会社概要
榮章博氏(以下、榮):ランドネット代表取締役社長の榮です。今期の最初の四半期に当たる、2025年7月期第1四半期決算のご説明を始めます。よろしくお願いします。
まず、当社がどのような会社かをもう一度いろいろご説明しながら、決算の数字のお話に入っていきます。
1999年に会社を設立しました。本社は今、東京都豊島区南池袋にあります。私はもともと分譲マンションを作っている会社にいました。そこでいろいろなことを勉強し、会社を創業しました。
ビジネスモデル ダイレクト不動産
榮:創業する時に一番のポイントとしたのは「ダイレクト不動産」です。集めたいろいろな不動産情報を基に、不動産所有者に直接アプローチして直接物件を仕入れます。ここが当社の一番の要になります。
買取件数比率としては、当社で不動産の所有者から直接物件を買い取ったり、売却の媒介を行ったりするダイレクト経由が74パーセント、業者経由が26パーセントです。その後、物件を投資家に販売したり、リフォーム・リノベーションを行って販売したりしています。
ここで一番重要なのは、直接仕入ができるところです。例えばリーマン・ショックなど景気の変動要因はいろいろありますが、その時にいろいろ大変なことになるのは合理的な金額で物件を仕入れられていないからです。
例えば、昔は億ションと言っていた新築マンションの価格が、現在は二億ション、三億ションのものまで出てきています。新築が高くなれば当然中古も高くなりますので、その中で上流を押さえ、いかに適正な価格で物件を仕入れられるかが大事になります。
当社の物件は、不動産会社に41パーセント、消費者に59パーセントを販売しています。物件を買うためにずっと相談してきた不動産店を通して購入する消費者ももちろんいらっしゃいますので、不動産会社に買ってもらったり、不動産会社を通して売ったりすることもやぶさかではありません。
ただし一番重要なのは、良い商品を当社が数多く持っている状態を実現しようとしてきたことです。スライドに記載のとおり、「不動産流通市場の上流を押さえ、圧倒的で良質な物件情報が多くの買主、不動産会社をも惹きつけている」ことが、当社の根幹にあります。
1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):直接販売についてうかがいます。数年前は直接販売の比率がもう少し低かったかと記憶していますが、ここが伸びている要因をあらためて教えてください。
榮:会社の規模が大きくなり上場したことによるブランディングが一番大きいと思います。やはり当社を信頼してご購入いただいています。
もう1つは、3年から4年前に「あんしん保証サービス」という仕組みを作ったことです。例えば、水漏れがあったり、シロアリが出たり、給排水管が故障したりなど、見えない瑕疵に関しての瑕疵担保責任(不動産契約不適合責任)は、民法上の定めによると保証期間が通常は2年です。しかし、当社で購入した物件を買っていただいた場合、3年責任を負っています。
さらに、設備保証に関しての責任も3年間負います。例えば、物件を購入して引き渡しを受けた後にエアコンや換気扇、浴室が故障した時、特に浴室の修理には60万円ほどかかることもありますので、半額に相当する金額(上限有)を当社が負担します。
これにより何を狙っているかといいますと、当社はこれまでも不動産の所有者にアプローチしてきましたが、中古の不動産を持っているすべての方へアプローチしたいと考えています。
今までは区分所有のマンションをメインにアプローチしていましたが、戸建てとアパートにも広げています。その先では1棟ビル、1棟マンションにも広げていきたいと思っています。
当社は、中古の不動産に関してNo.1になりたいという思いを持っています。中古の不動産をお客さまにしっかり販売していくためには、今お伝えしたような保証制度が必要だと考え、法律も関係なく保証を行っています。これは、米国のOpendoorという会社を少しまねている部分もあります。
また、賃貸中の物件もけっこう多いのですが、当社管理物件について3年間以内に家賃の滞納があった場合は、当社が最大6ヶ月分の立て替えを行う保証もあります。
これらにより、中古の不動産を安心して買える環境を作りたいと思っています。今はまだ消費者への販売件数比率が59パーセントですので、もう少し増やせないかとチャレンジしている最中です。
Ken:例えばセミナーなどでも集客を行っていると思いますが、保証サービスができてからは反響率がだいぶ変わりましたか?
