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アルインコ株式会社(5933)

東証プライム

金属製品

基本情報

小林宣夫氏(以下、小林):みなさま、こんにちは。アルインコ株式会社代表取締役社長の小林です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。厚くお礼申し上げます。

まずは、会社の基本情報です。当社は1938年9月に創業し、88年が経過しています。また、1970年に設立されており、設立からは56年が経過しています。

グループ会社は19社で、国内に10社、海外に9社あります。海外では、主に東南アジアを中心にグループを運営しています。

沿革

沿革です。当社は1938年に大阪で井上鉄工所として個人創業し、当時は自転車部品を製造していました。1970年に法人化し、井上鉄工株式会社を設立しました。その後、1983年には社名を井上鉄工株式会社からアルインコ株式会社へと変更しました。

社名変更の理由は、将来の事業多角化を見据え、町の鉄工所というイメージを払拭するためです。同じ1983年からは、テレビ通販の『アルインコ・テレビショッピング』を開始しており、社名変更と同時にさまざまな事業への多角化を進めた経緯があります。

目次

本日は、トピックスと2027年3月期の業績を中心にご説明します。

トピックス①

まずは、トピックスを4件ご紹介します。私どもの本業については、仮設機材の製造・販売・レンタルがコア事業です。

仮設機材は、繰り返し使用する機材です。機材センターに保管した状態から現場で組み立て、工事終了後に解体し、再び機材センターに戻して整備した上で再度現場に出ていきます。

このため、入出庫管理や棚卸しといった作業が必要となります。人手不足が課題となる中、ICタグを活用してこれらの作業を機械化し、効率化を図るため、この事業を本格化しました。スライドの内容は、6月16日に開示したものです。

トピックス②

2件目のトピックスです。仮設足場には常に積算業務が伴いますが、これには専門的な知識と経験が必要です。当社はこのような経験を有していますが、積算業務は膨大な時間を要し、人手に頼る業務が中心でした。

そのような中で、株式会社KK Generationは、大手スーパーゼネコンなどに向けたAIを活用した積算のノウハウを持つ企業です。ただ、同社には足場の積算に関するノウハウはありません。

そこで、当社が有する足場の積算の専門知識と、共同開発企業が有するAIを活用した積算業務のノウハウを融合するかたちで、足場の積算業務を効率化するシステムの開発が完了しました。これにより、かなりの時間短縮が可能です。来春頃から市場に投入したいと考えています。

当社内でも使用しますが、「アルバトロス」のユーザーを中心に外販も計画しています。業務の効率化に加え、新たな収益の柱としても期待しています。

トピックス③

3件目のトピックスです。現在、さまざまなかたちでDXが注目されていますが、当社は経済産業省が定める「DX認定」を8月1日付で取得しました。

今後も時代の最先端のニーズに応えるDX関連業務を推進し、さらなる業務の効率化と他社との差別化を図りたいと考えています。

トピックス④

最後のトピックスです。当社は建設用足場の製造メーカーであり、主力工場を兵庫県に構えています。スライド右上に表示されているフック付き足場板はニーズが高く、これまでは1ライン・2直体制で製造していました。しかし、1ラインでは限界が来ているため、新たなラインを設置しました。

このラインの稼働により、さらなる効率化や納期の短縮、受注拡大を図ることで、業容の拡大につなげたいと考えています。

2027年3月期第2四半期 業績のポイント

2027年3月期第2四半期の業績についてご説明します。まず、業績のポイントです。

スライドには、売上高から最終の純利益までが記載されています。売上高と営業利益は前年同期を上回る水準で推移しましたが、経常利益と中間純利益は前年同期を少し下回る水準となりました。

営業利益が前年同期を上回ったにもかかわらず、経常利益が前年同期を下回った理由についてです。経常利益の説明欄に記載されているとおり、当社には海外子会社に対するドル建て、バーツ建て、ルピア建ての貸付金があり、これらの外貨建て資産の評価額が前年同期に比べて2億4,700万円減少したため、営業利益は増加したものの、経常利益は前年同期に比べて減少しました。

2027年3月期第2四半期 連結業績

前年同期との比較に続き、5月1日に発表した第2四半期の業績予想に対する達成状況についてご説明します。

一番右の欄に記載されているように、売上高と営業利益は前年同期の実績および業績予想の両方を上回りましたが、経常利益と最終の純利益は予想に届きませんでした。

上半期は利益面に少し積み残しがある状況のため、下半期にカバーできるよう努力を重ね、通期の業績予想を達成できるよう役職員一同で取り組み、目標に向かって邁進しています。

