事業概要
北原巻雄氏:取締役経営管理本部長の北原巻雄です。はじめに、事業概要等についてご説明します。当社は、建設業・建設現場を主要な顧客として、主力のデジタルデータサービス事業(DDS事業)を全国に展開しています。
DDS事業では、従来、特に建設現場におけるICTの活用による生産性向上支援を中心に事業を展開してきました。本中期経営計画においては、「サイトアシストパッケージ」の提案を中心に活動しています。この詳細については、次の主力商品サービスのパートでご説明します。
また、測量計測システム事業(SMS事業)は、主に建設現場で使う測量計測システム等をレンタル中心に行っている事業です。
その他の事業では、同じく建設現場向けユニットハウスレンタル「スマートハウス」の提供と、道路標識・標示等の設置を行う専門工事業を行っていますが、こちらはごく限られたエリアで展開しています。
CTSの果たす役割と強み
当社の果たす役割と強みについてご説明します。
当社の使命として、全国の建設業・建設現場の支援を掲げています。全国の建設業・建設現場は日本を支える地場産業であり、道路をはじめとした社会インフラ等の維持・発展と一体であると捉えています。
建設業が現在抱えている課題は、スライド中段に記載のとおり、少子高齢化などによる労働力不足に加え、2024年4月1日以降、建設業に罰則付き時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」等もあり、非常に深刻な状態です。
また、業界特有の事情として、有期で毎回異なる仕事環境であることから、生産性を高める業務環境を構築しにくい背景があります。当社はこのような建設現場の課題解決に対し、ICTをもって貢献していきます。
当社の強みはスライド下段に記載の3点です。1つ目は、建設業・建設現場に特化したICT支援ができることです。2つ目は、レンタルの提案が可能なことです。3つ目は、全国にネットワークを持っており、安定した品質で全国の現場を個別にサポートできることです。
これらの強みを活かした建設業の支援等を通じて、当社は持続可能な社会基盤の構築に貢献していきます。
全国ネットワーク ―参考資料―
全国ネットワークの状況です。現在、北は北海道から南は沖縄まで、全国に31拠点を展開しています。また、本社近隣にはデジタル機器管理センター、測量機器管理センターを設置し、全国の拠点を通じて提供しているレンタル品を集中管理しています。
通期計画対比
2025年3月期通期決算概要についてご説明します。
まず、公表している外部計画との対比からご説明します。実績として、売上高は118億2,100万円、計画比98.5パーセント、営業利益は30億7,700万円、計画比102.6パーセント、経常利益は31億6,200万円、計画比107.2パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は21億9,000万円、計画比110.6パーセントとなりました。
結果として売上高のみ未達成となりましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については計画達成し、営業利益は初めて30億円を超えました。
また、経常利益ベースでは、戦略的な出資先であるファイルフォース株式会社の業績改善に伴う持分法投資損失の減少等により大幅に計画達成し、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益も10パーセント超過しての計画達成となりました。
全社損益概要
続いて2024年3月期との対比でご説明します。売上高は前期比106.6パーセント、売上総利益は106.5パーセント、売上総利益率は51.4パーセントで同値です。主な要因として、既存顧客を中心に主力のDDS事業の商品・サービスの受注が増加したことから、売上高および売上総利益が増加しました。
販管費は前期比105.6パーセントとなりました。こちらは処遇改善等による人件費の増加に加え、マーケティング活動費用を含む営業活動費用が増加したことによるものです。
結果として、営業利益は前期比107.4パーセント、営業利益率は0.2ポイントの改善です。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は先ほどご説明したとおりで、それぞれ前期比113.5パーセント、117.8パーセントとなっています。すべての項目で前期を上回る実績となりました。
全社損益概要
全社損益概要について、売上高と営業利益に焦点を当ててご説明します。売上高は16期連続での増収、営業利益は14期連続での増益となり、いずれも過去最高の実績です。
全社損益概要
スライドのグラフは、営業利益の増加要因について内訳を分解したものです。増加の大きな要因として、増収が挙げられます。売上が増えたことにより3億7,600万円増加しています。
一方で、販管費は人件費が1億1,900万円、その他の項目が4,000万円増加しましたが、売上高、売上総利益の増加により、これらをカバーすることができました。
