2026年3月期決算説明
セレンディップHD、全経営指標で過去最高を更新 営業利益・経常利益は前期比約3倍の大幅増益を達成
【2026年3月期】連結業績サマリ

竹内在氏(以下、竹内):みなさま、こんばんは。セレンディップ・ホールディングス株式会社代表取締役社長兼CEOの竹内です。本日は、2026年3月期通期決算説明会を行います。
連結業績についてご説明します。非常に良い結果となり、これも社員一同が一丸となり目標に向けて邁進した成果だと思います。
売上高を含め、すべての経営指標が過去最高を更新しました。売上高は511億6,300万円、営業利益は21億8,900万円、経常利益は24億1,800万円となり、前年同期比でほぼ倍増、あるいは約3倍増という結果を達成しました。
要因の1つはオーガニックグロースです。後ほど詳しくご説明しますが、既存企業の成長や各種戦略・施策による取り組みが潤沢なオーガニックグロースを生んだと考えています。
もう1つはM&Aの成果です。昨年7月に、機能性めっき分野に強みを持つサーテックカリヤをグループに取り込みました。同社の業績を第3四半期から連結決算に含めた結果、このような業績となりました。
また、「セレンディップ・チャレンジ500」という3ヶ年の中期経営計画を2年前に策定しましたが、1年前倒しで達成することができました。営業利益、経常利益ともに前年同期比で約3倍の増益を達成し、本当に良い1年となりました。
当社として、大きなチャレンジを進めていきました。同じ自動車業界内ではありますが、新しい技術領域へチャレンジしてきました。また、海外に拠点を持つグループ企業が増えてきていることも、大きな成長につながっています。
通期予測に対する進捗およびM&A関連費用を除いた実力値

通期予測に対する進捗およびM&A関連費用を除いた実力値についてご説明します。M&Aについては一般的でない部分もあるため、少しわかりにくいかもしれませんが、先ほどお話ししたとおり、売上高と経常利益はいずれも、当初の通期予測を大きく超える結果となっています。
さらに詳しくお伝えすると、「M&A関連費用除く実力値」という項目をスライドの表の中央に記載しています。こちらは、M&Aに関連するコスト約3億円を除いた実力値を示しています。営業利益率は4.9パーセントと、非常に大きく成長していることが確認できます。
このような点が、この1年間の大きな成果として、みなさまと共有したい内容です。直近の株価は、ご覧いただくとおわかりのとおり、かなり上昇してきています。こうした業績の下支えにより、結果につながっていると認識しています。
セグメント売上高の状況および連結売上高増減分析

スライドは、セグメント別の売上高を示しています。セグメント別に見ると若干の凹凸はありますが、オートモーティブサプライヤー全体としては、ご覧のとおり大きく成長しています。ユニクレア、三井屋工業、エクセル・グループのいずれも大きく成長しました。
前年同期比で大きく成長している点については、合併やM&Aに伴う連結化の取り込みタイミングにより計上が多少異なるため、アップル・トゥ・アップル(Apple to Apple)の正確な比較になっていない部分も一部あります。ただし、どの業態も大きく伸長しています。
企画開発型モノづくりは、天竜精機が徐々に復調の兆しを見せています。ここ2年間ほど悪い業績が続いていましたが、徐々に回復傾向にあります。まだ全快とはいえませんが、ようやく暗いトンネルを抜け出す段階に入ってきています。
アペックスについては、前年同期比では若干低下しているように見えますが、これは季節的要因によるもので、業績が悪化したわけではありません。前年が非常に良好だったため、相対的に低下しているように見えています。そのため、ご心配いただく必要はありません。
プロフェッショナル・ソリューション事業は、コンサルティング事業が大きく伸びています。大型の受注があったことが最大の要因です。
また、ようやく採用や体制の整備が落ち着き始めています。以前は「人が足りない」「採用を進める」「採用費が増える」といった状況が続き、もともとの売上規模が小さかったため、それに対するコスト比率が非常に高いという課題がありました。
しかし、売上が少しずつ伸び、一人ひとりの採用が落ち着いてくるにつれ、最終的な利益を含めて成果を出せるようになりつつあります。それでも、まだまだ成長の余地が残っていると考えています。
製造業におけるDXの需要は依然として大きく、当社はその需要に応えるための体制を構築しつつ、新規ビジネスの獲得を継続していきます。また、そのための採用と教育をさらに加速させていきます。
大きく伸びたのは、セレンディップ・ロボクロスのロボット事業です。こちらは当社の今後の大きな柱となる事業であり、来月発表予定の新中期経営計画において台風の目となる事業です。みなさまも一度は耳にしたことがあると思いますが、AIとロボット技術は日進月歩で進化を続けており、今後も大きく成長が期待される分野です。
当社は数年前からこの領域でのビジネスに着手し、これまでの取り組みがようやく成果として現れ始めたところです。一昨年度までは赤字を抱えていましたが、徐々に黒字化を実現し、事業として成長を加速させるフェーズに入りつつあります。
セグメント利益の状況および連結営業利益増減分析

