Agenda

高橋和久氏:tripla代表取締役CEOの高橋です。tripla株式会社の2025年10月期第2四半期の決算をご説明します。

本日のアジェンダです。まず、2025年10月期第2四半期の決算概要についてご説明した後、会社概要、ビジネス概要をご説明します。

財務ハイライト

2025年10月期第2四半期の決算概要についてご説明します。財務ハイライトです。営業収益、営業利益ともにおおむね修正後の計画どおりに進捗しています。

営業収益は連結12億3,000万円で、上期計画に対し96.5パーセントの達成、通期進捗率は44.4パーセントです。営業利益は連結2億3,800万円で、上期計画に対し97.5パーセントの達成、通期進捗率は45.2パーセントです。

親会社株主に帰属する当期純利益は計画を超過しており、2億3,200万円で着地しています。上期計画の達成率116.6パーセント、通期進捗率は57.6パーセントと、非常に好調です。

2025年10月期2Q 結果(連結・YoY・計画比)

業績を細かくご説明します。2025年10月期第2四半期の結果として、営業収益は前年同期比61.7パーセント増です。上期計画の12億7,500万円に対し、4,500万円マイナスの12億3,000万円で着地しています。

営業利益は前年同期比335.2パーセント増です。上期計画に対しては、700万円のマイナスで着地しています。

2025年10月期2Q 結果(単体・営業収益)

日本単体の営業収益の結果です。営業収益は前年同期比37.1パーセント増の9億9,600万円、通期進捗率は43.5パーセントとなっています。計画の10億3,100万円に対し、3,500万円のマイナスで着地しています。

営業収益3,500万円のデルタの内訳は、主に「tripla Book」の従量収益において計画より4,400万円下回ったことが大きく影響しているかたちです。こちらは、決済開発の遅れによって4,400万円のうち3,500万円程度が発生しています。

この決済開発はもともと3月頭には完成している予定で進めていましたが、4月頭頃に開発が完全に完了しました。それにより、第2四半期に合計3,500万円の影響が出たかたちです。第3四半期以降については、5月以降は計画どおりに戻っています。

決済開発に関するご質問は事前にいただいていますので、詳細はQAにてご回答します。

2025年10月期2Q 結果(単体・営業利益)

単体の営業利益は、前年同期比157.7パーセント増の2億2,800万円で着地しています。

2025年10月期2Q 結果(BookandLink)

子会社の数字です。BookandLinkについては、営業収益は9,400万円の計画に対し、8,500万円で着地しています。営業利益は、2,600万円の計画に対して1,900万円です。

施設数は、昨年10月末の3,306施設から101施設が積み上がり、3,407施設で着地しています。

2025年10月期2Q 結果(Surehigh)

台湾のSurehigh社の成績です。営業収益は、1億4,900万円の目標に対してほぼ計画どおりの1億4,800万円で着地しています。営業利益は2,000万円の赤字を見込んでいましたが、のれん償却後は900万円の赤字です。

経常利益は、1,440万円の黒字で着地しています。理由としては、営業外収益が2,360万円入っているためです。

2025年10月期2Q 業績概要(連結)

業績の概要です。営業収益は、通期の目標27億7,000万円に対して、第2四半期が終わった時点で前年同期比61.7パーセント増の12億3,000万円、進捗率は44.4パーセントになっています。

営業利益は、5億2,800万円の計画に対して前年同期比335.2パーセント増の2億3,800万円、進捗率は45.2パーセントです。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比782.2パーセント増の2億3,200万円、進捗率は57.6パーセントと、非常に大きく進捗しています。

2025年10月期2Q 業績概要(単体)

単体に関しては、営業収益は進捗率43.5パーセント、前年同期比37.1パーセント増となりました。営業利益は進捗率42.4パーセント、前年同期比157.7パーセントです。

当期純利益は前年同期比224.4パーセント増の1億9,500万円、進捗率40.2パーセントとなっています。triplaの営業収益は下期偏重であり、例年どおりの進捗かと考えています。

