決算概要 (2020年3月期第2四半期累計実績)

池上功氏:エフピコの池上でございます。本日はお忙しいなかお集まりいただき、誠にありがとうございます。2020年3月期上半期の実績についてご説明申し上げます。

決算概要です。売上高は約929億円、前年同期比103.7パーセント。5期連続の増収、過去最高となっております。

当社製造製品の売上高は約708億円、前年同期比104.2パーセント。製品出荷枚数の前年同期比は103.1パーセントです。

販売面の特記事項としては、電子レンジ対応やCO2削減など、機能を備えた当社オリジナル製品の売上が堅調に推移しています。また、環境意識の高まりから当社のエコトレーを積極的に採用いただくなど、環境配慮製品の需要が拡大しております。

営業利益は70億9,400万、前年同期比115.2パーセント、計画比97.9パーセント。経常利益は74億4,500万円、前年同期比114.8パーセント、計画比は100.6パーセント。

当期純利益は48億4,200万円、前年同期比111.4パーセント、計画比97.8パーセントとなりました。

計画差異の主な要因は、物流費の増加、販売費用の増加、グループ会社の設備投資に対する補助金収入等によるものでございます。

経常利益 利益増減 実績(2020年3月期第2四半期累計)

2020年3月期上半期経常利益は、前年同期に比べて9.6億円の増益となりました。

主な要因は、原料価格の影響がプラス2億5,000万円。販売価格への転嫁の影響がプラス10億5,000万円。オリジナル製品、新製品のミックス改善効果、プラス3億5,000万円。生産、プラス1億円。物流、マイナス4億円。グループ会社、プラス2億円。経費の増加はマイナス5億9,000万円でございます。

また、上半期経常利益の計画74億円に比べ4,000万円のプラスとなりました。主な要因はスライド右に記載の計画費用をご覧いただきたいと思います。

オリジナル製品の販売増加がプラス5,000万円。物流コスト上昇がマイナス1億円。グループ会社の設備投資に対する補助金収入がプラス1億5,000万円。販売費用の増加でマイナス6,000万円でございます。

経常利益 見通し(2020年3月期計画)

2020年3月期下半期の期初計画からの変更点は、グレーの網掛け部分です。下期見直し変更点をご覧ください。

原料価格の影響、プラス5,000万円。販売数量及びミックスの改善、並びに新たなマーケットの拡大によりプラス1億円。物流費の増加、5,000万円。グループ会社の貢献利益、マイナス1億4,000万円です。

通期業績予想に変更はございません。

設備投資・研究開発費(2020年3月期第2四半期累計実績)

2020年3月期の設備投資計画は180億円。減価償却費は137億3,000万円。減価償却費は前年同期比5億5,000万円の増加を見込んでおります。

キャッシュ・フロー(2020年3月期第2四半期累計実績)

連結配当性向は30パーセントを目途とし、2020年3月期上半期の配当額は40円、通期で81円を予定しております。

以上で実績見通しの報告を終わります。ありがとうございました。

小売業界を取り巻く状況

佐藤守正氏:佐藤でございます。本日はお忙しいなかお越しくださり、誠にありがとうございます。

まずマーケットの状況ですが、中食市場はまだ拡大しております。これについては後で申し上げます。

それから、人手不足の深刻化。これはお客さまに関して言うと、本当に酷い。ですから、容器に対するニーズが変わってきております。

例えばテープで止めなくてもいいテープレスの容器や、来てすぐのパートさんでもお寿司が並べられるような、位置がわかる容器などのニーズが高まっております。

それからご存知のとおり、物流費が高騰しております。我々も高騰しておりますし、お客さまも高騰しています。

それから海洋プラスチック問題への関心の高まり。プラスチックに対する逆風はまだ吹いておりますが、これが私どもエフピコにとっては、逆に追い風になっているところがございます。これも後でご説明いたします。

価格動向

原料価格ですが、過去2年間上がって下がって上がったものが、直近ではまた下がってきております。

2019年7月はPS価格179円と書いてありますが、直近では176円くらいだと思います。PETも直近では120円をちょっと切るような状態で下がってはきておりますが、一方で物流費、人件費、それからそれ以外の資材は上がっております。

従いまして、今現在、値上げの効果が出ているこの業界のなかで、値下げ競争が起きる感じは受けません。

これがずっと続くかどうかはわかりませんが、今現在はそういう感じを受けておりません。たぶん我々が思っている以上に、物流費が上がっているのではないかと予想をしております。

