2026年10月期第3四半期決算説明(個人投資家・機関投資家合同IRセミナー)
アシロ、リーガルメディア事業で自治体連携・動画・AI施策を強化 利益率改善や直販伸長など複数施策で来期成長へ
26年10月期3Qマネジメントメッセージ

中山博登氏(以下、中山):株式会社アシロ、代表取締役社長の中山です。2026年10月期第3四半期の決算説明会をご覧いただき、誠にありがとうございます。
本日、私からは資料に記載がない事項や補足説明が必要な点についてお話しします。また、視聴者のみなさまや投資家のみなさまからのご質問にも積極的にお答えしていきたいと思います。
それでは、さっそくご説明に入ります。マネジメントメッセージはスライドに記載のとおりですので、ご覧いただければ幸いです。
エグゼクティブサマリー

中山:スライドは今期第3四半期の結果と、第3四半期までの累計の数字です。
26年10月期3Q(会計期間)YoY売上収益事業別推移

中山:YoY、つまり前年同期比についてです。資料ではっきりわかるとおり、前年同期と比べて大きな変化が見られたのは、昨年非常に好調だった高単価商品の部分です。
この減収減益については、当初想定していたよりもかなり早く表れました。ただし、競争優位性の維持が難しいと判断したため、戦略的にこの分野を大きく伸ばさない方針としていた部分もあります。一方で、他の領域では確実に成長を遂げ、増収を確保することができました。
前期においてはこの時期の数字が非常に好調でした。一方で、「AIの影響度はどれぐらいあるのか」「高単価商品はこのまま続くのか」「リーガルアライアンス事業の利益率を維持できるのか」「HR事業はさらに成長できるのか」「リーガルプロテクト事業をどのように伸ばしていけばよいのか」など、施策には迷いがあった時期でもありました。
しかし、現状では「AIに対してこのように対応していくべきだ」「リーガルメディア事業でこのような施策を行うべきだ」「リーガルアライアンス事業もこのように行えば、利益率を確実に改善できる」「まだリーガルアライアンス事業ができる領域がたくさんある」「リーガルプロテクト事業やHR事業も、このようにすれば十分に伸ばせる」といった施策が進んでいます。
数字自体は高単価商品の分野では下がってしまいましたが、ほかの分野ではある程度行うべきことが明確になり、2030年度における営業利益40億円という目標に向け、「このようなことを確実に行っていけば、十分達成できる」という、やるべき施策が明らかになっていると感じています。
そのため、昨年と比較すると高単価商品の分野では厳しい部分がありましたが、会社全体としてやるべきことが明確になっている点については、非常に良い状態であるとポジティブに捉えています。
26年10月期3Q(会計期間)YoY営業損益事業別増減要因

中山:各施策についてですが、前年同期比でどのような差があったのかをご覧いただければと思います。
26年10月期3Q(累計期間)の高単価商品の影響を除いた基調成長

中山:高単価商品以外は順調に成長しており、この成長を維持するだけでなく、特定の領域ではさらに成長率を高めることができると自信を持っています。高単価商品に関しては、想定を上回る影響を受けましたが、それ以外は好調で、問題ないと考えています。
成長戦略―リーガルメディア事業

中山:リーガルメディア事業について、これまではWeb上での施策を中心に進めてきましたが、今回初めて大阪府高石市と提携し、市を通じてリアルなご相談をキャッチアップしていく施策を開始しました。
引き続きWebやAI、動画といったオンライン上の施策も推進していきますが、このような市区町村との連携をはじめ、高齢者を含む都心部以外の人々がより当社のサービスに触れやすくなるようなオフラインの施策を進めることで、これまでオンラインではなかなかリーチできなかった層の相談者を確保していく方針です。これがリーガルメディア事業の成長戦略の1つです。
成長戦略―リーガルアライアンス事業

中山:リーガルアライアンス事業ですが、アライアンス先が非常に多く、ぱっと想像するだけでもスライドに記した数があるという状況です。それぞれを確実に立ち上げていくことが重要です。
当社は集客に特化し、エンドクライアント向けに集客を行うサービスを提供しています。ただし、自社でもある程度ソリューションが提供できると思われる、一定の自信のある領域では、自社でソリューションを提供することによって、売上や利益を十分に創出していきたいと考えています。
さらに、アライアンス先にはまだ成長や開拓の余地が十分にあると感じており、大きな期待をいただいても問題はないと考えています。
成長戦略―リーガルプロテクト事業

中山:リーガルプロテクト事業ですが、引き続きアライアンスを継続しています。また、アライアンスに加え、直販でも数字を伸ばせるよう取り組んでおり、その結果、直近では直販が伸びています。
現在も投資フェーズは続いていますが、ちょうど1年前はまだ「このようにすれば、リーガルプロテクト事業は伸ばしていける」といった蓋然性がつかみきれていない状況でした。
暗中模索ながらも横に販売戦略を広げ、どれが成功するのか試行錯誤していた状態でしたが、1年を経て、YoYでやっと「この領域に関してはアライアンスでやるべきだ」「この領域に関しては直販でやるべきだ」というすみ分けが確立され、何をすべきかが明確になってきています。
