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黒岩正勝氏:みなさま、こんにちは。本日は大変お忙しい中、当社の2022年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私はニッコンホールディングス株式会社、代表取締役社長の黒岩正勝と申します。よろしくお願い申し上げます。

初めに、新型コロナウイルスによる感染症に罹患されたみなさま、その影響を受けられているみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。

これから約60分のお時間をいただき、当社の決算内容とESGの取り組みについてご説明します。後ほど、ご質問の時間を設けさせていただき、みなさまからのご質問にお答えしたいと考えていますので、よろしくお願いします。それでは、目次の項目順にご説明します。

業績概要:当連結会計年度の概要

業績概要からご説明します。当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスによる感染症の影響が続く中、一部持ち直しの動きが続いているものの、依然として厳しい状況で推移しました。

その後、ワクチン接種が進捗したことにより新規感染者数が減少し、経済活動の正常化への動きが見られましたが、社会や経済活動は本格的回復に至らず、景気の先行きは不透明な状況が続くと見込まれています。

物流業界においては、慢性的な人手不足、企業過多による競争の激化に加え、燃料価格の高騰など、厳しい経営環境が続いています。

業績概要:連結 損益計算書

続いて、当連結会計年度の損益計算書についてご説明します。売上高は、業務量の回復などにより、前期比8.6パーセント増の1,981億5,900万円となりました。営業利益は、増収効果や業務の効率化などにより、7.3パーセント増の195億1,200万円となりました。

経常利益については、営業利益の増加に伴い、前期比4.9パーセント増の215億8,400万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期比1.4パーセント増の147億4,100万円となりました。

業績概要:連結 事業別売上高 / 事業別営業利益

当連結会計年度の事業別売上高と営業利益についてご説明します。運送事業は、貨物取扱量の回復などにより、売上高は前期比6.8パーセント増の903億3,800万円となりました。営業利益は、燃料価格の高騰を受け、前期比4.0パーセント減の44億9,800万円となりました。

倉庫事業については、国内外で継続的に行ってきた倉庫の新増設の効果などにより保管貨物が増加し、売上高は前期比7.8パーセント増の346億円となりました。営業利益は、増収効果等により、前期比6.6パーセント増の80億5,000万円となりました。

梱包事業については、業務量の回復などにより、売上高は前期比10.5パーセント増の443億6,300万円となりました。営業利益は、人件費や外注費等の増加などにより、前期比0.5パーセント減の23億5,400万円となりました。

テスト事業については、業務量の回復などにより、売上高は前期比6.8パーセント増の218億6,300万円となりました。営業利益は、増収効果や業務の効率化などにより、前期比33.1パーセント増の37億3,900万円となりました。

当期の売上高の構成比で見てみると、占める割合が一番大きいのは運送事業で、45.6パーセントを占めており、次いで梱包事業、倉庫事業、テスト事業と続きます。

当期の営業利益の構成比では、占める割合が一番大きいのは倉庫事業で、40.9パーセントを占めています。次いで、運送事業、テスト事業、梱包事業となります。

業績概要:連結 業種別売上高 / エリア別売上高

当連結会計年度の業種別売上高についてご説明します。自動車は、取扱業務量の増加により、売上高は前期比6.1パーセント増の738億4,700万円となりました。自動車部品については、取扱業務量の増加により、前期比17.0パーセント増の424億700万円となりました。

住宅については、住宅着工戸数の増加により、前期比7.6パーセント増の265億7,100万円となりました。農機においては、主要顧客の在庫調整により、前期比0.9パーセント減の72億7,200万円となりました。

構成比を見てみると、占める割合が一番大きいのは自動車関連で、自動車と自動車部品を合わせて58.7パーセントを占めており、次いで、住宅、農機と続きます。

次に、連結のエリア別売上高についてご説明します。日本、北米、アジアと3つの地域に分けています。日本においては、自動車関連および住宅の業務量の増加により、前期比6.7パーセント増の1,714億9,600万円となりました。

北米においては、自動車関連の業務量の増加により、前期比30.7パーセント増の89億7,700万円となりました。アジアにおいては、タイ、中国、ベトナムおよびインドにおける業務量の増加により、前期比18.3パーセント増の176億8,600万円となりました。

