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細谷佳津年氏:みなさま、こんばんは。本日は、オンライン説明会にお時間を割いていただき、誠にありがとうございます。株式会社地域新聞社の代表を務めている細谷佳津年です。どうぞよろしくお願いします。

本日の説明会の章立てについて、目次をご覧ください。第1章の会社概要、第2章の戦略、および第3章のアセット(企業資産)については、過去の説明会と重複する部分があるため、簡略して進めたいと思います。また、当社のホームページに、これらを詳しく説明した動画が載っていますので、併せてご参照ください。

第4章は、これまでの取り組みについてです。さまざまなアライアンスや種まきしたことが、ようやく数字として現れてくるステージになってきました。これまでの取り組みの中で特に3件の実例を挙げ、実際に上期にどのような数字が計上されたかも示しながら、触れていきたいと思います。

本日のメインは、第5章、第6章になります。第5章では、今までにない新しいビジネスモデルを2つ、下期に実現するという文脈でご説明したいと思っています。

まさに東証の時価総額の件もありましたが、「地域で便益を提供しているフリーペーパー会社がなぜ上場しているのか?」「上場する必要があるのか?」という投資家のみなさまの疑問は、私も常に向かい合ってきたテーマです。当社の現在の考え方も含めて、第6章でご説明します。

第7章では第2四半期の利益に関わる実績と、すでに公表しています通期計画の見直しに着手していますが、その見直しの方向性も含めて、ご説明したいと思います。

01 会社概要

会社概要です。創業は1984年8月で、2025年で41年目となります。所在地は千葉県八千代市で、八千代市は人口約20万人と認識していますが、実は市内での上場会社は当社1社となります。

資本金は5億円を超えました。これは2024年に株主のみなさまをはじめ、投資家のみなさまにご協力いただいたライツオファリングという増資で、財務諸表強化にいったん成功しています。

従業員数は278名、ポスメイトという配布員のみなさまが約2,500名です。また、千葉県全域に契約ライターが150名います。株主数は、2024年2月末と比べて約3倍に増加しています。

01 会社概要

経営理念は「『人の役に立つ』」、ミッションは「地域の人と人をつなぎ、あたたかい地域社会を創る」です。従業員一人ひとりが根っこの部分にこの価値観を持ち、入社して働いている方が本当に多いという実感を、ずっと抱いています。

01 会社概要

1984年の創業から40年です。2007年には当時の大証ヘラクレス(現東証グロース)に上場しました。2024年2月に私が代表を拝命して、現在に至っています。

01 会社概要

当社のビジネス「ちいき新聞」は、スライドにあるようなタブロイド版のフリーペーパーを、千葉県および茨城県の一部に173万部、毎週1回手配りしています。

01 会社概要

フリーペーパー事業のビジネスモデルは、ここで何かを告知したり広告したいというクライアントのみなさまから広告料を収受して、それをもとに紙面を作成し、各ご家庭にお届けするものです。

01 会社概要

当社の「風通しが良く働きやすい企業風土」は、日本では本当に珍しいと実感しています。心理的安全性が非常に担保されており、4要素といわれる「話しやすさ」や「挑戦」を歓迎する風土、「助け合い」の風土がしっかりと根づいています。

なおかつ、緩いサークルのような職場、ぬるい職場にならないのは、各人が「手を抜かない文化」で一本筋が通っている会社だからです。

日本の会社でこれを意識せずに自然に醸成されていることに、私が代表に就任した1年前、ものすごく驚きました。そのため、このスライドを用意しました。

01 会社概要

実際に当社の「note」でいろいろなシリーズを配信していますが、千葉県に配送センターがあり、そこで働いている方々が、印刷された173万部を仕分けして、折込をセットする作業をしています。ご覧のとおり、最年長83歳(当時)の方を含め平均年齢66.1歳ですが、手を抜かない活気のある職場になっています。

「note」をお読みいただくと掛け値なしに書かれてありますので、当社の企業風土のご参考に、ご関心ある方はぜひ手繰っていただければと思います。

02 戦略

戦略についてです。ずっと申し上げてきましたが、スライド左の円グラフのとおりフリーペーパー事業が主体で、売上の7割以上になります。フリーペーパーの会社と内外から認識されてきました。

