マネーフォワード、Businessドメインが牽引し売上総利益、EBITDAやEBITDAマージンが過去最高 AIエージェント実装で事業基盤拡充
2025年11月期 第3四半期ハイライト
辻庸介氏(以下、辻):株式会社マネーフォワード代表取締役社長、グループCEOの辻です。本日はお忙しい中お時間をいただき、誠にありがとうございます。
本日は、2025年11月期第3四半期の決算についてご説明します。「Financial Results」と「Business Overview for Investors」の2点よりご説明させていただきます。
全社業績ハイライトです。全社のEBITDAは14億4,000万円と過去最高を記録しました。EBITDAマージンも同様に過去最高の12パーセントを達成し、売上総利益も過去最高額の82億8,000万円となっています。通期見通し達成に向けて順調に進捗していると考えています。
売上高は前年同期比23パーセント増の120億7,000万円で、前四半期から成長が加速しました。また、SaaS ARRは前年同期比30パーセント増、前四半期から成長が加速して363億2,000万円に達し、継続して力強い成長を示しています。特にMoney Forward Businessドメインの法人ARRは35パーセント増と、6月から実施したSMB向け価格改定効果も順調に継続し、成長を維持しています。
今年の第1四半期から当社のキャピタルアロケーション方針についてお伝えしてきましたが、ARR成長率が大きく加速しているMoney Forward Businessドメイン、バックオフィス向けSaaS事業にリソースを集中させていきたいと考えています。
このたび、SaaS Marketingドメインのスマートキャンプ社の全株式を売却することを決定し、第4四半期で特別利益約63億円を計上する予定です。詳細については後半でご説明します。
全国の会計事務所との強固なパートナーシップ
1点うれしいニュースをお伝えします。「Business Overview for Investors」15ページに記載されているとおり、2025年度の国内従業員規模上位トップ100の会計事務所における当社のカバー率が、78パーセントから84パーセントに上昇しました。
この数字からもおわかりいただけるように、当社は士業事務所との強固なパートナーシップが築けていると考えています。先日も「士業サミット2025」があり、日本国内の会計事務所にご利用いただけるクラウドサービスとして、No.1に選ばれる会社へと成長していると感じています。まだ課題も残っていますので、引き続きサービス向上に努めていきたいと思っています。
3Q連結売上高は前年同期比+23%
長尾祐美子氏:執行役員、グループCFOの長尾です。私から全社ハイライトの財務数値についてご報告します。
まず、第3四半期の売上高です。120億円で前年同期比23パーセント増と、引き続き堅調な成長を継続しています。ドメイン別では、Money Forward Businessドメインが前年同期比31パーセント増と、引き続き成長を牽引しています。
Businessドメイン 四半期 売上高推移
Money Forward Businessドメインの四半期売上高についてです。Money Forward Businessドメイン全体で前年比31パーセント増となっています。特に法人のストック売上は非常に力強く伸びており、成長率は前年比36パーセントと加速しています。
第2四半期から連結開始したM&Aの効果を除いても、オーガニックで前年比32パーセント成長しており、成長が加速しています。この成長を牽引している要因としては、SMB領域での価格改定と中堅企業領域での新規顧客獲得が挙げられます。
SaaS ARR 推移
SaaS ARRの推移です。SaaS ARRは363億円で、前年同期比30パーセント増となり、引き続き順調に拡大しています。特に、Money Forward Businessドメインの法人ARRは286億円で、前年同期比35パーセント増となっています。法人ARRは中堅企業およびSMB企業の両方で力強く成長しています。
2025年11月期 Businessドメイン 第3四半期ハイライト
Money Forward Businessドメインのハイライトです。法人ARRは前年同期比35パーセント増、オーガニックでも31パーセント増と、第2四半期から成長率が加速しています。SMBの価格改定は6月から始まりましたが、価格改定があっても顧客解約率は昨年と同水準で、非常に低い水準に抑えられています。
中堅企業向けARRは145億円、前年同期比48パーセントと高成長を記録しています。
