2022年8月期第2四半期決算説明会
嵜本晋輔氏:バリュエンスホールディングス代表取締役の嵜本でございます。本日はお忙しい中、当社決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、さっそくご説明に入らせていただきます。
本日は第2四半期の業績に加え、下期の見通しや株主還元についてご説明します。
2022年8月期第2四半期(累計) サマリー
まずは業績です。2022年8月期第2四半期累計として、売上高は前年同期比10パーセント増の261億円、営業利益は前年同期比220.5パーセント増の2.1億円の増収増益となりました。
また、より幅広い層への訴求のため、新たなイメージキャラクターに関ジャニ∞(エイト)を起用しています。
そして、下期の小売強化施策のため在庫を確保した結果、GMVは263億円、売上高は261億円、売上総利益率は26.5パーセント、営業利益2.1億円の着地となりました。
2022年8月期 第2四半期(12月-2月)トピックス
第2四半期のトピックスです。買取は、天候等の影響により1月に伸び悩みましたが、2月以降は回復し、仕入高は第1四半期に引き続き、過去最高を更新しました。
また、関ジャニ∞起用のキャンペーンを実施したほか、アメリカ、ドバイなど市場規模の大きな国へ初出店し、買取店舗は国内128店舗、海外22店舗となりました。
販売については、下期からの小売強化施策に向けて、第1四半期から戦略的に小売在庫を確保しているため、売上高が一時的に減少しています。
「STAR BUYERS AUCTION(以下SBA)」の開催数は11月より大幅増加したものの、パートナーの参加が分散したため、1月から改善を進めて3月より大きくリニューアルしています。加えて、小売強化施策の1つである「ALLU表参道店」を2月に出店しました。
2022年8月期 第2四半期 業績
スライドは前期との比較です。投資を継続している中での増収増益ですが、小売向けの在庫を確保したため、期首計画に対して売上高は40.6パーセント、経常利益は10.8パーセントの進捗率となっています。
売上高・売上総利益率
売上高・売上総利益率の推移です。第1四半期に引き続き戦略的に小売を確保しているため、売上高は横ばいで推移しています。売上総利益率が比較的低い地金や時計の販売構成が増加し、全体の売上総利益率は26パーセントで着地しています。
スライドのグラフの中の括弧書きの数字が売上原価です。前期の第3四半期・第4四半期と比較して、今期の第2四半期は95億1,100万円の着地となりました。これは仕入ができなかったのではなく、あくまで意図して小売在庫を確保した結果でして、次のページでご覧いただけるように、仕入高は第1四半期に引き続き、過去最高を更新しています。
仕入高・店舗数
上期はこの一部を小売向けに確保した結果、売上が抑えられています。なお、第2四半期は1月に雪の影響があったものの2月以降は順調に推移し、3月も好調でした。
販管費推移
販管費は、子会社の合併以降、全体最適化により効率化が進んでいます。
バランスシートの概況
バランスシートの概要です。在庫は、FY21の39億2,100万円に対し上期は66億3,900万円と、約27億円の増加で順調に積み上がってきています。また、この仕入増加に対応するために借入を増やしています。
[売上高]販路別(toB, toC)
販路別の売上高です。在庫を優先的に振り分けたことで、小売が順調に増加しました。また地金の相場が依然として高いため、卸販売も高い水準が続いています。
自社オークションの「SBA」は、11月から開催回数を増やしたため参加パートナーが分散してしまい、売上は横ばいとなりました。こちらは後ほど詳しくご説明します。
[売上高]販路別(国内,海外)
国内外の販路別の売上高です。円安の影響や、海外からの落札が多い時計の販売構成の高まりもあって、海外売上高比率は高い水準となっています。
[売上高]オークション実績
オークションの開催実績は表のとおりです。落札率が下がっているのは、11月からの「SBA」開催数増加が影響していると考えておりますが、3月からは開催方法を変更し、現在は回復してきています。
[GMV]GMV推移
GMVの推移について、上期は在庫確保の影響で横ばいとなりました。
SBAパートナー会員数
第2四半期のトピックスです。「SBA」のパートナー数は、海外での営業活動やマーケティング施策の効果が出ており、国内外で引き続き順調に伸びています。
SBA落札額の国内/海外比率
「SBA」の落札における国内・海外の比率です。円安の影響もあり、海外パートナーの落札比率が大きくなっています。上位落札パートナーについては、海外のパートナーが増えていますが、落札は一部のパートナーに偏っているわけではなく分散化されているため、営業活動は順調だと把握しています。
