会社概要

榮章博氏:ランドネット代表取締役の榮です。当社の2023年7月期通期決算のご説明をしたいと思います。

まず、簡単な会社概要です。1999年9月に不動産データを中心に活用する不動産流通業・不動産DXの会社を設立しました。現在は中古の区分マンションの売買事業、賃貸事業、リフォーム・リノベーション事業を展開しています。戸建ておよびアパートでの取扱物件の拡大にも取り組んでおり、新規のクラウドファンディングの開発にも注力しています。

社名は株式会社ランドネット、代表取締役社長は榮章博です。私は1987年9月に株式会社大京に入社し、1988年に大京住宅流通に入社しました。そして現在はランドネットの社長に就任しています。

本社の所在地は豊島区南池袋で、池袋駅から徒歩5分ほどの場所にあります。事業の拠点は東京本社、横浜支店、大阪支店、福岡支店です。資本金は約7億円で、従業員数は正社員が581名です。

事業セグメントは不動産売買事業と不動産賃貸管理事業です。事業構成としては、売上高約636億円のうち1.4パーセントが不動産賃貸管理事業で、98.6パーセントが不動産売買事業となります。

不動産売買事業の売上が圧倒的に多いですが、当社は投資用の不動産を数多く扱っており、それを購入していただいて、賃貸管理をしっかり行ってお客さまが不動産投資の目的を達成するために、不動産賃貸管理事業も比率は少ないものの、重要な仕事と捉えています。

グループ会社はランドインシュアのほか、台湾と香港に現地法人が1つずつあります。

2023年7月期業績① 連結損益計算書 概要(P/L)

2023年7月期の業績について、連結損益計算書をご説明します。売上高について、今回から四半期ごとの数字を並べました。第1四半期には約139億円だったものが、第4四半期には約172億円まで伸びています。通期では前期比122.7パーセントです。

営業利益は、第1四半期は2億2,300万円だったものが、第2四半期に7億4,100万円、第4四半期は3億9,400万円となりました。通期では前期比101パーセントです。

2月に在庫を少し絞ったため経常利益が良くなったのですが、いろいろな状況の中でさらに投資をしようと考えて商品を増やしました。そのため、売上高は少し伸びているものの、本当に成果が出るのは2024年7月期だと思っています。最終的に、第4四半期の経常利益は3億3,700万円で、通期では前期比98.1パーセントとなりました。税引前利益は前期比103.2パーセントです。

売上高の伸び以上に、営業社員の拡充に伴って人件費・採用費が増えました。加えて、拠点を拡大したため地代家賃がかかっています。また、商品を増やした関係で消費税などの租税公課が伸びました。

2023年7⽉期業績② 売上⾼割合と平均販売単価

売上高の割合と平均販売単価についてです。当社は現在、ファミリータイプを増やしています。スライドのグラフの薄い色がファミリータイプです。ワンルームタイプに比べてファミリータイプが伸びており、平均販売単価も少しずつ伸びてきています。

2023年7⽉期業績③ 販管費推移

販管費については、業務委託料とシステム関連費が伸びてきています。また、採用に伴って人件費も伸びています。人件費の内訳に関しては後ほどご説明します。

2023年7⽉期業績④ 連結貸借対照表 概要(B/S)

貸借対照表です。特徴として、販売用不動産が前期末より40億円増加しました。また、有形固定資産も増加し、27億2,900万円となりました。こちらは、クラウドファンディングの対象不動産にしようと考え少しずつ投資しています。

2023年7⽉期業績⑤ 売上⾼と経常利益 5期分推移

5期分の売上高です。売上高については、2021年7月期は約411億円、2022年7月期は約518億円、2023年7月期は約636億円となりました。

経常利益については、2020年7月期は8億3,100万円、2021年7月期は11億5,400万円、2022年7月期は13億8,800万円、2023年7月期は13億6,200万円と少し落ちました。ただし、先ほどご説明した事情から、今期はがんばれると考えています。