セグメント別損益概要
セグメントの概要についてご説明します。こちらのスライドには、当社の3つのセグメントについて、同じ数字軸で比較したグラフを記載しています。
事業の大きさは、DDS事業に対してSMS事業の売上がおよそ半分、次いでその他事業がさらにその半分ほどのボリューム感となっています。
DDS事業は売上高・営業利益が確実に増加している反面、SMS事業とその他事業はほぼ横ばいになっていますが、中期経営方針のとおり、当社の成長ドライバーはDDS事業です。
デジタルデータサービス事業の損益概要
各事業の状況についてご説明します。
DDS事業では、売上高は68億9,600万円、前期比108.6パーセント、営業利益は21億4,400万円、前期比109.7パーセント、営業利益率は31.1パーセント、前期比プラス0.3ポイントとなりました。売上高は16期連続の増収、営業利益は11期連続の増益で、いずれも過去最高となっています。
デジタルデータサービス事業の損益概要
DDS事業における営業利益の増減内訳です。増収による営業利益の増加が3億1,300万円で、こちらが大半を占めています。
一方で、営業活動費用の増加およびデジタル機器管理センターの体制強化に伴う人件費の増加等などにより販管費が増加しましたが、最終的にはこちらを吸収し、増益を達成することができました。
測量計測システム事業の損益概要
SMS事業です。売上高は35億600万円、前期比107.4パーセント、営業利益は6億5,500万円、前期比111.8パーセント、営業利益率は18.7パーセント、前期比プラス0.7ポイントとなりました。
測量計測システム事業の損益概要
営業利益の増減要因は、売上の増加が一番大きな要因となっています。
貸借対照表概要
財務情報・経営指標についてご説明します。
貸借対照表の概要です。総資産は170億8,000万円となり、前期比で3億6,900万円増加しました。これは主に、現金及び預金が24億2,200万円減少した一方、投資有価証券の取得および評価益で28億5,600万円増加したことが大きな要素です。
一方で、負債・純資産合計はスライドに記載のとおりです。自己株式取得と配当金支払いによる減少はあるものの、当期純利益の計上に加え、投資有価証券の評価益による増加が大きな要素となり、純資産は前期比で増加しています。結果として自己資本比率は2.2ポイント上昇しました。
キャッシュ・フロー計算書概要
キャッシュ・フロー計算書の概要です。現金及び現金同等物の期末残高は45億2,900万円で、1年を経ておよそ24億円減少する結果となりました。営業活動、投資活動、財務活動それぞれの要因はスライドに記載のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローでは28億4,200万円と、確実にキャッシュを稼ぐことができています。
投資活動によるキャッシュ・フローは24億4,700万円となり、これは主に投資有価証券取得の22億3,800万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは28億1,600万円となり、これは主に自己株式の取得と配当金支払いによるものです。
その他経営指標
その他の経営指標です。重要指標のROA・ROEについてご説明します。
ROAは18.7パーセント、ROEは17.5パーセントとなり、いずれも2024年3月期より上昇させることができました。背景として、先ほどご説明した本業による収益拡大に加え、戦略的な出資先であるファイルフォース株式会社の業績改善等が貢献しています。
ROAとROEの上昇については、今後、特に収益の向上により、毎期確実に利益を増やしていくことで中期経営目標の達成を図っていきます。
リピート率の状況
リピート率の状況です。2025年3月期の結果は70.1パーセントとなり、前期比で0.6ポイント減少しました。これは主に、公共工事の件数動向が鈍く、リピート利用につながらなかったことによるものです。
取引現場数推移
取引現場数の推移です。スライドの表では、取引現場数を指数化して示しています。
2020年3月期第1四半期の実績を100パーセントとした場合、2025年3月期は162パーセントと、6割強増加しました。グラフをご覧いただくと増減がありますが、これは業界および当社の業態を踏まえた季節変動を加味したものです。
そのためグラフでは各期を同じタイミングで比較するために、赤色の点で第4四半期、オレンジ色の点で第3四半期を示しています。ご覧のとおり、例年に比べ第4四半期の落ち込み部分は一過性のものと想定しており、取引現場数は堅調に推移しています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
金井一智氏:取締役DDS営業推進部長の金井一智です。私からは、主力商品サービスについてご説明します。
まず、「サイトアシストパッケージ」についてです。「サイトアシストパッケージ」は、建設現場で扱う複数のデータや情報を統合し、素早く共有することにより、遠隔地からの業務支援や業務分担を効率的に実施するための環境を提供しています。
