2024年にパフォーマンスが良かった銘柄といまいちだった銘柄について
司会者:今年初めてのオフ会ということで、2024年の振り返りもおうかがいしたいなと思っています。自分的にパフォーマンスがすごく良かったなと思う銘柄と、期待していたよりはいまいちだった銘柄、みなさんどうでしょうか。
O:良かった銘柄は、伊勢化学工業(4107)とサンリオ(8136)と三菱重工業(7011)半導体系はアドバンテスト(6857)です。
伊勢化学工業は、コロナ後の人流回復と産業回復という視点です。羽田空港に行った時に手荷物検査場の混雑を見て関連銘柄を調べました。
サンリオは、仕事で関わった方がいちご新聞を読んでいて、よく見聞きする応援メッセージではなくて、寄り添い系のメッセージだったので、AYA世代の心を掴むかもと思いました。海外に住んでいる友人のお子さんが日本人学校に通っているのですが、キティの筆箱など、グッズがとても人気があると教えてくれました。IP系を調べてみたら1位がポケモンで2位がキティでした。
三菱重工は有事の際には重工という言葉どおり、防衛費増額、昨今の政治化された経済の流れを見て買いました。
アドバンテストは半導体検査でシェアが高く、AI関連ですね。
司会者:ちなみに、ちょっといまいちだったのは?
O:Speee(4499)です。金利や為替にあまり影響されない銘柄を探していて、ステーブルコインもようやく事業として形が見えてきたかなと思いました。ただ、流動性が未達なのと人材採用は懸念点でしたので、決算待たずに公募増資がふってきましたね。
司会者:ありがとうございます。DAIBOUCHOUさんはいかがですか?
DAIBOUCHOU:儲かったのは、三井E&S(7003)、霞ヶ関キャピタル(3498)、NCD(4783)、アンビション DX(3300)、エリアリンク(8914)、空調サブコン系のテクノ菱和(1965)、木村工機(6231)、DAIWA CYCLE(5888)、日本ドライケミカル(1909)とか、住信SBIネット銀行(7163)とかですね。超分散なので、挙げるときりがないんですけど。
司会者:それは、ご自身の予想どおりという感じですか?
DAIBOUCHOU:予想どおりと言えば予想どおりですが、アンビション DXは、こんなに上がると思わなかった感じです。予想以上に良かったですね。
司会者:逆にちょっといまいちだったのは。
DAIBOUCHOU:1番損したのはヤマエグループ(7130)ですね。これは割安なんだけど、ちょっとM&Aのコストがかさんだのかな。この1年はちょっとへこんだ感じですね。そこそこ持っていたので、ダメージも大きかったです。あと、ミナトホールディングス(6862)と、わらべや日洋(2918)、シンクロ・フード(3963)、ハークスレイ(7561)とかですね。
ハークスレイは、下落率はそんなにひどくはないけれど、そこそこ保有量が多かったので。わらべやは2年前に買ったんですけどね。これは上昇局面もあったから、売買タイミングの失敗ですね。
2024年全体の投資成績ではプラス24パーセントぐらいなので、自分にとってはいい成績なんですけどね。
司会者:ありがとうございます。ロコロコさんはいかがですか。
ロコロコ:2024年、自分の戦略としてもよかったのは、野村ホールディングス(8604)、第一生命(8750)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)です。2024年は、日経平均がたぶんまだ3万円台で、日経平均4万円いくだろう、年始から証券盛り上がるだろうと思っていました。銀行、生保はその恩恵を受けるかなという戦略が当たりました。ロットも入れたので、そこはしっかり利益を取れたのかなと思います。
ワースト3は同じ銘柄ですね。銀行、証券、第一生命。結局、8月5日に株が暴落した時に1番真っ先に売られるのが、証券会社、銀行、保険。結局、去年1番損失を出したのもその3つだし、瞬間的に利益を出していたのも、その3つ。売買センスがなさすぎたなというのを含めてですね。
司会者:ありがとうございます。まるのんさんは、どうですか。
まるのん:私は基本的にずっと持ちっぱなしなんですけど。良かったのは、良品計画とか、カンロ(2216)とかです。いわゆる自分の生活にすごく身近でおいしいよねとか、いつも使ってて何となくなじみがあるよねという会社さんですね。