なぜ私が1年前に当社に希望してジョインしたのかについてお話しします。私は当初、投資家の立場でこの会社とご縁をいただきましたが、フリーペーパー会社に明るい将来性があるとはまったく思っていませんでした。マーケットもしかり、ネットに駆逐されるという意味でもそうです。

私は投資家の立場で、「上場している意味は何なのか?」を当時の経営陣と会話していたのを思い出します。ただ、フリーペーパー事業を40年間継続していた結果、当社の中で構築されてきた数々の価値に触れるにつれ、「フリーペーパーの会社と思われているから、価値が再定義されずに、時価総額も含めて低迷しているのではないか」と思うに至りました。

スライド右側に書いていますが、フリーペーパー事業で培った多くのアセットを活用することに、当社の稀有な特徴が出せると考えています。

02 戦略

実際にフリーペーパー事業だけを拡大していこうとすると、スライド左側の「ランドパワー」のように、千葉県全域を取ったら埼玉県、次に茨城県というように規模を拡大していくしかありません。これはリソースを必要とし、じりじりとじっくり取り組んでいくかたちになります。

当時、私はフリーペーパー全体のマーケットが明るい未来でない以上、この戦略で時価総額40億円のクリアは難しいと思いました。一方で、スライド右側の「シーパワー」は、フリーペーパーの会社ではなく、これからご紹介する当社のアセットを9つに分類整理し、部分的に他社さまと共同で活用していくものです。

新しいサービスを創造したり、千葉県での他社さまのスケール化に当社がご協力するなど、飛び地との組み方が十分可能です。したがって、アライアンスのようにスケールしていこうと思い至ったわけです。これを当社では「シーパワー戦略」と呼んでいます。

02 戦略

中小企業が本業と違う会社とさまざまなアライアンスを模索していく活動自体が、体力・リソースを割かねばならず、その意志を貫徹することが特にコアビジネス部門の理解を得るという文脈や選択と集中を望まれる投資家からの期待という意味で、なかなかチャレンジなテーマだと理解していますが、アセットを訴求しアピールすることで、認識されると逆に他社さまのほうからお声がけいただきます。この1年間、このように開示するなかで、実感している部分です。

03 アセット(企業資産)

先ほどご説明した当社のアセットを9つに分類します。最初のアセットの「信頼」は、創業40年であることと上場していることです。八千代市での上場企業は1社だと申し上げましたが、逆に八千代市の世帯の配布カバー率は、マンションも含めて88パーセントほどになります。

地域新聞社の認知度や、千葉県での配布範囲においては、長年続けていること、あるいは政治的な偏りがないことも含め、非常に信頼性を持たれていると感じます。続いて、スライド左側の輪にある8つのアセットについて、簡単に触れたいと思います。

03 アセット(企業資産)

2つ目のアセットは「世帯数」です。「ちいき新聞」は170万世帯にリーチしています。昔はフリーペーパーがとても好調で、競合他社も多数ありました。結果的にネットに全振りしたり撤退して、現在、170万世帯という規模でフリーペーパーを週1回届けられている会社は、日本中には当社しかいない状態です。

全国には、もっと規模が小さい、あるいは月1回発行などいろいろな会社さまがいますが、この規模は静岡県の全世帯数よりも多いので、非常に大きな財産の1つだと思っています。

03 アセット(企業資産)

3つ目のアセットは「配布網」です。「170万世帯にリーチして物が届けられる」という1センテンスだけで、いろいろ組み方を検討したいと言ってくださる企業さまはたくさんあります。

当社の株主でもあった印刷会社さまが取材した記事を新聞のかたちに整え、千葉県にある配送センターに毎週、173万部が届けられるわけです。先ほど言及した「note」に掲載している方々は、ここで仕分けする仕事をしています。

さらに、170万世帯に配る人たちがいます。だいたい2,500人が手分けして配るため、2,500人の各ご家庭に400部から500部のセットを千葉県の配送センターから運ばなければいけません。その運送会社がノブオ運送さまです。非常に長いお付き合いで、株主にもなっていただいています。