昨今の建設現場の課題としては、国土交通省直轄工事におけるICT施工の一般化が進む中、次のステージとなるi-Construction2.0の推進やICT施工ステージ2への対応が求められています。
この中には、データ活用による現場マネジメント、データ活用による現場の見える化という方針が出ており、施工から現場全体のマネジメントに方針が移っており、そこでのデータの活用法が課題となっています。
また、会社全体の課題としては、働き方改革の推進、高齢化・人材不足等への対応など、現場の人的リソースの最大化が重要だと言われています。ここでは、遠隔地からの業務支援、バックオフィスによる業務分担ができる環境構築が課題となっています。
当社ではこのような課題に対し、「サイトアシストパッケージ」を通じて支援を行っています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
「サイトアシストパッケージ」は、3つの要素をパッケージでご提供しています。
1つ目が、現場情報共有プラットフォームである「サイトアシストダッシュボード」です。現場で扱うデータ・情報を統合して活用し、共有する機能を持っています。
2つ目は、「現場情報関連コンテンツ」です。建設業に特化し、現場のマネジメントを行うために必要なさまざまな情報コンテンツを提供しています。
3つ目は、「サイトアシストダッシュボード」と「現場情報関連コンテンツ」を現場で有効的に活用していただくためのハードウェアとして、多機能ディスプレイ、多機能モバイルを提供しています。
これらをパッケージとして提供し、現場でご活用いただくことにより、課題解決の支援を行っています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
「サイトアシストパッケージ」の中身について、詳しくご説明します。
「サイトアシストダッシュボード」は現場のマネジメントに必要なさまざまな情報を統合して活用するためのダッシュボードで、大きく3つの特徴があります。
1つ目は、任意のレイアウトが作成できる点です。スライド左側に示したような固定のレイアウトを使うこともできますし、スライド右側のようにマウス操作のみで任意の画面レイアウトを自由設計できるようにもなっています。
現場の環境に合わせて、例えば重要な情報を大きく表示したり、情報を複数増やしたりすることができます。この任意のレイアウトに対して各種情報コンテンツを設定することで、オリジナルのダッシュボード作成が可能となります。
2つ目は、作成したダッシュボードをファイルとして保存することが可能な点です。スライド左下のデスクトップの画面のように、1つのファイルとしてダッシュボードを保存することができます。
一度設定しておけば、次回からこのダッシュボードファイルを起動することで、複数の情報を1画面に表示できますので、情報検索の手間等がなくなり、効率的な現場のマネジメントに活用いただけます。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
こちらのスライドはダッシュボードファイルのイメージです。
このダッシュボードの中では7つの情報が展開されていますが、一つひとつの情報をそれぞれ立ち上げる必要はありません。ダッシュボードファイルをクリックすると、必要な情報が1画面にすぐに展開されます。複数のデータを活用した現場マネジメントの便利ツールとして利用が拡大しています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
特徴の3つ目は、作成したダッシュボードファイルをメールやチャット等で送ることにより、関係者に簡単に共有できる点です。本社・支店の現場支援室、他現場事務所の専門技術者、OB技術者や社外協力会社などでも、そのファイルをクリックすることで現場と同じ情報を確認することができます。
このような情報共有のしやすさも非常にご評価いただいており、正確な情報をもとに的確な業務支援を行うことが可能となっています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
「現場情報関連コンテンツ」についてご説明します。プライベートコンテンツとして、建設業に特化し、現場のデータをすべて管理できるクラウドストレージ「Fileforce for Construction」というサービスを提供しています。
同じく建設業に特化したクラウドストレージ「iCONBOX」は、「Fileforce for Construction」を現場単位で、工事期間に合わせてレンタルでご利用いただけるサービスです。
クラウド映像サービスの「CAMSTREAMER Cloud」は、フルHD画質対応のライブ映像とクラウド録画サービスです。こちらは海外メーカーのサービスですが、昨年、メーカーとの協業により国内サーバーの設置を実施したことにより、さらに利便性が上がりました。