四半期ごとの営業収益の偏重(単体)

前期は第3四半期、第4四半期と営業収益が上がってきており、今期も同様に上がっていくと見ていただければと思います。

営業収益 - セグメント別(単体・tripla Book)

セグメント別にご説明します。まずは「tripla Book」の数字です。

営業収益は3億6,700万円で、第1四半期に比べて従量収益が2億8,700万円から2億6,200万円と、2,500万円落ちています。こちらは、決済開発の遅れが一部影響しています。

一方、固定収益は1億400万円まで上がっています。この背景として、導入施設数は計画どおり、第1四半期の終わり時点の3,081施設から3,369施設まで積み上げることができています。

取扱高(GMV)は、第1四半期の382億円から第2四半期は388億円に上がっています。前年同期の260億円から289億円の増加に比べると少し伸びが弱いように見えますが、それでも上がっているかたちです。

第2四半期には2月が含まれており28日間と稼働日が少ないことに加えて、通常2月にある中国の春節が今年は1月にあった影響でインバウンドの観光客についてGMVが影響を受けているのが実情です。

Book従量収益の季節性について

上記を加味した上で宿泊者数を見ていくと、今期第1四半期は延べ1億6,100万人、第2四半期は1億5,700万人と、市場全体のパイは減っています。

ただし、今年5月は再びインバウンドのお客さまが大きく戻ってきており、過去最高値を更新しています。

Book従量収益の収益構造とtake rate

take rateです。宿泊従量と決済従量を足したものが従量収益で、スライド右側のグラフはそのtake rateの推移を示しています。1.23パーセントを記録した第1四半期に対し、第2四半期は1.14パーセントです。

先ほどお話しした決済開発の遅れによる従量収益3,500万円を加味すると、実際のtake rateは1.14パーセントではなく、第1四半期程度の水準だったと考えています。

営業収益 - セグメント別(単体・tripla Bot)

「tripla Bot」についてご説明します。営業収益は前四半期比で増加し、9,500万円で着地しています。導入施設数も過去最高の1,993施設となり、もう少しで2,000施設に到達するところです。

営業収益 - セグメント別(単体・tripla Connect)

今回から「tripla Connect」というCRM・マーケティングオートメーションのサービスについても、KPIを公開します。営業収益は1,700万円で、973施設に導入されています。

「tripla Connect」は、基本的に「tripla Book」を導入しているお客さまにアドオンで入れていただくサービスです。

3,300施設程度のホテルが「tripla Book」を導入しているのに対し、5月末で1,072施設が「tripla Connect」を導入しています。つまり、約3分の1のお客さまが「tripla Book」と「tripla Connect」をあわせて導入していると考えていただければと思います。

四半期ごとの営業費用の推移(単体)

営業費用の推移です。第2四半期は第1四半期よりも少し減少し、3億7,800万円でした。前期第4四半期を除くと、過去最高となる23.4パーセントの営業利益率を達成しています。

会社概要

前回からのアップデートとしては、従業員数が173名になっています。また、拠点にはフィリピンが追加されています。

数値でみるtripla

数値で見るtriplaです。導入施設数合計が8,631施設に到達しています。

経営陣の紹介

経営陣に関しては、今回、プロダクトマネジメントの執行役員としてAude Morasさんがtriplaに参画しています。これにより1名経営陣が増え8名で業務を執行しているかたちです。

triplaのパーパス

triplaは「最高の旅行ソリューションを通じて、宿泊施設の持続可能な成長と、世界中の地域社会の発展を支援する。」をパーパスにしています。

triplaのビジョンとコアバリュー

ビジョンは「顧客体験の向上と省人化を実現するデジタルソリューションを提供し、旅行業界を革新する。」です。7つのコアバリューを掲げ、従業員は経営陣と一緒にビジネスを作り上げています。

