1.2018年12月期トピックス 2018年12月期 振り返り(1)

北内和久氏:みなさま、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。それでは、当社の決算説明をさせていただきます。資料構成としましては、1番にトピックス、2番に業績概要、3番に当社の特徴と中期計画についてご説明いたします。1番・2番につきましては、私からご説明いたしまして、3番につきましては、当社社長の竹本よりご説明いたします。

それでは、トピックスです。まず、2018年12月期の振り返りといたしまして、通期の業績および配当についてです。国内・海外とも、お客さまからの引き合い・受注が好調であったことにより、増収増益となりました。この(スライドの)業績を踏まえて、期末配当を(2018年2月公表値より)1株当たり3円増配し、20円といたしました。

そして、株式分割の実施です。投資単位の金額を引き下げることで流動性を高め、投資家層のさらなる拡大を図ることを目的として、(2018年)12月末の株主を対象に、1対2の割合で株式分割を行いました。

1.2018年12月期トピックス 2018年12月期 振り返り(2)

また、生産体制の強化を行いました。インドでは、(スライドの)右上のサナンド工場を設立し、生産を開始しました。インドの左側のやや上の方(インド北西部)にあります。欧州におきましては、生産委託を開始しました。また、(スライドの)右の写真にあるように、岡山事業所の増設を行い、グローバル化や大量生産に対応するためのハード面の強化を図りました。

開発提案の強化としましては、革新的なデザインにおいて世界的な評価の高いContainer社と提携いたしました。また、「東上野デザインラボ」の建設に着手いたしました。以上が2018年12月期のトピックスとなります。

2.2018年12月期業績概要 2018年12月期連結決算ハイライト

続きまして、2018年12月期の業績概要についてご説明いたします。「スタンダードボトル」とは、当社の保有金型によって作られた製品、「カスタムボトル」とは、お客さまの費用負担によって作っていただいた金型を使った製品のことです。両方とも、化粧品向けを中心に需要が伸び、売上高は続伸して160億2,200万円でした。前年同期比で18億2,100万円の増加で、12.8パーセント増となりました。

国内・海外とも、受注増に伴い売上が拡大し、粗利が増えました。それに伴い、償却負担も増えましたが、それを吸収するかたちで営業利益が続伸し、16億3,000万円となりました。前年同期比で2億1,800万円の増加で、15.5パーセント増となりました。

経常利益は、助成金等の営業外収益が大幅にございまして、17億6,200万円でした。前年同期比で3億2,100万円の増加で、22.3パーセント増となりました。償却費は10億2,100万円です。設備投資・EBITDAは、(スライドの表を)ご参照いただければと思います。

2.2018年12月期業績概要 地域別グループ企業業績①

続きまして、地域別のグループ企業業績です。当社は、セグメントを日本・中国・その他の3つに分類しています。

日本セグメントは、(連結の)売上高の約75パーセントを占めています。こちらは、化粧品向けを中心に受注が増加しました。その受注に対応するために、生産機械や自動化への投資によって生産能力を増強し、供給量を増やしています。

その結果、国内の売上高は120億6,300万円で、前年同期比で9.5パーセント増となりました。利益面に関しましても、売上高が増えることで生産効率が上がり、粗利が増加しています。これに伴い、営業利益率は10.3パーセントとなり、前年同期比で0.5ポイント上昇しました。

2.2018年12月期業績概要 地域別グループ企業業績②

中国セグメントは、(連結の売上高の)約25パーセントを占めます。こちらも好調なリピート注文により、売上高が増加しました。円換算で39億2,100万円で、前年同期比で8億2,600万円の増加、26.7パーセント増となりました。

利益面も日本と同様で、粗利額・粗利率ともに増加しました。営業利益は5億1,500万円で、前年同期比で52.9パーセント増となりました。

2.2018年12月期業績概要 区分別販売実績①

続きまして、区分別販売実績です。「化粧・美容」「日用・雑貨」等に分類していますけれども、先ほどから「化粧品向けを中心として」とご説明していますとおり、「化粧・美容」の割合が約60パーセントございます。「卸、その他」も含めますと、約8割が化粧・美容系の区分となります。こちらが大きく伸び、売上高がかなり増えたという結果になっています。

