2021年3月期第2四半期決算説明会
木南陽介氏(以下、木南):みなさま、おはようございます。レノバの木南でございます。本日はご多用の中ご出席いただき、誠にありがとうございます。今回は新型コロナウイルス対策ということで、オンラインでのご出席が多い状況になっていますが、どうぞよろしくお願いいたします。
資料の表紙の写真は、この6月に運転開始を予定している、福岡県苅田町の苅田バイオマス発電所の建設の様子です。撮影は9月28日のため、1ヶ月以上前になるのですが、燃料タンク、ボイラ、タービンそれぞれが仕上がってきました。後ほどご説明しますが、全国の発電所開発は引き続き順調に推移しています。本日もそのようなことをお聞きいただければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
再生可能エネルギー「主力電源に」(梶山経産相インタビュー)
はじめにトピックスについてお話しします。まず1点目は、先般の梶山大臣による「再生可能エネルギーを主力電源に」というお話についてです。記憶にある方もいると思いますが、梶山大臣は10月14日に、「再エネについては上限を設けずに比率を引き上げていく。そして、今後エネルギー政策については民間企業の予見可能性を高める」ということを明言されていました。
将来的な方向性がどうなるのかということで、これから伸びるであろうという期待値はあったのですが、具体的なコメントがなかった中で、業界としては非常にプラスのご発言と受け止めており、期待が高まっています。
温暖化ガス 2050年までに実質ゼロ(菅首相の所信表明演説より)
続いて、10月26日の菅新総理の所信表明演説において、「2050年カーボンニュートラルを目指す」とのお話がありました。昨年のCOPの中でも、CO2対策である「カーボンニュートラル」について、なかなか明確な方針を出しにくい状況が続いていましたが、今回は国際的にも非常に評価される高い目標値が宣言されたと捉えています。
今後、これに基づく政策が次々と発出されていくのではないかと期待を持っています。我々もこの流れに沿った開発をしていきたいと思っています。
2021年3月決算 第2四半期累計決算及び直近のハイライト
それでは本編に移ります。まず今期の上期ハイライトですが、1点目は業績についてです。売上高とEBITDAは前期比で大きく成長しました。
2点目ですが、弊社が開発をリードしてきた仙台蒲生バイオマスについて、ようやく最終投資意思決定を出すことができました。
3点目は、ご注目いただいている洋上風力の件です。秋田県由利本荘市沖の当社開発海域で、再エネ海域利用法における公募プロセスがいよいよ始まる直前まできました。以降は、このスライドの「①」「②」「③」に沿ってご説明します。
①連結売上高及びEBITDAの前期比
まず1点目の業績です。売上高は昨年対比21.6パーセント増の約107億円、連結EBITDAは昨年対比20.4パーセント増の約59億円となりました。太陽光発電において、昨年連結したものがフルで寄与する効果により売上高が伸びています。
①2021年3月期 第2四半期 連結決算ハイライト
各段階利益を含めた実績はご覧のとおりです。売上高、EBITDAはお話ししたとおりですが、営業利益は約32億円、経常利益が約18億円、当期純利益が約5億円となっています。現在、通期の計画に変更はありません。
②仙台蒲生バイオマス(75.0 MW、宮城県仙台市)の概要
続いて、仙台蒲生バイオマスの状況についてお話しします。10月26日に最終投資意思決定を行いました。以前もご紹介していましたが、「仙台市震災復興計画」に則った事業であり、2年ほど前に仙台市が公募しているところに当社が手を挙げ、当選しています。そこからいろいろな燃料の調達やEPC、建設計画、許認可を詰めてようやくここまで到達したものです。
以前、秋田で1件稼働しているとお話ししましたが、そのあと4件が建設中になっていますので、これを加えると5件目になります。これからすべて建設が行われていくわけですが、滞りなく進めていきたいと思っています。
②運転中・建設中の発電事業の設備容量推移
当社の開発規模は、今回の仙台蒲生バイオマスを含めて、運転中と建設中を合わせると900メガワット以上になっています。5月に発表したベトナムのクアンチ風力に続き、本件の仙台蒲生バイオマスで900メガワットを超える規模になりました。
②建設中の事業の運転開始スケジュール
建設中の事業のスケジュールをまとめたものを記載しています。建設中の数が非常に増えてきており、現在8事業となっています。
