【QAあり】ミスターマックスHD、創業100周年を迎え、中間期売上は過去最高を更新 「価値ある安さ」の提供で客数増加
2026年2月期 第2四半期 累計業績ハイライト

石井宏和氏(以下、石井):上席執行役員の石井です。決算説明会へご参加いただき、ありがとうございます。
本題に入る前に1点お話があります。これまで当社の決算説明会は、ミスターマックス・ホールディングスの社長を務める平野と私、石井が主にスピーカーを務めてきました。しかし、当社をより深く、多角的にご理解いただくため、今回は総合ディスカウントストアの株式会社ミスターマックスの社長である佐藤がお話しします。
次回以降も、例えば開発担当役員が店舗開発の戦略をお話しするなど、スピーカーの幅を広げていく考えです。みなさまにわかりやすく、興味深い説明会を目指して努力します。
本題に戻ります。第2四半期の概況について説明します。営業収益は中間期過去最高の747億円を記録し、前年同期比で8.1パーセント増加しました。売上を牽引したのは米でした。品不足の中でも店頭在庫をほぼ切らすことなく品揃えを続けたことで、お客さまから評価をいただきました。また、洗剤、ペットフード、キッチン用品などで実施した値下げ企画による価格訴求も奏功し、これらの売上も好調でした。
売上総利益は159億円で、前年同期比9.3パーセント増加しました。荒利益率は22.2パーセントで、前年同期比0.2ポイントの改善となっています。
販売費及び一般管理費は前年同期比6.0パーセント増加しましたが、販売の好調と荒利益率の改善効果が経費増加分を吸収し、営業利益は前年同期比25.1パーセント増の28億円となり、当初計画の24億円を上回りました。
営業利益の増減要因

営業利益の増減要因についてご説明します。スライドのグラフのうち、オレンジ色は利益の増加要因、青色は利益の減少要因になります。
売上高が好調であったことに加え、仕入価格の値上がりに伴い、販売価格の適正な見直しを行いました。この結果、荒利益高は13億6,700万円増加しました。一方、人件費が増加した要因は、ベースアップなど単価の上昇によるものです。ただし、店舗オペレーションの効率化も進めており、人件費は適切にコントロールされています。
また、上期には新規店舗を2店舗オープンし、改装を3店舗実施したこと、前期から進めてきたセルフレジの導入を進めた結果、減価償却費や消耗品費などの経費が増加しました。
荒利益高の増加が経費の増加を吸収した結果、営業利益は28億700万円となりました。
部門別売上高の状況

部門別の売上実績についてです。上期において、食品部門では米や酒、加工食品などの売上が好調に推移しました。家電部門では、家電メーカーのエアコン、洗濯機、冷蔵庫などの大型家電を当社専用機種として販売した製品が売上を伸ばしました。また、物価の上昇に対応して実施した値下げ企画により、洗剤やペット用品、キッチン用品などの売上も好調でした。
荒利益率の改善状況

荒利益率の改善状況についてです。スライドの青色の線は、四半期ごとの荒利益率の改善幅の推移を示しています。一方、オレンジ色の線は、米を除いた荒利益率の改善幅の推移を示しています。
青色の線のとおり、米の荒利益率が全社平均を下回っている影響で、荒利益率全体の改善幅は小幅にとどまっています。しかし、米を除いたオレンジ色の線は緩やかに改善していることが見て取れるかと思います。
この2年間は、仕入価格の上昇が続く中で販売価格の適正化に取り組んできました。これまで全国一律価格を採用していましたが、2025年2月期第3四半期からエリアごとに適正な売価へ見直しを開始しています。さまざまな対策の成果が現れ、荒利益率は改善傾向にあります。
ただし、2026年2月期第2四半期の荒利益率は22.2パーセントとなり、期初計画を達成できませんでした。今後も人件費の高騰などにより経費の増加が見込まれることから、荒利益率の改善を重要な課題として引き続き取り組んでいきます。
2026年2月期業績予想 ~2025年10月9日公表の業績予想数値~