別に値上がりを期待していなかったところが、結果的に内需で1番パフォーマンスが良かったなという印象はあります。カンロは、去年70パーセントぐらい上がっているんですけど、正直とてもびっくりしています。グミがおいしいなとか、飴がおいしいなんてやっていたら、株価がすごく上がっていて、不思議だなと思いました。
あと私は、学習塾の「ステップ」という会社の株(9795)を1番多く持っているんですけど、同社はあまりにも安定的過ぎて注目されにくく、伝統的なバリュー株みたいな会社さんなのですが、そんな会社さんでも年間で2割近くパフォーマンスが出ています。そういうところで、おとなしくやっていくのが1番無難だったんだなという1年でした。だから、生活に密着していたり、多くを期待していなかったものが、順当にきちんと評価されたなと自分の中では感じています。
駄目だったものをお話しすると、ここ2年3年、グロースがずっと評価されずにいたということもあって、そろそろグロースの見直しが入るかなと期待していたんですけど、まったく駄目でした。そこのところがマイナスになっているなと思います。
具体的に言うと、例えばポート(7047)とか、業績もやる気もすごくあるのに、まったく評価されずに低迷しています。チェンジ(3962)とかもそうですかね。
O:2024年は為替が一時160円くらいにまでなり、グロース市場は内需関連企業が多いから苦しかったと思います。
まるのん:おっしゃるように、金利上昇とか為替などのマクロ環境としてグロースにはつらい状況が続いていますよね。とはいえ、こういったものをここ数年ずっと織り込んで、グロースってまったく鳴かず飛ばずだと思うんですけど、どこかで、業績がきちんと成長しているところは見直される時が来るんではないかなと期待してたところもありました。
いよいよ少し風向きが変わるかなと思ったんですけど、結局変わらずに終わったというのが去年だったと思っています。では、今年はどうなのかなと考えていますが。先ほどの話にもありましたが、ますます金利も上がっていくし引き続き楽観的な状況とは言えないですよね。
トランプ大統領就任の話も含めて、マクロ環境が大きく変わっていく、翻弄される中で、本当にグロースし続けている会社が、今年どういう株価形成されていくのかなというのは、非常に興味があるところです。
O:GENDA(9166)のようなM&Aで成長していく企業は興味深いですね。
まるのん:グロースって、数億円の売上、利益しかなくて、ジリ貧になっている感じなので、ある程度まとまって、規模を大きくして対峙していかないと、この先がないような気もしています。
そういう意味でいうと、再編、統合、提携という流れの中で、成長をより主軸で持っている会社が、それを主導するような立ち回りになっていくと、結果的に良くなっていくのかなという気はしますかね。
2025年に注目しているセクターは?
司会者:注目しているセクターは、みなさん、ありますか。
ロコロコ:私は、金融ですね。金利がある世界。今日話題にあげた損保を含めて生保・銀行をポートフォリオの中でしっかりと買い進めている感じです。
O:私はサブコン系や倉庫など地味なところやEC系かな。
2024年8月に相場が崩れた時に、上昇してきたのが三井倉庫(9302)や三菱倉庫(9301)でした。
EC系は比較的堅調でそれを扱っている倉庫を見ています。
EC市場は今後伸びる予想が出ており、社歴が古く、土地の含み益があるところも多いですね。特徴がいろいろあって、例えば三井倉庫は、九州で半導体を扱っていますし、三菱倉庫は医薬品や食料品を扱っています。
まるのん:私も倉庫がおもしろいなと思っていました。ただ倉庫って、けっこう多くの個人投資家から注目されていて、期待がある程度織り込まれているかなとも思っていて。
もちろん倉庫も期待しているんですけど、私は物流にもけっこう期待しています。物流って、2024年問題とかがあって、今期は結局コスト先行となり業績も株価も奮いませんでした。そのようなこともあり市場の期待がけっこう後退しているんではないかなと思っています。
そんな中、もうちょっと言うと、例えば食品や野菜が高いと今言われていて、確かに肥料の価格も上がっているし、作る値段は上がっているんですけど、値段が馬鹿みたいに上がっている一因に、物流費の高騰があると思っています。
物流会社にいくつかヒアリングをしたんですけど、上期の期間って値上げにけっこう苦戦してたようでした。しかし、下期からいよいよ価格転嫁にも一定の理解がされ始めて、足元では価格転嫁がどんどん進んでいるみたいな話をいろいろな物流会社の方から見聞きしました。