運転開始順に並べていますが、バイオマスが5件、太陽光が2件、風力が1件です。現在、新型コロナウイルスの影響による遅延等は認められていないということで、重ねてご報告します。
星印のついている建設中の事業のハイライトを次ページでご紹介します。
②建設中事業のハイライト
苅田バイオマスは建築工事が完了し、設備の据付を行っています。試運転が始まる直前まで進んでおり、来年の6月に運転開始の予定です。
スライド中央の徳島津田バイオマスも基礎工事が順調にスタートしました。上の写真が純水タンクの基礎工事、下の写真が空冷復水器の基礎工事です。2023年3月の運転開始予定となっています。
スライドの右は軽米尊坊ソーラーです。パネルを敷設している最中ですが、3分の2まで敷設が完了しました。来年の10月に運転開始の予定です。
③開発中事業:秋田県由利本荘市沖洋上風力事業(約[700]MW)(1/2)
続いて、開発中事業の状況です。まず、秋田県由利本荘市沖の洋上風力についてです。以前からご紹介しているとおりの事業規模やパートナーは何も変わっていませんが、7月に無事に促進区域に指定されました。
現在は国のプロセスの前半が終わり、後半の公募プロセスに入る直前となっています。公募占用指針の作成が終わってパブコメを取ったところまで進んでおり、順調にいけば、おそらく今月中くらいには公募がスタートするのではないかと見込んでいます。
公募がスタートすると、基本的には6ヶ月間公募が行われます。その間に我々は最後の計画を詰め、半年後に占用計画を提出するという流れになっています。
③開発中事業:秋田県由利本荘市沖洋上風力事業(約[700]MW)(2/2)
以前からお話ししていますが、当社はこの海域で5年前から開発を進めています。漁協を含む地元の関係者、地域との合意形成がとても大事ですが、現在も良好な関係で話を進めています。
そして、風況や海域の調査もデータ数が多ければ多いほど設計が精緻にできるのですが、今はこの夏で取りきったすべてのデータから、最後のエンジニアリング、設計を詰めているところです。環境アセスメントについては、一定程度終了しています。
我々としては、5年のうちの最後の半年を過ごしているというかたちですが、すべてを提案書に盛り込んで、これから集大成の半年間を過ごしていきたいと思っています。
③開発中事業の状況:苓北風力事業(約50MW、熊本県天草郡苓北町)
もう1点、熊本県天草郡苓北町の陸上風力についてです。以前お話ししていたと思いますが、陸上風力で設備容量が50メガワット、FITは2021年に取得済みです。直近の進捗としては、環境影響評価の準備書の届出が完了しており、着工に向けた準備がほぼ整ったところまで進んだとご理解いただければと思います。ここまで、業績および事業の進捗のご説明でした。
CHROのご紹介
ここからは、少し新しいお話をします。我々の事業は、1件1件の規模が拡大していますし、海外にも展開するということで、成長を志向した開発に取り組んでいます。
現在、社員200名という中で、人材が鍵だと思っています。過去にも、地域と対話する能力が高いことや、エンジニアリング能力が高いことなど、当社の強みについてご説明してきましたが、実はそれをすべて支えているのがこの人材集団の強みです。
当社がどのような仕組みで人材を獲得して育成し、組織をワンチームとして伸ばしているかということを、本日は私からではなく、人事担当責任者の鈴木からお話しします。
まず、鈴木についてご紹介します。過去、商社やエネルギー関係の会社で新規エネルギーの開発に従事してきました。多様な働き方、女性が活躍できる場も推進してきた人物です。レノバには2018年に参画いただいていますが、業容を拡大する中で、例えば、海外の方の採用やダイバーシティに配慮した組織設計を推進してきています。
では、ここからは鈴木がご説明します。よろしくお願いします。
鈴木順子氏:おはようございます。ただ今ご紹介にあずかりました、CHROの鈴木でございます。本日はお時間をいただきましてありがとうございます。
木南から紹介がありましたように、私は弊社で4社目なのですが、エネルギー業界に長くいます。本日ご参加いただいている方々の中に、以前お世話になった方々もいらっしゃいます。その節は大変お世話になりました。
レノバの多様な人材
では、さっそくですが、弊社の強みの1つである「人材戦略」についてご説明します。最初に、弊社に集まる人材の特徴についてお話しします。こちらのスライドを見ると一目瞭然かと思いますが、実に多様な一流のプロ人材が弊社に集っています。再エネ事業の出身者、電力会社、プラントメーカー、風車メーカー、エンジニアリング会社、金融機関、そしておもしろいところでは中央省庁の出身者などもいます。