東日本大震災の際にも、ノブオ運送社が地域新聞社の分だけ、ガソリンを別に取っておいてくださいました。「当時はガソリンスタンドがいっぱいでガソリンがまったく補充できなかったが、何事もないように『ちいき新聞』だけはポストに届いている、遅配しない」ということは、当時の方々のエピソードとして私もよく聞きます。

03 アセット(企業資産)

4つ目のアセットは「ポスメイト」です。先ほどご説明したポスメイトは約2,500人いて、この方々が170万世帯のラストワンマイルをリーチしています。今から2,500人もの配布員を集めようと思っても、おそらく難しく不可能ではないかと思います。

03 アセット(企業資産)

5つ目のアセットは「読者」です。170万世帯に配布していますが、そのうちアクティブなファン読者層の6万人が、メルマガ登録をしてくださっています。インタラクティブな読者との関係が常に取れる状態にあります。

直近では来週リリースしますが、母の日のギフトに関するアンケートもインタラクティブな読者に聞くと、手元に1,031名からのご回答をいただいています。要するにテストマーケティングに近いようなこともできます。

ここをきちんと訴求すると、ぜひと言っていただける企業さまがたくさん出てきます。そのなかには、GAFAの一角を占める会社さまもいます。

03 アセット(企業資産)

スライドに記載のとおり、「ごめんね」をお題に参加型のエッセイコンテストを開催したところ、応募総数220通が集まりました。私も最終選考の10作品をすべて読みましたが、非常にエモーショナルで心を動かされるような内容でした。読者の方々の中に秘めている思いを文章にして、紙面で届けて170万世帯の人々におつなぎしています。このような企画でも、生きている紙の実感値がすごくよくわかります。Webでも掲載しています。

03 アセット(企業資産)

また、「約束」という題で小中学生部門のエッセイコンテストを開催しました。最優秀賞の「生まれる前からの約束」という作品は、涙なしには読めないようなレベルでした。当社の指針会というキックオフの場で、最優秀賞の作品を朗読し、作者が感想を話してくれたのですが、社員みんな泣いているような状況でした。こちらもWebでご覧いただけますので、ぜひ読んでいただければと思います。

03 アセット(企業資産)

同じく「読者」のアセットです。千葉県ではさまざまな名産品が販売されていますが、これらを一堂に会して審査するイベントを開催しました。146品目の応募があり、JR千葉駅ビルの「ペリエ千葉」で審査会や表彰式を行いましたが、5,000件近い投票をいただきました。このようなアセットを持っている会社です。

03 アセット(企業資産)

6つ目のアセットは「営業網」です。千葉県内は広いため5ヶ所に支社を設けており、40人の営業担当社員が市内のクライアントを獲得して、コンタクトを取っています。

03 アセット(企業資産)

結果として、広告や折込を出稿してくださる年間取引社数は7,000社、1人当たりの年間粗利額は5,000万円になります。また、社員は非常に若いです。その若い社員たちが1人当たり5,000万円という数字を上げられるのは、粗利率の高さも含めて非常に有望なビジネスだと思っています。

03 アセット(企業資産)

7つ目のアセットは「ライター・編集」です。自社内製の編集者、記者が13人おり、契約ライターは150人いて、年間制作コンテンツ数3,000本を記事にしています。

03 アセット(企業資産)

8つ目のアセットは「制作(デザイン)・校正校閲」です。デザインを担当する制作部門も内製化しており、フリーペーパーとしてはおそらく珍しい校正校閲部門も自社で行っています。年間制作コンテンツ数は2万2,000本になります。

03 アセット(企業資産)

このようなアセットが9つすべて揃っている会社は、おそらく世の中にはなくなってしまっています。逆にこのアセットの希少性や模倣困難性、参入障壁の高さが、結果的に当社の競争優位性を確立していると私は捉えています。こちらの内容については、ホームページでも動画で詳しく説明しています。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

「これまでの取り組み」についてです。アライアンスについて、いくつかのリリースを行いました。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

2024年2月7日に私が代表に就任して以来、いくつもアライアンスを組んできました。まいた種がようやく数字として、みなさまと共有できるタイミングになりつつあります。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

人材紹介業のツナググループ社とのアライアンスに関しては、2024年8月の業務提携以降、累計受注額は約1,400万円で右肩上がりです。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

2024年9月に、全国のフリーペーパー事業主で構成される組織の「VC(ボランタリーチェーン)」に加盟したことを発表しました。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

