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株式会社あじかん2907

東証スタンダード

食料品

本日の内容

足利直純氏:みなさま、こんにちは。株式会社あじかん代表取締役 社長執行役員の足利直純です。本日は、当社決算をご覧いただきましてありがとうございます。それでは2026年3月期の当社の決算についてご説明します。

本日は、まずは当社の会社概要や決算の状況を説明し、その後、決算のより具体的な内容として、セグメントごとの業績、今後の事業展開、資本コストやサステナビリティに関する当社の取り組みについてご説明します。

会社の基本情報

会社概要および決算状況です。

株式会社あじかんは、1962年に広島県で創業した企業で、現在は、広島市西区商工センターに本社を置き、当連結会計年度が第62期となっています。

沿革

これまでの当社の沿革について簡単にご説明します。当社は、創業者である足利政春が京都の玉子焼の老舗である「吉田喜」より、のれん分けを許され、1962年に広島で個人創業したのが始まりです。

創業当時は、卵焼きを1本1本手焼で製造し、1軒1軒のお寿司屋さんや仕出店などに配達して回りました。その際、お店の方のご要望・お困りごとをお聞きして製品開発に繋げることで、味付干瓢やおぼろなどの寿司用具材、弁当具材など、品ぞろえを充実させ、事業を拡大させてきました。

メーカーでありながら自社で配達も行うこのスタイルは、お客さまのニーズを素早く製品やサービスの向上に反映できる「製販一貫」体制として現在も受け継がれており、当社の強みの1つであると同時に、一人ひとりのお客さまを大切にするあじかんの原点となっています。

1970年代に入ると、安心・安全を最優先に考えながら大量生産に向けた製造の機械化を推進しました。これにより、現在では当たり前となっている、機械化による製造体制とチルド物流体制「コールドチェーン・システム」を業界でいち早く確立しました。

その後、拡大する中食市場を背景に主にスーパーマーケットやコンビニエンスストア向けの事業で販売エリアを広げ、現在に至っています。また玉子焼を中心とした海外事業での展開ならびに海外販売、ごぼう茶を中心に健康食品でも売上を伸ばし、事業領域を拡大しています。現在は、チョコレート風菓子「GOVOCE」による菓子領域への展開や、これまで業務用食品の製造で培ってきた技術を活かし、市販への本格的な参入など新たな領域へも挑戦を進めています。

決算ハイライト

2026年3月期の決算です。売上高は業務用食品等で4,000万円減少でしたが、ヘルスフードで4億2,200万円と大幅に増加し、前期比0.8パーセント増加の514億3,000万円となりました。

主要原材料が高騰したことに加え、人件費、物流コストの上昇、戦略的な広告宣伝の実施により、営業利益は前期比34.9パーセント減少の12億7,900万円となりました。為替差益や持分法による投資利益の計上により、経常利益は16億4,200万円、固定資産除却損の計上により、最終的な親会社株主に帰属する当期純利益は11億1,100万円となり、増収減益となりました。

セグメントおよびグループ企業の概要

当社のセグメントは、業務用食品等とヘルスフード、その他に分かれており、国内外の中食・外食向けに業務用食品を製造・販売、他社商品の卸売を行っている業務用食品等が9割以上、ごぼう茶関連製品の製造・販売が8パーセント程度の売上構成となっています。その他としては、運輸業となっています。

グループ会社としては、国内には、農産物の生産・販売を行っているあじかんアグリファーム、運送会社である井口産交があります。一方、海外では、中国にある愛康食品、山東安吉丸食品で食品の製造・販売を行っています。また、アメリカのAHJIKAN FOODS,INC.では、アメリカ国内への食品の販売を行っています。

業務用食品等(国内)の事業内容

続きまして、セグメント別の詳細な内容についてご説明します。まずは業務用食品等の業績についてです。

国内の業務用食品事業についてです。あじかんの主要な製造製品は、玉子焼などの鶏卵加工品や業務用の巻寿司具材です。これらは、業界でもトップクラスのシェアとなっています。