不動産流通市場とDX① 拡⼤する不動産流通市場

当社が置かれている市場についてです。一番のポイントとして、現在の日本の中古の不動産流通比率は約45パーセントであるのに対し、アメリカは81パーセントとなっています。さらに、イギリスが85.9パーセント、フランスは69.8パーセントです。

そのため、日本の不動産、特に中古の流通量は増えると考えており、当社はこの市場に足をかけています。これまでは区分マンションを扱ってきましたが、現在は戸建てとアパートを拡大しているところです。

不動産流通市場とDX② ⾸都圏の中古マンション成約坪単価と成約件数の推移

中古区分マンションについてご説明します。スライドはレインズのデータで、青い折れ線グラフが坪単価、棒グラフが契約件数です。2012年ぐらいから右肩上がりに伸びており、最近また伸び方が増えてきています。

中古区分マンションは、かつては古いものや狭いものを中心に扱っていましたが、現在は広いもの、築年数の浅いものを中心に扱っています。この市場の中で当社は戦っています。

不動産流通市場とDX③/創業の想い DX→システム開発のスピードと拡がり

DXにも取り組んできました。初期には、私が「Windows95」の「Microsoft Office Access」で業務システムを作りました。当初はノートPCを2台から3台つないでサーバ代わりとして使っていましたが、それを3台や4台にすると動かなくなりました。

そこで、「Dell」の10万円のサーバを購入し、「Windows 2000 Server」と「SQL Server」のソフトを購入しました。マニュアル本を何冊も購入し、私1人で、朝9時に出社して気がついたら夜中の10時や11時という時代が1ヶ月ほど続き、悪戦苦闘して使えるようにしました。

動かなくなると「Windows 2000 Server」と「SQL Server」の両方を初期化して振り出しに戻していました。あるいは「さっきはこちらを選んだけど、今度はこちらを選んでみようか」と試行錯誤を繰り返すことでまた動くようになりました。2年から3年のうちに、70台から80台のいろいろなパソコンをつないで全部が見えるかたちになったため、非常に喜んでいます。

今もこの仕事のやり方は変わっていません。今、新規のクラウドファンディングを開発していますが、同じような方法で行っています。ただし、昔と違って今は少しお金があるため、行政書士など知見を持っている方と協力しながら開発しています。

このような新規クラウドファンディングの開発や、戸建て・アパートへの物件種別の拡大、電子契約システムなどの開発において、私自身が要件定義に入っています。

不動産流通市場とDX④/創業の想い DXにより⼈・物・⾦・情報の経営の4要素全てを再構築

DXに関して思っていることをお話しします。まずダイレクト不動産についてです。当社は直接売主から不動産を仕入れて直接買主に販売する、ダイレクト不動産を実現したいと考えています。

また、クラウドファンディングについて、直接みなさまから資金を集めて不動産投資を行い、資金の利回り配当をしたいと思っています。

情報の革命については、媒体を通して情報を集めるのではなく、国・自治体が出す公的な統計から推論できるところを判断材料に使おうと考えています。「Redia(リディア)」の記事に積極的に載せています。

人の採用の革命に関してはなかなか難しいかと思っていますが、「YouTube」などを使いながら何かできないか模索しています。

このような不動産の流通市場の中で、DXを使って何が、どこまでできるかにチャレンジしています。

事業内容/特徴① 基幹システム「RCP」による業務の効率化

お話ししたような市場環境での取り組みとして、基幹システム「RCP(Real estate Cloud Platform)」を作っています。大きすぎる名前かなと思いますが、気持ちとしては、不動産会社のクラウド上のプラットフォームになれるような仕組みを作りたいと思っています。

良い物件をどうしたら仕入れられるかの1点に力を入れています。それに加えて、買主に対してどのようなサービスをするかは今後の課題だと思っています。

また、かつての区分マンションだけでなく戸建てとアパートについて、北は網走から南は石垣島まですべての物件情報を集めています。取引事例、売出事例、貸出事例、貸出の成約事例や、ストリートビューにより街並み・環境が見られるようになりました。

