2027年3月期第1四半期決算説明
セレンディップHD、売上高は前期比1.7倍で過去最高を更新 日建産業の連結化により下期に業績予想修正を予定
新セグメント|高成長・高収益領域への投資比率を拡大

竹内在氏:みなさま、こんにちは。セレンディップ・ホールディングス代表取締役社長兼CEOの竹内です。この決算説明を始めるにあたり、変更点についてお話ししたいと思います。
まずは、セグメントの変更点についてです。ソリューション事業とモノづくり事業において、大きくポートフォリオを変更しています。
1つ目は投資比率です。ソリューション事業については、高成長・高収益な領域へ重点を置き、これまで30パーセントだった投資比率を35パーセントに引き上げる方針です。一方、モノづくり事業では、これまで投資比率が70パーセントだったものを65パーセントに引き下げることで、大きな戦略転換を進めています。これが中期経営計画上の大きなポイントといえます。
ソリューション事業に関しては、試作やデザインを起点とし、ITソリューション、さらにスマート工場などの領域も含め、我々の新しい収益成長の柱としていきたいと考えています。
一方、モノづくり事業は安定収益の領域であり、当社のビジネスの基盤です。これまでは自動車部品メーカーが中心でしたが、新たに建設機械領域に参入し、医療機器などの新しい分野にもチャレンジしていきたいと考えています。
新セグメント別グループ一会社一覧

そのようなこともあり、当社のセレンディップグループファミリーには、新たな投資先や仲間が続々と増えている状況です。新しい領域に関しては、スライド右下に記載の日建産業株式会社が新たにグループに加わりました。
このM&Aは第1四半期(6月)に発表していますが、第3四半期から連結業績へ取り込まれるかたちとなります。詳細は後ほどお話しします。
【2027年3月期第1四半期】連結業績サマリ

今期第1四半期の業績サマリーについては、スライドに示されているとおり、過去最高を継続して更新しています。特に、昨年度M&Aしたサーテックカリヤの通期の寄与が今年度から初めて反映されるかたちとなります。
売上高は前年同期比1.7倍の158億7,200万円となりました。前期は93億4,500万円で、69.8パーセントの増加となっています。
上場時には1年間で達成していた売上高が、第1四半期で達成できるようになったことは、当社にとっても大きな変化点です。これが、サーテックカリヤがグループに加わった最大の効果といえます。
営業利益も過去最高の5億3,000万円を記録しました。ただし、売上高の向上に反比例しているようにも見える進捗状況については、後ほど詳しくご説明します。絶対値という意味では過去最高となりました。
経常利益も同様に、6億2,500万円で着地しました。調整後EBITDAも11億5,100万円となっており、これが現在の実態です。
また、M&Aの実行件数は1件で、先ほどお話しした会社が新たに1社加わったことになります。
セグメント売上高の状況および連結売上高増減分析

セグメント別の売上高についてです。今回、株価が大きく変動し、かなり下落したことで投資家のみなさまには大変ご心配とご迷惑をおかけしているかと思います。今期の実績がみなさまの失望につながったことを真摯に受け止め、信頼回復に努めていきたいと考えています。
売上高増減分析については、スライド右側をご覧ください。かなり凹凸がありますが、ご安心いただきたい点として、当社の主力ビジネスであるモノづくり事業は堅調に推移しています。
スライド左側の個別企業の数字をご覧いただければ、その状況がおわかりになるかと思います。中東情勢やトランプ関税、中国メーカーの台頭など、外部環境の先行きが不透明な状況においても、ユニクレア、三井屋工業、エクセル・グループのいずれも大きく成長・拡大しています。
このようなことから、当社の主力事業が大きく進展していることを、ぜひご安心いただければと思います。
一方で、当社の業績に大きな影響を与え、期待に応えられない結果となったのが、ソリューション事業です。
先ほど冒頭でもお話ししましたとおり、今後伸ばしていきたいと考えている重要な事業が、第1四半期で大きくつまずいてしまったことについては、みなさまにご心配とご迷惑をおかけし、申し訳なく思っています。
ただし、決して悲観的な話ばかりではありません。このソリューション事業はもともとボラティリティが比較的激しい事業です。一方、モノづくり事業は安定している特徴を持っています。そのような中で、ソリューション事業の悪い側面が過度に際立ってしまった部分があるのではないかと考えています。
その中でも特に、左側の表にある天竜精機とアクストリアの数値がやや低調に見えている点は、大きな反省として受け止めています。この部分を安定させていきたいと考えています。
セグメント利益の状況および連結営業利益増減分析