榮:そこに関するKPIのようなものをまだしっかりと作ってはいませんが、圧倒的に当社から買いたいという声はたくさん聞きます。
Ken:安心感がまったく違うということですね。
榮:おっしゃるとおりです。浴室の修理にかかった60万円のうち半分の30万円は当社が持ちますし、築15年、20年を超えてくるとエアコンや換気扇が壊れる場面もけっこう多くあります。そのため、購入するなら直接当社からという方がようやく増えてきました。こちらをもう少し強化していきます。
実は、システム構築は私も非常に得意な分野です。営業部社員の行動管理では仕入れのほうをしっかり管理してきましたが、販売のところを強化しようということで、今いろいろなアプリを作っている最中です。
ビジネスモデル 競争優位性
榮:競争優位性についてお話しします。ダイレクト販売を行っているため、独自の不動産データベースに基づいた営業システムがあります。創業以来、あらゆる不動産情報や全国の不動産物件を集めており、例えば札幌や石垣島などいろいろな地域の物件を扱っています。
良い商品があるがゆえに、在庫回転日数が非常に短くなっています。現在、商品は順調に増えています。商品が増えるということは、言葉を変えると在庫が増えているということになりますが、在庫回転日数は短くできています。
買取リフォーム販売の場合は、リフォームにどうしても2ヶ月から3ヶ月の期間が必要になります。しかし影響は限定的で、買取リフォーム販売の物件でも120日以内を目途にすべて売り切るよう指示しています。
さらに、当社は業界トップクラスの直接仕入れ比率を誇っています。東京商工リサーチの調べでは、マンション直接仕入件数が4年連続で当社が一番だと言われています。ここが当社のダイレクト不動産の根幹になっています。
Ken:ダイレクトメッセージの通数についてうかがいます。スライドに「現在64万通以上/月」と記載がありますが、30万通を超える程度の数値だった時期もあったと思います。そこから倍近くに増やせている理由を教えてください。
榮:当然ですが、この通数になると手探りではできませんので、印刷・発送専門の会社と組んでしっかり安全に送れるような仕組みが出来上がっています。売上が伸びていることに加え、不動産の情報も数多く手に入ってきている中で、会社の規模が大きくなるにつれて増加しました。したがって、売上が伸びれば通数も増えていくと考えています。
ビジネスモデル 基幹システム「RCP」による業務の効率化
榮:基幹システム「RCP(Real estate Cloud Platform)」による業務の効率化についてお話しします。名前にプラットフォームとありますが、公開しているわけではなく、当社の中だけで作っています。いずれは公開できればと思っていますが、個人情報などいろいろな問題がありますので、それらを解決してからになるかと思います。
スライド右下にデータベースの内容を記載しています。「①すべての物件情報」「②取引事例 売出事例 貸出事例 成約事例」に加え、「③ストリートビューによる街並み・環境」が現地に行って物件を見なくても取り扱える理由となっています。
「④交渉履歴の共有」については、不動産会社の場合、お客さまとの交渉履歴をあまり社員同士で共有しない企業も多いですが、当社は最初からシステムを使うことにより、交渉履歴を共有できる仕組みを作っています。
「⑤登記情報のネット取得、電子化」についても、昔は法務局に行かないと情報が取れなかったのですが、今はネットで取れるようになりましたので、こちらも当社の後押しになっています。
「⑥電子契約によるサービス力と管理の効率化」では、電子契約のシステム化を一生懸命に進めており、残り2年くらいですべて開発が完了すると思います。
売買契約、賃貸借契約、業務委託契約、請負契約、履行管理の電子契約化に加え、先ほどお話ししたように、きちんと販売活動を行っているかどうかの管理監督を行うアプリも作っています。システムを思い切り使い、業務の効率化ができているところも当社の最大の特徴になります。
ビジネスモデル 即時の情報共有と体制による早期戦力化
榮:「RCP」による業務の効率化で、社員の早期戦力化を実現しています。これからも営業部社員を50人、60人、80人という単位でより多く雇用していく必要がありますが、雇用した営業部社員が成長しなければ、業績は悪くなります。営業部社員を戦力化できているのは、不動産データベースがあるからです。
例えば私は大阪出身ですが、大阪の大学を卒業した学生が東京に出てきて当社に入社し、原宿を歩いた時、「あのマンションかっこいいな」「あの建物かっこいいな」と思って会社に戻ってくると、すべての情報が会社のパソコンの中にあります。
例えば、建物の築年数、総戸数などの基本情報のほか、賃貸の成約事例、売り出しの事例、そこに住んでいるお客さまとの交渉の内容などです。すべての情報がわかった上でお客さまとお話ができますので、システムによってOJTが行われているイメージです。
これにより、約半年で新卒の営業部社員の平均が損益分岐点を超えることができます。営業部社員1人当たりの売上高は、昨期が2億900万円で、今期が通期換算で2億3,200万円です。4月に新卒が入るため、この数字は少し薄まるかと思っていますが、それでも2億円程度はおそらく維持できると考えています。