このような基本のデータベースに加えて、交渉履歴の共有や、電子契約によるサービス力と管理効率化にも取り組んでいます。当社は市場の中で戦うために、この「RCP」を使いながら仕事をしています。

事業内容/特徴② 即時の情報共有と体制による早期戦⼒化

「RCP」があることで、新入社員の教育がスムーズになっています。今回も60名ぐらい人員を増やし、1人当たりの売上は少し下がっていますが、だいたい2億円を維持しています。こちらはかなり強力な能力だと思っています。

また、宅地建物取引士の資格と、その上位資格である不動産コンサルティングマスター、FP2級・3級などの取得に向けて社員全員で勉強する気運を作りながら、営業担当一人ひとりのスキルを上げています。

当社は日本全国の不動産を扱っていて、データをベースにしているため、下は50万円ぐらいから上は5億円や10億円の不動産までを扱っています。区分マンションや戸建て、アパートなどどの物件を扱ってもかまいません。このように自分のスキルを上げながら仕事ができる体制なので、営業としてはかなり仕事がおもしろいのではないかと思います。

私自身もこのようなところで仕事がしたかったという思いで一生懸命作っているため、営業社員1人あたりの売上を維持できていると考えています。

事業内容/特徴③ ダイレクト不動産

ダイレクト不動産についてです。当社は創業以来、蓄積した不動産データベースで直接仕入れ、直接販売するダイレクト不動産を目指しています。不動産流通市場の上流である物件の仕入れを押さえて、圧倒的に良質な物件情報があれば、多くの買主や不動産業者を惹きつけられるという考えです。

具体的には、不動産を所有者から直接仕入れる割合が72パーセント、仲介会社を通じて仕入れる割合が28パーセントです。この割合はかなり高いと思っています。販売については、直接販売が57パーセント、業者に買ってもらう割合が43パーセントと、こちらもダイレクトの割合が徐々に伸びてきています。

ダイレクト不動産にすることにより、売主は若干高く、買主は若干安く、かつ不動産価値を思い切り上げたかたちで手に入るかと思います。

事業内容/特徴④ 当社の特徴・ダイレクト不動産

ダイレクト不動産は、売主には適正な価格で迅速な取引を実現し、買主には流通コストを省いた購入機会を提供しています。また、権利関係が複雑な案件も、当社が直接丁寧にコンサルティングします。

現在、当社には宅建の上位資格である不動産コンサルティングマスターが10名ほど在籍しています。今年も11月12日に資格試験が実施されますが、みんなで試験に向けて勉強しています。それにより、相続に関していろいろとコンサルティングできる営業人員をさらに増やしたい考えです。

事業内容/特徴⑤ 競争優位性

先ほどお話しした独自の不動産データベースに基づいた営業システムは、当社にとって相当な競争優位性になっています。例えば、不動産会社から物件の査定依頼を受けた場合に、だいたいどちらの部屋か、オーナーが誰かもすぐにわかります。すべての情報をデータとして持っていることは、同業他社からもよく「すごいね」と言われます。

また、直接仕入れ比率はかなり増えています。

さらに、物件を直接仕入れているため良い物件が手に入ります。そのため物件の回転は非常に早いです。買主にダイレクトに売る場合もありますが、不動産会社に買ってもらう場合もあり、その間を調整しながら仕事を進めることにより回転率を上げています。

KPI/各種指標① 営業⼈員推移

営業人数が増えてきて、昨年243名だった営業人員が、2023年7月期は60名くらい増えて304名となりました。一昨年から昨年では40名くらい増えており、増員数も40名から60名に拡大し、1人あたり2億円の売上をなんとか維持しています。

背景として、福岡支店の開設、本社の増床と大阪支店の増床・移転があり、それに伴って続々と人を入れています。前期は横浜支店を増床し、年内に福岡支店をさらに増床します。そして来年は渋谷支店を開設する予定です。

その中で積極的に採用し、一生懸命教育し、不動産流通業の楽しさを知ってもらいつつ、より多くのサービスを実施しながら業績を上げていきたいと思っています。

KPI/各種指標② 取扱不動産種別/取引件数

30平米未満のワンルームマンションとファミリータイプの取引件数については、ファミリータイプが徐々に増えており、それにより単価が上がっています。取引件数は前期比では若干少なくなっていますが、単価が上がっているため売上高は上がっている状況です。