世帯数の推移

これは何度も申し上げますが、世帯数はまだ伸びており、2023年がピーク、とくに単独世帯は2032年まで伸び続ける(と予想されます)。

中食市場規模推移

そのなかで、65歳以上の方々の比率がどんどん増えているということです。中食マーケットは、2018年度の統計で10兆円を超えますが、マーケットが若干変わってきている感じを受けます。

拡大するマーケット

我々はスーパーマーケットの生鮮から始まりましたが、コンビニエンスという業態が生まれて、いわゆるコンビニエンスのファーストフードが伸びていきました。

昨今では、スーパーマーケットが人手不足から、アウトベンダー化と言いますが、店内で作るよりも、外で作る。外で作るのを、自社で工場を作ったり、あるいは大手食品メーカーが惣菜工場を作ってそれを供給するというところで、我々のお客さんが、いわゆる大手食品メーカーにシフトしたりしていました。

デパ地下を含めて惣菜専門店というのもできてきましたが、昨今はご存知のとおりデリバリーという障壁が非常に低くなっています。

それも含めて、レストランが今までやっていなかったテイクアウト及びデリバリーをするというのが増えてきており、これはスーパーさんの惣菜部門に少なからず影響を与えております。この話も後で申し上げます。

生から惣菜 全国各地で拡大中

「生から惣菜」は私どもが作った、つまり容器メーカーが作った商売、マーケットです。要は惣菜は調理済みだけを言うのではなくて、生の状態で店頭に置いて、電子レンジでチンをしたら調理済みがすぐ食べられる。

できたてが食べられる容器ができましたよ、というご案内を、全国のスーパーに電子レンジを引きずりながらご案内したのですが、これが順調に立ち上がり、今157社がなんらかのかたちで、この「生から惣菜」を扱っておられます。

それに応じて、私どものマルチFPという容器も順調に出荷が伸びています。もう完全に定着しました。かつ、リピーターが出てきている。すべて生の素材で、電子レンジでチンをして、できたてを食べるという商品です。

消費増税・軽減税率導入

先ほど申し上げた、デリバリーの障壁が低くなっていることについてです。これはウーバーイーツであるとか、楽天デリバリーなどがあるということ。

そしてきっかけとしては、2019年10月から、外食が10パーセント、お持ち帰りが8パーセントという軽減税率(になったことがあります)。

今までテイクアウト、あるいはデリバリーをやっていなかったレストランが始めるというのが、増えてきている気がします。

従って、今、スーパーの惣菜部門は非常に危機感を持っており、じゃあレストランと同じ味にできるのか? どうすればいいんだ? という議論が起きております。

新たなるマーケット 「宅配」 「病院・介護食」

「出前館」という、注文するとデリバリーしてくれるサイトがあります。この「出前館」のメンバーが見られる、「仕入館」というものがあるんです。デリバリーに使う資材を、「出前館」という会社が紹介をするという。

スライドは、持ち帰りのラーメン等の麺容器です。何が変わっているかというと、内皿にそのままスープを入れて、閉めると嵌合します。ですから、この中に液体があっても、漏れません。

この上に麺を乗せて、蓋をして持っていく。発泡しているので断熱性があり、保温性もあります。持っていくのに平均20分らしいのですが、20分経って、持っていった段階で、この中のスープが80度もあります、というのが実現できる容器です。

それから日清医療食品という会社。「みんなの日曜日」と題して、吉野家の牛丼やモスバーガーを、日曜日に病院、あるいは介護の方々に提供しています。

スライドの写真は、吉野家さんの許可を得て、吉野家さんのデザインの丼です。吉野家さんのお持ち帰りの丼には蓋がないのですが、この介護の容器には蓋が付きます。そういう話がきております。

新たなるマーケット 独自素材を活かし「冷凍」への挑戦

それから、安心安全ということで冷凍食品が伸びております。私どものマルチ(MFP)は、マイナス40度から110度まで持ちます。

今冷凍食品に使われているのは、発泡していない、断熱性のない耐寒PPと、ポリプロピレンという容器がほとんどなのですが、温めた時に熱くないですよ、かつ軽量ですということも含めて、大手冷凍食品メーカーと話をしております。

スライド右側にあるOPETは、世界で私どもだけがやっている、ポリエチレンテレフタレート、PETという素材を縦と横に伸ばして、耐熱性を上げている素材です。伸ばした結果として、冷凍にめちゃめちゃ強くなっています。

先ほど申し上げた人手不足も含めていろいろなところで、ニーズが違って生まれています。例えばマグロの柵は冷凍のまま店まで持っていって、そこで解凍しているというニーズが増えています。従って、冷凍で運ぶお刺身の容器などは、蓋をOPETに変えております。