「PictureMaker」は、施工のすべての記録を短時間のタイムラプス動画として作成できるサービスです。建設現場の技術継承、施工のエビデンス等に活用いただけるもので、2023年度にはNETIS登録を実施しています。
IoT連携システム「D.E.IoT SmartHub」は、AIカメラとIoT機器の連携に加え、取得したIoT情報を可視化できるシステムで、昨年1月にサービス提供を開始しています。
IoT気象情報「ソラテナPro」は、現場の気象データを「D.E.IoT SmartHub」と連携させ、安全管理にご利用いただけるサービスです。こちらはウェザーニューズ社と連携し、昨年11月から提供を開始しました。
プライベートハードウェアである多機能ディスプレイ「MAXHUB」は、社内・社外、対面・遠隔など、複雑化する会議の情報共有に活用いただいています。こちらもメーカーとの協業により、メーカーサポート付きでのレンタルサービスは当社からのみのご提供となっています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
協業コンテンツにおいても、さまざまな会社との協業により新しいサービスを追加しています。先ほどご説明したプライベートブランドのコンテンツの拡充に加え、新しい技術や仕組みを持ったメーカーとの協業により、今後も建設業に特化したコンテンツを増やしていきます。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
「多機能ディスプレイ・多機能モバイル」についてご説明します。「サイトアシストダッシュボード」の機能と「現場情報関連コンテンツ」とともに、現場でよりご活用いただくためのハードウェアとネットワーク等も提供することで、業務支援・業務分担に必要な情報共有のためのインフラを提供しています。
支援室のための大型ディスプレイから、現場事務所で使用する小型ディスプレイまで、さまざまなラインナップを提供しています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
具体的な活用方法です。遠隔地からの業務支援・業務分担を可視化する情報共有インフラとして「サイトアシストダッシュボード」を使用することで、離れた各現場や支援室との情報共有ができます。
さらに共有会議機能である「ホワイトボード機能」を活用することによって、同じ現場にいるような感覚での会議が可能となっています。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
もう1つの活用方法として、現場内のデータ活用と共有による生産性向上のための便利ツールとしての活用があります。
「サイトアシストダッシュボード」では、複数の情報をもとに現場のマネジメントを実施することができます。会議などで使用した内容はQRコード等で素早くスマホやタブレットに情報共有できますので、すぐに現場に持ち出し、業務に着手できます。
主力商品サービス ❶サイトアシストパッケージ
以上の3つの要素を「サイトアシストパッケージ」として提供することで、現場に対してはデータを活用した現場のマネジメントを、会社全体に対してはお客さま自身による遠隔地からの現場の業務支援の運用を、環境も含めてサポートしています。
クラウド映像サービスで官公庁市場へ
2つ目の主力商品サービスとして、「簡易型河川監視カメラ」についてご説明します。新市場である官公庁市場へのサービスとして、クラウド映像サービスを提供しています。
2018年に、国土交通省主導で実施された簡易型河川監視カメラ開発プロジェクト「革新的河川技術プロジェクト第3弾」に参画し、メーカー的な立場で簡易型河川監視カメラを開発・リリースしました。
もともと、レンタルの現場でネットワークカメラと、ネットワークカメラを活用するためのソーラーシステムを提供していましたが、そのノウハウを使って簡易型河川監視カメラの開発に着手しました。
クラウド映像サービスで官公庁市場へ
2018年3月に開発に着手し、2019年4月から簡易型河川監視カメラのリリースおよび設置等を実施しています。
その間、ハードの提供だけではなく、クラウド型のサブスクリプションサービスも拡大しています。静止画の長期保存、タイムラプスサービスを提供する「PictureMaker」、フルHD高画質のクラウド録画サービス「CAMSTREAMER Cloud」等も、官公庁向けにサービスを展開しています。
官公庁向け簡易型監視カメラの実績
官公庁向け簡易型監視カメラの実績です。長野県の隣県を中心に、累計納品台数は1,000台を超えています。また、サブスクリプションサービスにおいても契約数は500ライセンスを超えている状況です。
官公庁での簡易型監視カメラの利用用途拡大
簡易型監視カメラの今後の展開です。簡易型河川監視カメラを中心にスタートした官公庁向けのサービスですが、現在は道路課、観光課、交通政策課等への広がりを見せています。
また、先ほどご説明した簡易型監視カメラについては、単体ではなく、そこに付随するクラウド型のサブスクリプションサービスや「D.E.IoT SmartHub」を用いたカメラのAI機能との連携を行うことで、さまざまなニーズに対応できるサービスも増えています。
