個人型確定拠出年金(iDeCo)の仕組み

篠田尚子氏(以下、篠田):今、竹川さんから公的年金のお話がありましたけれども。

「年金がちょっと少ない」「もしかしたら65歳ではもらえなくなるかもしれない」とか、いろんな話がある中で、やはり「自分でお金を少しでも増やしていきましょう」「年金の補完になるようなものを貯めていきましょう」ということで、今、国が後押ししていくつか制度ができました。

その中の1つが、個人型の確定拠出年金です。簡単に制度の概要をご説明します。

個人型確定拠出年金、ちょっと漢字だらけなんですけど、横にカッコ書きで「iDeCo(イデコ)」とあります。これが愛称なので、このiDeCoで覚えていただいても大丈夫です。

確定拠出年金というのは、国民年金ですとか、厚生年金などの国が用意している公的な年金制度に上乗せして、ご自身で加入いただく年金制度です。自由なので、加入してもしなくてもいいのですが、国としてはこういう制度を用意しています。

なぜこのような制度を使うのがいいかと申し上げると、確定拠出年金をはじめ、このような制度は実は節税につながります。実は払わなくていい税金というのはたくさんあって、それをセーブできます。

この確定拠出年金というのは、ちょっと専門的な話になるんですけども、所得控除といって税金の控除が受けられるので、とてもお得な制度なんですね。

どういうことかというと、毎月一定額を、自分で指定できるんですけど、決められた口座から引き落とすようなかたちで積み立てていくんですね。

60歳になって初めて引き出せるので、逆に言うと60歳までは引き出せません。

よく子どもの頃に割らないと出せないような貯金箱があったと思うんですけど、そんなイメージで、どんどん貯めていくものです。なので腹をくくって、長期にわたって老後のためのお金を貯めておける制度です。

AMEMIYA:それって貯金と一緒じゃないんですか? 引き出さなければ貯金も一緒ですよね。

篠田:そうですね、毎月一定額を(積み立て用に)引き落とすという意味では貯金と似ているんですけれども、大きな違いの1つは、今申し上げた所得控除という税金の優遇があるということ。

定期預金とか普通預金とかに預けておくと、ただ貯金をしているだけでは、実は20パーセント税金が取られるんですね。

AMEMIYA:えっ、そうなの?

篠田:そうなんです。今はあまり金利がつかないので、税金が引かれているイメージがないかもしれないんですけど、実は利息に対して税金がかかるんです。

やはり税金というのは非常に重要なポイントで、こういった制度を使えば税金をセーブできるということをまず覚えておいていただきたいのが1つ。もう1つは、もちろん預金もお選びいただけますが、増やすための金融商品も選ぶことができます。

AMEMIYA:そこがちょっとよくわからないんですけど。

篠田:ここも詳しく見ていきますので、まずはこういう国の制度があるということを覚えておいていただきたいと思います。

AMEMIYA:そんなの知らなかったですよ。

篠田:これがなかなか浸透していないんですね。でも実は、制度としてはもう16年ぐらいですか。

今すぐ始められる「自分年金」のススメ

竹川美奈子氏(以下、竹川):そうですね。2001年からスタートしているので。

キンタロー。:なんで言ってくれないの。

中野晴啓氏(以下、中野):竹川さんは10年以上やってらっしゃるんでしょ?

竹川:私は10年以上前から加入していますね。

前は自営業の方と企業年金のない会社員の人しか入れなかったんですけど、法改正があって今年の1月からほぼ全員入れることになりました。

AMEMIYA:ほぼ全国民が。

竹川:60歳未満の方は。なので実は入れたんです。

中野:お二人は個人事業主になりますから、毎月68,000円積み立てられて、60歳までずっと続けていけばいいんですよ。黙ってそういうものだと思って。こうやって作っていくのが自分年金なんですよ。

先ほどから、年金に非常に関心を持っていらっしゃった。国の年金だけじゃ足りないということはおわかりになった。

だから「どうしたらいいのか?」という答えが自分で年金をつくる「自分年金」で、それを一番有利にできるのがこのiDeCoなので、もうすぐにやってください。

AMEMIYA:すぐに?

中野:すぐに。

キンタロー。:どうやってやるんですか?

AMEMIYA:国民年金基金だっけ? そういったものありませんか?

竹川:あります。

AMEMIYA:あれって「自分年金」じゃないんですか?

竹川:そうですね、あれと合わせて月68,000円で加入できるという。

キンタロー。:加入はどこでやるんですか? 区役所?

竹川:加入は……区役所でできそうですよね。国の年金ですからね。いろいろ今、200金融機関ぐらいで申し込みができていて。楽天証券さんも受け付けしていますし、いろんな金融機関さんで受付をしています。

AMEMIYA:電話すればいいんですか?

篠田:電話でも大丈夫です。

AMEMIYA:本当ですか? iDeCoを始めたとして、確定申告の時に「iDeCoしているから節税できるよ」みたいな資料がくるんですか?

竹川:10月の終わりぐらいに「これだけ掛けましたよ」という証明書が国民年金基金連合会から送られてきますので、そのはがきを確定申告するときにつけて……。

AMEMIYA:よかったよかった。なるほどね。自分で全部言わなきゃいけないのかと思って。

60歳まで付き合う金融機関の選び方

篠田:そんなことはないですね。ポイントとしては加入の時、これは国の制度なんですけれども、サービス自体は金融機関で提供しているので、まずは金融機関に問い合わせをしていただく。

キンタロー。:銀行もやっていますよね。

篠田:一部銀行もやっているところもありますね。

中野:これも先ほどのお話とつながってくるんですけど、とりあえず銀行に行って、言われるままにやっているだけではダメです。最低限の仕組みを勉強して、自分で考えて判断して選ぶ。

竹川:基本的に金融機関は1つしか選べないので。

キンタロー。:1個だけなんだ。

竹川:資料を取り寄せて比較するのはいいんですけど、最終的には自分で1つ選ばないといけない。

AMEMIYA:要するに、iDeCoをやるにはどこか1個金融機関を選んで、そこにお願いするということですよね。

篠田:そういうことですね。

中野:60歳まで、結婚するのと同じぐらいの付き合いになるので、いい加減に選んじゃダメなんですよ。人に言われるままもダメ。

AMEMIYA:やることは一緒なのに?

中野:やっぱり自分でちゃんと判断して、理解してから選ぶ。

AMEMIYA:やっぱり楽天証券さんがいいんでしょうね。

中野:そうですね。

(会場笑)

篠田:ありがとうございます(笑)。