Businessドメインの法人ARRは、前四半期から加速が続き前年同期比+35%
Money Forward Businessドメインの法人ARRの内訳についてです。SMBの価格改定は6月から開始されたため、今四半期からの反映となりますが、SMB向け純増ARRは8億5,000万円となり、第2四半期の2億8,000万円から大幅に増加しました。1年を通じたSMBの価格改定の効果は20億円とご説明しましたが、この数字は引き続き達成可能と見ています。
課金顧客数とARPAの成長が継続
Money Forward BusinessドメインのKPIについてです。全体のARPAは前年同期比12.5パーセントと、前四半期から成長が加速しました。法人の課金顧客数も22.6パーセント増と、堅調に推移しています。
法人ARPAは前年同期比10.4パーセント増であり、中堅ARPAも前年同期比13.8パーセント増と、引き続き成長を続けています。価格改定後も新規顧客の獲得ペースは堅調を維持しており、全体の成長を支えるドライバーとなっています。
法人顧客純増数と士業チャネルの継続的な強化
法人顧客の純増数は9,675社となり、引き続き高水準を維持しています。昨年同期と比べてキャンペーン期間が短い中でも、士業チャネル経由の獲得強化を進めることで、長期的な顧客基盤の積み上げが進行しています。今四半期は広告宣伝費が比較的少ない期間でしたが、そのような状況下でも効率的に新規顧客を獲得し続けることができました。
SMB企業向けARRは、価格改定の実施によりYoY+24.8%と成長が加速
SMBのKPIについてご説明します。SMB領域では、純増ARRが8億5,000万円と順調に推移しており、そのうち価格改定効果は9億円以上でした。
SMB全体のARPAについては、高単価商材である「STREAMED」の影響を受けて変動する性質がありますが、先日ローンチした「マネーフォワードおまかせ経理」(経理BPOサービス)も、今後ARPA上昇要因として貢献することを期待しています。
中堅企業向けARRも YoY+48%と力強い成長が続く
中堅企業のKPIについてです。中堅のARRは145億円で、前年同期比48パーセント増、オーガニックでは38パーセント増と引き続き高成長を維持しています。顧客純増数は706社、ARPAも13.8パーセントと拡大しています。
引き続き中堅企業向け領域では複数のプロダクト導入が進み、ARPAが上昇しています。昨年同様に、第4四半期に向けてARR純増をさらに加速させたいと考えています。
全社売上総利益/全社調整後売上総利益/バックオフィス向けSaaS事業”Gross Margin”推移
粗利とGross Marginについてです。全社調整後の売上総利益は前四半期に引き続き上昇しています。バックオフィス向けSaaS事業のGross Margin率も87パーセントと、引き続き高水準を維持しています。
EBITDA(四半期推移)
四半期ごとのEBITDAの推移についてご説明します。EBITDAは14億4,000万円と過去最高額を更新しました。EBITDAマージンも第2四半期の6パーセントから12パーセントへ大幅に拡大しています。また、調整後EBITDAも同じ水準となっています。引き続きクオリティグロースに努め、成長と利益改善を両立していく方針です。
なお、第4四半期は広告宣伝費が昨年同様に集中する四半期であり、オフィスの増床費用として一時費用が発生するため、第3四半期と比較してEBITDAが減少する可能性があります。
売上原価・販売費及び一般管理費の構造(対売上高比率、EBITDAベース)
コストサイドについてです。EBITDAのマージン改善と同様に、広告宣伝費、人件費、外注費すべての売上高比率が低下しており、コスト構造の改善が進んでいます。引き続きユニットエコノミクスを重視しつつ、適切な成長投資を継続していきたいと考えています。
従業員数の推移
従業員数は前四半期比で48名増加しました。引き続き厳選採用を進めており、特にMid領域や海外拠点でのエンジニア採用を強化しています。
従業員1人当たり年間売上高(HIRAC FUND除き)・ARR
1人当たり年間売上高は順調に拡大しており、これはEBITDAマージンの改善によるものです。
バランスシートの状況
バランスシートの状況です。引き続き高い財務健全性を維持しており、現預金は高水準を保ち、十分な流動性を確保しています。
現預金残高推移分析
最後に、事業キャッシュフローについてです。BtoBカード事業の影響を除いた事業キャッシュフローはプラス7億円となり、初の黒字化を達成しました。契約負債の積み上がりやEBITDAの改善が寄与しています。季節的な要素はあるものの、キャッシュ創出力が高まっている証拠だと思います。
