はじめに

和田順児氏:アピリッツ代表取締役社長の和田でございます。本日は、2022年1月期通期の決算説明を行わせていただきます。はじめに、株主のみなさまにおかれましては、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社は3月16日に決算短信を発表しています。新型コロナウイルスの感染拡大が収束し切らない状況ですので、対面での決算説明会は開催しない方針です。今回も決算説明会資料および説明動画をIRページにて掲載することで、決算説明会の代替とします。双方向での質疑応答ができませんので、質問等がありましたら、お手数ではありますが、弊社IR担当者へご連絡をお願いします。

また、後日個人投資家さま向けのウェビナーを複数回開催します。質疑応答も可能なウェビナーですので、ご参加いただければ幸いです。

目次

本日は、事業の内容、2022年1月期の通期の業績、2023年1月期の業績予想、最後に今後の成長戦略に関するトピックスという流れでご説明します。

会社概要①

まず事業の内容についてご説明します。当社はミッションとして「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」ということを掲げて事業を行っています。

会社概要②

現時点で行っている事業は大きく2つのセグメントになっています。1つはWebソリューションのセグメント、もう1つはオンラインゲームのセグメントです。

会社概要③

当社の設立は2000年7月で、2022年1月末時点での従業員数は529名、2022年1月末の売上高は47.9億円、純利益が1.3億円となっています。

会社概要(過去10年の全社売上⾼推移:単体)

続いて会社概要ということで、最初に過去10年の売上高の推移についてお伝えします。過去10年間、右肩上がりで業績を伸ばしており、この間の年間成長率は16パーセントです。21期から22期にかけては23パーセント増ということで、今期は47億9,500万円で着地しています。

Webソリューション事業①

それぞれの事業についてご説明します。Webソリューション事業では、当社はWeb開発専業の会社ですので、戦略、企画、開発、運用まで一気通貫してサービスを行っています。当社ではWebビジネスに関するものであれば、ご相談になんでもお答えするという事業を行っています。

Webソリューション事業②

当社は最近流行りのDXという領域において、環境整備と実際に企画から運用までの実践の両輪を回すため、複合サービスをたくさん作ってビジネスを展開しています。

Webソリューション事業③

Webソリューション事業では、引き続き売上高における顧客継続率が非常に高いことが1つの特徴です。2022年1月期の顧客継続率は78パーセントで、約80パーセントのお客さまに継続していただいている状況です。

Webソリューション事業④

Webソリューション事業では、単にゼロからモノを作るだけではなく、クラウドや自社開発しているSaaSプロダクトなどを組み合わせることで、プロジェクトの生産性と俊敏性を向上させ、お客さまのご要望にお応えしています。

22期トピックス①

22期のトピックスとして実績を挙げています。KADOKAWAさまのスマートフォンアプリを開発しました。

22期トピックス②

また、ニッコーさま、カラーズさま、I-Styleさま、そのほか多数の実績を当社のWebサイトに掲載していますので、ぜひご覧いただければと考えています。

オンラインゲーム事業①

オンラインゲーム事業についてご説明します。オンラインゲーム事業では、自社ゲーム開発のみならず、受託の開発、運営移管、またクリエイターの人材派遣といったビジネスを行っています。

オンラインゲーム事業②

自社ゲーム、受託、クリエイターの人材派遣のそれぞれで、プロジェクトの緩急によって人を流動させることで、なるべくコスト構造に波がないようなかたちで実現していることが1つの特徴になっています。

22期トピックス③

22期のトピックスになります。当社は現況として、開発中のパイプラインが2ライン、運営中のパイプラインが7ラインあります。

22期トピックス④

今期は人気IPタイトル『けものフレンズ3』の運営移管を行いました。また、2022年のサービス開始に向け、自社の新作ゲームも開発しています。

業績ハイライトサマリ(単体)①

2022年1月期通期の業績をご説明します。売上高については通期で47億9,500万円、昨対比23.3パーセント増となりました。

営業利益は、上半期は昨年比で減益という状況でしたが、下半期でその分を取り戻しました。下半期のみで2億4,600万円の営業利益を計上し、昨年の営業利益を上回っています。その結果、通期の営業利益は2億5,900万円で、昨対比13.0パーセント増で着地しています。

第4四半期のトピックスとしては、株式会社ムービングクルーの株式を取得し、完全に子会社化しました。また、2022年1月期末を基準日に5円の配当を決めています。

業績ハイライトサマリ(単体)②

23ページの表は、会計期間の2022年1月期第4四半期の状況を記載しています。第4四半期は売上高13億円、営業利益1億3,600万円ということで、昨対比で売上高は29パーセント増、営業利益は72パーセント増で着地しています。

