当社ビジネスモデルの特徴
大平啓介氏:株式会社ブリーチ代表取締役社長の大平です。本日は、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。
今回、初めてご参加くださった方もいらっしゃいますので、決算に関するご説明の前に、当社の事業内容やビジネスモデルについてあらためてご説明します。
まずはビジネスモデルの特徴です。従来のマーケティング支援会社の報酬体系は予算型と呼ばれ、初めから予算を確保する必要がありました。そのため、特に中堅中小企業などの予算に余裕がない企業、費用を最小に効果を最大化したい企業は、十分なマーケティング支援を受けにくいことがありました。
また、予算型はマーケティング支援を発注後、その成果が期待どおりに出なかった場合に、お客さま側に十分な利益が出ないリスクが発生します。
一方、当社の場合は、レベニューシェア型の報酬体系であるため、お客さまは事前に予算を確保する必要がなく、初期費用も一切支払う必要はありません。当社への報酬は、当社の支援によって新規購入ユーザーを獲得した場合など、実際にマーケティング効果が出た後に、効果が出た分のみをお支払いただくかたちとしています。
また、お客さまは、マーケティング用語になりますがCPAと呼ばれる、1新規ユーザー当たりの獲得コストをあらかじめ確定できるため、損益が格段に見通しやすくなりました。結果として、より幅広いお客さまが安心して当社に支援をご依頼いただけるようになっています。
当社サービスの流れと報酬体系
サービスの流れと報酬体系についてご説明します。当社は、初期費用は一切いただかず、当社の費用負担にて、実際にマーケティング施策を実行していきます。その後、新規購入ユーザーの獲得など、実際のマーケティング効果が出た後に、当社がレベニューシェアをいただく流れとなっています。
レベニューシェア型の場合、お客さまの売上が増えれば増えるほど当社も売上を増やせるため、当社とお客さまはWin-Winの関係を構築できます。
当社の収益モデル
具体的な収益モデルについてご説明します。当社がお客さまからいただくレベニューシェア額は、あらかじめお客さまと合意したレベニューシェア単価に当社が実際に獲得した新規購入ユーザー数を掛け合わせて算出します。
収益モデルは、当社が先行して広告投資を行い、お客さまからいただくレベニューシェアによって広告投資を回収するかたちです。
そのため、当社のお客さまから受領するレベニューシェア額から広告投資額を差し引いた金額を広告利益と呼んでいます。当社は売上高よりも広告利益を重要視した経営を行っています。
加えて、主な収益性を表す指標としてROASを管理しています。ROASとは、当社がお客さまからいただくレベニューシェア額を当社の広告投資額で割ることで計算される投資の効率性を測る指標です。このROASが一定以上の水準となるよう徹底管理することで、高い収益性を維持しています。
成長戦略 –バリューチェーンの拡張と強化
成長戦略についてご説明します。当社は、収益の柱となるコア商材の数と1商材当たりの平均売上高を主なKPIとしています。コア商材とは、当社がマーケティングを支援する商品やサービスのうち、当社の売上高が月間で1,000万円を超える商材を指します。
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用していますので、アップサイドが大きいビジネスモデルとなります。そのため、売上の伸びる余地が大きい商材に社内リソースを集中的に投資することで急速に成長してきました。
したがって、当社の収益の柱となるコア商材、特に当社が受け取る月間のレベニューシェア額が1億円を超えるAランク商材の数と平均売上高を増やすことが事業成長において重要となります。このようにコア商材数を増やすため、バリューチェーンを拡大、強化していきます。
24/6期における成長戦略
2024年6月期に実施した主な事業上の施策についてご説明します。まずは商材ポートフォリオの拡大です。過去実績が豊富な、化粧品・日用品・機能性表示食品の既存ジャンルにおいて深掘りしていくことはもちろんですが、まだ取り扱ったことがないジャンルの商品についても、ヒット商材を育てています。
金融ジャンルや美容サロンの店舗ビジネスの集客支援など、通販企業以外のマーケティング支援においても取り組んでいます。マーケティング支援の幅を広げるとともに、商材や顧客のポートフォリオの拡大を図っています。
また、現在主に活用している広告媒体である「LINE」や「Yahoo! JAPAN」に加え、「Google」「Facebook」「X」などの新規媒体の活用にも取り組んでいます。
さらに、マーケティング手法の拡大として、当社が強みとしているディスプレイ広告以外の動画広告などの広告も積極的に開拓しています。
当社がより多くのお客さまや商品のマーケティングを支援していくには、さらに人材を採用し優秀なマーケターへと育てていく必要があります。当社は年間で30パーセント程度の人員増を計画しており、人材の採用や教育に積極的に投資を行っています。
