財務ハイライト

高橋和久氏:tripla代表取締役CEOの高橋です。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。2025年10月期第1四半期の決算説明を行いたいと思います。本日のアジェンダは、2025年10月期の第1四半期決算概要、2025年10月期計画の修正、会社概要、ビジネス概要という順になります。

2025年10月期の第1四半期決算概要をご説明します。

財務ハイライトです。当初の通期計画では、営業収益は25億8,200万円でしたが、27億7,000万円へ7.3パーセント上方修正しました。営業利益は4億3,800万円の通期計画でしたが、5億2,800万円へ20.7パーセント上方修正しています。

第1四半期の営業利益は1億2,500万円となり、上期計画は当初9,700万円を計画していましたが、第1四半期のみで達成しております。その理由としては「tripla Book」が非常に好調であり、第1四半期の営業利益は前年同期比64.2パーセント増で着地しています。

2025年10月期1Q結果(連結・YoY)

連結での成績です。営業収益は6億4,200万円で前年同期比86.6パーセント増、営業利益は1億2,500万円で前年同期比1万9,262パーセント増で着地しています。前年はSurehigh、BookandLink、その他の売上が入っていませんでしたが、こちらが連結に加わったため、連結の成績は大きくジャンプしています。

2025年10月期1Q結果(単体・YoY)

単体での成績です。営業収益は5億200万円で前年同期比45.8パーセント増となりました。「tripla Book」の従量収益が大きく増加したため、営業利益は1億1,200万円で前年同期比339.5パーセント増です。収益増により前年の4倍超で着地しています。

2025年10月期1Q結果(BookandLink)

子会社の成績についてご説明します。BookandLinkです。第1四半期の営業収益は4,600万円で着地しており、通期計画1億9,700万円に対し進捗率は23.8パーセントとなります。営業利益は2,400万円で着地しており、通期の営業利益は3,800万円を計画しています。

2025年10月期1Q結果(Surehigh)

Surehighの成績です。営業収益は9,300万円となり、通期計画が2億8,100万円であるため進捗率は30パーセント弱です。営業利益はマイナス1,210万円です。通期計画の営業利益もマイナス2,100万円ですが、スライドの括弧内に経常利益の予想を入れています。経常利益に直すとプラス500万円、通期ではのれん償却後にプラスマイナスゼロで着地する予定です。

営業外収益で政府補助金等を多くいただくことになっており、こちらで経常利益において打ち消し合うという計画になっています。

2025年10月期1Q 業績概要(連結・内訳)

子会社を含めた連結成績のまとめです。営業収益は6億4,200万円、営業利益は1億2,500万円、経常利益は1億4,700万円、当期純利益は1億1,600万円、親会社株式に帰属する当期純利益は1億1,400万円となっています。上方修正後の計画に対する進捗率は営業収益が23.2パーセント、営業利益が23.7パーセント、経常利益が27.8パーセント、親会社株式に帰属する当期純利益が28.5パーセントで進捗しております。

2025年10月期1Q 業績概要(単体・YoY)

こちらは単体のみのスライドになります。

四半期ごとの営業収益の偏重(単体)

四半期ごとの営業収益の偏重です。営業収益は5億200万円となり、上方修正後の計画に対し21.9パーセントの進捗率で推移しています。

営業収益-セグメント別(単体・tripla Book)

セグメント別の数字です。「tripla Book」の営業収益は第1四半期に3億8,600万円となりました。取扱高(GMV)は季節性の影響により前四半期から5億円程度減少している一方で、take rateの上昇により、前四半期に対して営業収益が大きく成長しています。導入施設数も128施設増加し、初めて3,000施設を超え3,081施設で着地しています。

Book従量収益の収益構造とtake rate

take rateは第1四半期に1.23パーセントとなり、前四半期の1.17パーセントから大きく上昇しています。前年同期比でも0.95パーセントから大きく伸びており、1年間で28ベーシスポイント増加しています。

従量収益に関しては、宿泊従量課金と決済従量課金の両方があると考えていただければと思います。

Book従量収益の季節性について

「tripla Book」の従量収益の季節性についてご説明します。宿泊者数は8月の夏休み需要が含まれる第4四半期に大きくなりますが、第1四半期においても宿泊者数は1億6,200万人と、多くのお客さまが日本国内で宿泊しています。

この数字は前年同期の1億4,900万人から拡大傾向にあります。もちろんインバウンドの延べ宿泊者数は増えており、前年同期の3,500万人に対し今年は4,500万人と1,000万人増加したのですが、日本人も前年同期の1億1,400万人に対し今回は1億1,600万人と延べ宿泊者数は伸びているため、日本人の旅行需要も少し戻ってきていることが見てとれるかと思います。