来期は、リーガルプロテクト事業も伸びているということを投資家のみなさまに実感していただけるような、十分な数字をお示しできる準備が整ったと考えています。
これまで広げてきたチャネルの中には、これなら急激に数字が伸びていくのではないか、と期待を寄せていたにもかかわらず不振に終わり、結果として思ったほどの伸びが見られなかったものもありました。しかし、そのおかげで「何をすべきか・何をしないべきか」という取捨選択が確実に進んだ点は、非常に良かったと感じています。
成長戦略―HR事業

中山:HR事業についてですが、引き続き、どの領域に注力するかをある程度絞りつつ、効率的に集客し、求職者の方がスムーズに転職できるよう効率化を徹底していきます。また、業務の中でAIを活用しながら、事業の成長を促進していきたいと考えています。
具体的な施策については、競争上の都合によりあまり外部に公表できない部分もありますが、社内ではAIの活用がかなり進んでおり、あらゆる業務をAIに切り替えることで、コスト削減や効率化を実現しています。
「ビジネスとしてAIを活用しきっている」「これによって売上が立っている」といった具体的な事例を示すことはできませんが、社内施策としてAIの活用はすでに十分に進んでいる状況です。
既存事業×新規事業による収益基盤の最大化

中山:このようなイメージで、営業利益40億円を目標として掲げ、それを見据えてブレることなく、引き続きチャレンジしていきたいと考えています。また、その基盤や準備は着実に進んでいると感じており、十分に達成可能であると認識しています。
さらに、新しい施策を展開することでプラスアルファの成長も十分に狙えると思っています。残された期間を「あと4年しかない」と捉えるか、「まだ4年もある」と捉えるかはさまざまですが、当社としてはスピーディかつ大胆に取り組み、営業利益40億円を達成するだけでなく、さらなる上積みを目指していきたいと考えています。ぜひご期待ください。
業績水準別 市場評価感応度(参考)

中山:業績や売上を十分に伸ばすことも重要ですが、それと同時に株価にも意識を向けて経営を進めていく必要があると思っています。
現時点では、株価がバリュエーションの観点から十分に評価されていないと感じています。そのため、株価についても意識を高めつつ、既存の投資家のみなさまだけでなく、新規の投資家のみなさまにも注目していただけるよう、着実にIR活動を行いながら、この現状のバリュエーションを改善していきたいと考えています。
株主還元の強化―当期利益ベースの総還元性向 約98%

中山:そのため、株主還元については今後も積極的に実施していきたいと考えています。株主還元や株価の上昇、業績の上振れを実現し、株主のみなさまの期待に応えていきたいと思っています。また、このほかにも可能な株主還元があれば、取り組んでいきたいと考えています。
株価とバリュエーション 他社比較(参考)

中山:当社は株価を非常に意識しており、他社の動向や自社の見られ方を意識しながら経営を進めています。株価は見ずに、事業だけを行っていればよいという考え方ではなく、常に意識しながら経営していますので、その点はご安心いただければと思います。
以上が決算の内容です。決算説明資料の内容について、追加で私から補足したほうがよいと思われる点をご説明しましたが、それ以外は基本的に決算説明資料に記載したとおりです。
また、「アシロに投資したばかりで、業務・事業がわからない」というご質問や、当社の基本的な部分でわからない点がある場合は、今回の決算説明資料に加え、これまでのIRや決算説明会のアーカイブなど、過去の資料やテキストをご確認いただくことで、当社についてよりご理解いただけるかと思います。
決算説明資料だけでは解決できない内容については、当社のIR窓口までお問い合わせいただけますと幸いです。
私からの決算説明資料の説明は以上といたします。
質疑応答:営業利益20億円への展望について
荒井沙織氏(以下、荒井):「『2027年度業績で営業利益20億円が射程に入った』と前回の決算で報告がありましたが、上半期の利益を見ると、どのような根拠で射程に入ったと判断したのか読み取れませんでした。
リーガルプロテクト事業に手応えを感じているのか、リーガルアライアンス事業の営業利益率の改善に手応えを感じているのか、それともまた別の要因なのか、具体的に教えていただきたいです」というご質問です。
中山:先ほど、高単価商品以外は積み上がっているというお話をしましたが、この積み上げを着実に続けていけば、2027年度の営業利益20億円前後という利益目線自体は十分射程圏内にあるものと考えています。どの事業においても、現状のオーガニック成長を取りこぼさず、さらに新規事業を含むアップサイドも取っていくことで、今後も当社の成長をお見せしていければと思っています。
2027年度の営業利益20億円前後を通過点とし、2030年度の営業利益40億円という大きな目標の達成に向け、引き続き全社で取り組んでまいります。
質疑応答:2030年度に向けた増収増益の取り組みについて
荒井:「前回の決算説明で、2027年度の純利益は13億円後半から14億円前半のようなお話をされていました。
2030年度の営業利益40億円以上の中期計画の過程で、2023年度と2024年度のように、2028年度と2029年度は増収減益とし、2027年度の利益からはマイナス、もしくは横ばいか微増で、2030年度に一挙に利益を上げるような計画なのでしょうか?