VC加盟後の累計受注額が1,493万円で、こちらも右肩上がりになっています。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

最近の取り組みをご紹介します。スタートアップのブレイブ保険社に資本提携として出資しました。非常に画期的な「日本初の事後加入型保険」で、なにか問題が起こった後に保険に入れるものです。

内容を知れば、おそらくみなさまも関心を持って活用されるだろうと思います。存在を知らしめることが必要なため、まずは千葉県の170万世帯に訴求していくというシナジー効果で提携しました。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

ブレイブ保険関連の累計受注額は、記事広告ですが2,700万円です。

04 これまでの取り組み-①アライアンス

2025年1月より駅探さまとの提携も具現化しており、2025年下期にはご報告できるような数字になっていくと考えています。

05 これまでの取り組み-②アドバイザリーボード

外部の方々をお招きして、アドバイザリーボードとして各方面からアドバイスをいただいています。ご紹介だけですが、すでに5名をリリースで公表しています。生成AIの研究開発として、公立はこだて未来大学客員教授の高柳浩先生です。

05 これまでの取り組み-②アドバイザリーボード

マーケティング戦略の強化として、元プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社で、日本人初のグローバル・ブランドマネージャーとしてヨーロッパ本部に赴任された桐原大輔氏です。

05 これまでの取り組み-②アドバイザリーボード

人的資本経営の分野では、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン社長の若月貴子氏です。まさに、V字回復の元となったのが、人的資本経営と非常に密接に関係していると考えており、その分野でのご助言をいただいています。

05 これまでの取り組み-②アドバイザリーボード

戦略ディスクロージャーとして、IR強化などの分野で非常に高名な宮下修氏に就任していただきました。コーポレートコミュニケーションをはじめ、定期的に週1回程度会話をしていろいろなご助言をいただいています。

05 これまでの取り組み-②アドバイザリーボード

危機管理に感しては、マスコミで名前を見ない週がむしろ少ないくらいの方ですが、白井邦芳先生に協力いただいています。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

新型ビジネスモデル構想についてです。今まで行ったことのない新しいビジネスモデルを、下期に向けて取り組んでいきたいと考えています。非常にインパクトのある取り組みになると思っています。

まずは「クラウドファンディング×地域新聞社」です。クラウドファンディングとは、みなさまご存じのとおり、インターネットを使って主に個人の不特定多数から、少額の資金を調達する仕組みです。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

クラウドファンディングの種類には、貸付型や購買型などさまざまありますが、当社が今回クラウドファンディングでイメージしているのは、寄付型というスタイルです。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

例えば有名なJ1のサッカーチームが、毎年クラウドファンディングプロジェクトを行っています。このプロジェクトでは、サポーターの方々からの寄付金額が1億円を超えています。上手く行うと、非常に多額の集金ができる可能性を持っているのが、クラウドファンディングです。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

当社はクラウドファンディングとの組み合わせを「広告費創出型クラウドファンディング」と名付けて取り組もうと考えています。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

例えば、千葉県にジェフユナイテッド市原・千葉というサッカーチームがあります。今期非常に好調ですが、J2のチームです。当社はチームのスポンサーにもなっているため、今までは運営会社の予算から地域新聞社への記事出稿として広告費をいただいていました。ただ、このような運営会社は潤沢なプロモーション費用を持っているわけではありません。

しかし、訴求してファン作りをしなければならないのは、サッカーチームも含めて多数あると思います。2024年に当社がジェフユナイテッド市原・千葉を特集した記事は、非常に反響が良くサポーターのみなさまに喜ばれました。当社はもう1度訴求して、170万世帯にジェフユナイテッド市原・千葉推しを、記事化して配布しようと思っています。

そこにクラウドファンディングという仕掛けをセットしておいて、「ぜひこのチームをみなさまで応援しよう。リターンはこのようなものがありますよ、もしこのようなことを行っていただけたら、例えば文集などを作って選手にお届けしますよ」と訴求します。このような企画を行っているところも多いと思います。

まずは記事にして、そこにクラウドファンディングという仕掛けをセットすることで、一定の金額が集まります。これはもともとジェフユナイテッド市原・千葉が計画していた、P/Lの予算の枠外で集まった金額ですので、今度はその一部を記事広告として当社にあらためてご用命いただきます。