当社は社員を既存、中途採用、新卒採用に分けています。既存の社員は、長く在籍しているため辞める人数が少なく、既存の社員の売上などは順調に伸びてきています。
新卒・中途採用の方をより早く育てるために、「YouTube」でいろいろな動画を作ったり、研修を工夫したり、電話営業の講師を呼んだりしています。
いずれにしても「RCP」があることにより、OJTとして、また具体的な補助として、お客さまと会話ができるようになっていますので、即時戦力化につながっていると思います。
ビジネスモデル DX→システム開発のスピードと拡がり
榮:なぜこれほどまでにDXが好きなのかについてお話しします。私が非常に好きな司馬遼太郎の『坂の上の雲』という小説の中に、黒船は日本にもやって来たが、中国にもインドにもやって来たと書いてありました。
しかし、日本と他の国との違いは、黒船がやって来た数年後に日本人が黒船を作ったことです。鉄砲も同じで、1543年にポルトガル人により種子島に伝来しましたが、2年後にもう1回売りに来たところ、日本はすでに鉄砲を作っており、なおかつ性能は伝来時の火縄銃よりも高かったようです。
そのような歴史があったため、私は「Windows95」を見た時に「おそらく鉄砲と同じではないか」「これを思い切り使いこなせないか」と思いました。そこで最初に「Lotus 1-2-3」という表計算のソフトでタックシールの印刷をできるようにしました。
どのようなものかといいますと、私は不動産屋ですので、郵便番号、住所、お客さまの名前を入れる時に、物件の名前とどの部屋を持っているかも連動させました。
テキストデータを入力しておき、あるキーで抽出してプリントアウトするのがタックシールです。ですので、情報を連動させておくと、例えば池袋でマンションを持っている人全員にダイレクトメールを送りたい時、必要なデータを抽出して送れるようになります。
それができるのだとすれば、入力したテキストデータに間取りの画像をなんとか貼り付けることができれば、図面もできると思いました。さらに、図面ができるのならば、売買契約書や重要事項説明書もできるだろうと思うようになりました。
売買契約書を作れば、いくらで契約したか、手数料がいくら入ったかもわかるため、成績表も作れます。最後に入金が弥生会計のソフトと合致するような仕組みを作ってしまえばいいということで、会社を立ち上げて最初の1ヶ月間はその仕組みを作っていました。
それに加え、契約作業をしながら、1年ほどかけて売買契約書、重要事項説明書、販売図面などに関するシステムを全部私1人で作りました。Microsoft Officeの「Access」というソフトで作成し、ノートパソコンをサーバー代わりに使っていましたが、3台ほどつなぐと動かなくなりました。
なぜかと思い確認したところ、サーバーが必要だと言われ、Dellの10万円のタワー型のサーバーを買ってきました。加えて、「SQL server」と「Windows 2000 Server」のソフトを買ってきました。20万円ほどだったと思います。
さらに、マニュアル本を20冊から30冊ほど買ってきてマニュアルどおりに作ったのですが、動きません。ある程度論理的な飛躍が必要なのだとわかりました。そこで、インストールして設定して、動かなくなったらサーバーを初期化しました。最初に戻って何度も繰り返しました。
「Aを選んだけれど動かなかったから、次はBを選んでみよう」と進めていき、動かなければまた初期化します。朝9時に会社に行き、日中は営業活動を行いながら、気づいたら夜中の11時くらいまで、サーバーを立ち上げようとずっと集中していました。
1ヶ月ほどでなんとか動くようになりました。「Windows 2000 Server」の上に「SQL server」が乗り、そのデータベースを「Access」で見ることができるようになったのです。これにより、今まで作ってきた販売図面、売買契約書、重要事項説明書のシステムが使えるようになりました。
なぜ自分で作ろうと考えたかといいますと、先ほどお話しした鉄砲に対する感動や、黒船に対する誇りのようなものの影響です。日本人を見て、一緒に仕事をしていて感じるのですが、やはり魔改造のようなこと、つまり海外のものを取り入れてそれを改造してより良いものを作ることは、日本人が昔から行ってきたことなのだと思います。
そのような思いがあったことに加え、パソコンがおもしろかったこと、さらには高校の時の友だちがみんな何かを作っており、それを自慢されたことなどが、自分で作ろうと考えた理由です。
私は大学受験で2年間浪人し、司法試験の勉強に3年間かけたため、周りよりも卒業が5年ほど遅かったのです。そのため、同期がタクシーで移動したり、かっこよく仕事をしたりしているのを見て、とても羨ましく思っていました。
そのため、思い切り集中して取り組めたというところもあります。この経験があることで、今もシステム開発に携わっています。
ビジネスモデル ランドネットの『人・物・金・情報』