昨今は、ヨーロッパで実際に洋上風力の現場にいた人材や、最近拡大している弊社の海外拠点において、実際に再エネの開発を行ってきたアジアの人材など、非常に多様なバックグラウンドを持つプロ人材が集結しています。
レノバに人材が集まる理由/魅力
たった200名の弊社に、なぜ、このような非常に優秀なプロ人材が集まっているのかについてご説明します。弊社は再エネに特化した非常にユニークな存在です。このユニークさにおいて、ポイントが3点あります。
まず、1点目です。再エネ事業を専業にしているという弊社の企業理念に共感して多くの社員が集まっています。
2点目は最先端の開発現場です。社員が活躍できる開発の現場として、バイオマス、メガソーラー、そして洋上風力といった開発の現場があるということです。
3点目は、先のスライドでもご紹介したように、高度なプロの人材がいることです。刺激的な仲間がいます。
このような3点の環境に非常に魅力を感じて、弊社に多くの社員が集まってきています。先にご紹介したヨーロッパにおける経験者やアジアにおける経験者もまったく一緒です。この3点に共感して、ワクワクしながら弊社に参画しています。
事業成長の好循環を実現する人材戦略
このような多様なプロをしっかりと活かして事業成長につなげるための人材戦略について、こちらのスライドからご説明します。弊社の人材戦略でとても大切にしている考え方が、「個」のパフォーマンスと「チーム」のパフォーマンスの両方を最大化するということです。この人材戦略を図式化したものがご覧のスライドです。
まず、採用では決して妥協しません。そしてその妥協しない採用プロセスを経て集まってきたプロの人材をワンチーム化していきます。さらに、もともと非常に優秀なプロの人材の「個」の力を、再エネのプロとして伸ばしていきます。その結果、新しい事業を実現できる組織ができてきます。それと同時に、この「個」と「チーム」のパフォーマンスを最大化するための制度や環境づくりを大切にしています。
結果として、弊社の事業を具現化し、人材を「強み」として一層強固にすることのできる好循環を創出しています。
妥協のない採用プロセス
施策について、かいつまんでご紹介します。まず、妥協のない採用プロセスについてです。よい「チーム」をつくるには、採用で妥協しないことが非常に大切です。
スライドに採用基準が3つ書いてありますが、プロとしての専門性はもちろん、何よりも大切にしているのが企業理念への共感です。高い目標に向かって難しい再エネ事業をやり遂げたい、そして結果として社会へ貢献したいという弊社の企業理念に大きく共感しているかどうかが大切です。この共感性があるかないかで、難しい状況になった時にもその困難を乗り越えられるかどうかという大きな違いが出てきます。この点は非常に重視しています。
また、自律的に仕事をやり遂げる能力、チームワークを大切にすること、熱意を持って仕事をすること、そして各分野で高い専門性を持っているかどうかも重要です。
弊社の面接のプロセスはけっこう長いことで有名ですが、このような3点の採用基準をベースに、少なくとも4人から5人と会っていただいています。
そのようなことを通して、弊社に本当にマッチする人材であるかを確認すると同時に、候補者の方にも、選考プロセスの中で弊社に本当にマッチするかをご自身の目でしっかり確認していただきます。それによって入社後のエクスペクテーション・ギャップをなるべく少なくして、入社した後に即戦力として活躍いただけるような場にしています。
プロ人材のワンチーム化
エッジが効いていると、時に個性も強いのですが、エッジの効いたプロの人材をワンチーム化することは非常に大切です。「チーム」としてのパフォーマンスを最大化するためには、メンバーが同じ方向を向いていなければなりません。弊社では、「チーム」としてのパフォーマンスを最大化するためのさまざまな取り組み、施策を行っています。
本日はその中の2点をご紹介します。まず1点目は、月次での社員会の開催です。こちらは社員から非常に好評です。毎月、社長が自らその時々のトピックスについて、社員に直接語りかけます。柔らかい話題もあれば、会社の経営の目標や経営の進捗といった堅いお話もあり、さまざまなトピックを自身の言葉で直接語りかけます。
弊社は中途社員の方が非常に多くいますので、そのような人材に「レノバの一員になった」と実感してもらうことができ、社長との距離を近く感じてもらえるという意味で非常に効果のあるイベントになっています。スライド左側の写真は千本会長が登壇した時の写真です。この時は、働くことの意義について社員に話しています。