このように、もともと会社さまが持っている広告宣伝費からではなく、記事を利用して一緒に広告宣伝費を捻出しようと考えています。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

現在計画中で、具体的に話し合いもしていますが、サッカーチームだけではなく、例えば行政主体のお祭りや花火大会など、予算や告知に非常に苦心されているところを、当社が一緒に組むことでインパクトのある取り組みができるのではないかと思っています。

05 新型ビジネスモデル構想-①クラウドファンディング

クラウドファンディング側のメリットは、最初に無料で告知ができることです。なぜなら当社が書くからです。その上で、もしクラウドファンディングでご寄付いただけたら、予算外のプロモーション費用になるため、あらためて次に書く記事は有料記事広告として一部発行していただきます。そのようなビジネスモデルです。

05 新型ビジネスモデル構想-②ペルソナデータベース

新型ビジネスモデル構想の2つ目が、AIの一番有力なスコープになると思っています。

05 新型ビジネスモデル構想-②ペルソナデータベース

先述のとおり、当社は6万人のファン、読者のみなさまといろいろなコミュニティが立ち上がっています。その1つに、子育て中のママさんたちが1,500人集まっているコミュニティがすでにあります。これは「ちいきLab」の「ラボママ」と呼んでいます。

05 新型ビジネスモデル構想-②ペルソナデータベース

このような特定の性格を持ったコミュニティを仮にペルソナと名付けると、このような集団を当社がどんどん創造し、製造していけるのではないかという発想です。

例えば、お正月の最初の紙面に前年生まれた新生児を無料で載せますということで当社が募集すると、だいたい700組から800組の応募が集まります。それを記事でご紹介します。これはこれで非常に微笑ましいことで、そのような取り組みは以前から行っていました。

05 新型ビジネスモデル構想-②ペルソナデータベース

よく考えると、実は応募されたご家庭は住所も名前もメールアドレスもわかりますし、もれなく新生児がいるご家庭になるわけです。そのデータベースは、例えば離乳食を販売したいと考える企業さまにとっては、ここにピンポイントで広告を訴求することができます。

広告の出し手としても、非常に歩留まりの良いプロモーションができるかたちに組み上げられます。

05 新型ビジネスモデル構想-②ペルソナデータベース

仮に新生児の話をしましたが、この赤ちゃんたちが七五三の時には写真館や呉服店が訴求したいでしょうし、小学校に上がる時にはランドセルを売りたい企業や習い事の塾なども訴求したいはずです。成人したら引っ越しや不動産、就職に関する企業など、このデータベースを1度で終わらせず、ステージに応じていろいろなクライアントが訴求できると思われます。

これを毎年毎年行っていき、12年間やるとすべての干支が揃うので、これから始めることで無限にデータベースを作っていけると思います。

05 新型ビジネスモデル構想-②ペルソナデータベース

新生児に限定する必要はまったくなく、例えば新社会人のみなさまでもいいですし、今行っているのは誕生日の方を載せる企画です。このように無限にデータベースを作れます。新しいデータベースのため、これこそまさにAIの計算資源として使えるデータになっている、きれいなデータです。これを何種類も作っていくと、アナログではなくAIが活躍する余地があるのではないかと思っています。

06 Why 上場???

ここからは「なぜ地域新聞社は上場しているのか?」についてお話ししていきたいと思います。

投資家のみなさまの中には、地域限定のフリーペーパーが上場している理由がわからないと思われている方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか? これは私がずっと感じていた、自分自身の問いでもあります。

06 Why 上場???

私はこのような絵姿を見つけた答えとして、みなさまと会話していきたいと思います。それは「地域に便益を提供している会社」は「地域の人が株主となって支えている会社」という姿です。

06 Why 上場???

例えば日本では、地域の人が主に支えている会社があると思います。スライドは、直近の株主数の推移ですが、左の棒グラフの一番上に記載している1,216人というのが1年前の総株主数です。それから足元、2月に決算が締まり、株主数は3倍になっています。