私はよくロピアに行くんですけど、安かった野菜の値段が上がっているんですね。他のスーパーもみんなそうなんですけど。ロピアの物流は、AZ-COM丸和グループが手掛けられているはずですが(9090)、同社でも、下期から価格転嫁が進むようになってきているとお話しされていたので、ある程度、来期になってくると、理解が進んで、通期で寄与されてくるのではないかなと思っています。
物流って、どうしても最後のところで、サプライチェーン上もあまり重要視されていなかったりするんですけど、倉庫絡みで見ると、さらにその後ろの物流は労働集約型ということを考慮しても見直されてもいいのかなと思います。
O:AZ-COM丸和グループの和佐見社長(和佐見勝氏)は人を教育される方でSBS(2384)の鎌田社長はM&Aで拡大されてきた方なので対照的だなあと見ています。
まるのん:そうですね。和佐見さんは、けっこうおもしろい、昭和気質の人で、自分の持株を何十億と社員に還元したりとかしているんですよね。経営だけではなくて、そういう社員への向き合い方とかも非常に上手い。今回は失敗して下方修正しましたけどが、そろそろ回復してくるんではないかなと期待をしている感じです。
司会者:DAIBOUCHOUさんから注目しているセクターをお願いします。
DAIBOUCHOU:基本的に多く持っているのは不動産です。あとはネット銀行も、引き続きいいかなと思っています。金利上昇で銀行はよさそうなんですけど、持っている国債の価値も下がってしまうだろうなと思っていて、マイナス要因もある。だけど、ネット銀行には保有国債の価値下落が少ないので、比較的金利上昇を素直に追えるかなと思っています。あとは、トランプ大統領の発言などでFX相場がけっこう乱高下しそうで、FX取引所の株は儲かりそうだなと思っていますね。
あとは希望的には、やはりトランプ氏が比較的保護主義、保護貿易だと思うので、輸出より内需。内需が強くなると小型株が強くなるパターンで、日本の小型株が上がってほしいなという希望もあります。いよいよ3度目の正直か、4度目の正直かわからないですけど。
まるのん:その文脈からも内需小型株にはやはり期待したいですよね。
DAIBOUCHOU:リターンリバーサル期待ですね。そのきっかけは何であれ、去年11月から小型株は強くなっているので。2022年のように、日経平均が9パーセント下がっているのに、小型は大して下がらないような小型株優位の相場であってほしいなって思っています。
投資における気になるトピックは?
司会者:投資に関するトピックで気になっているものはありますか?
ロコロコ:井村さんと竹入さんのKaihouファンドですね。
まるのん:期待しているという声もありつつ、運用報告書から投資先企業を参考にしたいという方もいたりしてさまざまな思惑が交錯していますね。どのような目的であってもそれぞれのあり方でいいと思うんですけど。
でも、そもそも投資先企業を開示しないという話もあって、結局どうなるのかなと思うのと、出た場合にどういう反応するのか、逆に見てみたいなというのはちょっとあります。
ロコロコ:去年、運用報告書で、モデルポートフォリオが出て。
まるのん:業種と比率が出ていましたね。
ロコロコ:そこを狙って買いに向かった人たちもいた感じですね。
まるのん:そうですね、今でもSNSで予測が盛り上がっているようですね。
ロコロコ:ゼネコンだったりとか、医薬品事業だったり、ゴムだったり、業種が幾つか出ていました。去年の井村さんの大量保有と噂される銘柄も再認識されたり。
DAIBOUCHOU:太陽誘電(6976)とか歯愛メディカル(3540)ですね。
O:太陽誘電は品番変更に2年ほどかかっていましたね。
ロコロコ:へえー。
O:やはり部品点数が多いので、品番変更も大変だったと思います。MLCCがテーマになっていて注目されていたのは村田製作所(6981)、TDK(6762)、太陽誘電ですね。
ロコロコ:3社。
O:セミコンなどの展示会に足を運ぶと説明が聞けて楽しいです。
ロコロコ:たぶん井村さん、昨年は調子が悪かったかもしれないですね。
まるのん:作っている財務モデルが相対的に弱かったのかもしれないですよね。パラメータは比較的置きやすいものと置けないものとで予測精度にも影響が出そうですしね。
DAIBOUCHOU:太陽誘電は、AIとスマホで関わりがある銘柄だと思って買ったら失敗したみたいなことを、井村さんがIRTVでちょっと言っていましたよね。