構成比では、日本が86.5パーセント、海外は北米とアジアを合わせて13.5パーセントとなっています。

業績概要:連結 財務指標

当連結会計年度末の財務指標についてです。総資産は、前期末に比べ173億3,600万円増の3,394億7,500万円となりました。

増加した主なものは、設備投資として倉庫建設や事業用地の取得などにより、有形固定資産が184億円、また当期3月の売上高の増加により、受取手形及び売掛金が17億2,900万円、それぞれ増加しました。

減少した主なものは、配当金等の支払いにより、現預金および有価証券が16億6,700万円減少しました。

有利子負債は、前期末に比べ60億6,200万円増の656億4,000万円となりました。これは、主に社債発行により、社債が100億円増加した一方、借入金の返済により、短期借入金が20億2,000万円、および長期借入金が18億2,300万円、それぞれ減少しました。

自己資本については、前期末に比べ107億3,000万円増の2,184億7,800万円となりました。これは、主に期中の利益計上により、利益剰余金が102億900万円増加しました。この結果、自己資本比率は64.4パーセントとなりました。

業績概要:連結 キャッシュ・フロー

当連結会計年度末のキャッシュ・フローについてご説明します。営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上により、289億8,500万円増加しました。

投資キャッシュ・フローについては、有形固定資産の取得による支出などにより、315億6,700万円減少しました。

財務キャッシュ・フローについては、社債の発行で100億円増加した一方、借入金返済などの支出により、7億5,900万円の増加となりました。

その結果、当連結会年度末における現金及び現金同等物は291億5,700万円となり、前連結会計年度末に比べて12億800万円減少しました。

成長戦略:連結 設備投資

続いて、成長戦略についてご説明します。こちらは連結ベースでの設備投資金額の推移を表したものです。当連結会計年度に実施した設備投資の総額は、282億8,000万円となりました。

成長戦略:連結 設備投資

続いて、当連結会計年度に実施した設備投資の内容についてご説明します。主な設備投資は営業車両で、トラックの増車や代替で187台取得しています。土地と建物については、次ページ以降でご説明します。

成長戦略:連結 設備投資 【倉庫完成】

建物については、広域荷主や地場企業の保管物を取り込むために、倉庫を国内8ヶ所、海外2ヶ所に新増設しました。倉庫面積は合わせて約9万9,000平米で、東京ドーム2.1個分の広さとなります。

成長戦略:連結 設備投資 【不動産取得】

不動産の取得については、国内の倉庫2ヶ所、オフィスビルを1ヶ所取得しました。

土地については、国内において事業用地4ヶ所を取得しました。敷地面積は合わせて約10万6,000平米で、東京ドーム2.3個分の広さとなります。

成長戦略:設備投資 【倉庫建設継続中】

2022年3月末現在継続中の主な設備投資は倉庫で、国内6ヶ所に建設中です。今後もお客さまのニーズに応えるために、戦略的な設備投資を積極的に行い、さらなる業容の拡大と新規業務獲得を目指していきます。

成長戦略:省人化の取り組み

続いて、タイの連結子会社であるNIPPON KONPO(THAILAND)のレムチャバン倉庫における省人化の取り組みについてご説明します。

倉庫内におけるシャトルラックの導入についてですが、シャトルラックとは、レール付きのラックの中を台車が走行し、パレットの入出庫を行う保管システムです。導入効果としては、高密度ラックの設置により保管効率が約55パーセント向上しました。また、フォークリフトマンの省人化により作業費が約30パーセント削減しました。

VNAラックの導入については、VNAラックと専用のフォークリフトを組み合わせることで通路幅の縮小が可能となり、保管効率が約30パーセント向上しました。また、フォークリフトによる入出庫の時間短縮が図れました。

成長戦略:M&Aの取り組み

続いて、M&Aの取り組みについてご説明します。当社は2022年3月1日に、安川電機の子会社である安川ロジステックが所有する株式会社安川トランスポートの株式のうち、86パーセントを取得しました。この株式取得に伴い、2022年3月1日付で社名を株式会社ニッコン北九に変更し、当社連結子会社となりました。

取得の目的としては、地域的なシナジーと荷主の拡大、従来の自動車関連から精密機器輸送への荷主の多様化、九州・中四国・関西の事業強化、関東からの帰り荷の確保です。M&Aについては、今後も業種・エリア等を総合的に勘案し、当社グループとのシナジー効果が得られる会社の取得を推進していきます。

中期経営計画:第12次中期経営計画 進捗状況①

中期経営計画についてご説明します。第12次中期経営計画の2年目については、コロナ禍の長期化、半導体および部品供給不足等によるさまざまな経営環境の変化などにより、売上高・営業利益・営業利益率ともに目標未達でした。それに伴い、中期経営計画の最終目標数値を見直しています。