このように、社長に限らず、時にはマネジメントチームからも登壇し、その時々のトピックスをお話ししたりもします。例えば、開発は山あり谷ありの困難を乗り越えて、最終的に実現に至るのですが、そのようなストーリーについて共有することもあります。また、昨今は海外や国内の開発拠点が増えていますが、そのような最先端の開発拠点から実況中継するなどの工夫もしています。
続いて、年2回の全社戦略会議です。こちらはオフサイトの形式で開催しています。発電所の視察などとも抱き合わせで行うのですが、とてもユニークな特徴は、その時々の重要な経営のトピックスについて全社員で激しく語り合うことです。
スライドの下の写真から、社員のみなさんが手を挙げているのがわかると思います。実はこの写真は、ちょうど2年前に私が入社した直後に開催された、当期の戦略会議の写真になっています。驚いたのは、みなさんが躊躇せずに経営のトピックスについて自ら意見を述べるところで、非常に熱意、熱量の高いイベントになっています。
このような2つのイベントを通して、どうしても目の前の業務に集中してしまう社員の意識について、自分ごととして会社全体を理解し、自分の業務が会社全体の経営の方向や企業理念とどのように関係しているのかを「お腹に落としてもらう」ということを行っています。
個の力を更に伸ばす
続いて、このエッジの効いた「個」の力を更に伸ばす取り組みについてご紹介します。若手の力を伸ばすこと、シニア・プロフェッショナルに活躍いただくこと、そして再エネのプロ人材としてさらに力を伸ばすことの3つです。
まず「若手の積極的な登用による成長促進」についてです。ご存じの方も多いかと思うのですが、弊社は30代ですでに執行役員や本部長というトップマネジメントチームに登用されている人材がいます。
では、「どうして30代で執行役員という重責が担えるのか」ということですが、年齢に関係なく、能力や熱意がある人材にはどんどん積極的にアサインメントを渡しているからです。実際、40代から50代で弊社に中途社員として入社した社員から時折聞こえるのが、「びっくりするくらい若手のパフォーマンスがよい」ということです。「2年目だからこの程度だよね」ということは決して行わず、熱意のある人にはどんどん積極的にポジションやアサインメントを渡すという効果が出ているかと思います。
次に「事業の最前線に立つシニア・プロフェッショナル」についてです。弊社は業容が非常に拡大していますが、まだまだ200人程度の会社です。このような会社がさらに伸びていくためには、他社で経験を積んだシニア人材を活用することが非常に大切になってきます。シニアの人材には、例えば定年退職前後の年齢の方にも役割を持ってフロントに立っていただき、いつまでも生き生きとご活躍いただける場を提供しています。
次に「再エネのプロ人材としてさらに力を伸ばす施策」についてです。先ほどからお伝えしているように、弊社は中途社員が非常に多く、毎年30人から40人とかなりの人数が入社します。この方々に即戦力としてご活躍いただくために、四半期ごとに社長以下のトップマネジメントチームから直接話をする研修を行っています。これは非常に充実しています。
また、「タコツボ化」しないよう、さまざまなかたちで次の開発や次の課題発見力につなげるナレッジマネジメントの取り組みも行っています。
このように、年齢に関係なく役割を重視し、柔軟なかたちで登用することで、結果として更に「個」の力を伸ばしています。
個とチームのパフォーマンスの最大化
最後に、働く環境と制度についてご説明します。先ほどお伝えしたように、「個」のパフォーマンスと「チーム」のパフォーマンスの両方を最大化することをとても大切にしています。
弊社は外国人の社員も増えており、働き盛りのお父さんやお母さんもかなりいます。また、シニアの方々もいます。実にさまざまな方々がいるのですが、実は新型コロナウイルス感染拡大よりもだいぶ前から、いろいろなバックグラウンドのある方々が「個」の力を最大限に発揮するための制度やITインフラの拡充を整備していました。コロナ禍で、弊社も全員リモートワークに切り替えざるを得ない時期がありましたが、従前よりこのような取り組みをしてきたことにより、非常にスムーズに移管できたと思っています。
また言うまでもありませんが、みなさまもそうであるように、それぞれのライフステージで個々の事情があります。そのような個々の事情に配慮しながらも、「チーム」のパフォーマンスを最大化するため、「Diversity & Inclusion」の考え方が浸透する取り組みも行っています。
実際、欧米やアジアのグローバル人材は、このような「個」を尊重してくれるかどうかを非常に重視しており、入社前に必ずこの点を確認されます。しかし、弊社にはすでにこのような文化があるということで、大変安心して入社いただいています。