累計期間の2022年1月期通期で見ると、売上高は23.3パーセント増、営業利益は13.0パーセント増で着地しています。引き続き好調であり、下半期から現時点にかけて動いているという状況になっています。

業績ハイライト(連結)

連結の業績です。12月に株式会社ムービングクルーを完全子会社化して、連結決算に移行しています。

なお、2021年12月31日をみなし取得日として、同日に決算を行い、同日の貸借対照表のみ連結していますので、当期に係る連結損益計算書には業績は含まれていません。その結果、営業利益以降、仲介手数料の部分を差し引くかたちで連結決算を出しています。

業績ハイライト(全社売上⾼四半期推移)

四半期ごとの売上高の推移をグラフに示しています。Webソリューションセグメントおよびオンラインゲームセグメントともに、毎四半期右肩上がりで売上高を伸ばしています。第4四半期だけで見ると、昨年比で29.0パーセント増という状況になっています。

業績ハイライト(全社原価‧販管費四半期推移)

コストについてですが、大きく販管費と原価とに分けてグラフに示しています。販管費については、コスト構造としては昨年度から変わらず、一定水準で推移している状況です。原価は、今期の第2四半期をピークとして、コストコントロールを行い原価を下げてきている状況です。

業績ハイライト(全社売上総利益四半期推移)

売上総利益は第2四半期を底として、第3四半期から第4四半期で売上総利益率を回復させてきています。

業績ハイライト(全社営業利益四半期推移)

その結果、全社の営業利益は、第2四半期はマイナスになりましたが、第3四半期、第4四半期で取り戻し、第4四半期で見ると営業利益率は10.4パーセントで着地しました。

貸借対照表

貸借対照表です。現預金について、今期は短期借入が3億円、公募増資およびストックオプションの行使で2億8,100万円です。そのほか、マイナスとして『けものフレンズ』の運営移管費、株式会社ムービングクルーの株式取得費などを引いて、現金としては1月末時点で14億1,500万円になりました。

さらに、短期借入金が3億円ですので、流動負債に計上した結果、純資産は19億5,100万円で着地しています。

社員数推移

成長の源泉である社員数の推移です。順調に右肩上がりになっており、2022年1月期末では529名になりました。なお、将来については、2022年4月入社予定の新卒の内定承諾者数は43名で、社員も引き続き順調に増えていっている状況です。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(四半期売上推移)

2022年のそれぞれの事業セグメントごとの業績についてご説明します。

Webソリューション事業です。Webソリューション事業は、第4四半期の売上高が6億1,100万円で、前年対比で25.7パーセント増、通期では19.7パーセント増でした。だいたい年20パーセントほど成長しているという状況になっています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(セグメント利益率推移)

利益率の推移です。上半期、一時的に受注の刈り取りで外注費などを増加した結果、利益率が一時的に下がりました。その後、第3四半期と第4四半期でコントロールを行い、セグメントの利益率は約30パーセントで安定している状況に回復しました。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(平均単価推移)

お客さまの平均単価については、右肩上がりで順調に伸びています。

Webソリューション事業‧業績ハイライト(問い合わせ数推移)

お客さまからの問い合わせ数の推移です。22期はなるべく1件あたりの質を重視する方針で進めてきた結果、21期と22期では、若干ですが22期の問い合わせ数が増えているという状況で着地しています。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(四半期売上推移)

オンラインゲーム事業についてです。当社はボラティリティの高い自社ゲームを除き、運営移管を含む受託およびクリエイター派遣をコア収益と位置付けています。その売上高の伸びを重視していますが、昨年比で43.8パーセント増と順調に伸びてきている状況です。年間を通しての全体の売上高は26.5パーセント増と、順調に成長しています。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(四半期原価推移)

原価については、Webソリューション事業と同じく、上半期に『けものフレンズ3』の運営移管のため外注費が大きく増加し、利益を出すことに苦しみました。しかし、第3四半期、第4四半期に原価のコントロールを行い、原価は減ってきています。

第4四半期は、第3四半期よりもさらに外注費を3,000万円減らすことで、コストコントロールを行っています。

オンラインゲーム事業‧業績ハイライト(セグメント利益)

その結果、セグメント利益は第3四半期、第4四半期と適正水準に戻してきているという着地になっています。

業績予想ハイライト(連結‧単体)