営業収益-セグメント別(単体・tripla Bot)

「tripla Bot」の導入施設数は32施設増の1,855施設で着地しています。導入施設数は増加傾向にありますが、収益に関しては引き続きARPUが少し下がってきています。その理由としては、オペレーターが対応するフルサービスを極力減らしていき、AIですべて自動対応していくサービスに変えていることがあります。フルサービス型からAI型にシフトすることでコスト削減となり営業利益が改善しています。

また、前回プレスリリースを出した、「tripla Bot」と「tripla Book」を併用すると公式サイトの価格とOTAの価格を比較し吹き出しで表示する機能もリリースしています。非常に好評をいただいているため、このような機能をフックにして、さらに「tripla Bot」の導入施設数を伸ばしていきたいと考えています。

四半期ごとの営業費用の推移(単体)

四半期ごとの営業費用の推移です。第1四半期は3億8,900万円という費用計上になっています。営業利益率は22.4パーセントで着地しており、前年同期の7.4パーセントから大きく改善したことが見てとれるかと思います。従業員数はグループ全体で現在162名です。

2025年10月期 計画修正(連結)

2025年10月期の計画修正についてご説明します。スライドは連結の内容です。営業収益は27億7,000万円とし、当初の業績予想である25億8,200万円に対して7.3パーセント上方修正しています。営業利益は4億3,800万円から5億2,800万円とし、20.7パーセント上方修正しています。いずれも「tripla Book」の業績が非常に好調であるための上方修正となっています。

2025年10月期計画修正(連結)

計画修正についてお伝えした数字を表にしたものがこちらのスライドです。

2025年10月期1Q結果(単体・営業収益・計画修正)

単体の数字です。修正前の2025年10月期計画の営業収益21億2,300万円を、22億9,100万円に修正しています。

当初掲げていた21億2,300万円をベースにすると、第1四半期終了時点の進捗率は23.6パーセントですが、修正後の進捗率は21.9パーセントとなります。こちらは前年と大きく変わらないため、前年と同じような季節性で売上が推移していくと、営業収益は22億9,100万円の着地となります。

営業収益- セグメント別(日本・tripla Book)

セグメント別の日本の「tripla Book」についてです。2025年10月期の計画で、営業収益は17億6,800万円、取扱高(GMV)は1,570億円です。導入施設数は3,409施設とし、修正前が3,323施設であるため80施設強の上方修正となっています。take rateは計画どおり1.34パーセントで着地する予定になっています。

会社概要

会社概要についてご説明します。連結の従業員数が前回からアップデートされており、2025年1月末時点で162名で運営しています。また、香港や米国などで拠点数が増えてきています。

数値でみるtripla

導入施設数は8,266施設まで増加しています。人材の日本人比率は21.5パーセントで着地しています。

triplaのこれまでの歴史

これまでの歴史です。2025年に入り、スライドの表も次回以降少しずつアップデートしていければと思っています。

経営陣の紹介

経営陣に関しては前回から大きな変更はなく、スライドに記載の7名で業務を執行しています。

triplaのパーパス

triplaのパーパスです。2024年12月期に一度みなさまに発表しましたが、社会貢献というところも含めて、「最高の旅行ソリューションを通じて、宿泊施設の持続可能な成長と、世界中の地域社会の発展を支援する。」を会社のパーパスとして設定しています。

triplaのビジョンとコアバリュー

ビジョンとコアバリューです。「顧客体験の向上と省人化を実現するデジタルソリューションを提供し、旅行業界を革新する。」をビジョンに掲げ、スライドに示した7つのコアバリューを従業員全員で実践できるように日々業務を行っています。

特に、スライドの1番目に置いている「顧客満足実現へのマーケットイン」に関しては、みなが十分にお客さまの話を聞き、製品に展開していくところに力を入れています。

11/13: 韓国にて「Hotel DigitalMarketing MasterClass」開催

ビジネスの概要についてご説明します。11月13日、韓国でHotel Digital Marketing関連のカンファレンスを初めて開催し、私も韓国に行き登壇しました。さまざまな旅行業界関連の方に来ていただき、登壇していただきました。80名ほどのホテル関係者にご出席していただき、韓国の方と多くのコミュニケーションを取ることができたと感じています。