2.2018年12月期業績概要 区分別販売実績②

続きまして、「スタンダードボトル」「カスタムボトル」「他社製品」「材料その他」と売上区分をした場合の、売上の増加比率です。

先ほどから申し上げていますように、スタンダードボトルは、当社の金型を使って生産した製品です。こちらが大きく伸びまして、構成比としては約72パーセントですが、(前年同期比で)12億8,900万円増加しています。

2.2018年12月期業績概要 金型(新製品)開発状況

金型の開発状況です。カスタムボトルが内数になっていますので、少しわかりにくいかもしれませんが、当社の(2018年度)完成金型数は、スタンダードボトルが191型、カスタムボトルが66型で、合計257金型が完成しています。当社のスタンダードボトルの金型は、(2018年12月末までの)合計で3,463型となっています。

2.2018年12月期業績概要 2016年以降の四半期業績の推移

続きまして、四半期ごとの売上高と営業利益を棒グラフにしたものです。日本に関しては、2018年度第1四半期から、比較的伸びている傾向にあります。中国は、第4四半期に少し落ちましたけれども、比較的順調に売上を伸ばしています。連結の売上高も、40億円を超える水準で推移している状況です。

営業利益につきましては、日本の青色(の折れ線グラフ)が、(2018年度)第2四半期・第4四半期で少しでこぼこしています。これは、賞与の引当や、第4四半期に建物の修繕を行った関係で、利益がやや減少しているためです。中国は、第4四半期で少し落ちていますけれども、こちらは転売品が少し増えたことと、人件費・賞与の関係で、利益が落ちている状況となっています。

2.2018年12月期業績概要 2018年12月期 営業利益の変動分析

先ほど、「営業利益が2億1,800万円増加した」と申し上げましたけれども、こちら(のスライド)で営業利益の変動分析をしています。

2018年12月期(の営業利益)は16億3,000万円でしたが、まず、売上の増加が18億円ほどありました。そこから、原材料の使用量・材料価格の上昇で(マイナス)約2億5,000万円、労務費(増)で(マイナス)約3億円、製品の仕入(額増)で(マイナス)約6億円でした。

2.2018年12月期業績概要 2018年12月期 連結貸借対照表 資産の部

B/Sです。現預金がかなり増えています。こちらは、設備投資を睨んで借入をしている関係で、増加しています。固定資産も、約20億円ほど投資している関係で、建物および機械装置等の資産が増加しました。

2.2018年12月期業績概要 2018年12月期 連結貸借対照表 負債・純資産の部

次に、負債の部になります。先ほど少し申し上げましたが、借入金が16億円となっています。借入をしたことで、資産・負債残高が増えています。また、少し細かいですが、円高に振れたことで、包括利益がマイナスになっている状況です。

2.2018年12月期業績概要 2018年12月期 連結キャッシュ・フローの増減

キャッシュ・フローです。営業キャッシュ・フローは20億円ほど、投資キャッシュ・フローは22億円ほど、財務キャッシュ・フローは8億円ほどになっています。

内訳としては、営業活動によるキャッシュ・フローは税引前利益が17億5,700万円、償却費が10億2,100万円、また法人税の支払い等をあわせて、約20億円です。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の(取得による)支出が約20億円ございました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金が16億円、借入金の返済(による支出)が約5億6,000万円、配当金(の支払額)が約2億1,000万となっています。

以上、簡単ではございますが、2018年12月期のトピックスと業績の概要についてご説明いたしました。それでは続きまして、社長の竹本より、当社の特徴と中期計画の見通しについてご説明します。

3-1.当社の特徴①

竹本笑子氏:私から、当社の特徴と3ヶ年計画、および今期の見通しについてご説明します。

まず、金型について簡単にご説明いたします。一般的に、容器を作る際には金型が必要となります。その金型を誰が所有するかで、当社では「スタンダードボトル」または「カスタムボトル」と呼び名を変えています。