コンベンションへの参加

ビジネスの概要です。第2四半期に行ってきたマーケティングやPRの活動として、まず、コンベンションに参加しました。

2月4日から7日までの間、東京ビッグサイトで開催された「国際ホテル・レストラン・ショー」に出展しました。多くのホテルや旅館のお客さまにご来場いただき、大きくリードを獲得することができたと思っています。

また、3月12日には、triplaのフィリピン事務所開設に伴い、フィリピンでカンファレンスを実施しました。40施設ほどのホテルのお客さまに来ていただき、みなさまと「tripla Book」「tripla Bot」「tripla Connect」の可能性に関してお話しし、販売を開始したかたちです。

ビジネスの進捗

その他、DMOの取り組みです。我々の経営戦略の1つにも掲げているように、福島市のDMOで使っていただく「tripla Book」の仕組みを提供開始しています。

これまでは、ホテルの設定とは別にDMOの設定も行う必要があるという煩わしさがありました。

今回、triplaがこのサービスを提供することで、多くのホテルでは公式サイト用の「tripla Book」を設定すればDMO用の宿泊予約にも対応でき、料金や在庫の変更が不要になるという点で利便性が上がり、導入が進んでいます。こちらは、横展開も進めていく考えです。

また、「tripla Bot」が好調だったことに関しては、マイステイズ・ホテル・マネジメントのすべての施設に導入していただいたことが背景にあります。

メディアへの掲載事例

メディアへの掲載事例です。現在、不正トラベルが多く発生しています。我々はこの1年間でPDCAを回しながら、このような不正対策に取り組んできており、その事例を東洋経済オンラインに取り上げていただきました。

また、朝日インタラクティブの「ZDNET」でも記事が出ており、福島市の事例などが取り上げられています。

未来のtripla – サービスイメージ

スライドは、未来のtriplaのサービスイメージです。

triplaの経営戦略

triplaの経営戦略です。これまでどおり「市場ニーズに応じたサービスの多機能化」「海外市場展開の加速」「地域社会の発展支援」「人材のグローカル化」の4つを掲げています。

01.決済ソリューションの強化と多様化

「市場ニーズに応じたサービスの多機能化」については、まずは決済ソリューションの強化と多様化に力を入れています。

01.現地決済から事前決済への切り替えを促進していく

今回の中期経営計画発表時にご説明したように、昨年10月においてtriplaのお客さまの現地決済比率は80パーセント、クレジットカードの事前決済が20パーセントです。中長期的には、事前決済を35パーセントまで引き上げていこうと施策を実行しています。

アクションプランとしては、事前決済のプロモーションやインバウンド客の事前払い、支払い方法の変更通知、支払い方法の多様化に対応していきます。

01.決済手段と決済シーンの多様化

決済手段の多様化についてです。クレジットカード払いだけでなく、今後は銀行振り込みやコンビニ払い、QRコード決済、「Amazon Pay」「Alipay」などにも対応していこうと考えています。

01.コストの最適化を常に実行

実際にどのように達成していくかというと、日本のパートナーだけでなく、グローバルパートナー、あるいはタイや韓国、台湾、フィリピンのローカルパートナー、APACで強いパートナーなどと決済を連携し、コストを最適化することで、決済従量課金を最大化していく施策を進めています。

02.集客及びコンバージョンを改善する機能強化

集客とコンバージョンを改善する機能強化についてです。我々が公式サイトの広告、もしくはOTAの広告を、優先順位をつけてtriplaのサービスを使って提案しています。

02.集客及びコンバージョンを改善する機能強化

現在、「tripla Connect」では、ご利用いただいている施設が1,000施設を超えてきました。

実際にマーケティングオートメーションというかたちで条件分岐をしてセグメントを区切り、来られたお客さまに対してメールやLINEを送る、広告やクーポンを打つといった施策を実施することで、より予約のコンバージョンを上げていきます。