特に悪く出てしまったのは利益部分です。セグメント別に見たモノづくり事業に関しては、売上高と同様に大きく成長しています。
一方で、ソリューション事業に関しては、残念ながら大きくマイナスの結果となり、経営者として大きく反省しているところです。ここをいかにリカバリーし、再成長に向けて舵を切れるかが重要だと考えています。
特に、売上高と同様に大きく凹んでしまったのが天竜精機とアクストリアの2社です。
レディーバードに関しては、第1四半期以降、大きく切り返していけると確信しており、天竜精機についても、大きく戻せると確信しています。一方で、アクストリアに関しては、大きく影を落としたというのが事実です。
こちらについては、後ほど詳しく解説します。
ユニクレアについてご説明します。従前お話ししていたように、ユニクレアは佐藤工業とイワヰという2社が合併して設立された会社です。佐藤工業はもともと業績が安定しており、かなり前に当社グループに参加した企業で、経営は長らく安定して推移しています。
一方で、イワヰに関しては再生途上の企業として買収し、その再生を進めている最中でした。昨年までは業績面で苦戦していましたが、今期になり本来の業績を取り戻しつつあり、ユニクレアとして大きく成長を遂げる結果となっています。
原価改善や、外注業務を内製化することで、大きな増益および業績向上に寄与しています。
また、エクセル・グループについては、先ほどお話ししたように売上高が大きく伸長している一方、利益が悪化して見える1つの原因として、チェコの撤退費用があります。チェコ拠点については不採算であったことから撤退を決定しており、これは買収時点で確定していた事項ですが、現在粛々と進めています。
そのような中で、一過性のコストが発生しました。撤退コストやそれに伴う不良が発生したことが減益の要因です。ただし、第2四半期以降には波及効果がないことが確実であるため、ご安心ください。一時的な減益がここに生じたということです。
安定したモノづくり事業に対して、不安定なソリューション事業の側面が過度に表れた結果、このような状況が生じています。
ソリューション事業|1Q業績の背景

ソリューション事業が大きく落ち込んでいる原因について解説します。最も大きな要因となったのは、アクストリアに関連する大型案件の遅延です。
当社にとって数億円規模のERP導入案件が遅延した結果、業績に影響を及ぼしました。この遅延により、6,700万円分が下振れの要因となりました。
特に外注費の増加についてです。当初受注時に想定していた外注費が、人件費の高騰に伴う部分とプロジェクトの遅れが重なり、高まった結果、大きなマイナスにつながってしまったことが大きなポイントです。
今後の見通しとしては、現在、この状況の挽回を図っており、遅延しているプロジェクトを正常化することで回復を目指しています。
また、もう1つ大きなプラスのトピックとして、アクセンチュアから「Quick シリーズ」を事業譲渡したことが挙げられます。こちらはプレスで発表済みですが、今後の売上・利益成長への寄与を期待しています。
先ほどご説明したマイナスに加え、さらに数千万円のマイナスが発生している要因についてですが、これは「Quick シリーズ」の立ち上げに向けた先行投資によるものです。
当社では事業譲渡を受けましたが、この事業はある日突然開始できるものではありません。事業を開始するにあたり、体制を整え、従業員やエンジニアの教育など、事業立ち上げに必要な費用が先行して発生しています。
そのため、本来は成長のための先行投資にあたる部分と、赤字案件が重なった結果、必要以上に悪く見えるかたちとなっています。本来であれば、このプロジェクトが正常化していれば先行投資のみで済んでいたものの、現在はそれ以上のコストがかかってしまっているのが実情です。
したがって、このプロジェクトの遅延を正常化するとともに、「Quick シリーズ」が今後売上として計上され、利益貢献も含めたかたちで効果を発揮することで、利益の正常化を図り、第3四半期以降の回復を目指すという前提で考えています。
次にアペックスについてです。アペックスは試作を行う会社ですが、四半期単位では一定のぶれ幅が見られます。これはお客さまの研究開発費の変動に起因する部分が大きいのですが、受注パイプラインの拡大が進んでいます。
そのため、受注済み案件も含めて、下半期には回復する見込みがすでに立っています。
天竜精機についても同様です。新規案件に取り組む中で、チャレンジングな案件を進めるほど、大きなマイナスが発生するプロジェクトが生じることがあります。
一方で、将来的にお客さまが大きなリピートを生み出してくれることや、引き合いが拡大していることが挙げられます。また、半導体需要が下半期から回復する見込みであるため、先行的な受注が現在進行しています。
現在の案件が正常に進捗することを前提に、受注や売上高は下期には順調に回復していくと考えています。
レディーバードに関しては、第2四半期、現在の進行期において、大型の受注をいくつかいただいていることもあり、第1四半期のような落ち込みは見られず、順調に進む予定です。
ロボクロスについても同様で、通常は黒字になるプロジェクトですが、一部案件において案件の進行がうまくいかなかったフェーズがあり、マイナスを計上しましたが、これも回復するという前提で見込んでいます。
受注自体は非常に好調であり、第2四半期以降、業績は回復に向かうと考えています。
連結貸借対照表サマリ