第4四半期に関しては、今四半期で大きく貢献したアウトルックコンサルティング社の契約負債が減少に転じることや、EBITDAが第3四半期比で下がる可能性があるため、事業キャッシュフローは減少する見込みですが、来期にはさらなるキャッシュフローの改善を目指していきたいと考えています。
ビジネスハイライト 注力分野の取り組み
辻:ビジネスハイライトとして、本日は注力分野の取り組みについて大きく2点お話しします。
1点目は「No.1 AIバックオフィスカンパニーに向けた取り組み」です。当社は今年4月にAI戦略「Money Forward AI Vision 2025」を発表しました。今四半期も取り組みを続けており、その進捗についてご説明します。また、デジタルワーカー市場は非常に大きな規模が期待される分野ですので、その市場に向けた取り組みについてもお話しします。
2点目は、Money Forward Businessドメインの「法人向けバックオフィスSaaS領域における主要な取り組み」です。こちらについてもご説明します。
1. AXを推進させ、No.1バックオフィスAIカンパニーを目指す
まず、AI分野の取り組みについてです。4月のAI戦略「Money Forward AI Vision 2025」発表会でもご説明したとおり、「AXを推進し、No.1バックオフィスAIカンパニーを目指す」というプロジェクトを進めています。
また、「みーも」という公式キャラクターを発表しました。みなさまに親しみを持っていただければ幸いです。
1-1. マネーフォワード クラウドにおけるAI機能実績/リリース予定
「マネーフォワード クラウド」におけるAI活用機能リリースの進捗です。第3四半期にも続々と新機能のリリースを行いました。
1つ目は「マネーフォワード クラウド契約」における「マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー」です。2つ目は「マネーフォワード クラウド債務支払」における「AI請求書ダウンロード代行」のAIエージェントです。3つ目は「マネーフォワード クラウド経費」において、交際費明細データが作成できる「交際費精算エージェント」です。
さらに、大きなローンチとして、「マネーフォワード クラウド会計」においてAIエージェントと連携可能な「MCPサーバー」β版の提供を開始しました。それぞれの詳細については、次のスライドでご説明します。
1-1. ① AIエージェント『AI請求書ダウンロード代行』により、毎月の支払い依頼業務の負担を削減
AIエージェント「AI請求書ダウンロード代行」は、支払業務領域において年内にローンチ予定のAIエージェント第1弾です。近年、請求書の電子化が進み、Web送付が増加していますが、受け手側は複数のサイトから多くの請求書を取得する必要があり、ユーザーの負担が増加しています。
このような課題に対応するため、「AI請求書ダウンロード代行」機能をリリースしました。AIエージェントが自動で受領メールを検知し、各社の請求書ダウンロードサイトに自動でログインします。IDとパスワードの事前設定が必要ですが、自律的に操作を行い、請求書の取り込みから支払依頼の作成までをすべてサポートするエージェントです。
地味な印象かもしれませんが、人間が多くの時間を割いている煩雑な作業を効率化することを目的として、第1弾としてリリースしました。
1-1. ② AIエージェント『交際費精算エージェント』により、従業員の大幅な業務負担の軽減を実現
「交際費精算エージェント」はAIエージェントの第2弾となるサービスです。従業員の方々がレシートを撮影して通常使用する「Slack」などのチャット上にアップロードするだけで、AIが画像解析を行い、申請情報を自動で作成し、申請手続きを代行することが可能となります。
このサービスは現在、一部のユーザーさまに限定して提供していますが、今後は多くのユーザーさまにご利用いただけるよう展開していく予定です。
交際費の経費精算は多くの方が経験されているように、非常に面倒な作業です。このサービスを利用することで、レシートを撮影してアップロードするだけで、あとはAIが手続きを行います。また、不足している情報も対話形式で適切に提案し、収集してくれます。
1-1. ③ 『マネーフォワード クラウド会計』にて、AIエージェントと連携が可能な「MCPサーバー」β版を提供開始
「マネーフォワード クラウド会計」の「MCPサーバー」は、AIエージェントとの連携が可能になるサービスです。「Gemini CLI」や「Cursor」「ChatGPT」といったさまざまなAIと当社の「マネーフォワード クラウド会計」のサービスを連携させ、チャット画面から「マネーフォワード クラウド会計」をAIが操作できるというサービスです。