また、問屋機能も有しているため、他社商品も取り扱うことができ、あじかん製品と他社商品を組み合わせたメニュー提案や売り場作りのお手伝いを得意とし、他社との差別化を図っています。

業務用食品等(国内)の拠点

営業拠点は全国36拠点です。⽣産拠点は⾃社⼯場5⼯場に加え、グループ会社である中国に2⼯場と、国内の協⼒⼯場1⼯場があります。

業務用食品等(国内)の取り扱い製品

こちらは、取り扱い商品のイメージです。巻寿司に使⽤される⽟⼦焼や、干瓢、椎茸を煮炊きしたもの、すり⾝を⽢く味付けして炒った「おぼろ」などがあります。和⾵巻以外にも、畜⾁系・海鮮系の巻寿司の具材も取り揃えています。

業務用食品等(国内)の取り扱い製品

また、巻寿司以外にも、お弁当の具材となる⽟⼦焼き、野菜の和え物、唐揚げからデザートまで、幅広い製品を取り扱っています。

国内外部環境の状況(鶏卵価格)

当連結会計年度は、鳥インフルエンザの発生や夏場の猛暑による鶏卵供給数の減少に加え、その他、外部環境でのエネルギーコストの上昇などの影響によって高値のまま高止まりし、平均価格は、前期比74.1円増加の327.5円と非常に厳しい経営環境でした。

国内外部環境の状況(その他原料)

また、巻寿司の主要な材料である米や海苔が高騰している影響で、巻寿司の中の具材比率を下げて対応されるお客さまもいらっしゃり、巻寿司具材として使用される当社のカニ風味蒲鉾、干瓢などの使用量が低下し、売上が減少しました。

業務用食品等(国内)の主な実施事項

一方で、価格改定効果で売上が増加したことに加え、大手ホテルチェーンなど新規業態への販売促進活動を強化しており、ホテルの朝食バイキングなど、当社製品を採用いただける場面も増えています。

業務用食品等(海外)の事業内容

続きまして、海外の業務用食品事業についてご説明します。海外への販売は、国内で製造している製品のうち、鶏卵加工品、巻寿司具材などを世界各国へ販売しています。

中国では2工場を展開しており、生産拠点としてだけでなく、中国国内への内販も行っています。そのほか、2021年にはアメリカのカリフォルニアに現地法人を設立し、アメリカへの販売を強化しています。

業務用食品等(海外)の主な実施事項

当連結会計年度は、アメリカのカリフォルニア州において、Prop.12「動物福祉を重視した飼育環境の基準を定める法律」の影響で、鶏卵加工品がケージフリー卵に制限されていることから、厚焼玉子の流通に一定の制約はあったものの、他の州への販売などにより、売上を拡大できました。また、アメリカ以外の国で、香港やシンガポールなどへの厚焼玉子の販売を強化し、売上が拡大しています。その他、カニ風味蒲鉾や野菜加工品、マヨネーズ加工品なども売上が伸びています。

海外の主な販売先

こちらは、現在の販売実績です。主要な販売先は、北米、オーストラリア、中国、香港、シンガポールですが、そのほかにも東南アジアやEUなど、徐々に販路を拡大しています。

業務用食品等の業績の推移

これらの結果、業務用食品等の国内の売上高が、前期比5億9,700万円減少の443億3,700万円、海外が、5億5,700万円増加の26億2,200万円となり、業務用食品等全体としては、4,000万円減少の469億6,000万円となりました。

売上高の低下に加え、主要原材料、人件費、物流費の高騰により、セグメント利益は前期比10億8,800万円減少の25億6,400万円と、減収減益の結果となりました。

減益ではありますが、原材料価格が過去に類を見ないほど高騰している中、収益性の改善により、以前よりも安定的に利益を確保できる体制を整備できています。

ヘルスフードの事業内容

次にヘルスフードのセグメントの業績についてご説明します。

2010年に、当社として初めての一般消費者向け商品となるごぼう茶を発売しました。発売から15年で約40億円の売上まで拡大し、健康茶市場の拡大を牽引してきました。

また、近年ではごぼう茶以外にも、スープやチョコレート風菓子など、お茶以外の製品開発にも力を入れており、ごぼうを喫食していただく場面を増やしていきたいと考えています。

