用語解説
記念配当とは、企業が通常の普通配当に加えて、特別な機会を記念して一時的に実施する追加配当のことです。創業記念、上場周年記念、会社設立周年など企業にとって節目となる出来事を祝うために行われます。この配当は一時的なものであり、継続的に実施されることは想定されていません。
企業は株主への感謝を表す手段として記念配当を実施し、「上場10周年を記念して1株当たり10円の記念配当を行います」といった形で発表されます。また、普通配当には減額すると市場から業績悪化と受け取られる「下方硬直性」があるため、一時的な記念配当を活用することで柔軟性を持たせようとする企業もあります。
投資家が企業の配当方針を評価する際には、普通配当と記念配当を区別して考え、持続可能な株主還元水準を見極めることが重要です。例えば、イオン株式会社では2025年2月期に上場50周年記念として1株あたり4円の記念配当を実施しました。このようなケースでは剰余金の範囲内で実施される必要があります。