例えば、「Gemini CLI」や「ChatGPT」に添付された請求書を読み取り、「この請求書はこういう仕訳ですね」「これは業務委託料の99万円ですね」というかたちで仕訳を提案し、AIが自律的に「マネーフォワード クラウド会計」を操作することが可能になります。
ここまで手入力していた作業が、アップロードするだけでAIエージェントによって処理が完了するようになる世界観を実現するために「MCPサーバー」とAPIを提供しています。
今後もこのようなAIエージェントのプラットフォームに向けた取り組みをさらに進め、「AIエージェントを作りたい」というユーザーさまにも利用いただけるかたちを目指して進めたいと思います。
1-1. ④ 『マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー』により、法務部門の業務効率化実現
「マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー」は、AIが契約書を自動確認し、契約のリスクや不備を特定してサポートするサービスです。このサービスは、株式会社リセさまとOEM契約を結び、リリースしました。弁護士が監修したAIがリスク箇所を瞬時に識別し、変更条文例や解説を表示する機能を備えています。
このようなサービスにより、どの会社でも不足している法務人材をカバーし、契約審査業務を効率的に行うことが可能になります。AIテクノロジーの便利さを見事に活用したサービスだと思います。
以上が、AIの取り組みに関する直近のアップデートです。
1-2. デジタルツール市場からデジタルワーカー市場へ、マーケットを拡大
デジタルワーカー市場への取り組みをご紹介します。
従来からご紹介しているとおり、当社はもともとSaaSでデジタルツールを提供しており、市場規模(TAM)は約2兆2,000億円でした。
「人手不足に悩む中小・中堅企業にAIの力を」という考えのもと、これにデジタルワーカーの提供を加えると市場規模は13兆3,000億円となるため、この分野でもなんとかサービスを展開しようと、現在取り組んでいます。
1-2. 『マネーフォワードおまかせ経理』の提供を開始し、デジタルワーカー領域へ拡大
具体的な取り組みとして、第2四半期には経理代行サービスを展開するキャシュモ社がグループに加わり、国内で「マネーフォワード おまかせ経理」というサービスを展開中です。
このサービスはクラウドサービスにとどまらず、経理のBPOサービスも一緒に提供しております。さらに、AIを活用することで生産性の向上を図り、現在の経理BPOオペレーションを飛躍的に便利にするとともに、利益率の向上を目指して進めている状況です。
まだグループジョインから数ヶ月の状況ですが、現在はPMIに取り組んでいます。「マネーフォワード おまかせ経理」の新規商談の獲得が好調で、グループジョイン前と比較して4倍に増加しています。また、当社の顧客基盤を活用することで、グループジョイン前の半分以下のコストでリード獲得が可能となり、現在のところ順調にシナジーを発揮できている状況です。
今後は、AIをさらに活用し、オペレーションの効率化や省人化を進め、利益率の向上を推進するとともに、デジタルワーカー市場へのマーケット拡大を加速させていきたいと考えています。
1-2. デジタルワーカー市場への参入のため、米WhippleWood CPAs PCがグループジョイン
もう1つの新しい取り組みとして、米国の会計業務オペレーションおよび経理代行を行っているWhippleWood CPAs PC社がグループに加わりました。この会社はコロラド州にあり、CEOのRichard Whipple氏というすばらしい経営者がいらっしゃいます。彼と私たちの「Money Forward Partners」のShinji “Sandy” Kimura氏およびSeth Gittlitz氏というメンバーが協力し、現在PMIを進めています。
会計事務所業界には煩雑なマニュアル業務が多く、生産性向上の余地が大いにあります。また、米国では日本にはまだないAIツールが多く登場しており、それらをWhippleWood CPAs PC社で活用しテストを行いながら、AIを活用した事務所の利益率向上を図っています。そのノウハウを日本国内の経理代行業務に応用することや、日本国内の士業のお客さまやパートナーのみなさまにも還元することを目指しています。
また、これを事業オペレーションにも活用し、士業オペレーションの業務理解を深めるとともに、士業向けのプロダクト開発にも役立てたいと考えています。
