売上総利益がその影響を受けました。
今年はサーバー費をうまく抑えられており、昨年ほどの円安でもないことから、人件費を適切にコントロールしつつトップラインを伸ばしています。その結果、売上総利益率は66パーセントで着地となりました。
営業利益 四半期
営業利益の四半期ごとの推移です。前四半期に比べわずか300万円増ですが、過去最高を記録しています。また、前四半期と同様に営業利益率も15パーセントを超えており、収益力のある体質へと前進しています。前年同期比では約2.6倍と驚異的な伸びを示しており、利益は絶好調です。
広告宣伝費 四半期
次にコストについてです。広告宣伝費は期初の予算どおり約1億8,000万円ずつ、2億円弱を使用しています。展示会やオンライン広告などさまざまな施策を実施しています。
正社員数
正社員数についても採用が非常に順調に進んでおり、人材の引き寄せに成功しています。人員計画は今期末に約280名とお伝えしていましたが、現状ですでに上回っています。これは、採用が順調であることに加え、離職者が前年より少なく、離職率も改善していることが要因です。
通期では期初計画をやや上回る290名前後になると想定しています。黒字化以降、久しぶりに人員を増やし、投資を加速させている状況です。
人件費 四半期
人員の増加に伴い人件費も前年同期比7.7パーセント増と、従来よりも少し増加しています。前年同期から19名の純増があり、その分、人件費も増加しました。
販管費の内訳
販管費の内訳についてです。S&Mは、広告宣伝費を前四半期より増加させた影響により少し増加しています。
一方でR&Dがやや減少している理由は、この半年間、「Yappli WebX」という新製品のローンチに向けたR&D費用を計上していましたが、第2四半期にそのローンチが完了したためです。それに伴い、R&Dに含まれていた一部の開発人件費が、サービス保守費用などの原価に分類されました。
解約率(LTM)
解約率の12ヶ月平均のLTMは少し増加しています。今四半期は解約数がやや増加し、それに伴い解約率も増加しました。
LTV/CAC(LTM)
LTV/CACについてです。月額利用料が増加したことにより、LTVが大きく伸びました。それに伴い、LTV/CACは5倍に改善しています。
ビジネス ハイライト
事業ハイライトに移ります。まずビジネスハイライトとしては、「Yappli WebX」という製品をローンチしました。この製品は、AIとノーコードの力を活用し、Webを簡単かつ効率的に構築できる画期的な次世代型Web構築プラットフォームです。
当社はこれまで12年間にわたりアプリの開発プラットフォームを提供してきました。そのノウハウと知見をさらに発展させ、今回、新たにWeb構築のプラットフォームを提供開始しました。
製品ラインナップを増やすことで、アプリが必要ないお客さまにはWebの提案が可能となり、営業効率を高めることが期待できます。アプリとWebの両方を販売することでデジタルマーケティングにおける顧客課題のカバー範囲を広げ、売上最大化につなげていきます。さらに、「Yappli WebX」はAIを主軸とした製品です。まずAIを用いてプロンプトを入力し、Web全体のアウトラインを作成した後にノーコードで仕上げるという、AI時代に適した革新的な製品です。
まだ開始直後のため業績には反映されていませんが、引き続きセールスマーケティングおよび開発を進めていきます。
プロダクト ハイライト
次に、メイン製品「Yappli」のプロダクトハイライトについてご説明します。現在も新機能を次々と追加し、革新を続けています。
1つ目に外部ソリューションの連携強化の一環として、「Shopify」と「Apps flyer」の連携を強化しました。
2つ目に、現在非常に人気のあるヘルスケア機能についても強化を行っています。さらに3つ目として、アプリのコアであるユーザー体験の強化を目的として、アプリのタブバーを刷新し、より良い体験とデザインを提供できるように改善しました。
4つ目にダッシュボードの分析機能を強化し、新ホーム画面を提供開始することで、アプリ運用の利便性や効率性を向上させました。
全体として製品の底上げを毎四半期着実に進めており、これにより継続的な成長を実現し、顧客満足度の高い製品を生み出すことに成功しています。
活用事例 ハイライト
活用事例のハイライトです。アプリの導入事例として幅広い受注をいただいています。具体的には、「ラーメン魁力屋」やその他ラーメンチェーン大手で「Yappli for Marketing」を選んでいただいています。また、飲食分野ではラーメン、焼肉、レストランといった業種で「Yappli for Marketing」が非常に好調です。
飲食・食品業界は非常に大きく、ここでの顧客をさらに拡大できるよう営業努力を続けています。
また、メディア関連アプリも好調で、もうすぐ始まるTBSテレビでの世界陸上アプリも当社製品が採用されています。TBSテレビでは社内向けアプリとして「Yappli UNITE」も活用されており、「Yappli for Marketing」と合わせて2つのアプリを採用いただいています。当社製品を高く評価していただいていると考えています。
スポーツメーカーのミズノでもYappliを活用してアプリの提供を開始しています。
また、タリーズコーヒージャパンでは、タリーズらしい親しみのある社内向けアプリを提供しています。「ワクワク、ハッピーな圧倒的なインターフェイスを作りたい」とのご要望のもと、「Yappli UNITE」を導入していただきました。
「Yappli for Marketing」から「Yappli UNITE」まで、本当にすばらしいリーディングカンパニーにご導入いただいており、これからも成長を目指していきます。
以上、2025年12月期第2四半期業績、事業ハイライトについてご説明しました。
引き続き、ヤプリの飛躍にご期待ください。
ご清聴ありがとうございました。