KPI/各種指標③ 棚卸資産推移・在庫回転⽇数

棚卸資産の回転について、販売用不動産は2022年7月期に約75億円だったものが、現在では約114億円になっています。在庫回転日数は64.17日と、2ヶ月強で回転しています。買取リフォーム販売が増えると回転日数は多少変わってくるかと思いますが、全体平均が64.17日のため、回転はかなり良いと思っています。

回転が良い理由は、先ほどお話ししたとおり仕入れが強いからです。その仕入れが強い理由は、すべての情報を持っているからです。今、戸建て・アパートを増やしていますが、直接アプローチして売主を探すことができる不動産会社はなかなか少ないと思っているため、取り組み方によってはおもしろくなるだろうと力を入れているところです。

KPI/各種指標④ 管理⼾数推移

賃貸についてです。当社は「不動産を住まいと、暮らしを支える資産(もう一つの収入源)と考える。」という言葉を、毎朝社訓として読んでいます。不動産を買っていただいて終わりではなく、しっかりと賃貸管理に取り組みたいと考えています。管理戸数は現在7,279戸まで増えていますが、毎年さらに増やしていきたい考えです。

KPI/各種指標⑤ ⼊居率推移

賃貸物件を買っていただいても、部屋が空いていては仕方ありません。スライドのように、入居率は98.9パーセントくらいを維持し続けています。

ここで強くお伝えしたいのですが、物件には築古のワンルームマンションやアパート、シェアハウスもあり、さらに札幌や福岡、地方の物件が全部含まれたパーセンテージであり、良い数字を維持していると思います。

KPI/各種指標⑥ 従業員数推移

従業員に関してです。人員を順調に増やしてきています。2022年7月期は587人で、割合としてはシステム部門が21パーセント、事務部門が24パーセント、事業部門が55パーセントでした。

前期は715人に増え、システム部門が23パーセントと前期比で若干多くなっています。こちらはシステムを強化しているためです。一方で効率が上がり、事務部門の割合は減っています。事業部門は1パーセント増加しています。

会社としては、事務部門を減らしながらシステム部門を強化し、どこまで大きくなることができるかチャレンジしたいと思っています。

KPI/各種指標⑦ 地域別取引件数の割合

地域別取引件数です。現在、首都圏は59.5パーセント、近畿圏は15.5パーセント、中部圏は5.8パーセント、九州は9.0パーセントです。福岡支店を開設してから九州の割合が増えています。

地方の割合を増やしつつも、首都圏が弱まることなく拡大できています。どうしても競争が激しくなるのは首都圏ですので、そのシェアを維持しつつがんばっていきたいと思っています。

成⻑戦略① 拠点の拡⼤

2022年4月に東京本社を増床しました。席がだいぶ空いていましたが、今は一部の席が空いている以外はいっぱいになりました。大阪支店も増床し、まだ席数があるので今後採用して入れていく予定です。横浜支店も増床しました。福岡支店は開設したばかりですが、2023年秋から冬にかけて増床する予定です。

成⻑戦略② 渋⾕⽀店の新規開設

渋谷支店は、渋谷ヒカリエの隣のビルに2部体制が入るくらいのスペースを確保しており、2024年秋から冬くらいに開設する予定です。しっかりと人材を育てながら事業を拡大し、業績を拡大していきます。

成⻑戦略③ 取扱種別の拡⼤

取扱種別についてです。今まではワンルーム(築古/築浅)とファミリー(築古)でしたが、これから2年から4年はファミリー(築浅)、アパート、戸建ての拡大に注力していきます。スライド下部のように、区分マンションに加えてアパート・戸建てに拡大し、その次に1棟マンションや1棟ビルを考えています。