榮:当社の人・物・金・情報についてご説明します。まず、1つ目の「人」に関してです。当社は、採用メディア『ブクロ』を運営しています。会社のホームページないしインターネット上で、直接求人ができないかということで工夫しています。
2つ目の「物」に関してです。他の不動産会社では、仲介会社から物件を紹介してもらい購入する場合が多いのですが、当社では直接消費者へアプローチするため、圧倒的な量と、質の備わった不動産を仕入れることができていると思っています。
3つ目の「金」に関してです。現在上場しているため、当然エクイティファイナンスも重視していますが、もう1つ重視しているのは借り入れです。
それ以外には、クラウドファンディングも推進しています。当社では、ファミリータイプの賃貸中の物件をクラウドファンディングに入れようとしており、いろいろ工夫しています。
先ほどお話ししたとおり、当社はシステムをすべて社内で作っており、クラウドファンディングに関してもすべて作っています。このシステムをリリースした後も、「紹介」という仕組みをつくることができないかということで、その仕組みも作りました。1ヶ月程度で完成し、出資者さまがどんどん集まりました。
クラウドファンディングによって資金を集め、物件を買い、それによって1万円から投資ができるようになっています。保証することはできませんが、ある意味で安全なものができているかと思っています。
4つ目の「情報」に関してです。スライドに「蓄積したデータとノウハウを活かした圧倒的な仕入れ力」と記載しています。先ほどお話ししましたが、「レインズ(REINS)」などの売り出しの事例、成約の事例、賃貸の際の事例など、すべて集めています。このようなところで物件が集まっています。
ビジネスモデル 中⻑期成⻑イメージ
榮:スライドの図は、中⻑期成⻑のイメージを表しています。スライド右側に赤字で「国内不動産流通市場でのTOPを目指す」と記載しているとおり、こちらに注力していきます。国内不動産流通市場ということで、区分マンション、戸建て、アパートはもちろんのこと、1棟ビル、1棟マンションもすべて手がけたいと思っています。
また、エレベーター無しの5階建てビルなどは、いろいろな使い方があるのではないかと思っています。そのあたりにも注目したいと考えています。
2025年7⽉期第1四半期業績 連結損益計算書 概要(P/L)
榮:2025年7月期第1四半期の業績です。売上高は220億4,900万円、前年同期比127.3パーセントとなりました。売上総利益は34億8,500万円、前年同期比146.4パーセントです。
売上高に占める売上総利益率がやや高くなっています。その理由は後でご説明しますが、マンションに関して、ファミリータイプで築年数の新しいものは大手が中心で当社が勝てるかどうか疑問だったため、以前はあまり手掛けていませんでした。
しかし、現在はそちらにも進出しています。当社が上場してからのことですので3年ほど経ちますが、かなり業績に貢献してきています。それに加えて戸建てとアパートが今増えつつあります。
経常利益は7億8,300万円、前年同期比429.4パーセントです。なぜこれほどまでに伸びてきているのかといいますと、実は上場するまでは、システム開発の担当者がなかなか雇用できませんでした。現在は十分に雇用できていますし、新卒もかなり入社して育っており、効率も上がってきています。
売買事業部の開発に関しては、私が作っていますので、2回目の作り直しも終わっている状況です。賃貸事業部に関しては、だいたいの開発が終わってきています。例えば、事務の人数を増やさなくてすむなど、そのような意味で効率が上がってきているため、経常利益も上がってきています。
2025年7⽉期第1四半期業績 区分マンション(1R/ファミリー)件数・粗利割合
榮:区分マンションの件数と粗利割合についてご説明します。スライド左側は、タイプ別件数のグラフです。折れ線グラフはファミリー割合を示しており、2025年7月期第1四半期の実績は47.6パーセントでした。件数では、ファミリーよりもワンルームのほうが若干多くなっています。
しかし、スライド右側のタイプ別粗利で見た場合、2025年7月期第1四半期のファミリー割合は67.6パーセントとなっています。ワンルームは狭いため、1件あたりの単価が安いです。さらに千代田区・中央区・港区あたりでは億ションのような中古物件も出てきており、このような実績になっています。これは、物件種別を広げた成果だと考えています。
2025年7⽉期第1四半期業績 販管費推移
榮:販管費推移です。スライドのグラフの青色の部分は、業務委託料・システム関連費です。主にシステム開発のための費用となっています。一番多かったのは2023年7月期第4四半期で、1億2,100万円でした。それがだいたい1億円を切るような時代になってきています。おそらくこれが、効率が上がっている証拠であると思っています。
Ken:普通であれば、売上高がこれだけ伸びていると販管費はさらに上がってもおかしくないように思います。2025年7月期第1四半期の販管費率は11.71パーセントでした。今後も比率はこの程度に落ち着くのか、それとも榮さんの中で11パーセント前半、場合によっては10パーセント台を定着させていきたいなどの考えはありますか?