これまで、アフターコロナの回復需要を見据え、物流拠点の拡充などの積極的な設備投資を実施し、回復需要を逃さない体制を築いてきました。コロナ禍で足踏みした遅れを挽回すべく、目標達成に向けた中期経営計画の基本戦略「国内および国際グループシナジーの創出」をはじめとする施策に取り組んでいきます。

中期経営計画:第12次中期経営計画 進捗状況②

続いて、第12次中期経営計画2年目における施策の実績についてご説明します。国内グループシナジーの創出については、拠点の開設や倉庫を新増設し、地域ネットワークを強化しました。国際グループシナジーの創出においては、マレーシアの子会社であるNKM LOGISTICSが物流事業を開始しました。

専門事業の強化と創出においては、テスト事業の強化のためテスト設備を新規導入し、業容拡大に向けて取り組んでいます。共創物流においては、混載輸送において5つのハブセンターを起点に、各拠点から貨物を集約し輸送する幹線区間と、各拠点とお客さまをつなぐ集配送区間を、共同輸配送で貨物をお届けする提案を行っています。グループ経営資源の最適化については、当社連結子会社の再編を行っています。

株主還元:配当金・連結配当性向の推移

続いて、株主還元についてご説明します。こちらは配当金および連結配当性向の推移になります。2022年3月期の年間配当金は、当初の予想どおり1株当たり2円増配の69円となりました。

配当方針については、2022年5月13日に配当方針の変更を公表しています。変更の目的は、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため、連結配当性向を30パーセントから40パーセント目途に変更しました。適用時期は2023年3月期の中間配当からになります。なお、2023年3月期の年間配当金は、1株当たり96円の予想となっています。

株主還元:自己株式の取得

続いて、自己株式の取得状況についてご説明します。自己株式の取得については、直近の株価の推移や資金面などを考慮して機動的に行っています。2022年3月期における自己株式の取得状況は、取得株式の総数は27万7,800株で、取得価額の総額は5億7,300万円となっています。

また、2022年5月13日に自己株式取得を公表しています。取得期間は2022年5月16日から12月28日までで、取得株式総数140万株、取得価額総額30億円をそれぞれ上限としています。

今後3年間で100億円を目途に自己株式を取得する方針です。なお、2022年5月31日に自己株式250万株を消却する予定です。今後も、資本効率の向上と株主還元の充実を図っていきます。

ESGの取り組み:環境・社会の取り組み

ESGの取り組みについてご説明します。環境と社会の取り組みとして、2021年12月に、NEXT Logistics Japan株式会社と当社の中核事業会社である日本梱包運輸倉庫を含むパートナー企業15社は、「令和3年度グリーン物流優良事業者表彰」の最高位となる「国土交通大臣表彰」を受賞しました。

取り組み内容としては「ドライバー不足によりモノが運べなくなる」という日本経済の根幹を揺るがす社会課題の解決に向けた、高効率輸送スキームの構築です。効果としては、CO2排出量の削減やドライバーの省人化などがあります。

当社グループは、保有するダブル連結トラックを活用し、省人化や労働環境の改善、輸送効率化によるCO2排出量の削減を実現しています。

ESGの取り組み:環境の取り組み

低公害車の導入においては、2022年度に大型ハイブリッド車2台を試験的に導入する予定です。バッテリーフォークリフトの導入においては、中核事業会社の日本梱包運輸倉庫では、フォークリフト保有台数全体の87パーセントにバッテリーフォークリフトを導入しています。

太陽光発電による電力の創出や販売においては、建物の屋上や土地を有効活用した電力の創出および販売を行っています。現在15ヶ所に太陽光発電設備を設置しています。

また、自社倉庫に自家消費型太陽光発電設備を設置し、発電した電力は自社設備にて使用しています。今後建設予定の倉庫にも、太陽光発電設備を設置する予定です。

ESGの取り組み:環境の取り組み

将来の環境の取り組みとしては、運輸セクターに対する政府の削減目標に連動し、当社も次期中期経営計画において、2030年目標に向けた取り組みを加速していきます。環境配慮車の導入をはじめとする施策に取り組み、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指していきます。

以上で、説明を終わらせていただきます。この説明会を通じて、当社へのご理解が深まれば幸いでございます。ご清聴ありがとうございました。