ヘルスフード(通販)の主な実施事項

当連結会計年度においては、通信販売では、テレビCMを中心に積極的に広告宣伝を実施したことにより、「国産焙煎ごぼう茶 ごぼうのおかげW」をはじめとした機能性表示食品の売上が好調に推移しました。「国産焙煎ごぼう茶 ごぼうのおかげW」は、ごぼうのクロロゲン酸と葛の花由来のイソフラボンを摂取でき、便通改善とお腹の脂肪を減らす効果のある機能性表示食品としての届出が受理されています。

ヘルスフード(市販)の主な実施事項

ドラッグストアやスーパーマーケットへの店舗販売については、新規開拓やインストアプロモーションを強化したことに加え、ペットボトルタイプの「おいしい!ごぼう茶」やごぼうを原料としたチョコレート風菓子「GOVOCE」「GOVOCEミルク」の販売促進を行った結果、売上が拡大しました。「GOVOCE」は、2024年8月に発売した、焙煎ごぼうを使用したチョコレート風の食品で、その原料である食品素材「MelBurd」とともに、各メディアや展示会で注目されています。また、ジャパンフードセレクションでのグランプリを受賞するなど、当社のブランド価値向上に寄与する商品となっています。

ヘルスフード等の業績の推移

これらの結果、当連結会計年度のヘルスフードの売上高は前期比4億2,200万円増加の40億700万円となり、セグメント利益は、1億2,500万円増加の3億3,900万円となりました。主要原材料の高騰や広告宣伝の積極的な展開などにより、セグメント利益率は、以前より低下していますが、売上の拡大効果もあり、当期は2.5ポイント増加の8.5パーセントとなりました。

第13次中期経営計画(最終年度)の方針

続きまして、今後の事業展開についてご説明します。

当社グループは2027年3月期を最終年度とする第13次中期経営計画で、売上高540億円、営業利益率3.0パーセント以上を掲げています。その達成に向け、2027年3月期を最終年度とする第13次中期経営計画では、研究開発やマーケティング力の強化、新製品の投入、拠点整備とお客さまへの価値あるサービスの提供などにより、売上の拡大に努めていきます。

今後の投資方針

主な投資は、デポ機能の強化、いわゆるロジスティックスに関連する投資を強化していきたいと考えています。さらに、生産設備の合理化投資を進め、生産ラインの自動化やロボット化を推進し、原価低減を図っていきます。また、人材への積極的な投資も進め、働く従業員の環境も整備します。

これらの合計として、2027年3月期から2030年3月期までの期間に、約98億円の投資を計画しています。

今後の具体的な実施事項①

来期以降の具体的な実施事項を紹介します。1つ目が、物流・営業強化策の1つとして、関東への物流拠点を整備するほか、自社物流および国内グループ会社井口産交の活用による問屋機能の強化および井口産交とのシナジー効果を最大化していきます。

また、当社の特徴的な事業でもある、メーカー兼問屋である機能を活用して、お客さまの負担を軽減できるセットアップ商品の供給体制を強化し、当社の販売力を向上させていきます。

今後の具体的な実施事項②

新事業である、市販市場への参入については、新商品の冷凍スープ「あじかんごぼうのリセットスープ」を2026年5月より発売していますので、その販売促進活動を強化することで、売上拡大に努めていきます。

2027年3月期の業績予想

これらの活動を展開することで、2027年3月期 通期連結業績予想は、売上高は545億円、原材料の高騰や諸経費の増加による環境不安はあるものの、価格改定の効果等による増益を見込み、営業利益は15億円と予想しています。これに営業外損益を加えた経常利益は17億円、法人税等を考慮した最終的な親会社株主に帰属する当期純利益は11億5,000万円を見込んでいます。