日本では、どこの上場会社も都道府県別でどこの県の株主が一番多いかというと、ほぼ例外なく東京都だと思います。それは東京都の人口が多く、投資家が多いということだと思いますが、当社もずっと1位が東京都で、千葉県はだいたい2位か3位でした。しかし、足元では、千葉県が1位となり、東京都が2位となっています。

東京都の2倍弱の千葉県の株主のみなさまに当社をご支援いただいています。この絵姿が、ローカルで上場している会社の1つの姿として考えても良いのではないかということを、これからずっと考えていきたいと思います。

06 Why 上場???

当社は、新たに「地域共創プラットフォームの実現」にチャレンジしていきたいと考えています。こちらについてご説明します。

06 Why 上場???

千葉県にも、地元の老舗優良企業はたくさんありますが、だいたいが非上場会社です。このような会社と手を組んでいきたいということですが、そこは創業オーナーやそのご親族が社長であることが多いです。

06 Why 上場???

プロセス1では、この地元の会社の株式、つまり創業オーナーが持っている自社株を地域新聞社に譲ってくださいというお話を持ちかけます。

06 Why 上場???

このプロセス1が完了すると、地域新聞社の子会社になります。

06 Why 上場???

いわゆるM&Aのイグジットです。このプロセスが変わっていると思っているのですが、普通は株を譲っていただいた代わりに、その元オーナー社長に対価としてお金を支払います。それをお金ではなくて、地域新聞社の新株を発行するというような考え方です。いわゆる株式交付手法、100パーセントの場合は株式交換手法と呼ばれている手続きです。

06 Why 上場???

このようなプロセスをとると、このA社の元オーナーは地域新聞社の株主という立場になり、A社は地域新聞社のグループ会社というかたちになります。このようなかたちがもし実現したら、おもしろいことができるのではないかと思っています。

06 Why 上場???

これが進んでいくと、その地域の非上場会社のメリットとしては、後継者問題が解消される、地域新聞社のアライアンスやグループ会社同士のいろいろなリソースが活用できる、あるいは上場会社のグループになれるということがあります。

しかし、一番大きいのは、スライド右側のオーナー社長のお悩みの解消です。まず地元のオーナー社長は、今直ちに会社を売る理由がないというケースです。利益も出しているし、自分も元気だという会社を想定していただきたいのですが、後継者問題というお悩みを抱えていたり、あるいはいずれ到来する相続問題があります。相続を迎えると、非上場会社の株はばらけてしまいます。

特に日本的な考え方が根っこにあると思いますが、お金でM&Aイグジットする場合には、「身売り」のような言葉が未だに使われます。上場会社の大株主になるということでしたら、「身売り」ではなくてプレゼンスが維持できますが、自分の会社をお金で売却してしまうと、それはやはり後ろめたいところがあるのだろうと感じています。

06 Why 上場???

「完璧な正のスパイラル」と記載していますが、これが実現するとどのようなことになるか、まずスライドの右下からご説明します。このA社の社長は元気ですので、ずっとこのA社の経営を続けていただければ良いと思っています。A社の業績が上がると、この会社は地域新聞社の連結子会社ですので、この業績は地域新聞社の財務諸表に反映されます。

このA社の社長ががんばって業績が上がると、それが地域新聞社の連結決算に反映されるため、一般的にはファンダメンタルズの関係で企業価値が上がり、そうすると地域新聞社の株は上がると思います。

地域新聞社の株が上がると、A社株はそもそも地域新聞社の株と交換していますので、A社社長の金融資産や財産も上がります。このような構図ですので、ここでは利益相反のケースはなく、完全に正のスパイラルがワークすることになるかと思っています。

06 Why 上場???

「上場株のメリットを駆使」と記載していますが、簡単にいうと、実は地域共創プラットフォーム構想は、当社が上場していないと使えないスキームだという意味です。

上場会社の株というのはいつでも売買できますし、それから時価が明確に付いていますので、売買価格の合意や流動性も含めて、このようなメリットがあります。一方で、非上場株式にはこれがありません。

証券取引所では売れませんし、そもそも譲渡制限付きで、売買が困難です。また、その株価の時価はいろいろな評価手法によって変わってくるケースがあるため不明確です。そうすると売りたい人と買いたい人が、なかなか合意しづらいというところがあります。