2030年度以降の業界でのシェア拡大計画があり、そのために必要な投資は仕方ないと思いますが、そのあたりの将来展望も含めて教えてください」というご質問です。
中山:基本的には、投資のために大きく営業利益を削って減益にして、2030年度にバッとまた一気に利益を出すといったやり方よりも、着実な成長により十分な利益を出し、それを維持しながら2030年度までの計画を進められればと考えています。
ただし、場合によっては増益の幅を少し抑えることも視野に入れつつ、「今のタイミングでは、そこまで増益を大きく出す価値がない」という状況があるのであれば、そのタイミングで一定の蓋然性を持った投資や挑戦的な投資により、減益にはならない範囲で増益幅をコントロールする可能性もあります。
とはいえ、基本方針としては、増収増益を継続していきたいと考えています。現状、リーガルテックは世界的にも国内的にも、大きな変革期を迎えていると感じています。そのため、自分たちのスタンスを機動的に持つ必要があると考えています。
また、AI以外の分野でも、民事裁判情報をデータベース化し、利活用を促進する制度の整備が進んでいます。
民事裁判情報の利活用が進むことで、リーガル領域では、AIが非常に重要視するデータが開示されるようになります。AIが重視するそれらのデータを取り入れたうえで、どのように活用し、どのようにユーザーやクライアントに提供するかを、あらためて検討するタイミングに来ていると感じます。
こうしたことから、売上や利益を「このように増収増益で進めています」と過度に宣言することで数値に固執せざるを得なくなり、機動的な対応ができず投資の機会を逃すような事態は避けつつ、増収増益を基本路線として成長を目指していきたいと考えています。
質疑応答:AIの発展による個人訴訟と法律相談増加の可能性について
荒井:「AIを使い、個人が訴訟を起こした記事が出ていますが、確かに弁護士費用が高すぎるので、泣き寝入りしているケースはあるかと思います。
今のAI進化速度からすると、あと数年後には、簡易的な訴訟や相談は弁護士に頼らない時代が来てもおかしくはありませんし、個人がAIを使って訴訟を起こす件数はかなりの数になる恐れがあります。既存の弁護士ルートで商売している御社は、弁護士とのしがらみもあると思いますが、そのような新しい動きに対応したサービスを行えるのでしょうか?
新しいサービスは新規に参入する会社に任せて、今後も既存の弁護士ルートの商売にウエイトを置いていくのでしょうか?」というご質問です。
中山:ご質問いただいたイノベーションのジレンマのような課題は、現時点では発生の可能性は低いと考えています。
今後AIが発達し、簡単な相談や個人訴訟など、個人がAIを活用して自分で対応できるようになる可能性は十分に考えられると思います。ただ、個々の考え方によるとは思いますが、例えば「この訴訟に負けたら500万円の損失が出る」という場合に、果たしてAIを使い自分で対応するでしょうか。
荒井:やはり金額が大きい場合には、プロにお願いしたいという気持ちが生じると思います。
中山:おっしゃるとおりで、それが人間の心理だと思います。
一方で、ご質問いただいたような簡易的な訴訟や少額訴訟、簡単な相談をAIが処理できるようになることは、弁護士にとって非常に良いことだと思います。
なぜなら、定型的な法律相談が大量に寄せられることで、弁護士がそれら一つひとつに対応することが、業務上の負担となる場合があるからです。
また訴訟に関しても、例えば友人に50万円を貸したが返ってこないため、回収を求める状況を想定してみます。この際、弁護士費用に30万円や40万円をかけなければ回収できないとなると、利用者は依頼をためらってしまうでしょう。
弁護士としても、そのような相談も受けてあげたい気持ちはあるものの、費用との兼ね合いにより、泣き寝入りしてしまうユーザーは発生してしまいます。
このような背景から、現状では訴訟として提起されることが少ない領域が存在している実態があります。それらの少額訴訟が、弁護士に頼ることなく自分自身でフォーマット化して処理できるようになるのであれば、この泣き寝入りを減らすこともできますし、日本の社会全体にとっても良いことではないでしょうか。
テクノロジーやAIの発展により、本人による訴訟や手続きが簡単になるようなプラットフォームができることも期待されます。
現時点では、本人訴訟を行っている方々は、かなりAIやテクノロジーに詳しいマニアックな方々や、知識が豊富な方が大半だと思います。しかし、例えば私の母のように、コンピューターをまったく使えない方や、特別な知識のない方でも、必要な情報をフォーマットに入力するだけで完成された訴状などの書類が生成され、本人訴訟を行えるようになる可能性があります。また、そのようなプラットフォームを当社が提供することも十分に可能だと考えています。
さらに、それを当社が提供したとしても、弁護士が扱うべき複雑な領域には影響を及ぼさないため、イノベーションのジレンマが発生する心配もありません。むしろ、マーケットが広がることで当社にも大きなメリットがあると考えられます。
荒井:それによって、弁護士は成功報酬の大きい業務に注力できるようになるでしょう。法律相談のハードルが下がるかもしれないですね。
中山:おっしゃるとおりです。これまで法律相談までは進んでも、なかなか訴訟までは至らなかった方々も、そういったプラットフォームの利用で訴訟を起こすことができるようになり、一方で、個人での対応が難しい複雑な案件については引き続き弁護士が対応するというすみ分けになるのではないかと感じています。
質疑応答:リーガルメディア事業の新施策について
荒井:「前回の説明会でお話があった、これまでアプローチしてこなかった取り組みとは何でしょうか? 本日時点で理解ができていないため教えてください」というご質問です。
中山:これはリーガルメディア事業の施策のことでしょうか?
荒井:そのとおりです。リーガルメディア事業の新施策についてです。
中山:リーガルメディア事業の新施策については、大きく2つあります。先ほどの成長戦略にも記載がありましたが、オフラインでの施策や「YouTube」を活用した動画施策など、これまでは積極的に取り入れてこなかった施策の開始が1つ目です。
もう1つは、リーガルメディア事業だけでなく会社全体の施策となりますが、AIを積極的に活用し、マーケティングに取り入れるというものです。これまで人が行っていた業務をAIに任せることで、効率化が大幅に進みました。
例えば、1つの法律に関する考察を文章として執筆する場合、人が行うと1日で2本の記事を書くのがやっとでした。現在では、AIを活用することで、1日で10本ほどの記事の制作を進められるレベルに到達しました。作業パフォーマンスが5倍から10倍程度向上したことになります。
これらのオフライン施策、動画施策、AI活用などが、新施策として現在主に進めている内容です。
質疑応答:通常商品の成長について
荒井:「通常商品の成長についてです。高単価商品を除く通常のリーガルメディア事業について、第2四半期まで確認された成長基調は第3四半期でも継続しているでしょうか?