ロコロコ:井村さんが、Kaihouファンドの目的の1つとして、企業にどんどんエンゲージメントしていくと掲げているじゃないですか。エンゲージメントって、じゃあ何だろうなっていう時に、例えば2025年のテーマの1つとしても親子上場の解消とかもあるんじゃないかなと思っています。
まるのん:親子上場の解消とかTOB可能性の予見の世界って、それ専門の職人さんがおられるじゃないですか。そこまで見ているんですかみたいな方がけっこうおられるから、それが注目されればされるほど、妙味が少なくなっていく構造なのかなってちょっと思っています。
ましてや今これだけ流行っていて、みなさんが虎視眈々と狙いをつけている中で、この世界にあまり習熟していない投資家がそこに加わることで本当にそれが有意に今年なるのかなって思ったりもします。
O:羽根さん(羽根英樹氏)はよく研究されていてすごいなあと思います。
まるのん:おっしゃるとおりで、それだけの網の目を拡げて待たれていて、しかもその中でもきちんと優先度付けられる熟練さんがいる中で、どこかで当たればラッキーみたいな私のような素人が手を出して優位になれるのかなと思っています。
DAIBOUCHOU:テックポイント(6697)もね。
O:テックポイントはわかりやすかったですね。
DAIBOUCHOU:あのテックポイントのプレミアムの値幅を見ると、やはり日本での上場は本来の企業価値より株価が下がっちゃうというか。キオクシア(285A)も予定より安い値段で上場せざるを得ない状況になりました。バリュー投資としては、安く買えるのはありがたいんですけど。日本の株式市場はもっと高く売買されるような人気の市場になってほしいですよね。
まるのん:先ほどのお話にもありましたが、0.5倍割れみたいなものを、会社がいつになっても万年割安のまま放置されるというのは実際そうですよね。だから、親子上場とはまた違うかもしれませんが、そういう会社がどんどん買収されていって、ある意味で少し淘汰されたほうがいいんじゃないかなって思いますよね。
O:そうですね。それで考えれば自動車系とか。
まるのん:自動車部品とかね。
O:アクティビストが入っている愛知製鋼(5482)とか。株式投資は投資対象が多いので、自分が何を対象にするかによってぜんぜん違ってくると思います。
私は決算を見て、期待値はあるかなあと考えます。やはり金利のある世界になると思うので、そこは意識したい。
まるのん:もう金利って聞いちゃうと、グロースがやはりだめかなとますます思っちゃいますよね(笑)。
O:日本は2パーセントぐらいかな。
まるのん:そうですよね。3はいかないですよね。
O:先ほどトランプ氏の名前がありましたけど、ビットコイン関連も注目ですね。
DAIBOUCHOU:暗号資産の取引所は儲かっているでしょうね。
O:FX会社の方が、昨年は選挙もあり為替の振れ幅は大きかったと話してました。
DAIBOUCHOU:メキシコは、アメリカと本来関税なしで貿易できたのに、関税引き上げで貿易しにくいみたいな話で、ちょっとメキシコペソを売り込んでいたFX会社がつらい状況ですよね。
まるのん:ああ、そうなんですか。
DAIBOUCHOU:けっこう高金利通貨としては伝統あるメキシコペソを、顧客に電話をかけて、スワップで大儲けができますって売り込んでいます。メキシコは、同様に高金利なブラジルや南アフリカに比べると安定している国で、政策金利が10パーセントとかあるからという話で、いいとは思うんですけどね。トランプ大統領の登場で、逆に売られるテーマができちゃいましたからね。
O:そうですね。関税の落としどころは気になりますね。
まるのん:そうですよね。年末とかすごかったですよね。
O:12月はIPOが多くて、IPOそのものがテーマになるので資金移動が多いように感じました。
IPO銘柄について
ロコロコ:IPOの銘柄、最近話題になっていましたね。
DAIBOUCHOU:ロゴスHD(205A)の下方修正と暴落が話題になりました。
ロコロコ:ロゴス。そうですね、ああいうIPOはちょっと触りにくいっていうのはありますね。
まるのん:上場ゴールを超えて不義理な対応に映りましたね。
DAIBOUCHOU:そうですよね。ロゴスHDは駄目なんですけど、ククレブ・アドバイザーズ(276A)は逆にすごい勢いで上がっていて。
O:ククレブはそうですね。
DAIBOUCHOU:株価はIPO初値の2倍以上になりましたね。だから、IPOって急騰急落のどっちにも転ぶというか。
