ハイライト
久世良太氏(以下、久世良太):株式会社サンクゼール代表取締役社長の久世良太です。日頃より当社の企業活動にご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。2025年3月期第2四半期決算概要についてご説明します。
まずは、第2四半期連結累計期間のハイライトです。売上高は、前年同期比2.1パーセント増の92億800万円です。営業利益は、前年同期比68.5パーセント減の2億3,000万円で、増収減益となりました。
直営店舗の売上高は、前年同期比4.4パーセント減の29億400万円です。FC店舗の売上高は、前年同期比4.4パーセント増の34億4,000万円です。既存店お客さま数は4月を底として、前年同期比で回復傾向が続いており、9月は6.0パーセント増となっています。
お客さま単価は、お買い上げ点数の増加などにより、2023年12月以降に実施した商品値下げ前となる前年同期と比べて同水準まで回復しつつあります。
ECは、高まるギフト需要に対する商品ラインナップの強化やサービスの充実など、さまざまな施策を継続して実施したことでお客さま数が増加し、売上高は前年同期比9.7パーセント増の5億7,000万円と、堅調に推移しています。
ホールセールの売上高は、主要取引先である大手小売りチェーンでの一部商品の販売苦戦と、新商品販売の後ろ倒しなどにより、前年同期比26.9パーセント減の12億1,000万円となりました。現在は販促活動の見直しやその他の商品カテゴリの充実などに注力し、売上の回復に取り組んでいます。
グローバルは、米国既存ブランドおよび台湾をはじめとするアジア市場での売上高が堅調に推移しています。また、2023年6月に事業譲受した「Portlandia Foods」の売上計上もあり、売上高は前年同期比118.1パーセント増の10億6,000万円と、大きく伸長しています。
売上総利益率は、チャネル別売上構成の変化や2023年12月より順次実施した商品値下げ、原材料価格の高騰などにより、前年同期比4.8ポイント減の34.6パーセントとなりました。
連結業績概要
当第2四半期連結累計期間の業績概要についてご説明します。当第2四半期連結累計期間の業績は、増収減益となりました。売上総利益率の低下に関しては、FC向け卸価格の適正化や自社製造商品の原価低減施策などを推進しており、改善に向けて取り組んでいます。
販管費の増加は、物流コストの高騰や従業員のベースアップなどによる人件費の増加が主な要因です。特別損失として「MeKEL」長野若里店の退店などに伴う減損損失を計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益に影響しています。
販売チャネル別売上高
販売チャネル別の売上高は、冒頭でご説明したとおりです。7月から9月の第2四半期会計期間における直営およびFCとECの売上高は前年同期比で回復基調となっており、この傾向は第3四半期も継続しています。
販管費の状況
販管費の状況です。人件費は、従業員のベースアップなどにより、前年同期比3,900万円増の12億500万円です。
荷造運搬費は、出荷業務の外注化や倉庫管理費および輸送費の増加などにより、前年同期比6,200万円増の6億2,000万円です。
減価償却費は「MeKEL」1号店や商品開発ラボの新設による設備投資などにより、前年同期比3,100万円増の1億600万円です。販管費全体では、前年同期比5.2パーセント増の29億500万円となりました。
連結営業利益 前年同期比
営業利益の増減を要因別に示しました。売上高の減少に伴う営業利益の減益要因として7,500万円、売上総利益率の低下による影響として約4億5,000万円となりました。
販管費は、人件費や荷造運搬費、減価償却費がそれぞれ増加し、営業利益は前年同期比で5億100万円減少しました。
連結業績予想の修正
当第2四半期連結累計期間の通期業績予想に対する進捗率です。通期業績予想に関しては、2024年5月に発表した数値を修正しています。
修正理由としては、売上高の減少により、リテール事業、EC事業、グローバル事業がおおむね計画どおりに進捗している一方で、ホールセール事業において、一部商品の販売不振および販売時期の後ろ倒しを見込んでいます。
また、売上高の減少に伴う営業利益および経常利益の減少、さらに「MeKEL」長野若里店の退店に伴う減損損失1億1,000万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益も減少を見込んでいます。
修正後の連結業績予想に対する進捗率は、特に利益に関する予想に対して厳しい状況が続いています。自社製造商品の原価低減に向けた取り組みや、FC店舗への卸価格適正化などの施策を推進しており、当連結会計年度第3四半期以降は徐々に効果が高まると見込んでいます。
既存店売上高・客数・客単価推移
既存店の売上高、お客さま数、お客さま単価の前年同期比の推移です。売上高およびお客さま数は、4月を底として回復傾向にあります。9月のお客さま数は、前年同期比で6.0パーセントまで回復しました。10月以降も、この傾向は継続しています。