さらに、この取り組みには、WhippleWood CPAs PC社の創業者であるRichard Whipple氏に加えて、先ほど申し上げたShinji “Sandy” Kimura氏、Seth Gittlitz氏といった現地のマネジメント陣も完全にコミットしており、日々一緒に取り組んでいます。
今回のグループジョインを通じて、現在ある仮説を検証し、定量効果を正確に把握しながら、利益率の向上やAIエージェントの活用を進めたいと考えています。
2-1. 国内最大級の士業業界向けのイベント「士業サミット2025」を実施
士業さま向けの取り組みについてご説明します。
10月3日に、国内最大の士業向けイベント「士業サミット2025」を開催し、オンライン・オフラインを合わせて3,000名の方にご参加いただきました。今回は「未来をつくる、士業の出会い」をテーマに開催し、新しいAI活動やDX支援、新しいサービスのご紹介などを行いました。ご来場いただいた方々に、心より感謝申し上げます。
2-1. 『マネーフォワード クラウド』の活用により、会計事務所の業務の効率化を実現
会計事務所さまにおける活用事例のご紹介です。伊藤会計事務所さまは、当社が2016年より約10年間お世話になっています。同事務所では「マネーフォワード クラウド」を非常にうまく活用されており、顧問先のオンプレミスソフトからクラウドへの移行や、ペーパーレス化といった業務改善を徐々に進めていただきました。
導入以前は、月平均残業時間が90時間という大変な状況でしたが、現在では9時間まで減少し、労働環境が飛躍的に改善されています。それにより退職者が減少し、採用にも良い効果がもたらされ、社員のみなさまにも笑顔が増えたとうかがっており、私どもも大変うれしく思っています。
2-1.会計事務所でのクラウド会計利用拡大を推進し、士業業界全体の生産性向上を目指す
この取り組みを基に、伊藤会計事務所さまのグループ会社であるエスアンドシーさまが、自社で行った業務改善のノウハウを活かしたコンテンツを提供しています。今年4月から「マネーフォワード クラウド会計担当育成講座」として「マネーフォワード クラウド」の使い方を学習できるオンラインコンテンツを提供しており、すでに150名以上の方に受講いただいています。
また、エスアンドシーさまと共催で、全国各地でクラウドソフト化を推進するためのセミナーも実施予定です。今後も士業事務所さまと協力し、会計事務所の効率化や顧問先の利便性向上をどのように実現するかを展開していきたいと考えています。
2-1. 『記帳代行ドットコム』のメインソフトとして、『マネーフォワード クラウド』と『STREAMED』の利用が決定
士業事務所さまに加えて、非常に有名な企業である株式会社ビジョンさまの記帳代行サービス「記帳代行ドットコム」において、メインソフトとして当社の「マネーフォワード」と「STREAMED」を採用いただきました。
ビジョンさまは非常に大きな顧客基盤を持つ企業です。今後、両社の顧客基盤を活用した相互送客やBPO業務の提携などを検討し、中長期的に良い関係を構築しながら、ユーザーにさらなる価値を提供していきたいと考えています。
2-2. 中堅企業のバックオフィス業務を網羅
中堅企業についての取り組みをご紹介します。プロダクトとしては、「New」が付いているところが新しくリリースしたサービスとなりますので、後ほどご紹介します。
2-2. プライム・スタンダード・グロース市場において、『マネーフォワード クラウド』の導入が拡大
うれしいニュースをご紹介します。2025年のグロース市場に上場した会社のうち2社に1社が当社の「マネーフォワード クラウド」を利用して上場を果たしたという、喜ばしい成果です。
内部統制や監査法人とのコミュニケーションなど、IPO準備期間は非常に大変ですが、上場準備期間だけでなく、上場後も継続して当社のサービスを利用していただいています。本当にありがとうございます。
2-2. 株式会社商工組合中央金庫様を通じた、中堅領域における顧客基盤の拡張
パートナーセールスについてご紹介します。さまざまな金融機関さまから「DXを進めたい」というお客さまをご紹介いただいており、特に商工組合中央金庫さま経由でのご紹介から導入に至るケースが大変増加しています。
特に中堅規模の中でも大きな企業さまのご紹介が徐々に増えており、当社サービスの導入に加えて、導入資金の一部を融資していただくという好事例も発生しています。当社サービスを導入していただくことでバックオフィスが効率化し、P/LやB/Sが見える化されて整備され、早期に数字が明確になったことで融資にも繋がっています。
具体的な事例を2つご紹介します。スライドの左側は吉川工業さまで、従業員が1,600名と大きな会社さまですが、「マネーフォワード クラウド給与計算」と「マネーフォワード クラウド社会保険」を導入いただいています。