まるのん:ハイリスク、ハイリターンな感じですね。しかも情報があまりなかったりするじゃないですか。結局、ストックボイスのIPOの動画を見て、この社長いい感じかなとか、すごく感覚的なものでしか判断できなくて難しいですよね。
O:ロックアップや吸収金額などを見ていますね。
DAIBOUCHOU:次の決算で、何が出てくるかとか。
まるのん:株主構成とロックアップ確かに見なきゃいけないことかなと思います。そこで駄目そうだなというのは、そもそも敬遠しちゃいますけど、そこで合致したら、目論見書とか有報とかを見て、なるほどってなるやつにするというか。
でも社長がどんなこと考えているのかなとなると、今はストックボイスの動画ぐらいしかないかなと思っています。
DAIBOUCHOU:最近は、IPO銘柄のアナリストレポートが出たりもしますよね。
まるのん:レポートも発行体が依頼をして書いてもらうこともありますし、あくまで客観的なレポートを出してもらったりしているケースもあって、そのレポートもまたさまざまなのかなと思いますね。
DAIBOUCHOU:うん。証券リサーチセンターのレポートですね。最近、新規上場会社紹介レポートというのを作ってくれていますね。たぶん、東証の依頼でやっているんじゃないですかね。
まるのん:上場に至るまでに、どういう哲学で来たかみたいなことがわかると、ロゴスさんみたいに不義理と思われるようなことをするのか、しないのかみたいなことが完全にはわからないまでも、少しは何かを判断できるようになるかなという気はします。
DAIBOUCHOU:うん。あと第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期の過去の季節性がわかるといいですけどね。
まるのん:そういう過去の数字は非開示になっちゃったりするから、わかんないですよね。
DAIBOUCHOU:わかんないですよね。3月決算の会社なら、今は第3四半期決算が発表される時期だけど、この会社の第3四半期決算って、過去の業績推移ではいつもどうなるんだろうって悩んでいます。例えば、第3四半期はいつも閑散期で赤字なんですよと、事前にわかっていればいいけれど、いきなり出てきたのが赤字だと、知らないからびっくりしちゃうとかありそうだし。
O:黒田グループ(287A)は、DOE目標水準を7パーセントに設定していましたね。
まるのん:DOEも最近本当にはやり始めて、当たり前になりましたよね。ちょっと前まで、DOEって何ですか? みたいな世の中から、今はみんな、もうDOE、DOEってやっていて。
これから投資はどう変わっていくか
O:エコノミクス甲子園をみていると、今の学生さんはよく勉強していてすごいなあと思います。学校の授業で情報処理を学んでいるのでスクリーニングも早いですね。
まるのん:そうすると、指標を見て投資をする優位性がどんどんなくなってきているから、より定性的な部分が重要視されるようになるのかもしれないですよね。スクリーニングをかけるのは当然みんなもうやるのでしょうから。
昔は、スクリーニングをかけるにも何を指標に取っていいかわかんないというところからの活動でした。そもそもこの指標は何だっけ? みたいな人が多かった世の中から、そうじゃなくなっている世の中になっている。
司会者:まるのんさんは、定性要素をすごく見られていますよね。
まるのん:そうですね。SNSなどをみていると、生成AIで作った発信とか、またよくできているんですよ。効率的に情報が収集され、生成AIから出た情報が広く出回っていくことで、定量データの可視化はより進んでいくので、あまりそこに優位性がなくなってくるんじゃないかなと思っています。
どちらかというと、すごくマクロ全体をとらえたような定性で処理したり、社長の見立ての情報を見て判断するのを大切にするのもいいのかなって思いますね。
O:少子化はインフレを招くので、二極化するような気がします。為替が150円くらいで推移するならば、まだ円安水準で保てると思います。S&P500やオルカンが人気ですが、為替が130円水準になったら、イーブンの関係になるのではと思います。過去のソブリン債のようにならなければいいですが。
DAIBOUCHOU:ああ、リーマンの頃の話ですが、1ドルが140円ぐらいから80円ぐらいに下がってしまいました。外貨建て資産は為替リスクがありますね。
O:リスクはつきものですが、やられないようなポートフォリオを組むことと資金管理かなあ。
まるのん:やられないポートフォリオ。個人的にはやられてばかりなので身にしみますね(笑)。