連結貸借対照表のサマリーです。数字のとおり、非常に順調に推移しています。
自己資本比率については、当社が保有する株式の時価評価の影響により、やや下がったように見えます。ただし、これは有価証券評価による影響が大きく、本業の収益力に起因するものではありません。
今後は事業収益の改善や利益の蓄積を通じて、自己資本比率の向上に努めていきたいと考えています。
【2027年3月期】通期業績予想

当社の通期業績予想については、着地時点で多少の凸凹が生じる可能性はありますが、予想を変更することなく計画を進めています。
なお、現在公表している通期業績予想には日建産業の業績を織り込んでいません。そのため、下期に日建産業の業績も反映したかたちで修正を行う予定です。
第2四半期には取得に伴う費用が発生しますが、日建産業の業績は第3四半期から連結業績に反映されるため、今期は半期分の業績寄与を見込んでいます。
日建産業は昨年度の実績ベースで非常に業績が良く、安定した会社です。この業績のプラスアルファについて、ぜひご期待いただければと思います。
中期経営計画「セレンディップ・チャレンジ1000」始動

トピックスについて少し触れたいと思います。先ほど、通期の業績予想を変更しない旨をお伝えしました。さらに言うと、日建産業のプラス要因については、下期にプラスの発表を予定していることを前提に考えており、このような観点から、中期経営計画についても変更なく順調に進捗していることをご理解いただければと思います。
したがって、年度計画および中期経営計画ともに変更なく、これをコミットした数字として今後も出し続けていきます。ぜひご期待ください。
非連続成長とオーガニック成長により売上高1,000億円へ

オーガニック成長については、ソリューション事業の影響で、第1四半期は大きく落ち込みました。その余波もあり、上半期は累計で見ても厳しい状況にならざるを得ないと考えています。
一方、第3四半期以降の下半期に関しては、受注残も含めて取り戻しに向けた準備を進めており、これにコミットできる状況だと考えています。この方針に変わりはなく、現在のまま進めていきます。よって、調整後営業利益率7パーセントへの成長ロードマップについても、変更はありません。
財務戦略|M&Aを加速する資金調達プラットフォームを構築