当社のような容器製造会社が金型を所有して作られる容器については「スタンダードボトル」。一方、化粧品会社さまや食品会社さまが所有している金型で作られるボトルおよびキャップ等は「カスタムボトル」と呼んでいます。

金型は、一般的にはかなり高いものですので、お客さまにとって当社のような容器会社が持っている金型で容器を作るというのは、コスト削減というところでメリットがございます。こちらの(スライドの)写真は、金型の実物です。

3-1.当社の特徴②

次に、当社の使命を簡単にいいますと、「生活上必要不可欠な容器-カタチ(容)あるウツワ(器)-を通じて、『世界の器文化に貢献』すること」でございます。

昨今、マイクロプラスチック等の使い捨てのプラスチックの使用制限などが話題を呼んでいますが、いずれにしても、どんな素材を使っていくかはもちろん重要ではありますが、基本的に容器は生活上必要不可欠なものです。当社といたしましては、社会的変化に留意しながら、これからも世界の器文化に貢献していきたいと思っています。

3-1.当社の特徴③

一般的に、お客さまのニーズがどういうところにあるかと申しますと、当社のお客さまは化粧品、そして食品のお客さまが多いわけですが、主に4つのニーズがございます。

こちら(スライド)に書かれているニーズになりますが、当社としましては、開発提案から金型投資、そして生産までを一貫して行うことで、ニーズに応えていきたいと思っています。当社は、年間およそ4,500社のお客さまと直接お取引しています。そういったお取引を通じて、新たな付加価値を生み出していけるものと考えています。

3-1.当社の特徴④

こちら(のスライド)には、具体的なソリューションを書いています。当社としては、このような項目を重点的に活動しています。

とくに、(スライドの)左から2番目にありますスタンダードボトルの取り組みが、当社にとって開発が一番重要な事項になります。また、そこが当社の一番大きな特徴となります。

3-1.当社の特徴⑤

では、そのスタンダードボトルにはどのようなメリットがあるかといいますと、お客さまにとっては、金型の投資がいらないということで、コストの削減や開発期間の短縮等のメリットがございます。

当社としましては、たくさんの金型を持つことによって、お客さまからの引き合いが増え、そこで商談を通じていろいろなノウハウを蓄積していくことができます。また、さまざまなお客さまに当社の金型をお使いいただくことで、結果的に償却が比較的早く進むといったメリットがございます。

3-1.当社の特徴⑥

こちら(のスライド)は、当社の生産拠点を示しています。国内は6ヶ所です。海外は、中国に2ヶ所のほか、新しくインド、そして製造提携拠点としてオランダに拠点を開設しています。国内では、直近ですと岡山に比較的大きな投資をしています。そして昨年(2018年)から、インド・オランダで生産できる体制を整えてきています。

3-1.当社の特徴⑦

こちら(のスライド)は、生産拠点において、主にどんなものを製造・販売しているかということを示しています。

海外においては、化粧・美容、トイレタリー容器関係が中心となっています。また、海外においては、輸出をしないわけではないですが、基本的には現地で生産して現地で販売していくスタイルをとっています。

3-2.前年開示した中期計画(2018~2020)との比較①

続きまして、中期計画の説明をしたいと思います。こちら(のスライドの表)は、昨年度(2018年度)の年初に公表した数値と、直近で公表させていただいた計画の対比表となります。

2018年度は、売上が想像以上に好調となり、計画よりも伸びています。一方で、設備投資につきましては、年初に計画していた設備投資計画が未消化となっています。こちらは、何か大きな問題があったということではなく、いろいろな状況変化の中で、結果的にこのような投資額となっています。

2018年度の実績をベースに、今年度を含めた3ヶ年計画を策定しています。3ヶ年の投資につきましても、引き続き積極的な投資金額となっています。こちらにつきましては、引き続き、適宜精査をしながら、必要に応じた投資、投資効率を考えた投資をしていきたいと思っています。