これも、お客さま毎にニーズが違っています。今までなかったんです。そういうニーズが生まれているということでございます。

製品売上構成比 推移

エコも含め、この業界のなかで私どもだけしかない素材の全体に占める割合が、60パーセントを超えました。

海洋プラスチック問題 世界と日本の動向

リサイクルの取り組みです。ご存知のとおり、2017年に中国がWTOに、もうゴミの輸入をやめると宣言をして、実際に2018年1月からピタッと止まりました。

中国1国で全世界から700万トン輸入していたのが止まり、プラスチックゴミが溢れ出したんです。

2018年のG7で、海洋プラスチック憲章をヨーロッパがやり出した。日本とアメリカが、それに対してサインをしなかったという報道から、今度は日本に火が付いて、海洋プラスチック問題になっていました。

環境省は2030年までに……ヨーロッパは2035年だったのですが、5年前倒しして、容器包装の6割をリユース・リサイクルするとか、2035年までに使用済みプラスチックを100パーセントリユース・リサイクルするとか、2030年までにバイオプラスチックを200万トンにするとかいうのをぶち上げた。

しかし実は、今回のG20、大阪サミットでみんなで合意したのは、海洋プラスチックゴミの新たな汚染を2050年までに0にするという「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」でした。

なにかというと、そもそも海洋プラスチック問題は陸上で出たゴミを海上に流すのが問題なんです。出てしまうのが。

家庭ごみ(一般廃棄物)におけるプラスチックのリサイクル

我々が言っているのは、単一素材。単一素材は、もうリサイクルする技術が確立されました。単一素材がなにかと言うとペットボトルで、これはどなたが作っても、ポリエチレンテレフタレートという単一の素材です。

我々のトレーも、どんな会社が作ってもポリスチレンという単一の素材。これはリサイクルできるので、リサイクルしたほうがいいと思います。

それ以外の複合素材、我々でも耐熱性があるとか、そういう物は、単一の素材ではありません。あるいは、一番量が多い軟包装。いわゆるお菓子、ポテトチップスが入っている袋です。これは湿気てはいけないので、脱酸素、酸素が入らないように層を作ってあったり、複合の層なんです。

これは、リサイクルが今の技術では非常に難しいです。日本においては、一般廃棄物はきちんと焼却されています。その時にそもそも重油を使っているので、その代わりとなる、原油から作るプラスチックと一緒に燃やしたほうがいいと。

アメリカはほとんどまだ埋め立てです。ヨーロッパも埋め立てが多いんです。日本は本当にきちんと燃やしています。

非常に高性能な焼却炉が完備されて、燃焼温度が高く、プラスチックは燃焼温度が高いと、CとHとOにしかならない。ただ、唯一日本で問題だったのは、その熱を有効利用できていなかったのです。

地域の温水プールを作るとか、それくらいしかできなかったのですが、幸いなことに売電の仕組みができたので、新しい焼却炉は全部発電機が付いています。であれば、その技術を輸出する等がいいのではないかと(思います)。

エフピコ方式のリサイクル

単一素材についてはリサイクルを進めるべきであると、我々が6店舗から始めたトレーの回収リサイクルは、今9,200店舗まで増えました。2008年に始まった透明容器のリサイクルも、今4,300ヶ所に増えてきております。

3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進

「使い捨て」というキーワードで批判されるので、LiLiCoさんに登場していただき、このトレーについては回収ボックスに持っていきさえしていただければ使い捨てではありません、というポスターを作りました。今約7,300店舗くらいにこのポスターが貼ってあります。

本当は、いわゆるサッカー台と言われている、最後買い物をして袋詰めするところに掲示していただくのが一番いいんです。今までトレーを捨てていた人に、そうではなくて回収ボックスに持ってきてください、と言うのが一番いい。

ところがリサイクルとなると、リサイクルボックスのところにこのポスターを貼ってしまいます。でも、リサイクルボックスに持って来てくださる方は、そもそもそう思って持って来てくださるので、そうじゃないと申し上げているのですが。

環境のことになると、スーパーさんで部署が違うようです。リサイクルボックスのところに貼ってありますが、それでもこれが、じわじわじわじわ浸透してきているみたいで、回収の量が106~107パーセント増えてきています。非常にありがたいことだと思っています。