06 Why 上場???

これをあらかじめ上場会社の株に換えておくという発想です。A社のオーナー社長は現在、非上場の自社株を持っている経営者です。しかし、いずれ自分がリタイアする時には後継社長を決めなければいけません。ご子息であれば、いいでしょう。しかし、そうではない会社がだんだん増えてきています。

その場合、親族関係ではなく赤の他人に後継社長をお任せすることになります。株も引き取ってもらえればそれはそれでいいのですが、その場合には無料というわけにいきませんので、この後継社長は株の買取金額を手当しなければならず、これがなかなか大変です。

このように、A社のオーナーは株を持ったまま、後継社長に経営権が移るというわけです。そしてまた、いずれ相続のタイミングが来た時に、この非上場会社の株は親族なりいわゆる被相続人に分散されるということになります。

しかし、分散されてもらった人たちは売却できない株をもらって、しかも経営にもタッチしないということになります。さらにキャッシュで税金は取られます。このようなことが普通に起こります。

06 Why 上場???

古い米国流に会社所有者と記載していますが、今現在は端的にいうと経営者イコール株主です。経営者と会社所有者が1人の人ですので、意向が違うということはありえないと思います。

ところが相続が生じると、会社の経営はサラリーマン経営者のような人が登場して、会社の所有者は親族に分散され、経営者が会社所有者ではないという状態が起こります。

こうなると、その会社の経営が安定しないということもあります。昨今、新聞を賑わせているような、例えば会社が出した株主総会の議案が創業家によって否決されるというようなことが、大きな上場会社でも起こります。

06 Why 上場???

このようなことをあらかじめ解消するために、オーナー社長が元気なうちに地域新聞社の株に換えておくと、その社長は自社の親会社の株主だというプレゼンスを維持できます。この株はいつでも換金できますので、イグジットして換金してもいいですし、もしくは相続が生じた時、もらった側も興味がなければすぐに売ることができますので、ありがたい話だと思います。

06 Why 上場???

なぜ上場しているかに関連して、私はビジョンとパーパスは違うと明確に思っています。ビジョンは、どのような会社、どのような人でも描けます。それは自分が目指したい、ありたい姿であるため、その夢を見てはいけないということはありません。

しかし、パーパスは、どの会社でも、というわけにはいかないと思っています。これは逆に、当社の存在意義を、当社ではなく社会が、当社でなければならないということに対する答えを出せるかどうかだと思っています。

このビジネスが役に立ち、ニーズがあるというだけではなく、なぜ当社がそれを行うのか、当社でなければならない理由について答えられるかどうかが、私にとってのパーパスの定義です。

06 Why 上場???

当社は、「地域の人と人をつなぎ あたたかい地域社会を創る」というビジョンで、自分たちはこのようにありたいという話ですが、パーパスは先ほどご説明した「地域共創プラットフォーム」です。

千葉県にたくさんある優良な非上場会社が、いずれは後継者問題や相続問題をはらんでいる中で、この株式交付手法を使って「地域共創プラットフォーム」を実現するのは、地域の人に支えられた、地域の人が株主である、地域に便益を提供している、地域新聞社です。

これは上場していないとできないスキームですので、これを上場理由の1つの答えとして、チャレンジしたいと思っています。

07 Financials-①第2Q 実績

最後に、今日、短信と四半期報の決算数値を発表しました。当期計画の見直しを行いたいと思っています。

スライドは上期の実績ですが、左側には単月の利益だけを記載しています。2月の経常利益は、もともとの計画で800万円の黒字と組んでいましたが、3,400万円の黒字です。しかしながら、累計経常利益は625万円です。ということは赤字の月があったということです。

07 Financials-①第2Q 実績

今期の総括です。スライドの赤字で記載していますが、期首では四半期で営業損失を見込んでいました。第1四半期、第2四半期はトントンで過ごし、利益の積み上げはその種まきが実る下期で行い、第2四半期は赤字という計画でした。

それからトピックの2つ目は、アライアンスが実際にワークしだして、今期、初めて5,300万円という売上につながりました。さらに、これは右肩上がりで上がっていくというステージになっています。

先行投資を絞ればもっと利益は出せたと思うのですが、ここで先行投資を絞るという方針を私たちは取らないと決めています。ですから、ギリギリ黒字になる範囲の中で、投資できるものは投資に回すというのが、この41期の方針です。