SBA開催方法の改善
「SBA」開催方法の改善についてです。冒頭で簡単にお伝えしましたが、「SBA」の開催数を変更したことにより、結論として第2四半期は落札率、落札額が下落しました。
スライド左側のカレンダーが変更前のスケジュールです。毎週4日の落札日の設定により出品商品の鮮度が上がり、パートナーの仕入機会が増えて売上総利益が改善すると考えていましたが、逆にパートナーの負担が増える格好となり、参加が分散し、落札率・売上総利益率ともに下落してしまいました。
そのため、昨年11月からの約4ヶ月間はさまざまな施策を繰り返し改善に努めたものの、大幅な改善にはつながりませんでした。
そこで、3月よりスライド右側のスケジュールのように、各ジャンルの商品点数を大幅に増加させるため、曜日ごとに分けて週1開催へと変更しました。パートナーにとって魅力的で、かつ効率的に仕入ができるように改善しています。
この結果、3月からは数字は改善してきています。今後もパートナーの反応や数字を見て、必要に応じて改善していきたいと考えています。
買取店舗展開
買取店舗展開については、当初の計画どおり国内は新規出店を抑え、海外はニューヨークに直営店舗をオープンしました。パリの直営店は2号店が軌道に乗り、1号店は契約終了でクローズしたため、第2四半期末の直営店舗数は8店舗となりました。
海外のパートナー店舗は、ドバイで新規出店を行っています。コロナ禍で稼働の低かった韓国・ベトナム・タイからは撤退しましたが、パートナー運営ですのでコストはかからず、仕入規模も小さかったため、業績への影響はありません。
ALLU表参道店オープン
国内の小売強化施策です。2月5日に「ALLU表参道店」がオープンしました。これまでにないインフルエンサーやアンバサダーを活用したマーケティングを実施し、初月から手応えのある集客や売上を獲得することに成功しています。
また、これまで買取と販売は別に行っていましたが、お客さまとのエンゲージメント強化を図るため、「ALLU表参道店」では買取もスタートしています。
ALLUでの新たな取組
「ALLU表参道店」では、サステナビリティの取組を進めています。すべての商品タグには、リユースによる環境負荷削減貢献量を記載しています。新品ではなくリユースを選択することで、環境負荷削減に貢献できることをお客さまに知ってもらうきっかけになればと思っています。
この取組は「ALLU銀座店」「ALLU心斎橋店」でも今後実施し、またECや「なんぼや」の買取においても活用していきます。
海外展開の強化
海外では、市場規模の大きい北米に直営店を出店しました。また、パートナーとの協業でドバイにも出店しています。
関ジャニ∞を起用したテレビCMの放映
ここからは下期の取組についてご説明します。1月より関ジャニ∞を「なんぼや」のイメージキャラクターとして起用し、テレビCMを本日14日からスタートしています。これからゴールデンウィークにかけては仕入が伸びていく期間に入りますので、CMにより仕入をさらに加速させていく計画です。
日本で圧倒的な知名度を誇るジャニーズ事務所の中でも「なんぼや」との親和性が非常に高い関ジャニ∞を起用できたことは、今後の認知度を向上させる上で非常に大きなアクションになったと思っています。
Webマーケティングの競争もかなり激化している中で、これだけに依存しない状況を作るかも非常に大きなテーマとなっています。「なんぼや」というキーワードで検索し来店するお客さまを増やし、1顧客あたりの獲得単価を下げ、かつLTV(Life Time Value)をしっかりと上げることに注力していきたいと考えています。
toC向けビジネスの拡大
顧客のLTV向上施策として進んでいる新プロジェクトをご紹介します。スライド左側の「なんぼや銀座本店」は、路線価日本一で有名な鳩居堂ビル地下1階にリニューアル移転し、より銀座にふさわしいデザインで一新されました。
中央は、銀座にオープンするプレミアム会員向けのラウンジ「VALON BY VALUENCE」です。各事業のロイヤルカスタマーとのエンゲージメントをより高めていくためのリアルな拠点として活用していきたいと考えています。
右側は、富裕層向けでスタート予定の「ALLU AUCTION」です。高級時計を中心にスタートし、将来は取扱ジャンルも増やしていく予定です。顧客とのタッチポイントを買取だけでなく販売からも獲得し、1顧客あたりのLTVを向上させていきたいと思っています。
ECの海外展開
海外におけるtoCの展開について、4月よりアメリカでのEC販売を開始予定です。また北米にオープンした直営店では、買取だけではなく販売も積極的に進めていきたいと思っています。
通期計画の見通し
ここからは通期計画の見通しです。お伝えしたとおり「SBA」の開催方法の変更などの影響で、売上総利益率が期首想定よりも低下しています。