経営方針と事業セグメントについて

次に、セグメントについてです。セグメント別業績の説明に入る前に、各セグメントの内容についてご説明します。

当社は4つのセグメントで事業を運営しています。

1つ目の建設機材関連事業では、建設用の仮設足場を製造・販売しています。戦略商品として「アルバトロス」という新型足場を有し、現在、この商品のシェアを高めています。

このような機材を活用するかたちで、レンタル関連事業も運営しています。これら2つのセグメントが、コア事業として位置づけられています。

3つ目の住宅機器関連事業では、ホームセンターなどで販売されているアルミ製のはしごや脚立、高所作業台といったアルミ製の商品を中心に販売しています。

また、この事業にはフィットネス部門も含まれています。ウォーカーやバイク、マッサージ小物などを取り扱っています。現在、家庭用から業務用へのシフトを進め、事業の立て直しを図っています。

4つ目の電子機器関連事業では、飲食店等でよく見かけるインカムなどの無線機を扱っています。2016年からは消防無線にも参入し、地域の防災無線とあわせて無線機のジャンルで多様な商品群を展開しています。

2027年3月期第2四半期 セグメント情報

業績のご説明に戻ります。コア事業は好調に推移しています。

ただし、住宅機器関連事業と電子機器関連事業は赤字であり、前年同期よりもやや悪化しています。今後、業容拡大を図る上で、この両部門の立て直しが重要な課題であると認識しており、現在こちらに注力している状況です。

新型足場『アルバトロス』とわく組足場の違いについて

「アルバトロス」という商品について少しご説明します。従来はわく組足場が主力で、日本の高度成長を支えた建設用の足場でしたが、現在ではほぼどこのメーカーも製造を停止しています。

現在は新型足場、あるいは次世代足場と呼ばれる足場へのシフトが進行中です。新型足場は、施工性や作業性の向上、保管コストを含めた大幅なコスト削減が可能な機材です。現在はこちらへのシフトを進め、販売に注力しています。

2027年3月期第2四半期 セグメント別売上高増減

次に、こちらのスライドはセグメント別の売上高の状況を図式化したものです。

コア事業である建設機材・レンタル関連事業では、前年同期比で19億円弱の売上増加をみていますが、住宅機器・電子機器関連事業については、前年同期からやや減少しています。

住宅機器部門については、先ほどご説明したはしごや脚立などの製品群の売上は前年同期比で増加していますが、フィットネス部門が大幅に減少しています。現在は家庭用から業務用へ、つまりBtoCからBtoBへのシフトを進めています。

電子機器部門もマイナスとなっていますが、無線機事業の売上高は前年同期比で増加しています。一方、2021年に子会社を通じて新たに参入したプリント配線板事業は赤字となっており、売上も減少しています。現在、この事業の立て直しを図っています。

2027年3月期第2四半期 経常利益増減

経常利益については、住宅機器部門と電子機器部門の立て直しが急務です。また、経常利益が前年同期比で大きく減少した主な要因としては、冒頭でもご説明した外貨建て資産の評価減が挙げられます。こちらが大きな影響を及ぼしました。

【ご参考】ドル円相場の推移

次に、当グループの運営において業績への影響が大きい為替レートについてご説明します。主に住宅機器セグメントは、海外からの輸入比率が高い部門です。

前期と今期の想定レートは、1ドル150円としています。前期は前半が150円よりも円高の水準で推移しましたが、後半は円安が進みました。今期に入っても、この傾向を引き継いでいます。

収益への影響という点では、当社の輸入額は年間約7,000万ドルに上ります。つまり、年間の感応度としては、1円の円安で7,000万円、10円の円安で7億円の影響を収益に与えることになります。

ただし、為替予約で約40パーセントをヘッジしているため、すべてがこの数値になるとは限りません。とはいえ円安が進行すると、当社の営業スタイルでは業績に大きなマイナスの影響を受けることになります。

【ご参考】ドル/円相場の推移【2022年3月期〜2027年3月期】

少し長期的な視点で推移を見てみると、2022年3月期は為替が1ドル110円程度で推移していましたが、足元では1ドル150円を超える水準まで円安が進みました。この推移の影響もあり、住宅機器部門は厳しい環境に直面しています。