2026年2月期の業績予想についてです。10月9日の決算発表時に、2026年2月期の業績予想の修正を発表しました。上期の好調な進捗を受けて、既存店増収率の前提条件を期初予想の3パーセントから5.2パーセントに引き上げました。
一方、上期の営業利益は期初計画を約4億円上回っていますが、通期の営業利益の見込みは約3億円の増額修正にとどめました。これは、期初の見込みほど荒利益率が改善していないことや、販管費の増加が期初計画を上回ったことを織り込んだためです。
なお、期末配当は1株当たり27円を予定しています。
中期経営計画(2025年2月期~2029年2月期)

2029年2月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画についてです。数値目標として売上高2,000億円、営業利益率5パーセントを掲げ、3つの成長戦略を柱に進めています。
中期経営計画(2025年2月期~2029年2月期)の進捗

スライドでは、中期経営計画のうち2026年2月期第2四半期までの進捗状況を評価しています。売上高および営業利益率は計画に対して順調に推移しています。プライベート・ブランド(PB)売上高構成比は23.6パーセントと、少しずつ増加しています。
オムニチャネルについては、即配エリアの拡大や品揃え、操作性の改善に取り組んでいます。日々の取り組みにより着実に改善が進んでいますが、会社全体の売上高に大きな影響を与えるまでには至っていません。
新規出店については、前期1店舗、今期2店舗を出店しました。来期以降は複数店舗の出店が進む予定であり、5年間で25店舗の出店という中期経営計画目標を引き下げる考えはありません。
「MrMax」は過去10年間で8店舗しか出店できませんでした。この新規出店の少なさは数年前から経営課題として認識しており、担当役員を外部から招いたり、人事異動や他社からの採用によって開発部員を増やすなどの対策を講じてきました。こうした取り組みが成果を上げ、今期から出店ペースが向上しており、来期以降は出店攻勢に転じる予定です。
M&Aについては、新たな柱となる事業の探索を進めていきます。
中期経営計画を達成して当社を成長軌道に乗せるべく、日々業務に励んでいきます。
以上で私からの説明を終わります。ありがとうございました。
米の販売強化

佐藤昭彦氏:上席執行役員リテール部門管掌、株式会社ミスターマックス代表取締役社長の佐藤です。今期の重点項目の状況と今後の取り組みについてご説明します。
まず、売上を牽引している米の販売についてです。昨年8月頃からの米市場の品不足を背景に、米の安定供給を当社の重要な社会的使命と捉え、出荷体制の強化に注力してきました。銘柄米やブレンド米、外国産米などの品揃えを拡大し、お客さまの多様なニーズに応えた結果、在庫を切らすことなく販売を続けることができました。
また、今年5月に政府が管理する随意契約の備蓄米放出が発表された時には、いち早く申し込みを行い、お客さまへ1日でも早くお届けできるよう全力で対応を進めました。6月の備蓄米販売開始時には、連日報道で取り上げられたことをきっかけに来店されるお客さまが増加しました。
既存店売上高・客数前年比の月次推移

既存店売上高・客数の前年比推移についてです。スライドの青色の線は既存店の売上高を、オレンジ色の線は客数を示しています。
ここ数年、お客さまの数はなかなか増えませんでしたが、前期から増加し始めました。普段の暮らしに必要な商品を「価値ある安さ」で提供し続けたことが「『MrMax』に行けば欲しいものがお手頃な価格で買える」という信頼につながり、お客さまの来店増加を促したと考えています。
創業100周年