成⻑戦略④ 個⼈投資家向け販売を強化

買主に対するシステムが多少足りないと思っているため、「Redia」という情報媒体と一緒にいろいろな仕組みを作っている最中です。

成⻑戦略⑤ ファミリータイプの販売を強化

買取リフォーム販売についてです。スライドのBefore・Afterの写真のように、物件を買い取ってからフルリフォームして売る仕事にも注力しています。

成⻑戦略⑥ 中⻑期成⻑イメージ

中長期成長イメージです。当社は不動産データベースの構築により、現在のビジネスモデルを確立しました。今後はITプラットフォームの構築による成長加速を図り、中期的には国内不動産流通ビジネスでのNo.1企業を目指します。目指す中で、2026年7月くらいには売上高1,000億円突破を目指していきたい考えです。

業績予想① 連結業績 概要(P/L)

今期の予算目標です。売上高は前期に約636億円だったものを、今期は約738億円まで伸ばしたいと思っています。経常利益は前期は13億6,200万円でしたが、今期は15億6,500万円まで伸ばしたい考えです。

戸建てとアパートへの拡大や買取リフォーム販売を充実させていく中で、システム開発も必要です。この目標を達成すべく取り組んでいきます。

業績予想② 重要な指標(KPI)

営業人員は前期の304名から今期は396名に増やしたいと思っています。取引件数も前期の5,960件から今期は6,833件と増やしていく計画です。営業人員を増やすと教え、育てる時間が必要になるため、先行投資になるだろうと思っています。ただし、営業の離職率は高くありませんし、完全週休2日制でそれなりの労働環境を提供しているため、定着して育ってくれるだろうと思っています。

当社は区分マンションだけでなく戸建てとアパートにも広げることで、1棟ビルや1棟マンションも扱える、不動産屋としてなんでもできる営業マンを育てていきます。それにより彼らの自己実現のお手伝いもできると考えています。

業績予想③ 重要な指標(KPI)

前期の管理戸数は7,279戸でした。今期は8,515戸まで伸ばしたいと思っており、確実に増やしていきます。おそらく今期にはクラファンも乗ってくるため、そちらの管理戸数増加も見込めると思っています。

サービス/保証① クラウドファンディング

当社の考えているサービスの1つとしてクラウドファンディングをご紹介します。開発に多少手間取っていましたが、2024年早々には提供できるだろうと思っています。

ファミリータイプの賃貸中の物件での運用を想定しており、配当利回りは3パーセントから4パーセントくらいを考えています。運用期間中に事業者が優先出資者の地位を買い取る形式、つまり出資金を多少回収できるかたちを考えています。

1万円から出資でき、運用期間は最初は3年くらいを予定していますが、将来的には最大で10年間運用できるファンドを考えています。詳細は今後ホームページで発表していきます。

サービス/保証② お客様満⾜度向上への取り組み

お客さま満足度の向上への取り組みは、非常に重要な部分だと思っています。1つ目に、契約不適合責任を最長3年にします。民法上、区分マンションに関する契約不適合責任は2年ですが、当社ではこれを3年に拡大して責任を負いたいと考えています。

2つ目の設備保証に関しても、一般的に契約不適合責任に設備はあまり入りませんが、当社では最長3年間、一部を負担します。例えばユニットバスの取り換えは50万円から60万円かかりますが、当社は30万円を負担します。故障が多いガス給湯器についても6万円を保証します。

当社はこの取り組みにより、中古不動産市場を拡大していきたいと考えています。中古不動産の中で古い物件は数多くあります。そのような物件を買われるお客さまが安心して買えるように、設備保証や契約不適合責任を負いたい考えです。

今は区分マンションに取り組んでいますが、戸建てとアパートへ拡大していますので、こちらについても件数が増えて事例が集まるようになれば、契約不適合責任3年・設備保証3年に取り組みたいと思っています。

3つ目に、賃貸物件を買ってもらう場合も多いため、家賃滞納保証として当社が最大6ヶ月分を立て替えるサービスも実施しています。

サービス/保証③ 買主・売主アンケートによる評価

上場してから多くのいろいろなお客さまと取引するようになったこともあり、買主と売主にアンケートをとっております。お褒めの言葉はもちろんうれしいのですが、お叱りの言葉をしっかり聞き、お客さまに対するサービスをどのようにしたら良くできるかを日々考えています。