プラスチック資源の回収

それを踏まえ、今だいたい透明(容器)も入れて、トレーは年間8,700トン、約18億枚。それを2021年には21億枚くらいまで伸ばしたいなと。

ペットボトルも処理能力を上げてきておりますので、現在が6万7,000トンで、5万トン強の原料を作っております。だいたい、500ミリリットルで約27億本分です。

後で申し上げますが、今これを6万トンくらいまで能力を伸ばしましたので、そうすると投入するのは7万トン強、来年には30億本くらいにはできるのかなと思っております。

エコトレー・エコAPET CO2削減

マテリアルリサイクル、材料リサイクルと言いますが、これは何がいいかというと、石油化学からずっと長いサプライチェーンを持って、製品までいく過程で使うエネルギーをCO2換算にすると、最後のところで回るだけなので、CO2負荷が30パーセント低いんです。

環境に配慮した“エコ”製品を積極的に採用

お客さまが私どものエコ製品を使用していただくと、バージンの製品よりもCO2負荷の低い資材をご自分の意思で使われたということで、間接的にCO2貢献をされたと発表してもよろしいんです。

スーパーさん毎にお使いいただいたエコ製品の重量からその量を換算して、CO2のトン数にして、それぞれのお客さまがどのくらい間接的にCO2削減に貢献されたかというのを数値化して、これこそポスターをリサイクルボックスに入っていただきたいとお願いしています。

消費者の方がペットボトル、あるいはトレーをリサイクルボックスに持ってきてくださった時に、結果的に、そのスーパーさんが、それを原料としたエコ製品を使うことによってCO2削減に貢献しましたよということなので。

今は多くの店舗にポスターが貼られております。

リサイクル投資とエコ比率

そのエコ製品が増えたというのが、スライドの棒グラフです。今、全体の販売の44パーセントがエコ製品になりました。

下に、PETに関してのリサイクルの投資、機械だけで土地・建物は含みません……と、処理能力のアップ。1万トンで始まったのが2万トンになり3万トンになり、5万トンになり。

今年はたぶん5万7,000トンくらい作れると思います。それが来年には、年間6万トン体制に増えます。

我々のAPET、OPETの製品は、現在98パーセント、エコ化できております。おそらく来期には、ほぼ100パーセントエコ化できると思っております。

軽量化・ロースタック化

それ以外に、軽量化についてです。ソリッドという発泡していないものは、非常にシャープな成形ができることと、ツヤがあるので高級感が出ます。

これを同じくらいのツヤが出るようなかたちで、低発泡でできたというご案内をしています。京錦20-16Rが22.9グラム、陶彩19-17が7.8グラム。3分の1ですが、そんなに違わない、というお話をしております。

それから、丼容器もいろいろな設計の精度を上げ、ロースタック化で約半分くらいの積み重ねの嵩に変えております。

外部評価①

そういうことも含めて、ESGについてはロンドン証券取引所の「FTSE4Good」、全世界の1,034社に選ばれ、「FTSE Blossom Japan」179社にも選ばれました。

下は、性別多様性に優れた企業を対象に構築される、「MSCI」にも選ばれました。

外部評価②

それから、The Japan Timesさんが初めて「Satoyama & ESG Awards」を作られましたが、それの最初の優秀賞に選ばれました。

外部評価:2019年 テレビ放映

ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、2019年3月にフジテレビの「めざましテレビ」で「生から惣菜」が取り上げられました。

その後から、NHK、TBS、関西テレビ、中京テレビ、「生から惣菜」、先ほど申し上げたズレないトレーや、ツマがいらないトレーという機能の話、それからリサイクルの話。どれかを取り上げたテレビ番組が立て続けに放映されております。

結果として「生から惣菜」を始めるスーパーさんがまたいらっしゃるという好循環につながっております。

リサイクルについても、先ほど申し上げ忘れましたが、やはり経営者は、トレーはちゃんとリサイクルをして環境を意識した製品にしておかないと、ということで、いくつかの中堅スーパーさんが、トレーを私どものエコトレーに変えてきております。

従って、トレーだけ捉えると、109パーセント伸びています。トレーに関して言うと、主要なスーパーさんは、ほとんどエフピコのトレーに変わってきているという状況です。

倉庫オペレーションの自動化・無人化へ

生産・物流の合理化です。ケースあたりの配送コストですが、自社便、路線便で、路線便が非常に上がってきております。

そのなかで、いろいろなことをやっておりますが、まず、倉庫内のオペレーションについて、AGV(水平搬送)という無人化のものを、今29台導入しております。

来年には無人フォークリフトを、工場から出てきたところに設置しようと考えております。

コツコツと改善の積み上げ

音声ピッキングについては、引き続き生産性が上がってきています。倉庫間の横持ちと言われているところについては、パレット輸送を始めました。

積載効率が右下にあるのですが、8パーセントくらい落ちます。すべてをパレットにするともっと落ちてしまうのですが、パレットプラス手積みを組み合わせてやると、例えば関東から八王子のセンターに横持ちするのに、1時間半くらい削減できる。