榮:物件の情報や所有者の情報を集め、いろいろとアプローチする仕組みは出来上がってきているため、効率が上がり、販管費率は少しずつ下がっていくはずだと思っています。今は、その始まりのようなイメージになっています。
販管費で増えるところとして、比率としては変わらないとは思いますが、人件費は絶対に増えます。これに加えて、支店展開です。本社に関しては、つい数週間前に100坪ほど増床しようという話も出てきています。
それ以外は効率化が進んでいきます。システムを握っているため、特に事務系および営業部社員の管理などもおそらく楽になっていきます。
したがって、販管費率は下がっていくだろうと考えます。経常利益率は上がってくるはずだと思いますが、それはチャレンジしながらだと思っています。
スライドのグラフの薄緑色の部分は、販売仲介手数料です。こちらが増えてきているため、直接販売を増やすことによって減らしたいと思っています。お客さまを広く探すということであれば、こちらも必要な経費ではありますが、直接販売の比率をもう少し増やしたい考えです。
2025年7⽉期第1四半期業績 連結貸借対照表 概要(B/S)
榮:連結貸借対照表の概要です。まず、販売用不動産が順調に増えていることが非常に重要なところです。スライドの表に2024年7月期第1四半期からの実績が載っていますが、135億500万円、132億5,800万円、147億5,200万円、166億1,900万円と推移しており、第2四半期は約132億円と少なくなっています。
2024年7月期第4四半期と2025年7月期第1四半期を比べると、166億1,900万円が196億7,600万円と順調に増えており、利益も出ています。したがって、第2四半期も確実に増えていくことを念頭に置きながら、現在動いています。
Ken:良い仕入れができているということですね。
榮:おっしゃるとおりです。ダイレクトに不動産の所有者にアプローチしており、量的にも質的にも良い物件が入っていると考えています。
次に、有形固定資産です。こちらはファミリータイプの賃貸中のものを有形固定資産として購入しています。ファミリータイプの賃貸中の特性として、お部屋が空くと少し高く売れます。今、不動産価格が上がってきているため、インフレもありますが、2割ほど高く売ることができます。
したがって、家賃で月々のローンを返済しながら、お部屋が空いたらフルリフォームして販売しています。
これはこれで単体の事業として成り立ちますが、クラウドファンディングの中に少しずつ入れていきたいと思っています。配当利回り3パーセントないし4パーセントほどの商品を、これから数多く提供していきたい考えです。
無形固定資産については、2024年7月期第1四半期から順に、6億9,400万円、7億2,000万円、7億2,500万円、7億3,600万円となっており、2025年7月期第1四半期は7億5,100万円です。こちらはソフトの価格です。ソフトに関しては、ある一定のところでずっと留まっており、そこまで大きく増えていないかたちです。これまでのお話とも一致していると思います。
Ken:有形固定資産に関して、今後どれくらいのペースで増えていくなどの見通しはありますか?