市場評価の向上に向けた目標

企業価値向上に向けた、当社の資本コストを意識した経営の実現についてご説明します。

当社は、資本コストを意識した経営の実現に向けて、ROEとROICを指標とし、株主資本コスト(CAPM)とROEを、加重平均コスト(WACC)とROICを比較することで、収益性の状況を判断しています。当連結会計年度は、主要原材料の高騰、高止まりにより収益性が悪化し、ROE・ROICともに低下しましたが、株主資本コスト5.0パーセント、WACC4.0パーセント程度であると認識していますので、ともに当社の想定値を上回ることができていると考えています。

また、以前よりも安定的に利益を確保できる体制に改善されてきていますが、原材料価格や人件費・物流費をはじめとする経費が上昇する厳しい経営環境が想定されますので、引き続き収益性の改善に取り組み、新たな成長投資に繋げることで、ROE8.0パーセント以上、ROIC6.0パーセント以上を目指していきます。

株主還元に対する考え方

株主還元についてご説明します。まず、配当方針と状況についてです。2026年の3月期の配当は、普通配当52円の配当を実施します。株主資本配当率(DOE)は、2.3パーセントとなっています。

配当方針については、長期的かつ安定的に利益還元を行います。安定的に利益を創出し、持続的な成長拡大に向けた戦略投資や、企業価値向上のための諸施策の展開に必要となる内部留保を確保しながら、配当についてはDOEなどを指標として、経営成績を勘案した成果配分としていきます。

2027年3月期については、DOEを2.5パーセントまで引き上げ、普通配当58円を計画しています。今後、2030年3月期までに3.0パーセント以上を目指し、さらなる収益性の向上に努めるとともに、株主還元も強化していきます。

株主優待制度について

続いて、株主の優待品についてです。当社は、中間と期末の年間2回、株主優待品として自社製品を贈呈しています。

3月31日を基準日として、100株以上500株未満かつ半年以上保有していただいている株主さ ま、500株以上かつ2年以上保有いただいている株主さまに対しては1,000円相当の自社製品をお贈りしています。

さらに、9月30日を基準日として、半年以上保有いただいている株主さまで500株以上2,000株未満の株主さまには2,000円相当の自社製品、2,000株以上の株主さまに対しては3,000円相当の自社製品をお贈りしています。

サステナビリティ活動の全体イメージ

最後にサステナビリティの取り組みについてご説明します。

こちらは、HPに掲載されている当社のサステナビリティ活動の全体イメージの図です。環境への取り組みの他、食と健康への取り組み、人や地域への取り組みなど、幅広い活動を行っていますので、ぜひ一度HPをご覧ください。

サステナビリティに関する実施事項①

HPの中から、一部取り組み例を紹介します。当社は、巻寿司の具材製造を強みとし、日本の伝統食である巻寿司の啓蒙活動に力を入れています。幼稚園や小学校での巻寿司教室を実施し、食育活動を通して子どもの頃から巻寿司というものに触れていただくとともに、各地で行われている食のイベントに出店するなど、巻寿司の普及と魅力発信に努めています。また、当連結会計年度には、当社で初のキッチンカーを導入しましたので、今後は、イベント以外の場所でも一般消費者との接点をさらに増やしていく予定です。

サステナビリティに関する実施事項②

人的資本への取り組みも推進しており、従業員の働きやすさや働きがいを意識した環境整備を進めています。2027年3月期も5パーセント以上の賃上げを実施するとともに、キャリア開発研修やeラーニングの導入など、従業員の教育体制の整備に投資を行うことで、従業員の働く環境を整備し、エンゲージメントの向上を図っていきます。

人への想いが、かくし味。

以上で決算のご説明は終わりとなりますが、最後に一言申し上げます。当社は、「人への想いが、かくし味。」をステートメントとして掲げています。株主のみなさまをはじめ、多くのみなさまに喜んでいただけるような経営をこれからも続けていきますので、株式会社あじかんの活動について、ご協力・ご理解を賜れば幸いです。今後ともよろしくお願いします。

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