また、足元の成長について、掲載顧客数、顧客単価、解約率、『ベンナビ』経由の問い合わせ機会、広告効果、このうちどの要因の寄与が大きいのか、可能な範囲でご説明をお願いします」というご質問です。
中山:全体的な話にはなりますが、ご指摘いただいたすべてにおいて、今後さらに注力していく予定です。特に獲得活動は引き続き進めますし、解約が出ないようにすることにも力を入れていきます。
施策を打つことで新規獲得はしやすくなるため、いかに解約率を下げるかが重要になります。
現在、解約を防ぐための新たな施策を準備しており、この施策がうまくいけば、解約率がさらに大幅に下がり、結果として契約数自体も純増しやすい環境になると考えています。
荒井:楽しみですね。解約率を下げることは非常に難しいですよね。
中山:おっしゃるとおりです。
現段階では具体的なことはあまり申し上げられませんが、例えば、「表面的に見るとAの価値を提供しているように見えるが、実際のユーザーは、AではなくBの価値を目的に購入している」ということはよくあると思います。
つまり、第三者は「出す料理がおいしいからあの店は行列なのだ」と思っているが、常連のお客さまは出てくる料理の味とはまったく異なるところにも価値を感じて通っている、というようなことです。
それを意図的に促進するかたちで、表面上の「おいしい」は見えるようにしつつも、実際には常連のお客さまを日々通い続けさせる理由となるような別の価値も裏で仕込み、その価値を抽出して最大化させていくということです。
表面的な価値だけでなく、本質的な価値をご理解いただくことで、「アシロとの契約をさらに継続しよう」というモチベーションを高めてもらえるような施策を実施していきます。
質疑応答:リーガルアライアンス事業の営業利益率と成長見通しについて
荒井:「リーガルアライアンス事業では売上高が大きく成長する一方、これまで利益成長が売上成長に追いつかない局面も見られました。広告効率や顧客・商品構成の改善による利益率正常化は、現在どの段階まで進んでいるでしょうか?
また、2027年度に向けて、売上成長を継続しつつ、売上成長率を上回る利益成長が可能なフェーズに入りつつあるのか、中期的な収益性の考え方を教えてください」というご質問です。
中山:既存のものと新規のものに分けてお話しすると、既存のものに関しては、先ほどご説明したように、前期はリーガルアライアンス事業の営業利益率を十分に確保できるのかという不安や懸念がありました。しかし直近では、かなり改善が進んでおり、1年前に比べて良い状態に戻っています。ここについては、まだ既存のものだけでも成長を継続できるという自信があります。
一方で、先ほどの成長資料をご覧いただいたとおり、リーガルアライアンス事業においては、まだ本格的に取り組めていない領域も多く残されている状況です。当然、「早く取り組んだほうがよい」という側面もありますが、裏を返すと「まだ取り組んでいないため、非常にチャンスがある」ということにもなります。
これまで取り組んでこなかった部分を確実にキャッチアップすることで、まだ手をつけられていない領域においても十分に成長余地があると考えています。取りこぼしのないように、一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思いますし、私はそこが、リーガルアライアンス事業の最も魅力的でおもしろい部分だと感じています。
これはIRや決算説明会でも何度か触れてきましたが、例えば、美容院を探している人が同時に不動産を売りたいとはおそらく思わないでしょう。
荒井:そのとおりですね。
中山:「今日は髪の毛を茶色くしようかな」と考えながら「やっぱり不動産も売ろう」になることはありません。
荒井:なかなか脳内で結びつけられないですね。
中山:美容師と話をして、「不動産、ちょっと相談していいですか」という展開になることもないですね。
荒井:「ちょっと特殊なタイプの方かな」とは思うでしょうね。
中山:そのとおりだと思います。ただし、法律相談に関しては、例えば離婚や相続の際に、同時並行で「不動産をどのようにしよう」という悩みを抱えることがあるものです。そして、それは不動産だけでなく「遺品はどうすればよいか」や「遺品整理を行うか」、さらには「空き家はどのようにすればよいか」といった課題にも関係してきます。
同様のことは、開示請求のケースにもあります。開示請求を行いたいユーザーは、同時にWeb内でのソリューション、例えばWeb上の情報に関する課題への対応を支援する施策なども求めていることが多いです。法律相談の分野では、並行して別の悩みが生じるケースが非常に多いのです。
まだキャッチアップし切れていない部分もありますが、この領域は非常に大きいと感じているので、一つひとつ確実に捉えていくことが重要だと考えています。
これまでなぜ取り組んでこなかったのかという反省もありますが、逆に言えば、まだまだアプローチする余地があるということなので、新たなチャネルが豊富にあることについてもご期待いただければ幸いです。
質疑応答:リーガルプロテクト事業について
荒井:「リーガルプロテクト事業についてですが、『LegalBase』『bonobo』『ベンナビcrown』などについて、複数企業との販売連携が進んでいます。提携件数そのものより、それらが実際の商談、有料契約獲得にどの程度つながり始めているかが重要と考えていらっしゃるとのことでした。
契約件数、MRR、ARR、稼働販売チャネル数と、今後事業の立ち上がりを確認するうえで、会社として最も重視しているKPIは何でしょうか? また現在、先行投資のJカーブのどの段階にあり、損益分岐点到達時期についてどのようにお考えなのか教えてください」というご質問です。