質疑応答:経常利益について

「経常利益に関して、前年比でマイナスになっていますが、どのような経緯でしょうか?」というご質問です。

売上をより拡大するために商品を増やし、その結果回転はするのですが、現在商品を買った段階で消費税などのいろいろな経費がかかるため、その影響で経常利益が少し下がったかと思います。悔しいのですが、今期に取り戻せるように努力したいと思っています。

質疑応答:クラウドファンディングの事業化について

「クラウドファンディングはいつ頃から事業化する予定でしょうか?」というご質問です。

来年の1月くらいにはリリースできると考え、いろいろと準備をしています。システムの開発や、免許権者の方とも打ち合わせをしながら進めており、私自身も現場にいながら進めています。

質疑応答:業績予想達成に向けた取り組みと施策について

「今後の業績予想達成に向けて、今までと違う取り組みや施策があれば教えてください」というご質問です。

前期の反省から、もう少し当社の得意なところの仕入れを増やすべく、物件の仕入れ予算と、戸建てとアパートの仕入れを増やしています。また、クラウドファンディングの比率も上がってくるかと思っており、このあたりで取り戻せるのではないかと見ています。

質疑応答:システム開発に関する人員や経費について

「システム開発に関して人員や経費がどんどん増えていますが、順調と考えて良いのでしょうか?」というご質問です。

システムに関しては、ここ3年間くらいでかなり増やしてきましたので、今年は増やすのをやめて維持しようかと考えています。中の効率化を進めたいと考えており、そのために私自身がよりシステムの方に入り込んでいこうと思っています。

上場して採用ができるようになったため、何名か採用してきました。今度は採用した人をチームとしてどう効率化していくかが課題だと思っており、まさに今、そちらに取り組んでいる最中です。実際に成果も出始めていますので、それにより大きな成果が出てくると思っています。

質疑応答:採用状況について

「採用状況は順調に見えますが、実際のところはいかがでしょうか? また、採用に苦労している企業もある中で、御社が順調な採用を行えているのはどうしてでしょうか?」というご質問です。

不動産会社では、完全週休2日で20時か21時くらいには仕事が終わって帰る環境を実現できている会社はなかなか少ないかと思いますが、当社はそれを実現できています。

また、区分のマンションだけではなく、戸建てとアパート、将来的には1棟のビル、1棟のマンションを扱います。現在も1棟のビル、1棟のマンションの扱いがまったくないわけではなく、物件も入ってきているため、幅広い仕事を行えます。

それに加えて、いろいろな教育体制も整っており、物件を扱うにあたって、審査部が物件の調査の仕方や契約の仕方を踏まえて全部教えてくれます。そのため営業部の仕事はおもしろいのではないかと思っています。

システム部門についても、別に甘えてほしいと思っているわけではないのですが、もし何かミスをした場合には全部報告してほしいと伝えています。私がその場に入って、ミスをした原因をきちんと分析した上で、「じゃあ次からはこうしよう」と修正し、また新しいものに取り組むことを行っています。

営業部でも同じで、いろいろな取引をしていると、当然損害を受ける場合があります。損害を受けたことはしっかり対応して修正し、それに対して落ち込む前に新しい仕事でお金を稼ごうと言っています。そのため、システムの開発はしやすいのではないかと思っています。

事務部門についても、会社の規模がこのペースで大きくなっているため、仕事がどんどん変わっており、それに伴って提案もどんどん出してもらっています。当社はシステム部隊が背後にいて、業務システムを新しくリニューアルしていきますので、仕事としては非常におもしろいと思っています。

また、当社では朝10時から10時5分まで日経新聞の読み合わせをし、10時5分から10時15分までは稲森和夫さんの本やビジネス本、啓発本をみんなで読み合わせしています。何を目指しているかと言いますと、今の日本の置かれている経済状況や不動産の状況など、全部を含めて日経新聞で吸収し、それをビジネス書で読み砕いていきます。