また、資金調達に関しては、M&Aを継続的に実行していくための取り組みとして、2026年6月に株式会社ものづくり事業承継ホールディングス(JMS)を設立し、大規模な資金調達を行いました。
当社はM&Aとオーガニックグロースの2つを組み合わせたビジネスを展開していますが、資金調達面についてご心配の声を多く頂戴していました。「いつ株式調達をするのか」「ダイリューションがいつ起きるのか」と懸念されている方も多くいらっしゃいました。その点について、ご安心いただきたいという意図から発表したのが、こちらの資金調達スキームです。
今までのメザニンファイナンスと呼ばれていた種類株を発行してホールディングスで調達する方法ではなく、当社子会社であるJMSを通じて調達を行うかたちが実現しました。
今後の進捗については、みなさまにリアルタイムでご報告します。まず、立ち上げ時の調達額としては、25億円の調達を達成しました。自己資金の5億円に加え、20億円の資金調達が行われました。
この資金をもとに、銀行借入を含めてどれくらいの買収が可能かについてですが、投資可能額としては、100億円規模の投資が実現できる見込みです。
したがって、今後大型のM&Aを2件から3件程度行ったとしても、この資金余力の範囲内で実施可能と考えています。
また、このJMSは今後のM&A戦略を支えるプラットフォームとして発展させていく考えです。
将来的には50億円から100億円の資金調達を目指しており、100億円規模の調達が実現すれば、レバレッジや銀行からの借入れを含めると、約400億円規模の投資が可能です。
社数で見ると、現在の1社当たりの平均投資金額から考えて、7社から8社、多くても10社程度となります。
このように、当社の中期経営計画は、変更なく進められるという確信があります。また、資金調達面や事業経営面においても、大きな死角なく進められるのは、このような裏付けがあってのことだとご理解いただければと思います。
現在、JMSを基盤とした資金調達に関しては、粛々と進行中ですので、随時みなさまに情報を共有していきたいと考えています。
新領域への参入|JMS初の投資案件日建産業(建設機械領域)

大きなトピックスとしては、みなさまにも周知のとおり、日建産業が当社グループにジョインしたことです。同社は建設機械領域において、大きな顧客基盤を持つ会社です。
スライド中央左寄りに記載の主要取引先をご覧いただいたとおり、ほぼすべての建機・農機メーカーと取引がある会社で、メーカー機能と商社機能を併せ持っています。
もう1つの重要なトピックとして、日建産業は大阪に拠点を置く会社であり、当グループとしては初めての関西進出となります。大阪の大きな拠点としての役割を担うことも含め、業態としての初進出とエリアとしての初進出の2つの意味を持って、日建産業にグループとして加わっていただきました。
日建産業は、業績が非常に好調な会社です。同社は第3四半期から連結化されていきますので、業績の修正も含め、ぜひご期待いただければと思います。
M&Aの遅効性|日建産業の業績取り込みタイミングについて

日建産業の業績取り込みタイミングについてご説明します。M&Aにおいては、発表から業績取り込みに遅効性があるため、第1四半期にM&Aを発表した場合でも、すぐに連結への寄与効果が表れるわけではありません。
今回のM&Aについても、第1四半期に発表していますが、その後は関連コストが先行して発生します。具体的には、仲介手数料、デューデリジェンス費用、さらにはファイナンス組成に伴う手数料など、M&Aに関連するさまざまな費用が発生します。
今回のケースでは、第2四半期に費用が計上され、連結は第3四半期に行われます。
通年ベースで売上および利益に貢献するのは来年度からであり、本案件については半期分だけ連結されることになります。
日建産業の昨年度の実績は、スライドの数字のとおりです。
株主還元|自己株取得を実施