2027年3月期第2四半期 連結財政状態

次に、財政状態についてです。ポイントは4つあるかと思います。まず、流動資産については、売上高が好調に推移しているため、受取手形および売掛金、電子記録債権などが増加しています。

固定資産については、レンタル事業を営む関係でレンタル資産の投入があり、それに伴う償却負担が発生しています。前年同期比でレンタル資産の投入が約3億3,000万円増加し、それに伴う償却費も1億円弱増加しました。このような中で、レンタル部門は稼働率が上がり、好調に推移しています。

また、自己資本比率とD/Eレシオ(負債資本倍率)について、自己資本比率は40パーセントを超える水準を維持し、D/Eレシオも1倍を下回る倍率で推移しています。

2027年3月期 連結業績予想

2027年3月期の業績予想についてご説明します。通期の数字に対する第2四半期の進捗率は、売上高が50.7パーセントと順調に推移しています。

一方、利益項目にはやや遅れが見られます。下半期にはコスト上昇に伴う価格改定を見込んでおり、利益率の向上を通じて、上半期の利益面での遅れを下半期で取り戻したいと考えています。

2027年3月期 セグメント別業績予想

セグメント別の状況は、17ページに記載しています。コア事業である建設機材関連事業とレンタル関連事業は順調に進捗していますが、住宅機器関連事業と電子機器関連事業では遅れが目立ち、課題であると認識しています。

フィットネス部門については、先ほどもご説明したように、BtoCからBtoBへのシフトを進めています。コストの上昇に伴い価格改定を行うと売上が減少するという個人特有の動きに左右されない、安定した収益を得るために、業務用フィットネス機器の比率を高めたいと考えています。

新たに参入した電子機器関連事業のプリント配線板事業については、2024年に新工場が完成しました。

現在はコストの上昇が顕著であるため、利益が出る体質にするために取引先の見直しや価格改定などを進めています。こちらを早急に実施することで、赤字からの脱却を図りたいと考えています。

建設投資額(名目値の推移)

当社のコア事業は、建設投資額と密接に関連しています。この資料は、2017年から2027年までの11年間の国内建設投資額の名目値の推移を示したものです。近年では緩やかな増加傾向をたどり、80兆円を超える水準に達しています。

この増加の背景として、首都圏や大阪、北海道、九州といった都市圏での再開発事業が活発に行われていることや、老朽化したインフラの整備が順次進められていることが挙げられます。

加えて、最近の大きな動きとして、物流施設やデータセンター、半導体工場などへの国内建設投資が大幅に増加している点が挙げられます。このような状況の中で、建設投資額は増加傾向を続けています。

設立からの売上高推移

当社の業績と建設投資額の関連性および過去からの推移を示したものが、こちらのスライドです。1970年の設立から直近までの売上高を棒グラフ、建設投資額の推移を黄色の折れ線グラフで表しています。

表の中ほどにある「84兆円」は、過去の建設投資額のピークで、1992年までは右肩上がりを示しています。これは、日本が高度成長を含む成長を遂げる中で、建設投資額が大きく増加していた時代にあたります。

それ以降はバブルの崩壊などの影響もあり、84兆円だった建設投資額は2010年には42兆円まで半減しました。18年間で建設投資額が半減したという状況です。

しかし、それを底にして、先ほどご説明したように現在は右肩上がりの増加傾向が続いており、直近では80兆円を超える市場環境となっています。

当社の売上高の中で緑色の部分は、100億円単位で売上が伸びた年を表しています。設立から13年かけて、売上高100億円を突破しました。

その後は5年、4年というスパンで100億円ずつ増加してきましたが、ちょうど真ん中あたりで伸び悩みが見られ、緑色の棒グラフが表れていない期間があります。ここは、上図の建設投資額の減少傾向とリンクするかたちで、当社が非常に厳しい環境下にあったことが影響しています。

売上高については、2010年3月期の287億円が直近のボトムとなっています。このボトムを境に、売上は再び右肩上がりの増加傾向をたどり、3年から5年ごとのペースで100億円刻みの成長を見せています。

直近では、2期連続で過去最高の売上高を更新しており、売上高は軌道に乗りつつあるとご認識いただければと思います。

中期経営計画投資額

次に、投資についてです。当社は、成長に向けた投資を安定的に行っています。前中期経営計画は2022年3月期から2024年3月期の3年間で、年間平均約45億円の投資を実施しました。