スライドの右側はヤマダイグループさまで、300名規模の会社さまです。「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド給与計算」「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウドマイナンバー」「マネーフォワード クラウド年末調整」「マネーフォワード クラウド人事管理」という6つのプロダクトを導入いただいています。本当にありがとうございます。
これからも商工組合中央金庫さまをはじめ、パートナーさまと良好な関係を構築しながら、お客さまとともに成果を出していきたいと考えています。
2-2. プロジェクトマスタの共通化により、複数サービスの併用時の利便性が向上
プロダクトの進捗についてご説明します。「マネーフォワード」は、多くのサービスをプロダクトごとにモジュールで提供していますが、そのプロジェクトマスタが徐々に連携してきているというご報告です。
今回、「マネーフォワード クラウド会計Plus」「マネーフォワード クラウド個別原価」「マネーフォワード クラウド経費」「マネーフォワード クラウド債務支払」というすべてのサービスで、ERP・経理・財務領域のプロジェクトマスタが各システムでほぼ連携可能となり、これまで必要だった各プロダクトご利用者さまのダブルメンテナンスが不要になりました。ご利用者さまから非常に喜びの声をいただいています。
また、今回のアップデートにより、階層的なプロジェクト設定が可能となり、プロジェクトごとの正確なコスト把握や高度なプロジェクト会計ができるようになりました。これにより、規模の大きな企業や複数の部署に分かれている企業でも、十分にご活用いただけるプロダクトへと進化しました。
2-2. グローバル会計ソフト『Xero』『Intuit QuickBooks Online』とのAPI連携により、連結決算業務を効率化
「マネーフォワード クラウド連結会計」でグローバル会計ソフト「Xero」、および「Intuit QuickBooks Online」とのAPI連携が可能となりました。これらは海外子会社で利用されている企業も多いと思いますが、今回の連携により、海外子会社の残高試算表などのデータ収集が可能になりました。
我々のサービスをご利用いただいている企業の規模も大きくなってきているため、グローバルに展開している企業でもご利用いただけるよう、開発を進めています。
2-2. 人事労務領域で『マネーフォワード クラウド適性検査』と『マネーフォワード クラウドサーベイ』の提供を開始
人事労務領域の新しいサービスラインアップの拡充についてご説明します。採用のミスマッチと離職を防ぐサービス「マネーフォワード クラウド適性検査」と、従業者向けのサーベイ機能のサービス「マネーフォワード クラウドサーベイ」の提供を開始しました。
HR Tech企業のリーディングマーク社がすばらしいサービスを開発しており、同社からのOEM提供を受けて、サービスラインアップを拡充しています。
以上が、AIや中堅企業・中堅市場向けサービスのアップデートです。
キャピタルアロケーション最適化について
最後にキャピタルアロケーションについてご説明します。
グループキャピタルアロケーションの最適化については、従来からお伝えしているように、事業リソースをMoney Forward Businessドメインにより集中させる方針です。これに伴い、SaaS Marketingドメインのスマートキャンプ社の株式譲渡を決定しました。2025年11月4日から非連結化の予定です。
キャピタルアロケーションの最適化に向けて、スマートキャンプ株式会社の当社持分を譲渡予定
丸の内キャピタルさまへの譲渡について説明します。当社は中長期的な戦略の見直しを行う中で、スマートキャンプ社の今後の成長や企業価値の向上、そしてIPOを目指すことを考慮し、丸の内キャピタルさまに譲渡することで成長を促進するのが最適と判断しました。
クロージングは第4四半期に予定しており、63億円の特別利益を計上する予定です。また、非連結化に伴う今期のP/Lへの影響については、クロージング日以降にガイダンスを修正する予定で、2025年11月4日以降に決定および開示します。
今回の非連結化に伴い、SaaS Marketingドメインは事業ポートフォリオから除外されます。そのため、従来発表していた中長期財務ターゲットや業績連動型有償SOの業績要件についても、変更する予定です。これらの詳細は、譲渡完了後にお伝えします。
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