株主還元策として、自己株式の取得を本日発表しました。これについては、当社が考える適正な水準というものが常に設定されており、一定期間その水準を下回った際に、この自社株買いを実行するという内部ルールを定めています。今回、そのルールに基づき実行することとなりました。
なお、株価の高い・安いという判断は市場で決まるものであり、当社が決めるものではありません。ただし、当社としての基準において高い・安いを判断し、それに基づいて機動的に自社株買いを進める方針です。
もう1点ご安心いただきたいのは、当社のM&Aのパイプラインが非常に潤沢であることです。みなさまに従前からお伝えしてきたとおり、潤沢な状況が続いており、先ほどお話ししたソリューション事業についても回復のめどが立っています。
加えて、M&Aのパイプラインが順調であることも含め、業績については下半期に一気に回復させる計画で進めています。ご心配・ご迷惑をおかけしていることは十分承知していますが、一方でご安心いただきたいと考えています。
以上で私からの説明を終えます。
質疑応答(要旨)①
Q:ソリューション事業の挽回についてどう考えていますか。
A:ソリューション事業については、第1四半期で大きく落ち込む結果となり、投資家のみなさまにご心配をおかけしていると認識しています。
要因としては、一過性の費用、成長に向けた先行投資、また一部プロジェクトの遅延や採算悪化が重なったことが挙げられます。特にアクストリアにおける大型ERP導入案件の遅延は大きな下振れ要因となりました。
現在は、遅延プロジェクトの正常化に向けた対応を進めており、第2四半期で挽回策を実行し、第3四半期以降に正常化を図っていく方針です。また、アクセンチュアから譲受した「Quick シリーズ」についても、先行投資を経て今後の売上・利益貢献を見込んでいます。
第1四半期の数字は厳しい結果でしたが、回復に向けた対応策は明確になっており、下半期以降の業績回復を目指していきます。
質疑応答(要旨)②
Q:エクセルグループの営業利益が減少した要因は何でしょうか。
A:エクセルグループについては、チェコ拠点の撤退に伴う一過性コストが主な要因です。
当該撤退は買収時点から想定していた取り組みですが、生産終了に向けた在庫対応や、不良発生に伴う作り直しなどにより、想定以上の混乱が生じました。その結果、一時的に利益を押し下げる要因となりました。
ただし、これはあくまで撤退に伴う一過性の費用であり、第2四半期以降は正常化していく見込みです。エクセルグループ自体の事業が悪化しているわけではなく、今回の利益減少は一時的なものと考えています。
質疑応答(要旨)③
Q:グループ内におけるソリューション事業会社のモノづくり事業や他の関連会社へのDX支援の状況、協力体制について、どこまで進んでいますか。
A:グループ内の連携は継続的に進んでいます。モノづくり事業では、営業面での顧客基盤の共有や、開発面での連携が進んでおり、これが売上・利益の成長にもつながっています。
また、モノづくり事業とソリューション事業の連携も進めています。具体的には、検査工程の自動化、ロボット化、DX、AI活用などの領域で、天竜精機、ロボクロス、アクストリアがグループ各社を支援する体制を構築しています。
特にアクストリアは、これまで外部顧客向けの事業を中心に展開してきましたが、今後はグループ内のDX・AI活用を支援する役割も大きくなると考えています。
現時点では、個社ごとの連携はすでに進んでおり、今後はそれをグループ全体で展開できるよう、標準化を進めている段階です。ソリューション事業は、グループ全体の成長スピード向上と利益率改善において重要な役割を担うと考えています。
質疑応答(要旨)④
Q:さまざまな業態の子会社群が、具体的にどのようなシナジー効果を実現しているのか。ヒト・モノ・カネ・技術などの視点から具体的な事例を説明してください。
A:グループ内では、ヒト・モノ・カネ・技術の各面でシナジー創出を進めています。
ヒトの面では、グループを横断した人材交流やノウハウ共有を進めています。経営管理や改善ノウハウを各社に展開することで、各社単独では実現しにくい成長を支援しています。
モノ・技術の面では、モノづくり事業内での営業連携や顧客基盤の共有に加え、天竜精機やロボクロスによる自動化・ロボット化、アクストリアによるDX支援などを進めています。検査自動化、IT化、AI活用といった取り組みを通じて、生産性向上や収益性改善につなげています。
カネの面では、ホールディングスが資金調達やキャッシュマネジメントを担うことで、各社の成長投資に必要な資金を効率的に配分しています。
当社グループは、優良企業を単に買い集めるのではなく、グループ入りした企業をさらに成長させることを基本戦略としています。こうしたシナジーの積み重ねが、現在のオーガニックグロースにつながっていると考えています。
質疑応答(要旨)⑤
Q:PMIの目標達成時期と、PMI効果が業績に表れる時期はいつでしょうか。
A:PMIの効果には、短期的に表れるものと、中長期で業績に反映されるものがあります。