現行の「中期経営計画2027」も3年間の計画ですが、この期間で年間平均55億円を投資する予定です。前中期経営計画と比較して年間平均で約10億円増加させ、将来の成長につなげる戦略となっています。

ただ、内容が大きく変わっています。M&Aに関連する投資については、すぐに収益に寄与する案件が少ないため実行には至っていませんが、こちらを他部門に振り分けるかたちで、将来に向けた投資を継続しています。

特徴的なのは、人的資本への投資とDX投資です。冒頭のトピックスでもご説明したように、特にDX投資については、予算を多く割り当てるかたちで、ハードだけでなくソフト面にも注力する戦略を実行しています。これによって他社との差別化を図り、業績のさらなる向上を目指して現在進めているところです。

年度ごとの投資の状況

過去からの投資状況について少しご説明します。2014年3月期までは、投資を抑えて財務基盤の充実を目指していた時期がありました。

しかし、2015年3月期からは成長へのアクセルを踏み、投資を積極的に行い、現在に至っています。現在も、中期経営計画で示したように、年平均55億円ほどの投資を行っています。

当社はレンタル事業を営む関係上、レンタル資産への投資が投資の基本となりますが、それ以外にも海外展開やM&A、生産性向上を目的とした設備投資などを安定的に行い、成長の継続性を追求しています。

2027年3月期 年間配当

年間配当についてです。連結配当性向は40パーセントを目標としています。また、自己株式の取得については、適宜その実施を検討しており、現在、自己株式の取得を実行中です。

2027年3月期は、前期に比べて1円増配となる45円の配当を予想しています。配当性向は41.8パーセントを見込んでいます。また、現中期経営計画期間中は累進配当を掲げており、配当の減配は行わないことを宣言しています。

株主還元・配当方針

少し長期的な観点で過去の配当実績をご覧いただくと、2010年3月期の8円から始まり、直近の2027年3月期では45円を予定しており、17年間で減配は一度もありません。

配当を経営の重要課題として位置づけています。2020年3月期からは、配当性向を30パーセントから40パーセントに引き上げています。

自己株式の取得状況

自己株式の取得については、2026年5月1日に開示したとおり、株式数は110万株、取得金額は10億円、発行済株式総数に対して5.5パーセントの自己株式の取得を実行中です。

直近の9月30日現在、株式数に対する進捗率は53.3パーセント、取得金額に対する進捗率は63パーセントで推移しています。

株価の状況

直近の株価状況についてです。直近の株価は1,009円で、配当利回りは株価が低いことにより4.46パーセントとなっています。

株価純資産倍率(PBR)は0.58倍で、東証が求める1倍には届かない状況です。2027年3月期第2四半期における1株当たりの純資産が1,726円であり、PBR1倍を達成するにはさらなる株価上昇が必要です。

これを実現するには、収益力を高め、大きな収益を計上することが求められます。冒頭からご説明しているとおり、コア事業は非常に順調ですが、他の2部門のセグメントをどのように立て直すかが当社の大きな課題です。この課題の解消に向け、現在も取り組んでいるところです。

最後になりますが、当社を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。これまでにも繰り返しご説明したとおり、当社はメーカーとしてハードの仮設機材を中心にもの作りを行っている企業ですが、従来のもの作りに加え、ソフト面を同時に提供しなければ、ライバルメーカーとの差別化が難しいと考えていることから、DXの強化にも取り組んでいます。

また、トピックスにもありましたように、現在はAIの活用をいかに進めるかが企業成長の基盤となってくるだろうと考えています。このような取り組みにも力を入れながら、業績の向上を目指していきます。

成長へのキーワードは、「連携」だと考えています。事業部門においては、建設機材の販売とレンタル部門を連携させることで向上を図っています。

また、今期のスタートに向けて「営業本部」を立ち上げました。当社は7事業部4セグメントで運用していますが、これまでは7事業部がそれぞれ独立して運営していました。

そこで、事業部間に横串を入れて連携することで新たな収益を生み出していくことを目指し、営業本部を設置しました。半年が経過し、現在は徐々に成果が出始めています。この動きをさらに推し進め、下半期には上半期の遅れをカバーすることで、期初に示した通期の業績予想を必ず達成したいと考えています。

簡単ではありますが、私の説明は以上となります。本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。

質疑応答:建設機材部門の売上増加要因について

司会者:「建設機材部門の売上高増の要因として、新型足場『アルバトロス』の販売増を挙げられていますが、前年同期比でどのくらい増加したのでしょうか? その背景も教

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