2023年1月期の業績予想についてです。2021年12月に株式会社ムービングクルーを子会社化したことにより連結決算に移行しています。

連結決算でご説明すると、売上高は56億5,400万円で前年比17パーセント増、営業利益は4億1,300万円で前年比で77パーセント増、当期純利益は2億6,200万円で前年比140パーセント増を予想しています。

ムービングクルーの売上、利益を差し引いた単体では、売上高は11パーセント増、営業利益は52パーセント増を予想しています。ただし、こちらの売上高はオンラインゲーム事業において、現時点で新規の取引などは見込んでいません。ゲームの場合はどうしても1件あたりの受注額が数億となり、業績予想に非常に大きな差が出てくるため、新規の受注などは⾒込まず、既存の取引のみの保守的な業績予想としています。

業績予想ハイライト(単体)

上半期と下半期に分けた単体の業績予想です。上半期は今年の下半期と同様、引き続き営業利益が出ると予想しています。下半期もより営業利益が出てくると予想しており、スライドの表のように推移していく予想を立てています。

業績予想ハイライト(連結)

続いて連結の業績予想です。M&Aした株式会社ムービングクルーは当社との融合を優先して考えており、前年同様の売上水準を予想して組み込んでいます。

業績予想ハイライト(売上⾼)

こちらのグラフは業績予想をセグメントごとに割ったものです。売上高としては、Webソリューション事業は引き続き20パーセント増を予想しています。

オンラインゲーム事業については現在営業中でいくつかお話をいただいているものもありますが、新規の取引は見込まず、なるべく保守的に売上高を見積もりました。その結果、前期比でだいたい横ばいの予想となりました。それにムービングクルー社の売上高を乗せるといった建て付けになります。

業績予想ハイライト(セグメント利益)

セグメント利益についてです。Webソリューション事業のセグメント利益率は、引き続き29パーセント程度で推移すると予想を立てています。

オンラインゲーム事業については、売上⾼の成⻑は保守的に⾒込むものの、セグメント利益率に関しては下半期から利益水準が引き上がってくると見込んでおり、9パーセント程度で推移すると予想しています。

Webソリューション事業⑤

今後の成長戦略に関するトピックスです。Webソリューション事業の営業状況は引き続き活況であり、外部環境は非常によいと捉えています。

Webソリューション事業⑥

当社もロイヤリティループ継続ということで顧客の継続率が高く、またタッチポイントの増加で問い合わせ数が増えています。さらに、お客さまの1件あたりの単価も増えている状況にあり、今後も力強く成長すると捉えています。

事業成⻑イメージ

事業の成長イメージとしては、Webソリューション事業を中心に安定事業が堅実に成長していくと考えています。加えてオンラインゲーム事業のコア収益である受託、運営移管、人材派遣などを伸ばし、その上に、さらなる成長ドライバーとして新しいサービスや海外展開を行っていくという成長イメージを持っています。

M&Aの⽅向性(Webソリューション事業)

M&Aについては、ステップを踏んで段階的に進めていこうと考えており、STEP1で既存ビジネスの人材確保を中心としたM&Aを着実に行って成長し、STEP2で新規の事業展開を行っていくという計画を立てて実行しています。

コーポレート①

株主還元⽅針についてです。当社は、株主のみなさまに対する利益の還元も重要な施策の1つとして位置付けています。

方針としては、配当や⾃⼰株式取得などを鑑み、総還元性向30パーセントを⽬標に動いています。なお、2023年1⽉期の配当は中間配当で5円、期末配当で5円の合計10円を予想しています。

コーポレート②

続いて、ESGやコーポレートガバナンスの強化についてです。新たに社外役員1名の追加を予定しています。2022年4月26日開催予定の定時株主総会における承認をもって正式に決定される予定ですが、新しく社外役員を増やし、ガバナンスを強化していくことを考えています。

コーポレート③

現在の社内、社外の取締役・監査役における「スキルマトリクス」です。現時点で当社の事業運営におけるそれぞれの項目をカバーできる役員構成になっていると考えています。

コーポレート④

個人投資家向けのIRの強化ということで、いくつかのオンラインセミナーを開催する予定です。当社のWebサイトなどをご覧いただければ幸いです。

コーポレート⑤

事業に関する情報や補足をTwitterでIR情報として発信しており、こちらもご覧いただければと思います。

当社アピリッツを応援のほど、よろしくお願いいたします。