2025年6月期 通期業績予想の修正

伊藤文隆氏(以下、伊藤):アクシスコンサルティング株式会社代表取締役社長COOの伊藤です。本日は、通期業績予想の修正、2025年6月期第3四半期の業績、次期3ヵ年数値目標の修正についてご説明します。

通期業績予想の修正についてです。第3四半期決算を踏まえ、通期業績予想を修正することとしました。売上高は52億1,000万円となる見込みです。人材紹介において、大手コンサルティングファームの人材需要が期初予想を下回り、減収となっています。一方、スキルシェアは体制強化などが奏功し、期初予想を上回る見込みです。

この結果、全体での売上高は、期初予想の52億円を上回る見通しです。一方、営業利益は1億7,000万円、経常利益は1億7,000万円、当期純利益は2億7,000万円と、人材紹介の減収が大きく影響し、期初予想を下回る見通しです。

2025年6月期 通期業績予想の修正

各サービスの指標です。人材紹介の入社決定人数は、売上高と同様に、期初予想を下回る見込みとなっています。ただし、事業会社の新規開拓は進んでおり、顧客数は拡大しています。スキルシェアの稼働人数は堅調に推移し、前期比、期初予想ともに上回る見込みとなっています。

従業員数は、2025年6月期末において150名を見込みます。期初予想の159名には届かないものの、フロント部門は概ね目標に近い人数となっており、着実に増加しています。採用については、引き続き注力していきます。

2025年6月期 通期業績予想の修正要因

業績予想の修正に至った要因をまとめました。大手コンサルティングファームの採用抑制について、期初において想定できておらず、決定人数の減少となったことが大きな要因の1つです。ただし、そのような採用抑制の中、コンサルティング業界において当社の決定数はNo.1とシェアを拡大し、採用復調時にも高いシェアが獲得可能なリレーションを構築しています。

事業会社向け人材紹介においては、フロント部門の採用活動はほぼ予定どおりに推移し、事業会社の新規取引口座数は順調に進捗しています。一方で、子会社の吸収合併に起因し、期初に想定していなかったフロント部門の退職者が一定数発生しました。これが期中の決定人数の減少につながり、目標に届かない結果となる見込みです。

スキルシェアについては、フロント人員の増加、管理体制の強化により、顧客フォローが充実しました。これに伴い、契約継続率の向上、提案機会の増加につながり、売上高は期初予想を上回ると同時に、5四半期連続で過去最高の売上となる見込みです。加えて、大阪に事業所を開設し、すでに売上として実績化しており、引き続き伸長が見込まれます。

今回の業績の修正により、株主さまをはじめステークホルダーのみなさまには、ご心配をおかけしています。今後も、企業価値の向上に努めますので、引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

通期業績予想を修正したことを踏まえ、次期3ヵ年の数値目標を新たに策定しました。こちらは後ほどご説明します。

2025年6月期 第3四半期累計 業績ハイライト

笹井亮兵氏:執行役員コーポレート本部長の笹井です。2025年6月期第3四半期業績の詳細についてご説明します。第3四半期累計の業績ハイライトです。

売上高は、大手コンサルティングファームの採用縮小により減少しました。一方、スキルシェアは大幅に伸長し、全体としては前期比較で15.8パーセントの増収、37億8,000万円となっています。営業利益は、粗利率の高い人材紹介の減収が大きく影響し、前期比較で76.2パーセント減少、1億2,500万円となっています。

2025年6月期 第3四半期累計 決算概要

決算の概要です。売上高は前期と比較して増加し、特にスキルシェアの売上高は、前期比68.7パーセント増と大きく伸長しています。しかしながら、営業利益、経常利益、当期純利益は、粗利率の高い人材紹介の減収と人員増加による人件費増加で、減益となっています。

売上高 (四半期推移)

売上高の四半期推移です。前年同期比で2億600万円の増収となっています。人材紹介は減収となりましたが、スキルシェアは体制強化で大きく伸び、前年同期比で増収となっています。

売上高 (四半期推移) −人材紹介−

人材紹介の売上高の四半期推移です。前年同期比で5,700万円の減収となりました。入社決定数も減少していますが、当社の強みであるマネージャー以上の採用決定は堅調に推移し、平均売上単価は高い水準を維持しています。

売上高 (四半期推移) −フリーコンサルBiz (スキルシェア)−

スキルシェアの売上高の四半期推移です。前年同期比で2億6,300万円の増収となり、5四半期連続で過去最高の売上高を更新しています。同様に、稼働人員も増加しています。

売上総利益 (四半期推移)