次に「チーム」としてのパフォーマンスを最大化するという点ですが、リモートワーク、在宅勤務だけを念頭に置いてITインフラを拡充しているわけではありません。弊社は国内外に拠点を拡大していますし、実際に開発の現場に出張している社員も多いです。
これまでは、出張中の方であったり、国内外で働く方、東京本社のオフィスで働く方、そして在宅で働いている方がシームレスに業務ができ、一体感を持って働くことのできるITインフラを意識してきましたし、今後も力を入れていきます。
オフィスでも、あちこちにコラボレーションスペースを設けており、中途社員の方たちが積極的に混ざるような環境も整えてきました。
次に、ソフト面の仕掛けについてです。知らない人が多いと距離が空いてしまうこともありますので、会社としては、中途社員が混ざり合うような仕掛けについてもさまざまなかたちで取り組んでいます。
くり返しになりますが、弊社の「個」のパフォーマンス、それから「チーム」のパフォーマンスを最大化することを念頭においた人材戦略についてご紹介しました。このような人材を重視した戦略を持っていることで弊社の事業成長につながっていることを強調し、本日は終わりにします。ありがとうございました。
木南:以上、鈴木から人材戦略についてご紹介しました。ご理解いただけていれば幸いなのですが、再生可能エネルギー市場に参入してくる会社は多数あります。電力会社などの大きな会社でも、そのような部門を作って増員しています。これは業界全体にとって大変よいことだと思っているのですが、いかんせん「ヒト・モノ・カネ」という見方をした場合に、「技術はある、お金も一定程度ある、しかし人が枯渇する」ということが一番怖いことだと思っています。
当社は今のサイズから10倍くらいに成長しようとしている中ではまだまだなのですが、今取り組んでいる人材獲得戦略、そして育成戦略、チーム化戦略、一体化戦略は、成長のためにとても大事だと実感しています。今日は少しソフトな内容になって恐縮ですが、あらためてお伝えしました。
我々は「ESG投資」という言葉で見られることが多くなっているのですが、本業そのものは大変よいもので、突出した事業体だと自認しています。以前ご説明したガバナンスの仕組みもしっかり持ってきたつもりです。
「S」の部分について、過去、我々は地域との対話を最重要視しているというお話をしてきましたが、これは継続しています。一方で、社内の従業員、社員は最大のステークホルダーであり、この活性化なくして10倍の成長はないと考えています。ぜひとも、このような会社であるとご認識いただければと思います。
レノバの成長イメージ
今後の開発と成長目標についてお話しします。こちらのスライドは以前からお示ししているレノバの成長イメージです。太陽光のベースはほぼ仕上がってきました。バイオマスについてもほぼ建設に着工してきました。
洋上風力はいよいよ海域指定され、建設に向かって進み始めているところです。ベトナムを含め、ようやく海外の成長の実績が1つできたため、これからさらに案件積み増しを図っていこうとしています。したがって、以前ご紹介したお話とは変わりはありませんが、今のフォローウインドを受けて、一層これを加速させようと思っているところです。
目標とする開発規模
すでにご紹介している開発事案が1.8ギガワットに到達しているということですが、それを3ギガワットにするべく、現在残りの1.2ギガワット分の積み上げを行っています。
優先順位は変わらないのですが、1位が洋上風力の国内での積み増しです。具体的には3件以上で、具体名まではお伝えできないのですが、各地で開発しています。そして、2位は海外戦略で、4件から5件を3ヶ国で開発しています。
バイオマスについては、FIT事業で一定の締め括りに近くなってきており、建設フェーズ、オペレーションフェーズに移っていきますが、追加でFITにあまり影響しない新しいバイオマス発電事業のあり方の検討を国内で引き続き進めています。
安定電源として、石炭に逆風が吹いていると思うのですが、欧州ではこれを一部バイオマス化して、安定電源づくりを再エネで行ってきた例が多いと思います。日本でもそのようなチャレンジができないか、我々もトライアル中です。バイネームでご紹介できないのが大変恐縮ですが、できるだけ早くこの開発を具体化し、みなさまに情報をお届けしたいと思っています。
ミッション/経営理念
最後に、あらためて当社のミッションです。「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」ということは変わらず取り組んでいますので、引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします。