2017年度4-9月期のポイント

文挾誠一氏:収入面では、販売電力量が減少した一方、燃料費調整額の増加などにより電気料収入が増加したことなどから、経常収益が増収となりました。

費用面では、燃料費や購入電力料などの増加がありましたが、経常利益は5年連続の黒字を確保いたしました。

今期の中間配当については、大変申し訳なく思っておりますが、無配とさせていただき、2018年3月期末についても無配とさせていただく予定です。2018年3月期の業績予想は本年7月に公表した内容から変更はございません。

連結決算の概要

具体的な業績については、スライド2をご覧ください。売上高は、前年同期比7.1パーセント増の2兆8,316億円と増収、経常利益は21.2パーセント減の2,159億円と減益となり、特別損益を加えた親会社に帰属する四半期純利益は、2,112億円と増益になりました。

販売電力量、収支諸元

販売電力量ならびに収支諸元についてお示ししています。上段の販売電力量については、新電力に切り替えたお客さまの影響等により減少したことなどから、前年同期比3.8パーセント減の1,150億kWhとなりました。下段の収支諸元については、後ほど触れさせていただきます。

経常収益(連結)

収益面についてご説明させていただきます。2行目の電気料収入は、販売電力量の減少により前年同期比で910億円減収となる一方、燃料費調整額の増加影響で、1,050億円の増収となったことなどにより、1.3パーセント、291億円増の2兆2,410億円となりました。

また、太陽光発電の普及により7行目の再エネ特措法交付金が292億円増加するとともに、8行目の託送収益が358億円増加するなど、電気料収入以外の収入も増加し、経常収益は6.6パーセント、1,773億円増の2兆8,544億円となりました。

経常費用(連結)

スライド5の費用面についてご説明させていただきます。今回費用増となりました2行目の燃料費についてご説明いたします。

スライド3の下段にあるとおり、今期は、為替レートが5.9円円安となるとともに、原油価格が7.6ドル、LNG価格が11.2ドル上昇しています。

これに対し、割高な燃料の消費を抑えるといった取り組みなどの成果はありましたが、(資料の)吹き出しにあるとおり、価格要因で1,420億円の負担増となりました。

一方、消費量の面では、販売電力量の減少に伴い、火力発電量も減少したことから290億円減となりました。

これらの結果、燃料費は22.8パーセント、1,129億円増の6,092億円となりました。また、太陽光発電からの購入の増加によって、5行目の購入電力料に加え、再エネ特措法納付金を含む9行目のその他費用が増加しましたが、グループを挙げた継続的なコスト削減により、経常費用は、9.8パーセント、2,356億円増の2兆6,385億円にとどまりました。

以上の結果、最下段の経常利益は2,159億円と、5年連続で黒字を確保いたしました。前年同期比で、21.2パーセント、582億円の減益となっておりますが、これは主に燃料価格や為替による燃料費調整制度のタイムラグ影響によるものです。

具体的には、前年同期は燃料価格が下落傾向にある中、電気料金への反映が3〜5ヶ月遅れることで870億円のプラス影響でしたが、今期は燃料価格が上昇傾向にあり、逆に140億円のマイナス影響となりました。

仮にタイムラグ影響を除くと、今期は前期を上回る水準となりますが、いずれにせよ、こうしたタイムラグによる収支影響は中期的には中立となります。

特別損益(連結)

特別利益は、5月と6月の原賠機構からの資金交付金を1,286億円計上した一方、特別損失は、原子力損害賠償費として1,102億円を計上いたしました。

これにより、特別損益は183億円となり、前年同期比で1,504億円増となりました。この結果、冒頭に申し上げたように、四半期純利益は、1,170億円増の2,112億円となりました。

連結財政状態

自己資本比率は、総資産残高が減少した一方、四半期純利益の計上により純資産が増加したことなどから、前年度末より2.0ポイント改善し21.1パーセントとなりました。

2018年3月期業績予想(収支諸元表)

2018年3月期の業績予想については、スライド9にあるとおり、販売電力量を下方修正したものの、全社を挙げた徹底したコスト削減などにより、収支影響は限定的であり、業績予想については本年7月にお知らせした内容から見直ししておりません。