2023年9⽉期通期決算説明会
川嶋一郎氏:株式会社キャリア代表取締役の川嶋です。本日はご多用のところ、当社の2023年9月期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それではさっそくですが決算説明を開始します。
決算トピックス
2023年9月期の決算トピックスです。外部環境では、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、2021年9月期から続いていたワクチン接種需要が落ち着きました。その一方で円安の影響等もありインバウンド需要が回復しています。
2023年9月期の業績に関しては、売上、利益面ともに回復し、過去最高益を出すことができました。この要因としては、介護施設向けの派遣事業などの既存事業の回復、新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場への看護師派遣の一部収益等が寄与しています。
また、2022年9月期より開始した障がい者雇用支援事業については堅調に稼働率を伸ばしており、2023年9月期より黒字化しています。
2023年9⽉期 連結業績推移
グループの売上高は177億9,200万円、営業利益は6億800万円、当期純利益は3億7,800万円となっており、前年同期比で大幅な増益となりました。
営業利益分析
大幅増益の要因としては、売上総利益が増加しています。これは利益率の高い新型コロナウイルスワクチン独自の売上部分と、加えて、継続するものではありませんが、派遣スタッフへの社会保険料の予定以上の戻りというのがありました。
2023年9⽉期 連結業績
また、期初および期中で修正した計画に対して、売上高は概ね予想通りに推移し、各段階利益は通期の予想額を大幅に超過して着地しました。要因については先ほどご説明させていただいたとおりです。
2023年9⽉期 財政状態(貸借対照表内訳)
財政状態です。2023年9月期は利益剰余金の大幅な増加により、自己資本比率が6.3ポイント上昇しました。キャッシュも順調に増えており、この資金使途についてはこの後の成長戦略で説明します。
シニアケア事業の売上⾼推移
事業別の業績概要です。シニアケア事業は売上高が131億3,600万円となりました。2017年9月からの年平均成長率は15パーセントとなっており、新型コロナウイルスワクチン特需を除いたオーガニックの売上だけを見ても、利益率と安定的な成長基調を回復できたと考えています。
シニアワーク事業 売上⾼推移
シニアワーク事業については、市場に影響されやすく、コールセンター事業など回復していない領域もあります。インバウンド関連事業の、特需の伸びなどの領域もあり、2023年9月期の売上高は、過去最高となる46億5,600万円となりました。
また、決算トピックスでもご説明しましたが、障がい者雇用支援事業は、損益分岐点を超えて黒字化しています。
2024年9⽉期 業績予想
2024年9月期の業績予想です。キャリアグループの2024年9月期の売上高は195億円、営業利益は4億5,000万円を予想しています。売上高については、引き続きオーガニックの成長を加速させることで、増収の計画となっています。
一方、利益については、高利益率であったコロナワクチン特需の影響を見込まないこと、一時的な社会保険料の戻りがないことなどから、コロナ前の通常の利益率に戻ることが想定されます。そのため、減益の予想となっていますが、オーガニックの事業に関しては安定成長を継続しており、コロナ前の営業利益率は超える見込みです。
また、2024年9月期は設備投資や新規事業を計画しており、その影響もあります。この後、内容についてもご説明します。
2024年9⽉期 アクションプラン
2024年9月期のアクションプランは、医療 ・介護業界の問題解決において、新たな人材確保チャネルの構築を進めることと、ダイバーシティ推進においてシニアの就業機会の創出を目指します。
ミッション 介護業界における⼈材育成とリスキリング
我々、キャリアグループが掲げるミッションの1つとして、高齢化社会に対応するため、深刻な介護人材不足の解消を目指します。
現在、介護業界の有効求人倍率は約4倍で、2040年までには介護従事者が約69万人不足すると予測されています。その社会的問題を解決するため、医療・福祉市場への人材提供を積極的に実施しています。
そこでキャリアグループでは、自社で抱える派遣スタッフだけでなく、介護職に興味がある人材を市場から掘り起こし、政府が掲げる経済財政運営と改革の基本方針2023(いわゆる「骨太方針」)において強化する予定のリスキリングの事業に関しても、この進行期で実施します。
すでに厚生労働省の補助金申請をしており、介護人材キャリアアップ研修の受付を11月より開始しました。この研修を通して、就職困難者への就業を支援するとともに、介護業界の深刻な人材不足の課題解決に向けて取り組んでいきたいと思います。
売上高の成⻑イメージ
最後に成長戦略についてご説明します。当社の強みであるシニア人材の活用および医療・介護業界の派遣事業など、既存事業のオーガニックの売上・生産性等を上げ、今後も確実に積み上げて伸ばしていきます。
また、高齢化社会に向けたリスキリングやその他、新たなチャレンジに向けて投資を続けていきたいと考えています。
株主還元策
株主還元策です。2023年9月期は、新型コロナウイルスワクチン特需の影響もあり、キャリアグループとして大きく飛躍した年になりました。しかしながら、我々としてはまだ成長過程にあると認識し、この進行期では先ほど説明しました事業規模拡大のため、必要資金として内部留保することとしました。
ただし、株主還元は重要な策の1つとして位置づけており、成長のためのプラットフォームが整い、今後継続して安定的な配当が可能と判断した際には配当での利益配分を検討しています。
同時に株価向上のためにも積極的にIRを実施するとともに、設備投資および新規事業を通して利益拡大を図っていきます。
以上で、2023年9月期決算のご説明を終わります。