中山:「bonobo」「LegalBase」「ベンナビcrown」という商品を挙げていただきましたが、「bonobo」と「LegalBase」は法人向け、「ベンナビcrown」は個人向けの商品です。
これらの商品において、何が最も重要かという点についてですが、最終的には獲得件数がKPI(重要業績評価指標)となります。それをさらに分解し、より細かいKPIを設定することもありますが、基本的には獲得件数だと考えています。
MRR(Monthly Recurring Revenue)やARR(Annual Recurring Revenue)については、ある程度の規模になってくると、投資家のみなさまにも開示していけるのではないかと思っております。
ただし、現状ではリーガルプロテクト事業の立ち上げに時間がかかったことから、開示できるタイミングはまだ先になってしまうと認識しています。ようやく「このようにすれば売れるのだな」というかたちが見えてきた状況ではありますので、投資フェーズも続き恐縮ですが、今後にご期待いただければと思います。
Jカーブモデルの進捗状況については、例えばSaaS系プロダクトの場合、獲得と同時に機能開発やシステム開発も行い、それに伴うコストが増大することから、Jカーブモデルの初期段階で深い谷が形成される傾向にあります。
一方で、当社の商材のJカーブに関しては、比較的浅めのJの形状をしているため、黒字化に長い時間がかかるものではないと考えています。
過去の決算説明会でも何度かご説明したかもしれませんが、私が嫌いな言葉の1つに「赤字」があります。
この苦手な状況を避けるために、リーガルメディア事業、リーガルアライアンス事業、HR事業、そしてリーガルプロテクト事業のすべての事業において、早期の黒字化を目指しています。黒字は事業のリズムを生み出し、組織の活気を創出するものだと思っています。
一方で、赤字であっても、挑戦のうえで発生しているものであれば過度に気にする必要はないと思いますが、やはり社内に後ろめたさのような空気が生まれることはあります。黒字化を実現することで、組織全体がより一層元気になり、活力も高まると考えていますので、私自身も黒字化を重視しており、より早期の達成を目指してまいります。リーガルプロテクト事業のJカーブはそれほど深くはならない見通しですので、ご期待いただければ幸いです。
荒井:黒字はみなさまお好きだと思います。
中山:おっしゃるとおりです。
質疑応答:株式流動性と株価向上について
荒井:「アセット・バリュー・インベスターズの大量保有があるとはいえ、最近、株取引の出来高が非常に少なくなっています。出来高を増やすためには認知度を上げることが重要かと思いますが、アシロの認知度を上げるための戦略はありますでしょうか?」というご質問です。
中山:流動性にはさまざまな要因が影響しますが、1つ事実として挙げられるのは、アセット・バリュー・インベスターズが株式を購入される前と比較すると、購入後のほうが流動性が低下しているという点です。現状は、市場の流動性が減ったことで、売却意欲のある方も減少している状態ではないかと考えています。
そのため、認知度を上げることも必要ですが、なにより株価を上昇させることが重要だと考えています。当社としては、現在の株価は当社の成長性を十分に反映していないと考えています。
この点については非常に反省しており、企業価値の向上と適切な情報発信を通じて、市場での評価を高められるよう努めていきます。また、それが結果的に流動性の向上につながるのではないかとも考えています。
荒井:御社には熱心なファンの方が多いというイメージもあります。しばらくお待ちいただければ、というところですね。
中山:そのとおりです。
質疑応答:今期及び来期の業績見通しと課題について
荒井:「業績予想の手応えについて教えてください。今期は保守的な計画と説明されてきたかと思いますが、保守的に計画して良かったとお考えでしょうか? 来期以降は保守的な業績を見直すようなお話がありましたが、お考えは変わりないでしょうか?」というご質問です。
中山:数字を出した際に、保守的に作りすぎてご期待いただけないということもあると思いますので、期待値とのバランスを取ることも重要だと考えており、来期以降はその点を十分に考慮して開示を進めていきたいと思います。
今期の数字については、期初段階では非常に保守的に作成したつもりでしたが、当社が想定していた以上に高単価商品の数字が回復しなかったことや、戦略的に高単価商品から通常商品への転換を決定したことの影響があったと考えています。ただし、先ほどご説明したとおり、高単価商品を除いた他の商材については、すべて一定のレベルで順調に推移しています。
もう1つ反省すべき点は、リーガルプロテクト事業はもう少し早く数字として反映される想定だったのですが、実際には想定よりも遅れてしまったことです。高単価商品の減少とリーガルプロテクト事業の出遅れが、結果として当社の想定よりも大きくなってしまったと認識しています。
ただし、今期もまだ結果を狙える状況にありますし、来期に向けても成長できる基盤や土台が整ってきましたので、引き続き成長に向け取り組んでまいります。
質疑応答:採用戦略について
荒井:「従業員数について教えてください。成長していく企業は自然と従業員数が増えていくものだと考えています。アシロの事業モデルの場合、今後の目標である売上高200億円、営業利益40億円を目指すためには、従業員数を増やしていく必要があるのでしょうか?