全体の売上総利益です。前年同期比で2,500万円の減収となっています。スキルシェアが貢献していますが、粗利率の高い人材紹介の減収が大きく影響しています。

サービス別の粗利 (四半期推移)

サービス別の粗利です。人材紹介は売上の減少と比例して、粗利額も減少しています。スキルシェアの売上は増加基調であり、粗利率の改善に努めています。

販売費及び一般管理費 (四半期推移)

販売費及び一般管理費の四半期推移です。人員増加により、人件費及び採用費が増加しています。従業員数については、目標は未達となっているものの着実に増員しており、引き続き採用には注力していきます。

営業利益 (四半期推移)

営業利益の四半期推移です。人材紹介の減収と人員増加による人件費の増加で、営業利益は低い水準で推移しています。足元は営業減益となっていますが、引き続き人的投資には注力し、中長期的な成長につなげていきます。

貸借対照表

貸借対照表です。引き続き、財務基盤は安定しています。現預金残高は高い水準を維持していますが、これは投資余力と捉えており、後ほどご説明する次期3ヵ年における投資にて有効に活用していきます。今期から配当を開始することもあり、株主還元も重視していきます。

2025年6月期 配当予想

配当予想です。冒頭で業績予想の修正をご説明しましたが、配当予想に変更はありません。期初予定どおり、1株あたり35円の配当を予定しています。

決算のポイント (2025年6月期 第3四半期)

決算のポイントです。冒頭でもご説明しましたが、通期は減益予想となっています。スキルシェアは、5四半期連続で過去最高の売上高を更新中です。一方、人材紹介は大手コンサルティングファームの採用抑制で減少しています。しかしながら、マネージャー以上の人材需要は底堅く、復調時にも高いシェアを獲得できるリレーションを構築しています。

以上、業績の詳細をご説明しました。

2025年6月期(中期数値目標1年目)の振り返り

伊藤:次期3ヵ年数値目標についてご説明します。従来掲げていた中期数値目標について、1年目である2025年6月期を振り返ります。

スキルシェアは堅調に推移し、期初予想・前期比とも大きく上回っています。売上高は目標を達成する見込みです。しかし、大手コンサルティングファームの採用抑制が大きく影響し、営業利益は目標に届かない結果となる見込みです。足元の状況を踏まえ、より大きな成長が必要と考え、投資計画を大きく見直すこととしました。

次期3ヵ年数値目標の修正について

スライドは、投資計画を見直した次期3ヵ年の数値目標となります。前回示した目標を上回る成長を目指します。そのためにも、広告、IT、採用の3つについて、合計約30億円の投資を行っていきます。

これにより、各事業年度にて前回示した数値目標を上回る売上高を計画しています。営業利益については大きく投資を行うため、いったん前回の目標を下回りますが、この3ヵ年が終了した時点では前回目標を上回る14億円となる予想です。

次期3ヵ年数値目標修正の理由

新たな投資計画に至った背景と内容です。背景として、人材紹介においては、成長の加速に向け、事業会社に対する認知度のさらなる向上が不可欠となります。スキルシェアにおいては、旺盛な需要に応え、さらなる成長の機会を逃さないことが必要だと考えています。

そこで、認知度向上のための広告宣伝の強化、AIを活用したビジネスフローの効率化を狙ったIT投資の強化、最も重要である人材への継続投資・採用強化、この3つに力を入れていきます。

以上、ご説明した投資を着実に実行することで、次期3ヵ年の数値目標を達成することに努めていきます。

新たに設定した2031年目標

ステークホルダーのみなさまには、この3ヵ年の先における、あるべき姿を示しておきたいと思います。2031年6月期には、売上高200億円、営業利益37億円を中期的なマイルストーンとして掲げます。

2031年目標に向けたロードマップ

スライドは、2031年を目標としたロードマップとなります。2028年6月期の売上高100億円超、時価総額100億円は、2031年6月期の通過点と捉えています。潤沢な資金をもとに積極的な投資を行い、トップラインを継続的に成長させ、2031年6月期には売上高200億円を達成し、より効率的に稼ぐ経営に進化していきます。

長期的な成長イメージ

長期的な成長イメージもあわせてお示しします。2031年までを第1フェーズと捉え、人材紹介・スキルシェアを育成していきます。2031年以降を第2フェーズと捉え、より広い大きな市場に進み、既存事業で培ったナレッジとリソースを活かして、新規領域にも事業展開を行っていきます。

株主のみなさま並びにステークホルダーのみなさまには、当社の長期的な成長にご期待いただき、引き続きご理解とご支援のほどよろしくお願いします。