こちらのほうが、8パーセント積載効率が下がるよりもプラスなんです。今、ドライバーさんの拘束時間の話がすごくうるさくて……ということで、パレット輸送を進めております。

物流費上昇を抑制する取組み(販売配送)

それから、自社便比率と言うのですが、私どもがチャーターしている便の比率。これが96.3パーセントだったものが、96.9パーセントに上げられました。要は、路線便が0.6パーセント減っています。この0.6パーセントが、ほぼ1万ケースを意味します。

何をやったかというと、標準(配送)センター(への横持ち移動です)。例えば九州のお客さんが発注した時に、九州センターにたまたま商品、製品がないと、福山のセンターにデータが飛びます。今までは福山から路線便で出していました。

そうすると、九州センターからの荷物は翌日の朝に届くのですが、路線便は翌日の夕方に着く。これをもう半日我慢してくださいと。

翌々日の朝、我々の自社便と同じタイミングで持っていくということでOKであれば、その間に福山から九州に横持ち便が出ておりますので路線便を出さなくてもいい、とお願いしましたら、「そんなのいいよ」と言うお客さまがほとんどでした。

翌日の夕方だったのが、翌々日の朝に我々の自社便に乗せるというふうに変えた結果として、約1万ケースの路線便が自社便に変わっております。

安定供給を支える強固な危機管理体制

それから、全国21施設に72時間の燃料と自家発電の設備を置いておりました。去年初めて北海道の地震でこれが動きましたが、今年はなんともう2回も動いてしまいました。東海センターと関東センターで動きました。

それくらい自然災害が酷いということです。千葉にインターパックという会社があるのですが、ご存知のとおりこの間の強風で停電が続いたということで、本店のみならずグループ会社の主要な設備にも無停電電源装置を設置すべく、進めております。

このBCP(事業継続計画)を考えた経営をしておかないと、本当に最近の自然災害は酷いという状況でございます。

生産部門における改善効果及び品質向上

生産部門も着々と生産性を上げております。生産ショット、ワンショットがいわゆる金型が製品を作る、プレスする時間を言うのですが、0.1秒速くしたら3.8ライン分の能力が生まれるよ、と口を酸っぱくして言っており、どうやったら0.1秒減るか、短くできるかを、みんなで進めているところです。

自動化による “作業効率”UP(生産部門)

ロボットも導入を進めており、161名相当くらいの作業のロボット化ができております。

SCMシステムにおけるAI活用

私どもの一番要となる、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の本部があります。これが営業の販売予測を含めて、全国の工場に、いつ、何を、どのくらい作ったら、最もトータルコストが安くなるかという計算を、毎週しております。

関東で100ケース作って、40ケースを中部に送ったほうがいいのか? 関東で60ケース作って、金型を送って、中部で40ケースを作ったほうがいいのか? というのを、毎週1万2,000アイテムを、複雑な計算をしながらやっています。

ずっと実験してきたのですが、ついにAIが人間の能力を超えてきて、正解率がよくなってきたということで、今月から本格導入を始めました。

今始めているのは3,500アイテムなのですが、来年からは5,300アイテムは、販売予測の精度が上がってくると思っています。

残りの5,000アイテム以上は、そもそも新製品であったり季節商品だったりするので、これはもうAIは無理なので、SCMの人間はこれだけに集中して、営業と情報交換をしながら販売予測をしていく。それに基づいて、生産発注をするかたちにしていく所存です。

能力を最大限に活かしたダイバーシティ経営

私どもは障がい者雇用を進めております。そのノウハウで、私どものお客さまのスーパーさんなどに、どういう仕事を切り出してやったらいいかというコンサルをしています。それが49事業所、雇用しているのが666人です。

働く環境整備:独身寮PicoHouse建設

スライドの一番右下、わずか20部屋ですが、グループホームをはじめて作ってみようと、着工いたしました。

新たなビジネスモデル挑戦開始①

最後、成長戦略です。

新たなビジネスモデル挑戦開始②

我々の持っている情報インフラ、物流インフラを利用して、「パックマーケット」というECサイトを始めました。

これは、先ほど申し上げた、小さいレストラン等々がテイクアウトする時に必要な資材等を、一番品揃えがあって買えるというサイトにしたいと思っています。

そのためには、まだ少し我々の製品だけでは足りないところもあります。紙容器であるとかそういうことも含めて、一体マーケットがどういうふうに変化しているかを察知するという目的もあります。

私の話はこれで終わりです。ありがとうございました。