業態別店舗数
店舗の出退店状況は、スライドの表のとおりです。当社は、毎期10店舗程度を新規出店する方針です。
当第2四半期連結累計期間において、「久世福商店」で6店舗を新規出店した一方、「サンクゼール」で2店舗、「久世福商店」で1店舗、「MeKEL」で1店舗を退店しました。また、「サンクゼール」の2店舗を「久世福商店」に切り替えました。
以上の結果、当第2四半期末の店舗数は「サンクゼール」13店舗、「久世福商店」161店舗の計174店舗となっており、前連結会計年度末から3店舗の増加です。
店舗会員数・ロイヤル顧客比率
スライドのグラフは、当社の公式アプリに登録しているお客さまのうち、店舗をご利用いただいている会員数と、そのうち当社の定める分類によりロイヤル顧客と定義しているお客さまの割合を示しています。
8月にロイヤル顧客の比率が若干減少していますが、販促イベントを行い、獲得した新規ロイヤル顧客の一部が離脱してしまった状況です。翌月9月からロイヤル顧客の比率は維持され、絶対数は純増しているため、今後も動きを注視していきます。
当社は、店舗にご来店いただくお客さまに当社のファンになっていただくことをなによりも大切に考えています。アンケートなどを通じて、お客さまニーズを起点とした商品やサービスの提供に注力しています。
グローバルの状況:国別売上高
グローバルの国別売上高についてご説明します。引き続き、米国と台湾がグローバルチャネルの主要な市場になっています。
米国は既存ブランドの成長に加え、2023年6月に事業譲受した「Portlandia Foods」の売上が計上されたことで、売上高は前年同期比169.5パーセント増の6億8,000万円と、大幅に増加しています。
台湾は米国系小売チェーンへの販売が堅調に推移しており、売上高は前年同期比36.1パーセント増の2億9,000万円です。
その他の地域は、これまでのオーストラリア、香港、カナダに加え、前期第4四半期から韓国との取引も開始されており、売上高は前年同期比4.4パーセント増の7,000万円です。
当社はグローバル事業を成長ドライバーの1つとして捉え、今後も事業規模を拡大、加速させていきます。
ROIC・ROE
直近12ヶ月間のROICとROEはスライドのとおりです。減収に伴う収益性の低下に加え、設備投資などの増加もあり、ROIC、ROEともに前連結会計年度から低下しています。目標とする指標値に向け、収益性の確保と企業価値の向上に努めていきます。
2024年7月 久世福商店町田マルイ店 オープン
当第2四半期会計期間のトピックスをご紹介します。まずは、7月にオープンした当社初の試みとなる小型モデル店舗「久世福商店町田マルイ店」のご紹介です。
駅近など買い回りの良い立地と明るいカジュアルな雰囲気で、より幅広い年代のお客さまに気軽にお立ち寄りいただける店舗を目指しています。お客さまの動向やニーズを慎重に分析し、次なる展開を検討していきます。
MeKEL長野若里店 閉店
昨年9月に直営1号店としてオープンした「MeKEL」長野若里店は、主にお客さま数の未達による業績不振により、今年9月に退店しました。現在は、約1年間の開業で得られた仮説検証の結果をもとに、「MeKEL」ブランドの今後の展開について検討を進めています。
Bonnie’s Jamsの事業譲受
今年10月に当社連結子会社であるSCI社が事業譲受した「Bonnie's Jams」のご紹介です。「Bonnie's Jams」では、フルーツやスパイスなどを使用したオリジナルジャムなどの加工食品を開発・販売しています。ユニークな高付加価値商品として、米国でも人気を博しています。
当社はこの事業譲受により、新たな商品群と販路を獲得することに加え、既存販路とのクロスセリングの強化、また自社製造工場の稼働率向上を推進し、グローバル事業のさらなる拡大を目指していきます。
FBC会員様イベント
FBC会員さま向けイベントをご紹介します。当社は、アプリ会員の一部のお客さまを対象としたFBCプログラムの一環として、当社およびブランドへのさらなる理解を深めていただくためのイベントを開催しています。
当社スタッフとお客さまが直接交流することでコミュニケーションが活発となり、お客さまのご意見や潜在的ニーズをうかがうことのできる貴重な機会となっています。当社は、これからもより多くのお客さまとのコミュニケーションを通じて、より良い商品やサービスの提供に努めていきます。
以上で、2025年3月期第2四半期決算のご説明を終わります。これからも株主のみなさまのご期待に添えるよう、事業に取り組んでいきます。引き続きご支援賜りますよう、なにとぞよろしくお願いします。
質疑応答:EC事業の施策やサービス内容について
質問者:EC売上高は前年同期比9.7パーセント増と堅実に成長していると思いますが、「商品ラインナップの強化やサービスの充実等の施策を実施」とある記載について、もう少し詳細に教えてください。
また、「高まるギフト需要に対し」とありますが、ECでのギフトに関して御社がどのような施策やサービス内容を展開しているか教えてください。
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