榮:現在のようなペースで増えると思っています。売上規模を増やしていきますので、それを考えるとかなり増えていくとは思います。
今は戸建てとアパートに広げましたが、1棟ビルや1棟マンションが入ってくると、例えば電気・ガス・水道代の支払いや、建物管理、賃貸管理をどうするかなど、いろいろ作らなければならない部分があります。
さらに、現在は国内で取り組んでいますが、アメリカの不動産を日本人に紹介する仕事を手掛けたいと思っています。加えて、東アジアないし東南アジアに目を移し、リフォームやリノベーション事業なども行っていきたいと考えているところです。
したがって、開発するものはこれからも数多く出てくると思います。ただし、不動産に関しては変わらず、効率的なソフト開発を行いながら、順調に増やしていきたいと思っています。
2025年7⽉期第1四半期業績 販売用不動産推移・在庫回転日数
榮:販売用不動産推移と在庫回転日数についてです。販売用不動産は、2024年7月期第4四半期が166億1,900万円、2025年7月期第1四半期が196億7,600万円とかなり伸びています。在庫回転日数は90.66日と、他社に比べても非常に少ない日数です。
当社の説明会をよく聞いていらっしゃる方は、少しずつ伸びていると思うかもしれません。伸びているのはファミリータイプで、買取リフォーム販売がかなり増えてきています。リフォームは2ヶ月から3ヶ月ほどかかるため、会社としては半年程度で売り切ろうと話しています。したがって、他社ほど大きくなるとは考えていません。
Ken:人手不足などでリフォーム期間が伸びている感じもあるように思います。今後、例えば100日弱程度まで伸びてくるような想定はありますか?
榮:工事の仕方や着工をどうするか、管理組合の許可、大工の手配などで、実はいろいろ工夫しています。要となるのは大工です。
福岡支店にも建築事業部がありますが、そちらでは他の不動産会社からリフォームの仕事をいただいています。自社のリフォームだけではなく、自社のリフォーム技術を他社に提供し、仕事をいただいているということです。現在、これを建築事業部全体に広めようと考えており、私も福岡に半年間行くなどしています。
ファミリータイプが増えているため、特にリフォームに関しては職人の手配などかなり大変です。それを含めた上で、どのように進めていくかを考えながら動いています。
2025年7⽉期第1四半期業績 当座貸越枠と売上高の推移
榮:当座貸越枠と売上高の推移です。物件の数が増えているため、現在は借り入れが大きくなっており、売上高とともに当座貸越枠を拡大していく作業を行っています。地方の銀行とのお付き合いも始まっています。
成⻑戦略とKPI 従業員数推移
榮:中長期成長のイメージについてです。一番のメインである会社の特徴と決算についてはお話ししましたので、それ以外をご説明します。
従業員数の割合は、システム部門が21パーセント、事務部門が22パーセント、事業部門が57パーセントです。システム部門で業務効率化を図ることで、事務部門の割合を減らせるのではないかと考えています。
成⻑戦略とKPI 営業人員推移
榮:人員を増やすためには、支店を拡大しなければなりません。そのために、本社と大阪支店を拡大していきます。
成⻑戦略とKPI 渋谷支店の新規開設
榮:2024年11月に渋谷支店を新規開設しました。
成⻑戦略とKPI 拠点の拡大
榮:採用に関しては、営業職を雇用するのは非常に大変です。しかし、人員を増やしながら予算をしっかりとクリアするように努力し続けており、クリアしてきています。
成⻑戦略とKPI 地域別取引件数の割合
榮:そのような努力をする中で、物件種別を広げています。地域別取引件数は、首都圏で59.2パーセントを維持している状況です。首都圏は競争がかなり激しいため、地方のほうが取りやすい部分はありますが、地方をしっかり広げながら首都圏も維持できています。
成⻑戦略とKPI 取扱種別の拡大
榮:取扱種別の拡大についてです。区分マンションが中心でしたが、現在は戸建てやアパートの取り扱いも拡大中です。将来的には1棟ビルや1棟マンションへも拡大していきたいと思っています。
スライドの図の色の濃い部分に関してはすでに取り扱っていますので、今は戸建てやアパートの拡大に一生懸命取り組んでいます。
成⻑戦略とKPI RCPに蓄積された物件データ数
榮:同時に、物件のデータ数も非常に増えてきています。
成⻑戦略とKPI 取扱不動産取引件数
榮:当然ですが、取引件数も増えてきています。件数が減っても売上が伸びているのは、単価が高くなっていることが大きな要因です。
市場環境 首都圏の中古マンション成約坪単価と成約件数の推移