1/15: 全旅連青年部第27回全国大会への出展

もう1つの大きなイベントとして、1月15日に全旅連青年部の全国大会に出展しました。弊社の営業が中心となって全旅連青年部の方たちと日々コミュニケーションを行うことにより、このような場にブースを構え、さまざまな旅館事業の関係者とコミュニケーションを取らせていただきました。

宿泊施設の売上及び利益の最大化への寄与

現在展開しているサービスは、スライドに記載の11種類となっています。

未来のtripla-サービスイメージ

未来のtriplaのサービスイメージです。スライドは12月に発表した資料ですが、まず「tripla Boost」という広告の運用代行を日本語だけでなく多言語で展開し、「tripla Page」を含む公式サイトにお客さまを誘導して、そこから「tripla Book」を活用した公式サイトでの売上につなげ、「tripla Link」で在庫や料金設定を一括管理し、そしてPMSに料金を連携させるというかたちのサービスソリューションになります。

それに付随して、スライド上部では決済のソリューション、法人予約を中心とするGDSのソリューション、ダイナミックパッケージ、DMOとの協業なども目標に入っています。

スライド下部では「tripla Connect」を利用して、各顧客セグメントを切った上でメール送付やSMSの配信を行う機能のほか、OTAや「Google」などに掲載されているレビューデータをマネジメントする「tripla Review」、運用代行のコンサルを行う「tripla Success」、BIツールである「tripla Analytics」というサポートツールも提供しています。

また、メッセージアプリとも連動した「tripla Bot」、館内案内の「tripla Guide」なども提供しており、旅行者を一元的にサポートしていくイメージをもって業務を行っています。

triplaの経営戦略

経営戦略として前年までは2つを挙げていましたが、今年は4つを掲げています。市場ニーズに応じたサービスの多機能化、海外市場展開の加速、地域社会の発展支援、人材のグローカル化です。

戦略を実現するアクションプラン

1つ目の市場ニーズに応じたサービスの多機能化については、まず決済ソリューションの強化と多様化に力を入れています。

01. 現地決済から事前決済への切り替えを促進していく

これまで「tripla Book」を使って予約しているホテルのお客さまに関しては、クレジットカードの事前決済比率が20パーセント程度、現地決済比率が80パーセント程度で推移していましたが、事前決済比率を35パーセント程度にまで引き上げることを目標に掲げています。

ホテル側が得られる利点としては、キャンセル料の取り漏れがなくなりキャッシュフローが改善します。一方triplaとしては事前決済から得られる従量収益を増加することができ、Win-Winの関係を作れるかと考えています。

そのために、現在、スライド下部の4つのアクションプランを実行しながら、事前決済比率を引き上げることに力を入れています。事前決済プロモーションやインバウンド客の事前払いに関しては、すでにかなりの割合が実行できているかと感じています。

01.決済手段と決済シーンの多様化

決済手段の多様化に関しても今後取り組んでいこうと思っています。現在はクレジットカードの事前決済が中心ですが、例えば「PayPay」や「Amazon Pay」、台湾中心ですが「LINE Pay」、「WeChat Pay」などクレジットカードを軸とした多機能化に加え、日本ならではのコンビニ払いや銀行振込にも対応していければと考えています。

01. コストの最適化を常に実行

tripla1社で決済手段の多様化を実現することはなかなか難しく、さまざまなペイメントパートナーと協業しながら行っていければと考えています。

02.集客及びコンバージョンを改善する機能強化

集客及びコンバージョンを改善する機能強化についてです。基本的には公式サイト売上を最適化するためのサービスというかたちで「tripla Page」「tripla Book」「tripla Connect」「tripla Bot」「tripla Guide」を提供していますが、もし公式サイトが満室になっていれば値上げを検討し、空室があれば公式サイト広告予算の追加に向け「tripla Boost」を提供し、さらに公式サイト売上を上げていきます。

満室になれば広告予算や室料を見直せばよいのですが、まだ空室がある場合は「tripla Link」を活用してさらにOTAチャネルを広げていくソリューションも、弊社のほうで提供していければと思っています。

それでもまだ空室がある場合はOTA広告を投下し、実際にお客さまの口コミを分析していく「tripla Review」を活用します。このような一つひとつのサービスを提供してはいくのですが、やはりホテルでもすべての機能を使いこなすのはなかなか難しいため、そのようなところでは弊社と一緒に二人三脚で使っていただけるよう努力しています。

02.集客及びコンバージョンを改善する機能強化

「tripla Connect」の事例です。実際にいろいろなお客さまとの事例やシナリオを作成し、例えば30代未満のお客さまにはメールAを送り、30代以上にはメールBを送る、そして待機時間を経て返信がない場合はLINEを追加するといった、セグメントごとに広告を配信するマーケティングオートメーションを、ホテルの人とtriplaのサクセスチームの二人三脚で実現するソリューションも提供しています。