それとも、AIにより業務効率化が進むことによって、必ずしも従業員を増やしていかなくても目標は達成できるのでしょうか? 従業員数と業績の関連性についてお考えを教えてください」というご質問です。
中山:当然ながら、人員を増やさなければ数字を伸ばすことが難しい領域もあります。そのため、人員数を維持したままAIだけで現状の営業利益を2.5倍にすることが可能かと問われると、少し厳しいのではないかと思います。
職種によってはある程度AIで代替できる部分もありますが、一方で、この職種はAIでは代替できないので人員を採用しなければならない、という領域もあり、その違いはかなり明確になってくるでしょう。
その判断を誤らないようにし、どれだけAIが進化しても代替できない領域については引き続き人員を増加させ、AIを利用したほうが効率的な領域においてはAIを活用することで、職種ごとに見極めながら採用戦略を立てていく必要があると考えています。
質疑応答:社外取締役の招聘や取締役会の体制見直しについて
荒井:「中長期の企業価値向上のあり方についてうかがいます。現在、特定の筆頭株主級の動向なども含めて、経営への関与に対する関心が高まっていると思います。
御社として、経営の監督や多様な視点の導入という観点から、次回総会に向けて新たな社外取締役の招聘や、現行の取締役会の体制見直し、補強を検討される考えはありますか?」というご質問です。
中山:これまでと異なる筋肉を使ったビジネスを展開したり、既存事業においてもこれまでとは違う筋肉を活用しながら成長させていったりするのであれば、その領域での知見や経験が豊富な方を招聘し、経営に活かすことが必要になると思います。
当社においても、どのような成長戦略を採用し、何を中心に据えるかによって、活躍する人材が変わってくる可能性はあります。固定のメンバーだけで事業を行うと頑なに決めつけるわけでもありませんが、絶対に新しい人を入れないとうまく進まないということでもないと思います。人を入れたからうまくいくというような簡単なものであれば良いですが、実際にはそうではありませんので、「この領域はある程度人材を採用しなければ、オーガニックで育てるのは難しい」ということであれば、外部から採用することも重要だと思いますが、一方で、内部でも十分育成できるのであれば、内部で挑戦していきたいと考えています。
また、カルチャーとしては、やはりベンチャー企業というのはプロパーの社員がオーガニックに成長し、経営陣に入っていくという循環ができたほうがよいのではないかと思っています。外部から優秀な人材を次々と引き抜いて成長するというよりも、オーガニックに育った社員、例えば新卒で入社した社員や中途で入社した社員が数年間にわたってアシロで活躍し、最終的に役員となる、というスタイルのほうが、強いカルチャーを形成できるのではないかと考えています。
もちろん、よほど特殊な能力を持っていて、この人に担当してもらわないと困るというポジションがあれば外部からも採用しますが、優先度としては、オーガニックに成長した社員が役員になっていくほうがアシロのカルチャーには合致するのではないかと思っています。
質疑応答:PER向上の戦略について
荒井:「同業他社とのPERに差があるとの指摘をどう分析していますか? 株式市場から正当な評価を得るために、今後どのような戦略が必要だと感じていらっしゃるのか、経営トップとしての決意をお聞かせください」というご質問です。
中山:もし株価だけを意識するのであれば、もう少し積極的にAI関連のプロダクトをリリースし、それが売れて好調であればよいのだと思います。しかし、表面的な株価だけを追い求め、実体のない状態で無理にストレッチさせることで社内が疲弊しては、本末転倒だと思います。
ですが、何の手だても打たないというわけではなく、当然ながらさまざまな施策を進めていますので、ご期待いただければと思います。
当社も社内でAIを活用していますし、先ほどの説明のとおり、民事裁判情報の利活用に向けた制度整備が進むなど、大きな変革期を迎えていると思っています。当社もその市場に乗り遅れないよう、さまざまなプロダクトを用意しつつ、既存のものも着実に成長させていくことで、投資家のみなさまからご期待いただける発行体に成長していくことが重要だと考えています。
質疑応答:リーガルプロテクト事業の進捗状況について
荒井:「リーガルプロテクト事業の状況をお聞かせください。同事業は2022年度から現時点までの売上においてほとんど成長が見られません。『bonobo』と『LegalBase』共に当初もくろんでいた拡販がうまくいっていないのでしょうか? 状況をうかがいたいです。
特に『bonobo』は2024年度の決算時にPRしておられたので期待していましたが、その後まったくと言っていいほど同事業の進捗に言及されていません。この機会に詳しい状況をお聞かせください」というご質問です。
中山:リーガルプロテクト事業については、うまくいっている点とうまくいっていない点がありますが、これまでの状況を振り返ると、全体としてはあまりうまくいっていなかったというのが率直なところです。
「このように行ったら売れるのではないか」「このような販売チャネルがよいのではないか」「このようなプロモーション施策がよいのではないか」という方向性を、これまで外してきてしまったという反省はあります。
しかし、その経験を通じて「このようにすれば売れるのだな」というチャネルや手法を確立することができ、ようやく「このようにすれば売れるのだ」という点に確信を持てるところまで来ました。
荒井:その流れが見えているということですね。
中山:見えています。その点についてはご安心いただければと思いますし、ある程度の数字になってきています。
リーガルプロテクト事業については、最初は個人向けとしてスタートしましたが、途中で個人向け弁護士費用保険の新規販売を停止し、法人・個人事業主向けに注力する方針へと転換しました。ただ、やはり個人のほうが契約件数自体は伸びやすいという傾向があります。実際に、現在の契約件数だけを見ると、減少していると感じられるかと思います。一方で、扱っている1契約当たりの単価は以前より上昇しています。つまり、契約の合計件数が維持できれば、売上は上がってくるということです。
ただし、まだボリュームとしては物足りないと感じていますので、例えば現在の販売量の10倍など、みなさまのご期待に応えられるような数字をお見せできるようになり、もっと積極的に共有していけるようになればと思っています。
私自身、みなさまと同様に赤字が嫌いで、累損も非常に嫌っています。そのため、累損の解消に向けて全力を尽くしていますし、累損分は必ず回収するという覚悟で取り組んでいます。
この点については、「何回同じことを言うのか? まったく結果に上がってこないじゃないか」と言われても仕方がないところではありますが、それでもみなさまのご期待に応えられる段階まで引き上げてきました。引き続きご期待いただければ非常にうれしく思います。