1925年にラジオパーツの販売店としてスタートした当社は、時代やお客さまの暮らしの変化に対応しながら、家電量販店、総合ディスカウントストアへと業態を進化させてきました。今期、当社は創業100周年という大きな節目を迎えます。これを機に、次の100年に向けた取り組みを進めていきます。
取り組みの1つ目は、理念体系の再構築です。100周年という節目を迎え、当社のルーツと、これまで築いてきた価値を再確認するものです。その上で、これからの100年に向けて、ミスターマックスの新たな理念体系とブランディング戦略を策定します。
2つ目は、PB商品のリブランディングです。コンセプトやデザインをあらためて見直し、暮らしをより豊かにするPB作りに取り組みます。
3つ目は、100周年記念販促です。7月の「100日前SALE」を皮切りに、創業月である10月には「大創業祭」を開催します。具体的には、これまでのご愛顧に感謝の気持ちを込めて、100周年記念セールを実施します。これを機に、これまで当社を支えてくださったお客さまはもちろん、最近ご利用のないお客さまや、まだ「MrMax」をご利用いただいていないお客さまにも、当社の魅力を感じていただけるような販促活動を進めていきます。
Select美野島店 24時間営業・免税対応

今年5月に改装した「MrMax Select美野島店」の取り組みについてです。
7月から「MrMax」初の24時間営業を開始しました。「MrMax Select美野島店」は、博多駅から1キロメートルの距離に位置し、夜間も人通りが多いエリアにあります。もともと9時から24時と当社で最も長い営業時間の店舗でしたが、多くのお客さまから営業時間延長のご要望をいただいていました。今回、24時間営業に合わせて生鮮食品の品揃えや納品頻度を見直し、夜間でも必要な商品が購入できる体制を整えました。その結果、多くのお客さまから「深夜に買い物ができるので、とても便利になった」と喜びの声をいただいています。
また、インバウンド需要の増加を受け、コロナ禍で休止していた免税対応を再開しました。海外のお客さまに人気のある福岡の名産品やキャラクター雑貨などの売場を新設しています。ただ需要に応えるだけではなく、楽しんでお買い物いただける環境作りにも努めていきます。
今後もエリア特性に応じた適切な営業時間の設定と取り組みを進めていきます。
オンラインストアの取り組み状況

成長戦略の柱となるオンラインストアの取り組みについてです。オンラインストア会員数は累計で45万人を突破し、順調に右肩上がりに推移しています。ただし、全社の売上に影響を及ぼすまでには至っていません。
しかしながら、オンラインストアでの購入者の約半数が店舗での商品受け取りを選択しており、新しい来店動機や来店スタイルにつながっています。
また、即配サービスについては、福岡市近郊から北九州市、埼玉県所沢市へとエリアを拡大しました。現在は約85万世帯を対象に、日用品に加えて生鮮食品なども注文できるようになっています。注文から最短5時間でお届けするため、子育て中の方や、重たい米や飲料などを購入される方など、多くのお客さまからリピート利用をいただいています。今後はオムニチャネル利用者の拡大を目指し、取り組みのスピードをさらに上げていきます。
5年後の2029年2月期には、中期経営計画目標であるオムニチャネルの売上高構成比10パーセントを達成する予定です。
2026年2月期 新店

出店についてご報告します。今年7月、千葉県佐倉市にある既存のショッピングセンター「イオンタウンユーカリが丘」の2階に「MrMax Selectユーカリが丘店」を出店しました。 売場面積は約800坪で、当社の小型タイプであるSelect業態での出店となります。洗剤などの日用品をはじめ、暮らしを豊かにするキッチン用品、ペット用品、コスメ、文具などを充実させ、多彩な商品を取り揃えています。
「MrMax Selectユーカリが丘店」では、ショッピングセンター全体の品揃えのバランスを考慮しつつ、「こんな商品があればうれしい」という地域住民の声に応える店舗を目指していきます。今後「MrMax Selectユーカリが丘店」が成果を上げることで、同様のショッピングセンターへの出店も増やしていけると考えています。
2026年2月期 新店

今年8月にオープンした「MrMax別府店」についてです。別府市には、「MrMax」の前身である「平野電機」時代の1971年に出店し、1999年まで営業していました。今回は約26年ぶりの出店となります。売場面積は約1,400坪と当社としては比較的コンパクトな売場に、生鮮食品から家電製品、日用雑貨まで幅広く取り揃えたスーパーセンターの業態となっています。
生鮮食品を取り扱うスーパーセンターという特性上、通常のディスカウントストア店舗に比べて来店頻度が高く、売上高や客数の増加に大きく貢献する店舗です。また、久しぶりの別府への出店ということもあり、オープンを楽しみにしてくださったお客さまが多数いらっしゃいました。非常に多くのお客さまに来店いただき、好調な滑り出しとなっています。
新店【2027年2月期】