03.宿泊ビッグデータプラットフォームとAIを融合させる

AIと宿泊ビッグデータを活用し、ホテルにソリューションを提供することも行っています。

03.拡大するtriplaグループ顧客データ精度の精緻化

具体的には、8,000以上のホテルと3,000万人近くのMAUのデータを活用しています。

03.売上や省人化へ寄与するべくAIを活用していく

宿泊施設の利益の最大化の促進、業務の自動化、ユーザーエクスペリエンスの向上を実現させるためにAIを活用しています。

04.アジアパシフィックを中心に最適な事業拡大

海外戦略に関しては、アジアパシフィックを中心に最適な事業拡大を行っています。香港や米国に加え、フィリピンでも事業展開していきます。

04.海外進出形態の整理

海外進出の形態です。会社設立を経て進出していく台湾、韓国、フィリピンのようなケースから、販売代理店(Reseller)を活用して進出するケースもあります。現在エジプトに約30施設ほどのお客さまがいらっしゃいますが、こちらはResellerを通して販売しています。

さらに、M&Aを実行して進出していくインドネシアやタイやシンガポールや台湾のケースというように、さまざまなパターンを考慮しながら、ベストの海外進出形態を模索して実行しています。

05.サービスのグローバル化を実現するためのシステム連携

サービスのグローバル化を実現するためのシステム連携です。12月に発表した「コネクティビティハブ」というさまざまなチャネルマネージャーとの連携が実現できるサービスを提供していきます。

06.triplaLinkが連携しているOTA及びWholesale一覧

OTAやWholesaleといった多くの会社との連携を実現していくことにも力を入れています。

05.グローバル連携を基礎としてPMIメカニズムを完成

実際にM&Aをして一緒になった会社ともPMIを実行して、より一元的なサービスになれるよう、開発を進めています。

06.インバウンド主体の新規顧客獲得アクション強化

インバウンド主体の新規顧客を創出するためのアクションとして、台湾やインドネシアなど海外のローカルOTAのお客さまから、日本のホテル予約を取得するために、triplaが代理店となり「tripla Link」を活用して、日本のホテルのPMSに予約情報を送り込むといったソリューションも、今後実現していこうと考えています。

06.インバウンド主体の新規顧客獲得アクション強化

「tripla Boost」サービスは日本語だけではなく、インバウンド獲得のために多言語での広告配信ソリューションのサポートを強化していく予定です。

07.地域社会の発展支援-つくる責任つかう責任(SDGs #12)

地域社会の発展支援です。2月に福島市のDMOとの連携を発表しましたが、各自治体などが運営している観光情報サイトにおいても「tripla Book」をうまく活用していただき予約を取っていく、あるいは例えば福島市に来られたお客さまをセグメント化してメルマガや「LINE」を配信していくなどのMA機能を提供します。

また、福島市への質問に対しては「tripla Bot」が回答するなど、弊社のサービスを自治体レベルにも適用することによって、より予約を取りやすい環境を提供しています。こちらは現在福島市だけで行っていますが、今後横展開できるように、ほかの自治体のお客さまにもサービスを提供したいと考えています。

07.地域社会の発展支援-つくる責任つかう責任(SDGs #12)

私も福島市に行ってヒアリングしたところ、実際にOTAや公式サイトなどITのセッティングを行う人材は、やはり地方に行くほど枯渇する問題があります。このようなところについて「tripla Success」のサービスを活用していただくことで、より簡便にITソリューションの提供を広められると思っています。地域社会の発展支援を進めていければと考えています。

08.人材のグローカル化を推進

人材のグローカル化です。日本のホテルは日本の営業マンが、韓国のホテルは韓国の営業マンが、フィリピンのホテルはフィリピンの営業マンがというかたちで、各現地スタッフが十分にヒアリングを行います。そしてグローバル、ローカル、顧客特定でそれぞれの課題を抽出して優先順位をつけ、グループ全体で開発していくような開発体制を整えていきます。

直近では、このようなことに力を入れています。

08.海外人材を各国で積極的にローカル登用

日本だけではなく台湾やインドネシアといった、さまざまな拠点で開発を行っています。

手短になりましたが、以上が、第1四半期の決算説明資料のご説明になります。

質疑応答:「tripla Book」の日本および海外での競争環境について

「『tripla Book』の日本および海外での競争環境について教えてください」というご質問です。

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