質疑応答:2030年度目標達成に向けた短期・中期の視点について
荒井:「2027年度の営業利益20億円を今回も計画として維持されていますが、仮に2026年度の営業利益15億円に届かなかった場合でも、2027年度の20億円は独立して達成可能という認識でしょうか? それとも、2026年度の15億円達成が20億円への重要な前提なのでしょうか?」というご質問です。
中山:まず大前提として、短期・中期の視点で最も重要なのは、2030年度の40億円という目標と、それに向けた上振れの可能性だと思います。当然ながら、2027年度の20億円という目標は、その通過点と認識すべきだと考えています。
ただし、新しい予算の策定までには少し時間があり、また、先ほどからお伝えしているとおり、現在リーガルテックと呼ばれる領域は過渡期にあります。そのため、予算にこだわりすぎることで機動性を失うようなことは避けるべきだと思っています。
予算ありきで事業を進めてしまうと、「本来的にはもっとこのようなことができたのに、なぜ行わなかったのか?」といった状況も生まれ得ます。
投資家のみなさまに対しても、すべての投資を止め、冬場に「暖房をつけるな」と言ってすべてを節約しながらなんとか捻出した20億円の利益よりも、ある程度余裕を持ちながら機動的に動きつつ模索した、達成可能な数字を共有したいと考えています。
また、そのほうがかえってよい数字を目指していけるのではないかと考えています。ただし、現段階ではまだ何も決定されていない状況です。
質疑応答:法人向けサービスの契約プロセスと現状について
荒井:「今回リーガルプロテクト事業とHR事業について成約に至るまでの仕組み化が確立し、今後は見込み顧客数やリーチ数を増やすフェーズとご説明されています。
リーガルプロテクト事業について、仕組み化が確立したと判断できるほど改善した先行指標は具体的に何でしょうか? 商談化率、成約率、販売パートナー経由の案件数など、特に改善した部分を教えてください」というご質問です。
中山:法人向けのサービスですので、基本的には獲得したリードからアポイントを取り、商談を組み、その商談から何件契約を取れるかというのがポイントになってきます。これまでは、どのようにそのリードを取得し、商談を進め、契約まで達成するのかを模索してきました。
一定レベルの「このようなリードからこのような商談を組めば、このぐらいの割合で契約が決まる」というものを確立するのに、かなり時間がかかってしまったというところです。
一方で、現在はそれがほぼ確立できたと言えるような状態となっており、「このようなリードに対してこのような商談をすれば、これぐらいの契約まで行く」という流れが安定してきました。
あとは、このリードを最大化することで、商談につながるアポイントの数を増加させ、それに対応できるだけの人員を確保・教育し、既存メンバーと同じ水準で成約できるように進めていきます。
リーガルプロテクト事業に関しては、この流れの確立に想定以上に時間がかかってしまった部分がありましたが、ようやく軌道に乗り始めています。
質疑応答:リーガルプロテクト事業の黒字化目標について
荒井:「第2四半期の資料ではリーガルプロテクト事業について2027年度上半期までの黒字化を明示されていましたが、今回の資料では黒字化時期の記載がなくなっています。目標時期そのものに変更はないでしょうか?
また、変更がない場合、第2四半期から第3四半期にかけて黒字化への確度が上がった点、逆に想定より時間を要している点をそれぞれ教えてください」というご質問です。
中山:正直に申し上げると、早期に黒字化を目指すために、一時的に少し赤字が増える、つまりJカーブの部分が深くなるとしても、必要な投資を行うほうが適切だという判断もあり得ると考えています。
来期中に黒字化を目指すためには、リソースを増やす必要があります。「リソースを増やさず、とにかく早く黒字化を目指したほうがいい」というJカーブの浅さを保つ判断もある一方で、「ちょっと赤字を掘ってでも、その後急角度で上げたほうがいい」という考え方もあるでしょう。
当社としては、できるだけ成長角度を維持したいと考えています。そのためには、来期の上期中に黒字を作るためだけにいろいろなものを無理にセーブするよりは、1年をかけて黒字化を目指すほうがよりよい判断といえるかもしれません。
これらは来期予算にも関連しているため、明確なことはまだお伝えできませんが、現時点では2027年度上半期中に確実に黒字化するという状態ではないと考えています。
荒井:成長を確実に視野に入れて、ということですね。
質疑応答:IR活動について
荒井:「IRを積極的に行うとのことですが、具体的な取り組みを差し障りない範囲で教えてください」というご質問です。
中山:まず、これほど長時間Q&Aに答える社長もあまりいないのではないかと思っています。
荒井:おっしゃるとおりで、最長ではないかと思います。
中山:これも投資家に向けたアシロの独自性であり、「投資家フレンドリー」という1つのIRのかたちであると思います。
これ以外にも、当社がどのような目標を持ち、どのような予算で運営しているのか、そして現在の株価がいかに低調であるかといった点について、多くの機関投資家と個別に面談やプレゼンを実施し、より興味を持っていただくための取り組みをIRチームで行っています。
法人から個人の方まで、幅広くいろいろな方に知っていただく努力を継続している状況です。
質疑応答:長期保有株主からの期待について
荒井:「長期にわたり投資を続けている株主として、今後もアシロの株主でよかったと思えるでしょうか?」というご質問です。
中山:株主のみなさまのご期待に応えられるよう、引き続き努めてまいります。
機関投資家や海外の投資家にも当社株を保有いただいていますし、当社としては、現在の株価は当社の成長性を十分に反映していないと考えています。
当社の成長を通じて、株主のみなさまのご期待に応えられるよう、一生懸命努力していきますので、引き続き応援をお願いします。
中山氏からのご挨拶
中山:本日はご覧いただき、誠にありがとうございました。
高単価商品の減収やリーガルプロテクト事業の出遅れなどで、ご心配をおかけする部分もあるかと思いますが、さまざまな施策を進めており、基盤や地盤も確実に固まってきています。来期以降の成長にもご期待いただければと思います。
また、今後も株主還元を積極的に行い、IR活動も充実させていきたいと考えていますので、引き続きご期待いただければうれしく思います。本日はありがとうございました。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日登壇者に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:リーガルプロテクトのKPIに関して短期的なタームで示せるように検討しているとの話が以前ありましたが、状況はいかがでしょうか?