03.AI&ビッグデータを活用し、マーケティング&省人化への寄与

さらに、宿泊のビッグデータとAIを活用することによって、新たなDXソリューションを追求しています。

03.宿泊ビッグデータプラットフォームをAIを融合させる

実際に、さまざまな宿泊施設に関するデータを獲得できています。

03.拡大するtriplaグループ顧客データ精度の精緻化

具体的には、8,000以上の施設から3,000万MAU近いデータを持っています。

03.売上や省人化へ寄与するべくAIを活用していく

こちらをうまく活用することによって、宿泊施設の利益の最大化、宿泊施設の業務の自動化、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与していきたいと考えています。

04.アジアパシフィックを中心に最適な事業拡大

海外への進出についてです。フィリピンに事務所を追加したため、現在は日本、ベトナム、フィリピン、インドネシア、韓国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、オーストラリアで事業を展開しています。

04.海外進出形態の整理

海外進出の整理です。実際に、今回のフィリピンのように会社設立を経て進出する場合と、代理店を使って進出する場合があります。

実は、エジプトでも50施設程度「tripla Book」を販売しています。また、M&Aを実行するかたちでインドネシア、タイ、シンガポール、台湾への進出を実行しています。

05.サービスのグローバル化を実現するためのシステム連携

海外では、日本で実施しているとおりに「tripla Book」を売ることはできません。「コネクティビティハブ」を構築し、さまざまな国のチャネルマネージャー、サイトコントローラーと連携することによって、どの国でも販売できる環境を整えています。

05.グローバル連携を基礎としてPMIメカニズムを完成

M&Aに関しては、実施後にPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)を実行しています。

例えば、台湾のSurehigh社では、毎月かなりの数のホテルで、それまで使っていたSurehigh社の予約システムから「tripla Book」に変えるにあたってのPMIが実行されています。このような成功事例がしっかり積み上がっていくと、PMIのメカニズムが構築されていきます。

今後、M&Aを行う際にはそのメカニズムに従ってどんどんPMIを進めていくことで、これまでは1年かかっていたものが半年でできるようなスケールメリットを発揮していければと思っています。

06.インバウンド主体の新規顧客獲得アクション強化

そのほか、インバウンドを他の海外のローカルOTAから獲得して日本のホテルに運んでいきます。

例えば、インドのOTAから日本のホテルに集客したいものの自分たちで交渉することができない場合、triplaが代理店となり、実際の契約や設定、在庫、料金などに関してコンサルティングします。これによって、インドのOTAや台湾の小さいOTAからも日本のホテルが集客できます。

06.インバウンド主体の新規顧客獲得アクション強化

スライドに記載したようなところをお手伝いしていきたいと考えています。

07.地域社会の発展支援– つくる責任つかう責任(SDGs #12)

地域社会の発展支援というかたちで、先ほどご紹介した福島市のDMOの事例があります。

同様に、ほかのDMOに対しても「tripla Book」「tripla Bot」「tripla Connect」を組み合わせたサービスを提供していければと考えています。

すでにDMOから3つほどのお問い合わせをいただいており、導入を進めているところです。

07.地域社会の発展支援– つくる責任つかう責任(SDGs #12)

ほかの地域社会の発展支援として、我々は「tripla Success」というコンサルティングサービスを行っています。

「どうしてもOTAや公式サイトの設定ができない」、あるいは「Web販売の在庫設定ができない」といった悩みを抱えている地方の旅館やホテルにサービスを提供することで、よりWebでの販売をスムーズに展開していくことを考えています。

08.人材のグローカル化を推進

グローカル化についてです。韓国、台湾、インドネシア、タイのようなtriplaの海外支店には、日本人は1人もいません。全員ローカルのスタッフがローカルのニーズを汲み上げ、我々が優先順位をつけて開発を行っています。

営業もエンジニアも全員、ローカルの方がローカルな場所で働いているという労働環境を実現しています。

私からのご説明は、以上となります。

質疑応答:決済開発の遅れの影響と現状について

「『tripla Book』の従量収益が前四半期比で減少したことについて、決済開発の遅れとのことですが、そのインパクトや足元の状況などを教えてください」というご質問です。

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