そして、今の中国の水産のことや半導体、ペロブスカイト太陽電池のことなど、社会で起こっていることを頭の中に入れながら、どうなっていくかをみんなで観察します。その結果、自分の不動産業はどうなっていくのかをみんなで勉強しているのです。

私も毎朝の朝礼でそのような話をよくするため、社員の定着率が上がってきているのではないかと思っています。

質疑応答:不動産市況について

「不動産市況は順調なのでしょうか? 銀行の融資姿勢や顧客の需要・反響などに変化はありますか? 中国の問題も念頭に教えてください」というご質問です。

前提として、中国の問題については、当社はあまり影響を受けていないのではないかと思っています。

スライドは、先ほどお見せした首都圏の中古マンション成約坪単価と成約件数です。このように取引件数は増え、価格も上がってきている状況です。そのため、中古区分マンションに関しては、不動産市況は絶好調かと思っています。

逆に、今、中国の不動産が大変なことになっていると聞いています。それに引きずられて日本の不動産が揺らぐかとも考えるのですが、不動産市況の崩れ方はおそらく中国の中だけではないかと思います。私はかなりのバブルだと思って見ているため、日本とは少し切り離されているのではないかという考えです。

ヨーロッパやアメリカなどと比較したとしても、日本の不動産はまだ割安かなと思っています。中国の不動産に比べても日本の不動産は最高値に比べてかなり割安で、中国の影響は受けないと考えています。

昔は日本が世界の工場でしたが、中国の今の大変な状況を考えると、半導体などはまた日本に戻ってくるのではないかと思っています。そう考えるとかなり景気は良く、不動産市況も良いのではないかと思っています。

銀行の融資姿勢に関しては、大手銀行を含めてかなり積極的に融資していただいていると思っています。

顧客の需要・反響としては、物件を買い取ってフルリフォームして売る物件が土日にけっこう売れるのですが、このあたりの動きは良いと思っています。また、物件の仕入れの広告費を少し増やしたとお話ししました。前々期は増やしていたものの前期はあまり増やしていなかったことの反省から、今期は増やしており、売り・買いともに足元でしっかり反響が入ってきているかと思っています。

いわゆる攻めの営業で、戸建てとアパートにおいても、積極的にDMをお送りしたり電話営業をしたりして物件の仕入れをしている会社は、かなり少ないかほとんどいないのではないかと思っています。こちらを少しずつ行う中で広がってくると思っており、うまく進めれば独壇場ということも考えられるかと思っています。

ダイレクト不動産に関しては、現時点では、物件を購入するお客さまはリフォーム済みの物件を求める場合が多いです。例えば、私はこの度自宅を買うことができて引っ越しをしたのですが、築15年くらいのマンションでフルリフォーム済みのお部屋を買いました。

今はITの進歩が激しいため、液晶などがどんどん進歩しています。そのため、築15年や20年経つと設備がかなり古びて見えてきます。今は女性も男性も、きれいなキッチンやお風呂を欲しがるため、どうしてもリフォーム済みのお部屋を買うのかと思います。

私は不動産屋ですので少し違うのかもしれませんが、個人のお客さまが自分で不動産を買って、フルリフォームをしてそこに住むことももちろんできますが、自分でリフォームを行うのはリスキーだと思っています。

そのため、結局は不動産会社が物件を買ってリフォームしてそれを販売する場合が多くなります。つまり、築15年くらいを超えてくるマンションを売りたいと思うと、買い主はだいたい不動産会社となり、不動産会社はそれをリフォームして売却するのです。

これを考えると、直接不動産会社に売って直接不動産会社から買ったほうがお得じゃないかという視点を持つことができます。これがダイレクト不動産です。

今、リフォーム・リノベーションしたお部屋が人気となり、求められるようになりました。この時代の流れの中でダイレクト不動産が伸びてきていると思っており、当社はもともとこれに一番注力していたため、流れに乗っているのだと思います。これが当社の強みで、今、戸建てとアパートに広げている最中です。

本日は以上となります。これからもよろしくお願いします。本日はありがとうございました。