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株式会社アジュバンホールディングス4929

東証スタンダード

化学

会社概要

中村豊氏:みなさま、こんにちは。株式会社アジュバンホールディングス代表取締役会長兼社長の中村豊です。本日は、2026年3月期中間期決算についてご説明します。

まず、会社概要を簡単にご説明します。当社は、株式会社アジュバンコスメジャパンを中核企業として、美容サロン向けにスキンケア商品およびヘアケア商品を販売する化粧品メーカーです。

アジュバンの事業領域(1)市場動向①

足元の美容サロンにおける市場規模は約2兆6,000億円で、前年比で5.3パーセント増加しています。

アジュバンの事業領域(1)市場動向②

当社の主な販売先である美容室の市場規模は約1兆3,000億円で、前年比マイナス0.1パーセントという状況です。近年は男性のお客さまの利用が増加しており、男性のみでは前年比で4.8パーセント増加しています。

アジュバンの事業領域(1)市場動向③

理美容室の軒数は増加しています。美容室は前年比1.5パーセント増の27万4,000軒、理容室は前年比1.4パーセント増の11万軒となっています。

アジュバンの事業領域(1)市場動向④

理美容室で使用される化粧品の市場規模は、2024年度で1,600億円弱です。内訳は、ヘアケア剤が700億円弱、カラー剤が500億円弱となっています。

今後は少子化の影響を受け、市場規模はやや縮小していく見込みです。

アジュバンの事業領域(1)市場動向⑤

美容サロン業界の特徴として、エステやネイルなどヘア以外のメニューの伸長が目立ち、一人ひとりのお客さまの多様性に対応することが求められています。

アジュバンの事業領域(2)取り組み①

当社は、美容サロンやスタッフのみなさまに合ったサービスを提供するとともに、サロンをご利用のお客さまに当社のファンになっていただけるよう、安心・安全で高品質な商品の提供を心掛けています。

アジュバンの事業領域(2)取り組み②

当社は、ディーラーや美容サロンを対象に、カウンセリング力の向上を目的とした研修セミナーをきめ細かく実施しています。

アジュバンの事業領域(2)取り組み③

当社は創業当時から、「人間が本来持っている、自ら健やかになろうとする力を引き出す」を商品開発の基本方針に掲げています。商品の主成分である糖とミネラルを独自のバランスで配合し、ノンオイル・ノンアルコール・無着色で、肌や髪のトラブルの原因となる要素を極力取り除いた商品を提供しています。また、人と環境に配慮した製品づくりを行っています。

アジュバンの事業領域(2)取り組み④

商品については、正しい知識と技術をお客さまにご理解いただけるよう、社内外を問わずサポートを徹底しています。

売上高・経常利益推移

それでは、2026年3月期中間期決算についてご説明します。

決算サマリー

中村卓哉氏:みなさま、こんにちは。経営管理本部本部長の中村卓哉です。2026年3月期中間期の連結業績についてご説明します。

まず、決算サマリーです。営業利益は前年同期を下回る減収を、IT関連費、業務委託料、研究開発費などの販管費を削減しましたがカバーすることができず、前年同期比で7,700万円減となりました。

オンライン環境や営業管理プラットフォームなどを活用し、営業活動の効率化を図る環境改善に加え、社員への浸透促進活動を実施しましたが、売上高は前年同期より減少しました。

また、新商品ブランドの上市やプロモーション強化に取り組みましたが、スキンケア商品およびヘアケア商品の売上はともに前年同期比で減少しました。

なお、通期計画は据え置きとします。ヘアケア商品の新ラインとヘアカラー商品の新色の発売、デジタルコンテンツの充実などによる売上成長に加え、コストダウンの徹底により、通期計画の達成を目指します。

業績ハイライト(1)

業績について詳しくご説明します。連結売上高は18億5,500万円となり、前年比マイナス10.8パーセント、2億2,300万円の減少となりました。オンライン環境や営業管理プラットフォームなど、営業活動の効率化を図る環境改善に加え、社員への浸透促進活動を実施しましたが、売上高は減少しました。

連結営業利益はマイナス2,100万円で、前年比7,700万円の減少となりました。これは、IT関連費・業務委託費・研究開発費などの削減を行ったものの、減収による粗利益の減少を補いきれなかったことが要因です。

業績ハイライト(2)

連結損益計算書の主要数値です。営業損益および経常損益は、売上高減少による粗利益の減少を販管費削減で補うことができず、前年同期を下回りました。

一方、親会社に帰属する中間純損益は、投資有価証券売却益や法人税等調整額などにより、前年同期を上回る結果となりました。

連結営業利益 前年同期比増減要因

営業利益の前年同期比増減要因についてです。

売上要因により前年同期比で1億1,200万円の減少となった粗利益を、IT関連費2,600万円、業務委託料1,800万円、研究開発費1,400万円の減少などでカバーできず、当期の営業損益はマイナス2,100万円となりました。

カテゴリー 別売上高成長率

カテゴリー別の売上高についてです。売上全体の33.2パーセントを占めるスキンケア商品は、2026年3月期中間期累計で前年同期比15.4パーセントの減少となりました。また、売上全体の64.4パーセントを占めるヘアケア商品は、前年同期比5.6パーセントの減少となりました。