榮:市場環境として最もお伝えしたいことが、スライドのグラフになります。こちらは、首都圏の中古マンション成約坪単価と成約件数の推移になりますが、非常に伸びています。
2011年の東日本大震災や、2012年の安倍政権発足あたりから、坪単価が右肩上がりに一直線に伸びてきています。特に新型コロナウイルスが収束し、今年に入ったあたりから伸び方の角度が少し上がっています。
価格が上がれば、当然ながら件数は減ってきてもおかしくありませんが、維持しています。当社はまさに今この市場で勝負しており、非常に伸びる市場となっています。このグラフは首都圏に関してになりますが、近畿圏も似たような状況です。市場環境を見ながら仕事を拡大している最中です。
市場環境 拡大する不動産流通市場
榮:不動産流通市場についてです。日本での不動産売買での中古の流通比率は、実は42.3パーセントです。しかし、アメリカは81パーセント、イギリスは85.9パーセントが中古となっています。
日本の中古市場は今後ますます伸びていくと考えていますので、当社はその分野のNo.1になりたいと思っています。そのために「あんしん保証サービス」を作ったり、瑕疵担保責任の期間を長くしたりしています。
また、所有者がわからないなど、相続がうまくいっていない全国の不動産をすべて動かしていきたいとよく話しています。中古マンションの流通・再生・運用で社会貢献していきたいという目標のため、今一生懸命に取り組んでいるところです。
サービス/保証 お客様満足度向上への取り組み
榮:契約不適合責任、設備保証、家賃滞納保証についてです。スライドに記載のとおり、ユニットバスであれば40万円までを上限として保証をしています。修理費用が80万円だとしても、その半分を当社が保証するということです。
サービス/保証 個人投資家向け販売を強化
榮:投資用物件検索ホームページのリニューアルについては、まさに取り組んでいる最中で、12月、1月頃にはリリースできるかと思っています。このあたりが販売強化につながると考えています。
サービス/保証 クラウドファンディング LSEED
榮:クラウドファンディング「LSEED(エルシード)」についてです。#9の募集期間は12月10日から1月10日までです。運用期間は6ヶ月間で、年予想配当利回りは4.0パーセントになります。上場企業が運営しているクラウドファンディングの中では、決して悪くない数字かと思います。
サービス/保証 クラウドファンディング LSEED
榮:こちらは1万円から投資が可能です。
サービス/保証 管理戸数推移/入居率
榮:管理戸数についてです。投資用不動産の販売も増えています。当社は一般の消費者の方にも販売しているため、管理戸数は順調に増えてきていますが、さらに増やしていきたいと思っています。
業績の進捗と見通し 売上高と経常利益 5期分推移と今期の進捗
榮:売上高、経常利益は順調に進捗しています。売上高の進捗率は22.9パーセントです。当社は上半期と下半期では、下半期のほうが売上も業績も上がる傾向があります。したがって、予算はしっかりと達成できると思っています。
経常利益の進捗率も27.8パーセントですので、予算は達成する考えです。どこかで上方修正ができればと考えています。
業績の進捗と見通し 一株当たり配当金(株主還元)
榮:配当金に関しては、業績をしっかりと見ながら決めていきたいと思っています。
業績の進捗と見通し 経営指標
榮:ROEについて、不動産業界平均は8.7パーセントですが、当社は23パーセントとなっていることが特徴です。その理由としては、良い物件を仕入れることを徹底しているためです。
PBRについては、株価が若干低い時はありましたが、良い時は1.3倍や1.4倍となっており、四半期会計期間では平均で1.02倍となっています。
Ken:ROEについて、今規模が一気に急拡大している最中だと思いますので、徐々にこれくらいの数値を保つのが難しくなってくるかと思います。榮さんの中で、最低でもこれくらいを保ちたいなどの考えはありますか?
榮:データとしては持ちたいのですが、買取リフォーム販売はどうしても回転率が落ちます。ただし、区分マンション、アパート、1棟ビル、1棟マンションについては投資用不動産になりますので、管理人もしっかり抱えている良い物件があればと思っています。したがって、23パーセントか20パーセントかはわかりませんが、高い数字を維持できると思っています。
質疑応答:今後の支店拡大について
岸田彩加氏(以下、岸田):「支店網は今後も拡大していく計画ですか?」というご質問です。ご説明の中に、今後は千葉支店や札幌支店も検討しているとありましたので、そちらの進捗もあわせて教えてください。
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