セグメント利益も同様に、非常に堅調に伸びている状況です。当社のビジネスは売上高とほぼ比例して推移するため、売上高と反して利益が落ち込む、あるいは利益だけ伸びるということはありません。現状、売上高がオーガニックでも成長しているため、利益も着実に成長しています。
また、天竜精機は依然として厳しい状況にありますが、暗いトンネルをようやく抜け出しつつある状態です。利益ベースで見ても、かなり改善してきていることがご覧いただけるかと思います。
連結貸借対照表サマリ

連結貸借対照表で最も注目していただきたいのは、自己資本比率です。以前からご説明しているとおり、当社はM&Aを積極的に推進しています。そのため、M&Aの費用が増加することで、自己資本比率が一時的に低下することがあります。
その時点だけを切り取ると「大丈夫か」と思われることもあるかもしれませんが、当社はもともとキャッシュフローが非常に豊富な会社を買収していることもあり、四半期単位で見ると自己資本比率は迅速に回復しています。この取り組みは今後も継続していく予定です。
自己資本比率を上げていく中で再び買収を行い、一時的に下がった後も、潤沢なキャッシュフローで回復させながらM&Aを加速させていきますので、どうぞご安心ください。当社はキャッシュフローや資産が非常に潤沢な企業を買収し、成長していく点においては、安定した経営を行っています。
なお、自己資本比率の適正値についてはさまざまな議論がありますが、当社は20パーセントを1つの目安としてM&Aを進めています。M&A後、自己資本比率を30パーセントに近づけて回復させ、さらにM&Aを行うというサイクルを繰り返して進めていきます。
【2027年3月期】通期業績予想

今年度の通期業績予想についてご説明します。当社は大きく成長を続けています。昨年7月にサーテックカリヤを買収し、昨年度はその半期分の業績のみを取り込んでいます。同社の実力値は売上高で200億円相当ありましたが、昨年度はそのうち半期分の100億円分だけを取り込んだ結果、売上高は500億円強で着地しました。
今年度2027年3月期については、プラス100億円分が追加されることに加え、オーガニックグロース分も上乗せされます。つまり、M&A効果とオーガニックグロース効果の両方を反映したかたちで、今期の業績予想を策定しています。
売上高は640億円、営業利益は35億円を計画しています。営業利益率は5.4パーセントと、大幅な改善が見込まれます。これは、サーテックカリヤが非常に高い利益率を持つことに加え、既存事業の営業利益率の改善効果によります。
今期の業績予想には、新規のM&Aは織り込んでいません。一方で、今年度も引き続きM&Aを積極的に進めていきます。後ほど詳しくご説明しますが、パイプラインも充実している中で、業績予想は既存企業のみの売上および利益に基づいていることをご了承ください。
当社では非常にコンサバティブに業績予想を策定しています。ただし、さまざまな不安要素がある中でも、常にみなさまの期待を上回ることを目指しています。
これはオーガニックグロースにおいても同様であり、当然そこにM&Aのプラスアルファが加わるかたちで、さらなる成長を目指しています。今年も期待していただける1年になることを、重ねてお伝えします。
中東情勢(イラン情勢)に関する当社グループへの影響と対応