このようなサービスをより浸透させるため、新市場への開発拡大を進めていきます。
中期経営計画 ―中期経営方針―
横島泰蔵氏(以下、横島泰):代表取締役社長の横島泰蔵です。私からは中期経営計画及び2026年3月期業績予想についてご説明します。
中期経営計画の方針として、当社は大きな業態転換を目指しています。その方針は、「『ハードを主体としたITインフラのレンタル企業』から、『データ・情報関連サービスを統合的に提供し、建設現場の業務を支援する建設ICTの専門企業』へ変身する」というものです。
既存の建設市場の開拓についてはスライドのような方針で実施します。「何を」に関しては、「サイトアシストパッケージ」の普及を推進します。
「サイトアシストパッケージ」については先ほど弊社部長の金井からもご説明しましたが、各企業内の社内情報インフラとして、現場の協力業者も含めた現場内の情報共有を円滑に行うためのサービスとして提供しています。
「どこへ」に関しては、全国の地場ゼネコン2,600社にターゲットを拡大します。こちらはすべてバイネームであり、2,600社のうち約1,200社に関しては取引口座のある既存のユーザーです。
そして「どのように」として、その2,600社に対する営業活動方針を記載しています。
まず、営業部長による、顧客キーマンへの定期訪問による顧客基盤の構築推進です。これにより、会社経営層との関係を強化していきます。
また、支店営業による、現場キーマンへの水平展開による効率的な顧客開拓も行います。これにより、現場責任者個人との関係強化を図っていきます。
さらに、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセス機能の強化も行います。インサイドセールスに関しては、アウトソーシングを活用して営業活動の効率化を進めていきます。
例えば、既存の上位顧客に対しては支店営業がお客さまを直接訪問し、小規模顧客や新規開拓に対しては、アウトソーシングによるDM・テレマーケティング等による営業活動を推進します。
また、カスタマーサクセスの機能強化により、お客さまの実稼働率の向上を目指します。この施策は「Fileforce For Construction」のアップセル等にもつながっていくと考えています。このような活動により、「Fileforce For Construction」およびクラウド映像サービスにおけるBtoB契約の解約は現在まで0件となっています。
中期経営計画 ―中期経営方針―
新市場開発についてご説明します。こちらも弊社部長の金井がご説明したとおりですが、現在は河川管理から道路管理、観光関連までさまざまな場面での活用が見込まれており、直近ではクラウド映像及びSIM等のサブスクリプション課金の利用も増加してきています。
簡易型監視カメラに関しては、従来の購入だけではなく、レンタルによる活用も広がりつつあります。例えば、災害時や観光イベント時のほか、長野県であれば冬季の積雪状況の確認などでも利用されています。
今後は災害や危機対応時のような場面に役立つ、官公庁向けの「サイトアシストパッケージ」のような商品も開発していきたいと考えています。
中期経営計画 ―中期経営方針(どのように)―
中期経営方針のもと、各事業をどのように展開していくかについてご説明します。DDS事業により、効率的に顧客開拓と顧客基盤の構築を推進していきます。スライドはそのイメージ図です。
従来は左図のように3セグメントを並行して事業展開してきましたが、今後は右図のように、DDS事業の中でも特に「サイトアシストパッケージ」を主体として顧客基盤を構築し、その上でSMS事業等の他のサービスの取引を拡大させていく戦略です。
現にDDS事業の取引現場に関して、インサイドセールスでSMSのリードを獲得し、受注につながるといった状況も出始めてきています。
また、SMS事業におけるハードウェアおよびソフトウェアメーカーは、各々が数社間で協業していることから、差別化がしにくい状況です。
このような状況の中で、当社はディーラーとして世界トップクラスの測量機器管理センターを有しています。そのようなサービス部門を持つことで、アフターサービスを含め、精度面で他社との差別化を図っています。
今後のDDS事業の成長に対して、時間的には多少遅れが生じますが、確実にSMS事業の成長につながっていくと考えています。
中期経営計画 ―中期経営目標―
中期経営目標についてご説明します。
2025年4月28日開示のとおり、中期経営目標の一部を修正しました。修正後の目標は、売上高128億円、営業利益33億円、営業利益率25パーセント超、ROE20パーセント超、リピート率90パーセント超です。
全社業績予想 2026年3月期予想
2026年3月期の全社業績予想についてご説明します。売上高は128億円で前期比108.3パーセント、営業利益は33億円で前期比107.2パーセント、営業利益率は25.8パーセントで前期比マイナス0.2ポイントです。
「サイトアシストパッケージ」の営業展開を軌道に乗せ、17期連続での増収、15期連続での増益を目指します。