3-2.前年開示した中期計画(2018~2020)との比較②

続きまして、中期計画のポイントです。昨年度は、この(スライドの左側の)4つをポイントとして、中期計画を組みました。今年度は、新たに(スライドの右側の)3つを加えて、3ヶ年に取り組んでいきたいと思っています。

3-3.中期計画(2019~2021)のポイント①

1つ目に、サステナビリティーです。マイクロプラスチックの問題がクローズアップされ、EUを中心に包装容器の開発基準や価値観が大きく変わろうとしています。そんな中で、当社といたしましては、新基準に適合した容器開発を急ピッチで進めていく必要があると考えています。

3-3.中期計画(2019~2021)のポイント②

続きまして、スピーディーかつアジャイルな体制です。環境の変化が非常に激しい中で、会社の運営として、スピーディーなだけでなく、的確に行動していく必要性を感じています。そのためには、営業・開発・生産が最短でつながっていく必要性があると認識しています。

当社はそういった意味で、もともと開発から生産までつながっていますので、そこをさらに最短で神経系統がつながっていくように取り組んでまいります。また、社員の共育共成……ともに成長して、ともに育んでいこうという体制を、さらに強化してまいります。

3-3.中期計画(2019~2021)のポイント③

最後に、デジタルとリアルの協働です。的確かつ機敏に動くためには、やはりデジタルの活用が必要不可欠だと思います。

シミュレーションだけでなく、実験・実物での確認、あるいはお客さまとの接点においてもデジタルを使いながら、時と場合によってはリアルな現物での確認。いろいろな技術をふんだんに取り入れて、お客さまへの新たな提案、そして最短での開発をしていく。このような取り組みをしてまいります。

3-3.中期計画(2019~2021)のポイント④

こちら(のスライド)から、3ヶ年の数値となります。旺盛な需要に対応ということで、(スライドの右側に)ポイントとして書かれていますが、実際に、大きな変化の中にあると認識しています。

環境への対応といった変化もございますし、一方で、当社のお客さまは化粧品のお客さまが多いわけですが、世界的には化粧品業界は引き続き伸びていく業種だと思っています。そういった中で、積極的な投資をしていく計画となっています。この3ヶ年では、日本・中国関係の投資が主になっています。

また、後ほど少し詳細な資料がございますが、こちらを算定した基準といたしまして、プラスチック原材料(価格)が去年よりもさらに上がるであろうという設定に基づいて計画しています。

3-3.中期計画(2019~2021)のポイント⑤

続きまして、地域別になります。日本・中国はもちろんのこと、この3ヶ年で重要なのは、その他の部分のインド・オランダ・アメリカ・タイです。これらの地域は、その他に含まれていますが、とくにインドにおきましては工場が立ち上がっていますし、早期にその他のエリアが損益分岐点を超えるように取り組んでまいります。以上が3ヶ年計画です。

3-4.2019年12月期業績見通し①

今期(2019年度)につきましては、こちら(のスライドの表)の計画となっています。市場としては、金型投資が必要ない、また市場への製品化という意味で、スタンダードボトルを活用するといったニーズが、引き続き拡大していくと予想しています。また、従来以上に積極的な開発提案を行っていきますので、計画としましては、売上増加を見込んでいます。

また、営業利益につきましては、減価償却費増をできるだけ吸収いたしまして、増益を見込んでいます。ただ一方で、先ほど説明がありましたが、昨年度、一時的な利益がございましたので、経常利益では減益という予想となっています。

3-4.2019年12月期業績見通し②

こちら(のスライド)は、材料費率についての計画値となります。昨年度はプラスチック材料費率が12.5パーセントでしたが、今期は14.3パーセント(の計画)です。材料単価上昇を想定しています。

また、為替感応度については(スライドに)記載のとおりとなります。

3-4.2019年12月期業績見通し③

こちら(のスライド)は、今期の設備投資内容となります。(スライドに)記載のとおり、国内が主な投資内容となっています。中期的には、日本のみならず中国への投資を予定しています。

3-4.2019年12月期業績見通し④

配当政策です。引き続き、配当性向20パーセントを目標として実施していく予定となっています。

以上となります。本日はお集まりいただきまして、ありがとうございました。