来期の新店予定についてお知らせします。2026年春に、福岡県福岡市に「MrMax和白店」を小型のSelect業態で単独出店する予定です。また、2026年初夏には、福岡県小郡市に「MrMax小郡店」をスーパーセンターとして出店する計画です。
現時点でご紹介できるのは、大店立地法の届出が済んでいる2店舗のみですが、この他にも複数店舗の出店計画を進めています。中期経営計画で掲げた25店舗の新規出店目標に向けて、出店を加速していきます。
以上で私からの説明を終わります。ありがとうございました。
石井:先週の決算発表後に行った数件の機関投資家面談で多くいただいたご質問に回答します。1つ目が業績予想、2つ目が備蓄米、3つ目が人件費、4つ目が新店に伴う人材の採用についてです。以下、順番にお答えします。
質疑応答:営業利益の上方修正値について

1つ目のご質問は業績予想についてです。「業績予想の営業利益について、上期4億円の上振れに対して、通期で3億円の上方修正に留まっている理由を教えてください」というご質問です。
下期の業績に関しては、売上総利益の改善幅を保守的に見直しました。期初には荒利益率で前期比0.4ポイントほど改善する計画を立てていましたが、上期の実績が前年同期比0.2ポイントの改善に留まったため、下期についても前年同期比0.4ポイントの改善は難しいと考えました。
また、販管費が予想以上に増加している点も業績予想に織り込みました。キャッシュレス手数料や人件費については期初よりも増加することを想定していましたが、それをやや上回るペースで経費が増加しています。
質疑応答:備蓄米の販売状況と影響について

2つ目のご質問は備蓄米についてです。「備蓄米はまだ売れていますか? 影響はいつまで続きますか?」というご質問です。
「MrMax」では6月から備蓄米の販売を開始し、現在も順調に売れています。随意契約をした4,980トンは「MrMax」の販売実績の約半年分に相当しますが、10月中には全量販売を完了する予定です。
お客さまは銘柄米、ブレンド米、外国産米、備蓄米の中からお好みの商品をお買い上げいただいており、米全体の売上も増加しています。ただし、11月以降は米の売上の伸びが一巡すると見込んでいます。
備蓄米をきっかけに新たに来店いただいたお客さま、久しぶりに来店いただいたお客さまも多くいらっしゃいます。こうしたお客さまにリピート顧客になっていただけるよう、店作りを強化し、業績拡大につなげていきます。
質疑応答:人件費増加への対策について

3つ目のご質問は人件費についてです。「人件費は今後も増加していくと思いますが、その対策はいかがですか?」というご質問です。
上期の人件費の伸び率は前年同期比6パーセント台で、期初に想定した範囲でした。店舗運営コスト削減の一環として、昨年から今年5月にかけて全店舗のレジの約8割をセルフレジに切り替えました。それにより、店舗作業時間を約6パーセント削減できる見込みです。
今後も業務効率の改善を進めるとともに、荒利益率の改善を図り、経費増を吸収できる収益体制の構築に取り組んでいきます。
質疑応答:新規出店に向けた人材採用の進捗状況について
4つ目は採用についてです。「新規出店に先立ち、人材採用は計画どおりに進んでいますか?」というご質問です。
今期は新卒60名、中途採用40名、合わせて100名の採用を計画しています。来年4月入社の内定承諾者数は、すでに今年4月に入社した27名を上回る人数になっています。また中途採用では、バイヤーなどの専門職だけでなく、店長職まで拡大し、人材の確保を進めています。
事業拡大に向け、人材の確保は重要な課題と認識し、取り組んでいます。
以上、よく寄せられる4つの質問に対する回答でした。
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