四半期ごとのカテゴリー別売上高の推移は、スライド右側のグラフに示したとおりです。特にスキンケア商品の伸びが鈍化しています。

四半期 営業利益推移

四半期ごとの業績推移です。売上高は第1四半期、第2四半期ともに前年同期比で減少が続き、苦戦しました。営業利益についても、先ほどご説明したとおり減益となり、赤字を計上しました。

2026年3月期 業績予想

2026年3月期の業績計画についてご説明します。

通期計画は据え置きとし、ヘアケアの新ラインやヘアカラーの新色発売、デジタルコンテンツの充実などによる売上成長およびコストダウンの徹底により、通期計画の達成を目指します。

2026年3月期の売上高は43億6,500万円で、前年比プラス2億6,700万円の計画です。営業利益は前年と同額の1億2,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比プラス3,300万円の7,300万円を計画しています。

2026年3月期の取り組み(1)

営業戦略について詳しくご説明します。

生産性向上を図るための戦略として、次の4点を実行します。1点目は新規顧客獲得プロモーションの拡大、2点目は店販活動の活性化施策、3点目はリピート機会損失の軽減とクロスセルの向上、4点目は情報一元化による効率化です。

2026年3月期の取り組み(1)- ①

新規獲得プロモーションの拡大についてです。これまでアジュバンサロン(AS)契約時に求めていた登録時10万円以上の仕入れ条件を撤廃し、当社商品を取り扱う美容サロンの増加を図ります。

2026年3月期の取り組み(2)- ①

スタッフキャンペーンを開放することで、取引しやすい環境づくりに取り組んでいます。

2026年3月期の取り組み(2)- ①

店販活動の活性化施策として、2025年7月から実践的な店販特化型セミナーを開始しました。「スキンケア」「離脱客」「年代別」へのアプローチ力、カウンセリング力の向上を目指し、従来の知識型よりも実践的なセミナーを今後も展開していきます。

2026年3月期の取り組み(2)- ②

セミナーの詳細は、スライドに記載のとおりです。

2026年3月期の取り組み(3)- ①

「ADJUVANT LINK(アジュバンリンク)」の活用により、商品購入リピート機会損失の軽減を図るため、サイト回遊におけるクロスセル向上、オフィシャルキャンペーンによる購入促進、AI肌診断「Mite Photo(ミテフォト)」を活用したスキンケアアプローチの強化に取り組んでいます。

2026年3月期の取り組み(4)- ①

さらに、サロン向けの「アジュバンアプリ」の提供を開始し、商品情報やキャンペーン企画などをアプリから直接サロンに情報提供できる仕組みを準備しました。こちらでセミナー情報も一元管理できます。

2026年3月期の取り組み(5)- ①

すでに発表していますが、2025年3月21日付で株式会社シアー・プロフェッショナルを株式会社アジュバンコスメジャパンに統合しました。今期からは業務用カラー事業において、アジュバンコスメジャパン商品とのシナジー効果を発揮する戦略を展開しています。

2026年3月期新製品

今期の新商品は3ラインです。6月には「LOOP SHEERD. COLOR(ループシアードカラー)」のファッションカラーとグレイカラーの追加色を発売しました。

また、アウトバス・システムトリートメント剤「nyu by adjuvant(ニュウ バイアジュバン)」、さらにアウトバス・スタイリング剤「muts totte(ミューツ トッテ)」の販売を開始しました。

2026年3月期 SNS情報発信

SNSでの情報発信も強化しています。今年度から「Instagram」で、一般ユーザー向けとサロン向けの2つのアカウントで情報発信を行っています。

一般ユーザー向けにはマスターブランド「アジュバン」の認知向上を主な目的として発信を行い、サロン向けには、サロンワーク内での商品アプローチ情報やオフィシャルセミナー情報を提供しています。

今後に向けて

第3四半期以降は、当中間期の取り組みを踏まえ、取引のある美容サロン向けのカウンセリングコンテンツを強化しつつ、AI肌診断「Mite Photo」のサロン導入サポートを実施します。また、6月に発売した製品の販売支援強化、ECサービス「ADJUVANT LINK」の強化によるリピート機会の向上などを進めていきます。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

資本コストや株価を意識した経営の実現を目指す対応についてご説明します。直近のROEは改善しているものの、当社が認識する株主資本コストにはまだ到達していない状況です。また、親会社株主に帰属する当期純利益が低下したことにより、ROEの水準も低下傾向にあります。

売上成長の加速と経営体質の強化を通じて企業価値の向上に努め、ROE8パーセントの早期達成とPBR1倍以上の維持を実現していきます。

サステナビリティ経営に向けて

最後に、サステナビリティ経営についてご説明します。今期から、サステナビリティ方針を明確に設定し、「ADJUVANTサステナビリティ基本方針」として実践します。

基本方針には、「ADJUVANTは、『美と健康を通じてすべての人に夢と感動をお届けする』という経営理念のもと、事業を通じてサロン市場の持続的成長に貢献し、人にとって、社会にとって、地球にとって、やさしい環境の実現に貢献していくことを目指します」を掲げています。

また、マテリアリティ(重要課題)として「地球環境への配慮」「社会貢献」「持続的な企業成長」「安心・安全・公平な労働環境」の4つを設定しています。各カテゴリーに具体的なテーマと目標を定め、実践していきます。

ご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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