07 Financials-②通期計画の再策定

計画の見直しについてです。通期計画の当初のストーリーでは、下期のほうがずっと業績が良いです。年度で見ると、上期に営業した別冊などの収益が下期に集中して上がったり、選挙が下期に集中しているなど、いろいろな理由で下期に利益が積み上がりますので、上期はなんとかブレークイーブンで乗り切るというのが当初計画のストーリーでした。

07 Financials-②通期計画の再策定

スライドは、経常利益ベースを月次の計画で並べてみたところですが、2月までの左側が上期です。

3月から右側が下期です。2月までの風景を目の子で見ていただくと、ほぼトントンです。8月はどうしてもお盆や休刊日があるため、毎年黒字になったことがありませんが、下期には利益を上げるという、このような計画が通期のストーリーでした。

07 Financials-②通期計画の再策定

上期に関しては、計画では第1四半期で900万円の経常利益の黒字、第2四半期は800万円の赤字でしたが、実績は第1四半期は500万円の黒字、第2四半期は100万円の黒字でした。計画上は上期で100万円とギリギリ黒字で組んでいたところ、600万円の黒字となっています。小さい金額ですが、黒字か赤字かでは、かなり違うと思っています。

下期は、第3四半期で4,300万円の黒字を出し、第4四半期は8月の赤字により第4四半期単体で1,200万円の赤字という計画です。このプラス4,300万円、マイナス1,200万円を今、見直して策定中です。これは4月15日から18日の間に公表予定となっています。早ければ15日に公表したいと思います。

07 Financials-②通期計画の再策定- エビデンス

計画の再策定について、本当に蓋然性があるのかということについてご説明します。スライドは、第2四半期のみの経常利益の実績です。12月は、もともとの計画では1,800万円の赤字でしたが、なんと3,100万円も赤字を出して、ここから第2四半期がスタートしました。

第2四半期の3ヶ月で800万円の赤字計画ですが、2月に入ってから、この四半期をなんとしても黒字で乗り切りたいという思いから、2月に大きくギアチェンジしました。全社でいろいろな知恵を出し合って、2月の計画達成だけではなくて、この第2四半期をなんとか100万円でもいいから黒字にしようということで、いろいろな策を打ちました。

現場も非常に混乱したと思います。しかし、実績としては、本当に100万円の黒字で着地できました。

07 Financials-②通期計画の再策定- エビデンス

上期を踏まえて、体制の変更や計画策定手法を一新します。そして、今までは各部門から上がってきた数字を合算したものを全社計画としていましたが、経営として、当然のことですが足りないと思ったら、もう1回その部門だけでは解決しない全社リソースを使って、必ず黒字にできるような計画に持っていきます。

その作業を今、行っています。そしてまさに2月の1ヶ月間で成功させたその体験を、今度はこの第4四半期の黒字転換や、42期に向けていきます。

07 Financials-②通期計画の再策定- エビデンス

第2四半期と比べると、第4四半期への準備期間は充分ですので、第4四半期の赤字計画をなんとか黒字に持っていくよう、計画策定したいと考えています。

アクションプランとしては、スライド左側の人材事業とアライアンスがありますが、これについてはすでに実績が出てきて、効果も出て、右肩上がりのトレンドになっています。それから先ほどご説明したクラウドファンディングとの組み合わせの新しいスタイルや、また、別冊は上期に営業して下期に計上されるものが登場しますので、ここできちんと計画を組みます。

現時点で我々は通期の予想を公表していませんでしたが、今回出す計画を通期の業績予想と同一のものとして公表したいと思っています。

07 Financials-②通期計画の再策定- エビデンス

直近1年間の時価総額と株価です。昨年2月7日から足元の昨日までで、最大時価総額は19億円でした。最小時価総額の8億円は、おそらく社長就任の前後のことだと思います。

それから1株の最高単価では、ライツオファリングの前の3月12日に終値で1,030円をつけています。株価最安値は287円で、これは大変申し訳ないのですが、4月7日と今週のことです。突風のように下がった時にここへ1回タッチしてしまいました。

質疑応答:収益不動産を取得した目的について

「収益不動産を購入したということですが、この固定資産を取得した目的は何ですか?」というご質問です。

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