回答:リーガルプロテクト事業のKPIについては、2026年10月期第2四半期決算説明会時に、販売件数を今期中に四半期よりも短い間隔で開示できるよう検討するとご説明しておりましたが、具体的な開始時期は現時点では確定しておりません。
リーガルプロテクト事業につきましては、引き続き事業の立ち上げ段階となりますので、KPIの継続開示が可能な段階になり次第、改めてお知らせいたします。
<質問2>
質問:なぜ営業利益の通期下方修正を行わなかったのでしょうか? 以前、今回の会社予想は堅い予算と言われていましたが、3Q前提の売上収益では営業利益30パーセントを出しても通期予想の到達は厳しいかと存じます。何かお考え等があるようでしたらご教示ください。
今回、下方修正はでませんでしたが本決算は10月でもう2か月切っています。だいぶ今期の数字も固まってきていると思いますが、今期の数字は下方修正せずに達成できるのですね?
2Qまでは業績進捗今ひとつでしたが本当に通期予算達成は可能なのでしょうか? 御社は上方修正する会社だと常常おっしゃっておりますが、今期も上方できるのですか? 意気込みだけではなく本当のところを教えてください。
売上高は通期予想通りのように見て取れますが、営業利益の進捗は64パーセントとなっております。下方修正を出されていないということは、第4四半期で大きな利益を上げることが見込む目処がついているということでしょうか?
アシロは決算において投資家に対して真摯に情報公開をしてくださっているため、下方修正をしないということはそういう意味だと受け取らせていただきたいのですが、ご回答お願いいたします。
回答:業績予想の修正は、決算開示時点で入手可能な情報に基づき、公表済みの予想値との間に重要な乖離が生じる可能性を検討したうえで判断しております。2026年9月11日の第3四半期決算開示時点では、売上収益が計画線で進捗していること等を踏まえ、公表済みの予想を据え置きました。
営業利益については通期予想に対する進捗率が64.3パーセントであり、通期予想との差額に相当する約5億3,600万円の営業利益を4Q単体で計上する必要があると認識しております。利益率の改善を進め、通期予想の達成に向けて取り組んでおりますが、今回の据置きをもって、達成又は上方修正をお約束するものではございません。今後、業績予想の修正が必要となった場合には、適時開示規則に基づき速やかに開示いたします。
<質問3>
質問:率直に3Q決算単体の問題というよりも今後苦戦が続くイメージを持ってしまう決算でした。
特にベンナビが高単価を除いたとて急減速してないでしょうか?
回答:ご指摘のとおり、通常商品(高単価除く)の売上収益は3Q累計期間の前年同期比13.9パーセント増に対し、3Q会計期間では同4.8パーセント増にとどまっていることは事実です。
掲載枠数の減少には、商品・販売体系の見直しに加え、既存契約の終了も影響しております。通常商品の売上収益の成長率が鈍化している点は、課題として認識しております。
オフライン流入の増加に向けた地方公共団体との連携等、これまでリーチできなかったユーザーを獲得するための新たな施策の実施を進めており、これらの取り組みを通常商品の売上収益の成長につなげてまいります。
また、リーガルアライアンス事業においては、3Q会計期間の売上収益が前年同期比で増加しております。
<質問4>
質問:生成AIへの対策はいかがでしょうか?
回答:AI影響については当社も重要な課題と認識しており、動向を注視しています。リーガルメディア事業及びリーガルアライアンス事業においてはAI経由の流入状況を継続的にモニタリングし、影響の有無や傾向の把握に努めております。なお、AI経由の流入については増加基調にありますが、今後AIの影響により更にユーザーの検索行動に変化が出た場合を想定し、地方公共団体との包括連携協定等の検索エンジンに依存しないオフラインの集客チャネル構築や、AIO対策強化によるAI回答における参照可能性の向上に取り組んでいます。
<質問5>
質問:AVIとの対話はいかがでしょうか?
回答:株主であるAVIとは引き続き対話を続けてまいりますが、個別の対話内容については回答を差し控えます。
今後開示が必要な事項がありましたら、規則に則って開示してまいります。
<質問6>
質問:監査等以外の取締役は中山社長お一人ですが、来期に向けて増やす予定はございますか?
増やす場合はその目処がついていますでしょうか?
回答:現在の取締役体制につきましては、監査等委員以外の取締役を代表取締役社長中山1名とし、社外取締役を含む監査等委員による独立した監査・監督機能を確保する体制としております。
事業運営における意思決定のスピードと機動性を重視した体制としております。来期の取締役構成について、現時点で公表できる決定事項はございません。
今後の事業規模の拡大や必要な専門性・スキルセットの変化等に応じて、取締役会の実効性向上に資する体制については継続的に検討してまいります。
<質問7>
質問:IRに関して、海外ロードショーをする予定はありますか?
回答:現時点で、海外ロードショーの実施につきまして確定した予定はございません。
当社としては、決算説明会や適時開示等を通じた分かりやすい情報発信に努めております。
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