短期的には、まず経営の見える化やGRC、すなわちガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンスの整備を進めます。月次決算、生産性、品質などの指標をリアルタイムに把握できる体制を、概ね半年から1年程度で整えていきます。
一方で、売上成長や利益率改善といった業績面での効果は、一般的にはグループイン後1年程度を経て、徐々に表れ始めると考えています。最初の1年は、見える化とともに、品質面、生産性面、設備面などの課題を洗い出し、改善に着手する期間となります。
その後は、営業連携、自動化、ロボット化、海外展開、新規顧客開拓など、成長に向けた取り組みを継続的に進めていきます。PMIは一度で完了するものではなく、継続的に改善を積み重ねる取り組みであり、その成果が中長期的な業績成長につながると考えています。
質疑応答(要旨)⑥
Q:企業価値を高めていくうえで、メインはフリーキャッシュフローを大きくするということでしょうか。
A:企業価値向上の観点では、フリーキャッシュフローの拡大が重要な指標になると考えています。
もちろん、営業利益の拡大も重要ですが、最終的には事業からどれだけキャッシュを創出できるかが、企業価値の基盤になります。今後も、利益成長に加え、資本効率やキャッシュ創出力を高めることで、企業価値の向上を目指していきます。
質疑応答(要旨)⑦
Q:自社株買いを判断する基準と、注視する指標は何でしょうか。
A:自社株買いについては、当社内で一定の判断基準を設けています。具体的な基準を外部に開示することは控えますが、株価水準、PERなどのバリュエーション指標、市場環境、業績見通し、財務状況などを総合的に勘案して判断しています。
今回の自己株式取得についても、現在の株価水準や当社の業績見通しを踏まえ、株主還元および資本政策の一環として実施するものです。今後も、成長投資とのバランスを取りながら、機動的な資本政策を行っていきます。
質疑応答(要旨)⑧
Q:今期中の配当開始について、考えを教えてください。
A:配当を含む株主還元については、前向きに検討しています。
これまでは、M&Aや成長投資を優先してきたため、配当原資を成長投資に充ててきました。一方で、JMSを含む新たな資金調達スキームの整備により、成長投資を継続しながら株主還元を行うための体制は整いつつあります。
今期については、業績の着地や中期経営計画の達成確度を見極めたうえで、配当または株主優待を含めた株主還元策を検討していきます。具体的な内容については、下期以降、見通しが一定程度明確になった段階であらためてご説明する方針です。
質疑応答(要旨)⑨
Q:日建産業のM&Aについて、のれんが出ると思います。お得に買えるような案件ではなかったのでしょうか。
A:当社は、M&Aにおいて常に適正価格で買収することを基本方針としています。
のれんが発生するか、負ののれんが発生するかは、会計上の処理や対象会社の財務状況によって異なります。そのため、のれんの有無だけで、買収価格が割高か割安かを判断するものではないと考えています。
日建産業についても、EBITDA倍率、純資産、事業の成長性、戦略的な位置付けなど、複数の観点から検討したうえで、当社として適正な価格でのM&Aであると判断しています。今後の連結業績への貢献や成長を通じて、投資判断の妥当性を示していきたいと考えています。
質疑応答(要旨)⑩
Q:類似企業より時価総額が低いですが、どうすれば反転しますでしょうか。
A:他社との比較について、当社の立場から詳細に申し上げることは控えますが、当社としては、まず自社の成長戦略と業績で企業価値を示していくことが重要だと考えています。
具体的には、中期経営計画で掲げた利益成長、利益率改善、M&Aの進捗、PMIによるオーガニックグロースを着実に実現していくことが、評価改善につながると考えています。
当社は、安定的に成長が見込めるモノづくり領域に対して、比較的大きな規模で投資し、PMIにも時間をかけて企業価値を高めていく方針です。短期的にはわかりにくく見える部分もあるかもしれませんが、当社の特徴である「買収後に成長させる力」を実績で示していきます。
質疑応答(要旨)⑪
Q:今期の業績を達成するために、計画には入っていないプラスサイドはありますか。自動車メーカーとの価格交渉などが想定されるのでしょうか。
A:計画に織り込んでいないプラス要因としては、価格交渉、大型案件の受注、M&Aの進展などが考えられます。
自動車領域では、原材料費、人件費、金利などの変動を踏まえ、取引先との価格交渉を継続的に行っています。当社としては、品質・供給・生産性の面で価値を提供しながら、事業として適正な収益を確保できる価格水準を目指していきます。
また、モノづくり事業・ソリューション事業の双方で大型案件の獲得に向けた取り組みを進めています。さらに、M&Aパイプラインも引き続き潤沢であり、今後の案件次第では業績にプラス寄与する可能性があります。日建産業や「Quick シリーズ」も、当初計画には織り込んでいないプラス要因と位置付けています。