加えて、マーケティング力の強化や業務効率化を図るため、データベースや生成AIの活用などのIT投資も積極的に行っています。
エグゼクティブ・サマリー - 24/6期3Q実績
2024年6月期第3四半期の業績結果についてご説明します。スライドはエグゼクティブのサマリーです。次のページ以降、表やグラフをご覧いただきながらご説明します。
主要指標ハイライト(四半期比較)
第3四半期の決算数値です。第3四半期の売上高は34億6,000万円となり、第2四半期から下落しました。
第3四半期は、例年広告コストが上昇する傾向にあり、広告投資を拡大しにくいことから、売上高を伸ばしにくく、本年もこの影響により、第2四半期から売上高は減少する結果となりました。
しかしながら、複数の新規商材が立ち上がったことにより、第3四半期の売上の減少幅は例年よりもわずかにとどまりました。また、新規商材のROASが改善したことにより、第3四半期のROASは第2四半期の119.2パーセントから121パーセントへと上昇しています。
結果として、重要な利益指標である広告利益は6億円となりました。季節性の広告コストの上昇がありながらも、第2四半期より改善する結果となりました。
以上の結果より、2024年6月期第3四半期の営業利益はマイナス5,700万円となり、第2四半期よりも赤字幅を大幅に縮小しています。
なおマーケターの人数ですが、先月4月に22名の新卒社員が入社しており、当社独自のマーケター育成プログラムにて研修中です。彼らが早期に戦力となり、マーケターのリソースが拡大し、利益増加に寄与することを見込んでいます。
売上高推移(既存商材・新規商材別)
既存商材と新規商材に分けて、売上高の増減要因をご説明します。商材のポートフォリオの拡大に注力し始めた前期の第2四半期の時点で支援していた商材を既存商材として、それ以降に支援していた商材を新規商材として売上高を集計しています。
既存の商材から新規の商材に人員、リソースを振り分けたことにより、既存商材は売上高が減少しています。加えて、一部の商材の商品ライフサイクルの経過や顧客による販売戦略の変更などにより、新規ユーザーの獲得効率が低下した影響もありました。第3四半期については、季節性による広告コストの上昇も影響しました。
しかしながら、新規商材については順次立ち上がっており、新規でAランク商材となった機能性表示食品を含め、複数の商材がコア商材になっています。結果として、第3四半期の新規商材の売上高は、第2四半期の8億4,000万円から12億5,000万円へと大きく伸ばすことができています。
新規商材への取り組みをさらに加速し、現在の取り扱い商材数は20商材あまりにまで増えています。これらの新規商材をコア商材へと育てていきます。
新規ジャンルである金融ジャンルの業績も堅調に推移しています。同ジャンルの中でも、大手銀行グループの金融サービスのマーケティング支援を開始するなど、顧客数の増加にも寄与しています。
なお、昨年度までは当社の売上高の7割程度を占めていた株式会社アールからの売上高は、足元では4割未満に減少しています。
また、2024年3月22日に、小林製薬株式会社が紅麹製品の自主回収を発表したことにより、消費者の中で、機能性表示食品についての信頼性が揺らいでいます。
当社は紅麹製品のマーケティング支援は行っていませんが、機能性表示食品や健康食品というだけで消費者が購買を躊躇することがあり、当社としても、機能性表示食品や健康食品を販売しにくい状態が続くと見ています。この影響については、今後精査していきます。
KPI推移①:商材ランク別売上高の推移(四半期毎)
スライド12ページから14ページにかけては、これまでの決算説明資料と同様にKPIの推移を掲載しています。こちらはこれまでのご説明と重複しますので、ご説明は割愛します。
貸借対照表と財務状況
バランスシートの推移と財務指標です。2024年3月末での現預金残高は102億700万円、純資産額は97億3,500万円、自己資本比率は70.9パーセントと、引き続き財務健全性は高い状況にあります。この高い財務健全性を活かし、今後も成長投資を加速していきます。
2024年6月期においては、マーケターの採用教育投資、データ活用強化のためのIT投資、さらに人員拡大に伴うオフィスの増床を実施する予定です。
マーケターの採用については、冒頭にご説明したとおり、先月4月に22名の新卒が入社しました。来年は30名から40名程度の新卒社員の入社を予定しており、引き続き採用を拡大していきます。
IT投資としては、マーケティングデータをさらに活用するため、第1段階として、8,000万円程度を投資し、新たなマーケティングのデータベースを構築しています。
データベースやBIツールを導入することにより、例えば、ROASが高いマーケティング施策については迅速に広告投資を拡大したり、逆にROASが低い施策については早く改善策を打ったりと、マーケティング効果をより高めることができると考えており、すでに施策を進めています。