また、販管費では体制構築のため、人材・システム等への積極的な投資を見込んでいます。人材に関しては今年6月から給与制度の大幅な見直しを行い、離職防止、円滑な採用を最重要課題として、事業拡大に向けた組織体制を強化していきます。
福利厚生に関しても、職場環境の改善を中心に、有給休暇の取得率アップ、残業時間の短縮、一部事務所等の移転を推進していきます。
投資に関しては、従来のハード中心から「サイトアシストパッケージ」のコンテンツ開発に注力し、資本業務提携を含め、積極的に投資を行っていきます。現在も複数社との協業によるコンテンツ開発が進行しています。
セグメント別売上高予想 2026年3月期業績予想
セグメント別の売上高予想についてご説明します。スライドのグラフからもお分かりいただけるように、この3年間は経営資源をDDS事業に集中させ、中期経営方針に基づき、大幅な業態転換に取り組んでいる最中です。
当社を飛行機に例えるならば、2026年3月期の最大の目標は「サイトアシストパッケージ」のビジネスにおいて、前輪を滑走路から離陸させることです。離陸できれば、今後も拡大が続く建設DX市場で、長期にわたり持続的・安定的に成長する会社に変身できると確信しています。
また、今後の建設DX市場において、多数の新技術によるSaaSのサービスが「サイトアシストダッシュボード」を通じて、多くの建設会社の生産性向上に寄与するものと考えています。
今回の業態転換により、当社とお客さまとの関係についても、「仕入先のレンタル会社」という立ち位置から、「SaaSを中心とした情報共有インフラを提供するパートナー企業」へと、位置づけも大きく変わるものと考えています。
以上のように、時代にチャレンジし、市場をリードしていく当社に今後もぜひご期待ください。
配当予想 2026年3月期予想
配当予想についてご説明します。本中期経営計画期間においては、累進配当方針を採用しています。2026年3月期の配当金は前期比3円増となる28円を予定しています。これは14期連続の増配です。
今後も事業拡大に向けた積極的な投資により、増収・増益・増配を継続していきたいと考えています。
監査等委員会設置会社への移行 ―参考資料―
横島連氏:取締役経営戦略本部長の横島連です。私からは経営管理体制についてご説明します。
すでに開示しているとおり、当社は監査役会設置会社から監査等委員会設置会社への移行について、取締役会で決議を行い、今年6月の株主総会において決裁に諮る予定となっています。
この目的は大きく2点あり、1点はガバナンス体制の強化を図ること、もう1点は意思決定の迅速化を図ることです。この目的を名実ともにしっかり達成するためにも、制度設計を監査等委員会設置会社に移行するとともに、その制度を活かし、内部も大幅に変更していくことを想定しています。
スライドの概要図上段にもあるとおり、現在は取締役会と監査役会があり、取締役会については社内取締役5名、社外取締役3名の計8名で構成している状況です。
社外取締役については、ガバナンス強化やさまざまな知見を取り入れる観点から、徐々に強化してきましたが、一方で業務執行を兼務する社内取締役が中心の体制になっていました。取締役会において重要な業務執行に関する意思決定を行う、いわゆるマネジメント型の運営体制では、これ以上の内部変革は難しい状況です。
そうした中で、先ほどの目的を達成していく上で今後どのような体制をとっていくべきか検討を重ねた結果、監査等委員会設置会社へ移行することが適切だという判断に至りました。
また、今回の目的をしっかりと達成する上でも、純粋に監査等委員会設置会社に移行するだけではなく、制度設計の柔軟性を活かしながら、内部の体制も従来のマネジメント型の組織からモニタリング型の組織へと大幅に振り切るような組織設計を考えています。
変更後のイメージが概要図下段です。変更後は、業務執行を担う社内取締役が1名、監査等委員会メンバーと同一である社外取締役が5名の、計6名で構成される取締役会を想定しています。
これと併せて業務執行に関する権限を大幅に、可能な限り社内取締役へと委譲することで、社内取締役を中心とする業務執行メンバーの中で業務執行に関する意思決定をスピーディに行っていきます。
一方でガバナンスの観点については、監査等委員会メンバーをすべて社外取締役で構成することにより、大幅に強化されることを見込んでいます。
株主総会において本議案が無事通過した際には、新たな体制をもって、よりスピーディな意思決定により、事業の拡大を推進していきたいと考えています。
質疑応答:各サービスの売上高比率について
北村卓也氏(以下、北村):経営管理本部経理部部長代理の北村です。ここからは質疑応答に入ります。
「成長ドライバーである『サイトアシストパッケージ』および官公庁向けサービスのDDS売上高に占める割合はそれぞれどれくらいでしょうか? また、今期以降はどのようなウエイトを占めていくとみていますか?」というご質問です。
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