「SBA」は改善を進めていますが、仕入は今後も金や時計が多くなると見込んでいますので、下期の想定の売上総利益率を現状に即した数値に修正しました。その分販管費を抑制し、営業利益は期首計画と同額をキープする計画となっています。
仕入高と在庫の推移
下期の売上をつくる仕入と在庫の推移です。仕入高は過去最高を更新しており、3月も非常に好調に推移しています。在庫も、第2四半期はかなり積むことができています。小売強化のため今後も一定水準は必要ですが、第2四半期からは若干下がる計画となっています。
2022年8月期上期実績と下期予算
上期実績と下期予算です。下期は、上期と比較してトップラインが46.2パーセント増加とかなりの伸びに見えますが、上期に積んだ在庫とテレビCMによる仕入、また「SBA」の改善やtoCの施策を実施することにより、この数字をしっかりと実現したいと思っています。
計画達成に向けた見通し
計画達成に向けた見通しを四半期ごとに示しています。費用発生のタイミングなどで若干前後する可能性はありますが、現状はこのように計画しています。
第4四半期に営業利益が伸びていますが、足元の仕入の状況から第3四半期の売上総利益率を若干低く見積もっていることと、第4四半期にはCMコストがなくなることが要因です。さらに各施策が第4四半期の数字に貢献することにより、しっかり計画を達成したいと考えています。
新品市場規模
当社を取り巻く市場環境と海外展開についてです。スライドに記載しているグラフは、ラグジュアリーアイテムの新品市場の国内外の販売額推移と予測です。国内・海外どちらにおいても、2020年の落ち込みから2021年は回復見込みであり、感覚としても違和感はないと思っています。
ラグジュアリーブランドの業績
スライドには、主要ラグジュアリーブランドの業績推移を記載しています。各社でFY21の業績がしっかり回復しているのがご確認いただけるかと思います。新品市場が大きくなれば、中古市場に流れてくる商品も当然増えますので、グローバルに展開する当社にとっては非常に追い風だと感じています。
中古市場規模と海外展開
スライド左側には、以前より開示している海外の中古市場の図を記載しています。海外の中古市場は伸びが大きく、その大半が欧米です。当社としては市場の大きい国への展開を進め、数字をつくっていきたいと思っています。
中期経営計画の目指す姿
中期経営計画の目指す姿についてです。これまではtoBサービスを中心に事業を展開してきましたが、今後は一般消費者向けの販売も含めたサービスを充実させることで、対企業・対一般消費者の両方を拡大させ、業界のGlobal Reuse Platformerとしての立ち位置を確立したいと思っています。
2021年度 Resale Impact
当社グループのサステナビリティへの取組についてです。スライド左側には、当社が販売したラグジュアリー商品における環境フットプリントの数値を示しています。
2021年度の二酸化炭素排出削減貢献量は約431万トンで、これはスギの木が年間に吸収する二酸化炭素量に換算すると約3億800万本に相当します。このような数字を開示することで、リユースによるサステナビリティへのインパクトを知っていただくきっかけを提供していきたいと考えています。
その他にも、第1四半期に開示したエレン・マッカーサー財団への加盟に加え、当社が掲げるESGの目標達成に向けて、各種取組を進めています。なお、本日付けでコーポレートサイトのサステナビリティページをリニューアルしていますので、ぜひご覧いただければと思います。
トピックス
トピックスについてです。スライド左側には、『キャプテン翼』の生みの親である高橋陽一氏がオーナーである「南葛SC」のメインパートナーに就任したことが記載してあります。今期から、ユニフォームの胸の部分に当社のロゴが入っています。
今期は元日本代表選手が多く入団し、当社にとってかなりの露出効果が見込めます。世界的に知名度のある『キャプテン翼』を活用したNFTやメタバースの領域などの展開も含めて、これまでにない唯一無二のサッカーチームを作っていきたいと思っています。
また、スライド右側に記載のとおり、ガーナに集まる電子廃棄物を使用した作品を制作する美術家の長坂真護氏のギャラリーがニューヨークにオープンしました。アメリカでドキュメンタリー映画が放映されるなど、知名度も大きくなってきていますので、引き続き、彼の取組をサポートし、ビジネスにも波及させていきたいと思っています。
自己株式の取得
株主還元についてです。本日、自己株式の取得に関する発表を行いました。詳細はスライドに記載のとおりですが、株主価値の向上と今後の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として行うものです。
以上で、私のプレゼンテーションを終わります。ご清聴ありがとうございました。