イラン情勢について少しご説明します。今年度の業績予想において、みなさまが最も気にしているポイントだと思います。イラン情勢に関しては、ある程度計算して織り込んでいる部分と、先行きが不透明で織り込めていない部分があります。
具体的には、直接的に影響があるか、間接的に影響があるかということです。直接的な影響については、業績全体への影響は軽微であると見込んでいます。完全に影響を見込んでいないわけではありませんが、当社の業績に重大な支障を来すものではないと考えています。
当社が中東に対して直接輸出する、あるいは原材料の調達が困難な状況に陥ることは、基本的にはないと断言します。したがって、直接的な影響はありません。
一方で、不確実性は常に存在しています。例えば、調達面では当社が直接使用する部材や資材には影響はありませんが、間接的に使用している素材や材料には若干の影響が見られる場合があります。間接的な影響として、そうしたものがいくつか存在するという状況です。
特に、自動車業界には数千社、数万社のサプライヤーが存在し、サプライチェーンが密接に結び付いていることが日本の製造業の特徴です。したがって、当社では生産に問題がなかったとしても、当社以外のサプライヤーにおいて原材料の調達や物流などがうまくいかなければ、製造業全体に影響が波及することが考えられます。
当社にとって予期せぬリスクが起こり得ることもありますが、直近のニュースだけでいうと、大きな影響は現時点では見込んでいません。また、高市内閣が石油や原油の調達を含めた積極的な対外政策を行っているため、すぐに顕在化するような影響はないと見ています。
当社では在庫の確保をはじめ、調達の二重化・三重化をしっかりと実施しています。もし原材料価格が上昇した場合には、それを販売価格に転嫁する対応も進めていきます。こうした取り組みを行いつつ、中東情勢を注視し、即時対応可能な体制を整えています。
コロナ禍のように世の中全体が停止する状況になれば例外ですが、当社が原因となり生産上の重大な課題が発生することはないと考えています。
業績成長が株価に着実に反映

株価についてはみなさまが一番ご存じだと思いますので、私が詳しくお話しすることはありませんが、今年1年で大きく上昇しました。
私は、業績の安定性が最も重要であると考えています。短期的な利益の増減に一喜一憂するのではなく、3年や5年といった長期的なスパンで経営を見据えています。このため、設備投資や人材投資を着実に行い、それが数年後に売上や利益として実現するよう、一貫して取り組んでいます。そして、数年前に始めた施策が現在の業績として成果を上げています。
株価が成果に追従するように、ようやく市場で評価されはじめています。また、当社を知っていただくきっかけを積極的に作る取り組みも奏功したと考えています。今後も不断の努力を続けていきます。
しかし、競合企業と比較して、当社の評価はまだ十分に高いとはいえません。これはひとえに私の経営者としての努力不足だと認識しています。今後さらに多くの方々に当社を知っていただき、セレンディップ・ホールディングスに安心して投資していただけるよう、情報発信や説明を強化していきます。
さらに、次期中期経営計画では、みなさまにもっとわくわくする未来像をお示ししたいと考えています。これにより、市場からさらに評価していただけるのではないかと思っています。
現状の株価に関しては、まだ満足できる水準ではなく、割安な状況が続いていると認識しています。ただし、ここからさらに努力を重ね、株価を高めるため全力を尽くしていきます。私が申し上げられるのは、この一点のみです。
これまで株価は若干の変動はありましたが、みなさまの期待に応える努力を続けてきました。やはり一番重要なのは業績です。私は経営者として、業績を通じてしかみなさまの期待にお応えすることはできません。
そのため、業績でみなさまの期待を超えるよう全力で努力していきますので、引き続き信頼していただければと思います。
企業価値向上に向けた成長ステージの進化

中期経営計画についてご説明します。詳しくは新中期経営計画発表のタイミングでお伝えしますので、ここでは簡単にお話しします。「セレンディップ・チャレンジ500」を前倒しで達成したこともあり、新中期経営計画を株主総会のタイミングで発表する予定です。
「チャレンジ500」から「チャレンジ1000」へと移行することで、次の3年間で売上高1,000億円を目指します。現在のパイプラインも含めて、これまでの成長投資や今後の投資を考えると、1,000億円は十分に達成可能な目標であると確信しています。
詳しい内容については、2026年6月25日のタイミングでご説明します。その過程において、2028年度は東証プライム市場への市場変更を行う予定です。この新中期経営計画を起点として、当社の成長ステージが本格的にスタートするとお考えください。
これまではあくまでも準備期間で、これからが本番です。当社の売上や利益、さらには社内体制や市場環境も含めて、本番を迎える準備が整ったと考えています。
そして、2028年度にIFRSに対応します。これまで会計についてはあまり本質的な課題とは考えておらず、私の中でかなり優先順位が低いものでした。しかし、当社のグループ企業がグローバルに広がり、海外の多くの投資家を引き込むために、IFRSへの移行を2028年度に実行します。
準備期間が終わり、ようやく当社はスタートラインに立ちます。「セレンディップ・チャレンジ1000」というかたちで取り組みますので、来月ぜひご期待ください。みなさまに詳しい情報を共有していきたいと考えています。
私からは以上です。
新・中期経営計画 説明会開催のお知らせ

司会者:竹内から繰り返しお話があった、新中期経営計画の説明会についてご案内します。6月25日の定時株主総会終了後に、新中期経営計画の説明会を実施します。当日は会場およびオンラインの両方でご参加いただけます。株主以外の方もご参加いただけますので、ぜひご参加ください。
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