質疑応答(要旨)⑫
Q:ものづくり事業承継ホールディングスで買った会社も100パーセント連結になるのでしょうか。また、調達プラットフォームでの追加資金調達の目安を教えてください。
A:JMSを通じて買収する会社についても、従来と同様に100パーセント連結されるかたちを想定しています。
JMSには外部投資家も参加していますが、基本的には種類株式を通じた資金提供であり、経済的には固定的な配当に近い性質を持つものです。そのため、JMSを通じた買収であっても、連結の考え方は従来のM&Aと大きく変わりません。
追加の資金調達については、年内を1つの目安として進めています。早ければ10月頃、遅くとも12月頃までには一定の進捗をお示しできる可能性があります。JMSは継続的な資金調達プラットフォームとして位置付けており、M&Aの進捗に応じて、必要な資金を機動的に調達していく方針です。
質疑応答(要旨)⑬
Q:JMSの仕組みをもう少し教えてください。共同出資者への利益配分はどのような形式になるのでしょうか。一定の配当率が決まっているのでしょうか。また、赤字や利益未達の場合は累積するのでしょうか。
A:詳細な条件については個別契約に関わるため開示を控えますが、基本的には、共同出資者への配当は固定的な設計となっています。
金利上昇局面において、固定的な資金調達条件を確保できている点は、当社にとって大きなメリットだと考えています。
また、赤字となった場合や、利益が予定配当に届かなかった場合については、未払い分が累積する仕組みとなっています。
質疑応答(要旨)⑭
Q:自社株の償却予定はございますでしょうか。
A:取得した自己株式については、償却とM&A等での活用の双方を選択肢として考えています。
自己株式取得は株主還元の一環であると同時に、将来的なM&Aにおいて対価の一部として活用できる可能性もあります。過去にも、株式を活用したM&Aを行ってきました。
したがって、取得した自己株式をすべて直ちに償却するという方針ではなく、市場環境、株価水準、資本政策、M&Aの機会などを総合的に判断し、適切なタイミングで償却または成長投資への活用を検討していきます。
質疑応答(要旨)⑮
Q:「チャレンジ1000」を達成した後の大体の成長率の目安はありますか。金額が大きくなると成長率を高く維持するのは大変だと思います。
A:まずは、「チャレンジ1000」の達成に全力で取り組んでいきます。そのうえで、当社としては、「チャレンジ1000」をゴールではなく、次の成長ステージに向けたスタートラインと位置付けています。
売上規模や時価総額が一定水準に達した後も、成長ペースを落とす考えはありません。モノづくり領域には、事業承継、自動化、ロボット化、DX、AI活用など、まだ大きな成長余地があると見ています。
当社は、単なるM&Aによる規模拡大ではなく、買収後のPMIやシナジー創出を通じて、各社の成長力を高めていくことを重視しています。「チャレンジ1000」以降も、より高い成長を実現できる体制づくりを進めていきます。
質疑応答(要旨)⑯
Q:会社の認知度を上げる戦略はありますか。
A:認知度向上については、投資家向けと事業面の双方で取り組んでいます。
投資家向けには、機関投資家・個人投資家の双方に対して、IR活動を継続的に強化しています。短期的な広告施策に大きく投資するというよりも、説明会、面談、情報発信を積み重ね、当社の事業モデルや成長戦略をご理解いただく活動を進めています。
事業面では、まず自動車業界において認知度と信頼を高めてきました。今後は、建設機械、農業、医療機器、ロボットなど、当社が進出する各業界においても、同様に認知度と信頼を高めていきます。
当社としては、一過性の広告よりも、実績を積み上げながら着実に認知と信頼を広げていく方針です。
質疑応答(要旨)⑰
Q:イグジットを前提としない事業承継M&Aの先に、セレンディップが作りたい未来や世の中を教えてください。
A:当社が目指しているのは、日本のモノづくり企業がもう一度輝きを取り戻し、世界に誇れる中堅・中小企業群をつくっていくことです。
日本の製造業には、長年培ってきた技術力や現場力があります。一方で、デジタル化、自動化、人材不足、経営管理の高度化など、現在の環境に合わせてアップデートすべき課題も多く残っています。
当社は、事業承継を通じてグループ入りした企業に対し、経営の見える化、ロボット化、DX、AI活用、営業連携、資金支援などを行い、各社が本来持っている力を引き出していきます。
単に会社を買って集めるのではなく、グループ入りした企業を成長させ、より強い企業へと変えていくことが当社の役割です。こうした取り組みを積み重ねることで、日本のモノづくりの可能性を広げていきたいと考えています。
※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。
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