2017年6月期 決算トピックス
安藤正弘氏:決算の数字を簡単にご説明いたします。
経常利益は11億3,000万円。計画どおりの数字でおさめております。純利益は7億3,700万円。配当性向は記念配当を含めて、23パーセントとなりました。
前期は売買事業部を少し落として、ストック事業にしっかり投資していきたいということで、順調に進んでおります。
我々は、フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産金融事業の3つストック事業と位置付けておりまして、こちらがしっかりと伸びております。
2017年6月期 連結損益計算書概要
売上高は2.5パーセント落ちましたが、売上総利益は6.8パーセント増えております。販管費は、ストック事業への投資で多少使いましたので上がっております。
営業外費用の部分が少し増えておりますが、前期は借入を起こしましたので、資金調達の融資手数料や金利などの費用が増えたということです。
これに関しては、前々期は借入をあまりせずに、とくにハウス・リースバック事業は銀行さまがあまり貸してくれなかったということで、約30億円ぐらいキャッシュで買いました。
ですから非常に苦しいというか、手前の資金でやっていたのが、前期はかなりハウス・リースバック事業の評価をいただきまして、融資を積極的にしていただきました。
前期においては、ハウス・リースバック事業がどんどん伸びて、借入は増えているのですが、キャッシュが増えた状態です。
6月決算のときに、手元資金として25億円から30億円ぐらいの現金があったという不思議な状態なのですが、そのような状態で期を越しております。
2017年6月期 連結売上高推移
前期予算・実績及び今期計画です。今期は(経常利益)14億円をしっかりと出せる体制になってきたということになります。
前期は前々期より売上が2.5パーセント減ったのですが、計画比に対して3.2パーセント増えました。今期は1.8パーセント増える計画です。
ストック収益事業は、17.2パーセントから30.6パーセントに増えております。
こちらは非常にポイントになるのではないかなと思うのですが、不動産をセットにして建築を売った方が合理的だということで、ただ単に建築を受注する事業をもうやめました。
(売買事業の)18億3,800万円マイナスと(住宅事業の)4億9,900万円マイナスの部分で、純粋な受注が23億円3,700万円減っているのですが、4つの事業部(ハウス・リースバック事業、フランチャイズ事業、不動産金融事業、不動産流通事業)で補っています。
売上は若干減っているのですが、(棒グラフを)見ていただくと、4つの事業部がいかに伸びているかがわかると思います。
売買事業部に関しては、昨年に「少し減らします」と発表しましたが、昨年の秋口ぐらいに「これはリーマンショックのようにはならないな」と感じました。
ですから、これからどんどん落としていきますと言っていましたが、若干ブレーキを戻して、年末ぐらいから前回のようにアクセルを踏んでいるという状況になっております。
2017年6月期 連結経常利益推移
連結経常利益は前期より6.7パーセント減りましたが、計画比では0.2パーセント増えております。今期は27パーセント増になる予定です。
ストック事業収益の割合は、利益においては42.7パーセントから63.3パーセントに増えております。売上は構成比に対してあまり影響はないとしても、利益に対しては非常に影響しているという表現になると思います。
先ほどの(売買事業と住宅事業が)減った分に対して、4つの事業(ハウス・リースバック事業、フランチャイズ事業、不動産金融事業、不動産流通事業)が補うという利益の数字を見ていただくと、実はこの売買事業部と住宅事業部が前期は6億2,400万円減っています。
しかし、4つの事業では7億1,600万円稼いでおりますので、いかにこのあたりの事業が伸びているかということです。売上は減っているのですが、4つの事業部が伸びているという見方で分析していただければなと思います。
経常利益増加要因内訳
こちらは経常利益の増加要因の内訳のグラフです。これを見ていただくと、粗利益(売上総利益)が増えています。人件費はマイナスです。営業外収益は増えています。
2017年6月期 セグメント売上高・利益構成比
ではセグメント別の業績です。こちらは売上高・利益に対するストック収益事業の割合です。売上高は21.4パーセントを目指していたのですが、結果的に30.6パーセントとなりました。営業利益は56.6パーセントの計画対して63.3パーセントになったということで、非常に好調だと思います。
フランチャイズ事業 売上高推移
フランチャイズ事業は売上高が18.1パーセント増えました。今期はさらに15.1パーセント増える計画です。フランチャイズ事業も非常に好調だと思います。
ただ私の不満としては、どこかの時点でもっと急カーブで上がっていくのではないかなと思っているのですが、今期来期ぐらいに現れてくるとうれしいかなと思います。
だいたい各地域で見ていると、市場の50パーセントを占めると急に(成長曲線の)角度が上がっていくという現象が現れています。
今期は(FC店舗数)約1,000店舗の目標に対して、半分の500店舗は達成しますので、それを超えると全国的に加速していくのではないかなと思っています。
フランチャイズ事業 営業利益推移
営業利益は17.5パーセント増えましたが、今期はさらに19.4パーセント増える計画です。ストック事業というのは、増えれば増えるほど、利益率がどんどん上がっていくということになります。
フランチャイズ店舗数推移
2017年6月30日現在の累計加盟数は468店舗です。今は若干増えていますが、オープン店舗が378店舗。2018年6月には累計加盟数は573店舗。オープン店舗が457店舗になります。
今期は500店舗を超えていきますので、ここから増え方がどのように広がるのかを見ていただきたいのですが、やはり近所に店舗ができるとオファーが増えます。
そのような現象で、途中から急に増えていきます。東海地区がそうでした。だいたい110店舗ぐらいあるのですが、半分ぐらいまで同じペースでいって、半分を超えたぐらいから急に増えだしたということになりますので、期待しております。
拡大するFC店舗ネットワーク
全国の店舗数は、山形県を除いたすべての都道府県に販促ができました。(山形県を除いて)全国にあるということになりますが、やはり関東と近畿はまだまだ増やさないといけないなと思っています。
どのエリアでも、はじめにオファーがきて入って、最初の店舗はけっこう退会します。それからだんだん入れ替わっていって、しっかりとした店舗数が増えていくというパターンになっておりますので、このあたりも定着していけるのではないかと思っています。
フランチャイズ事業は、国内1,000店舗・アジア50,000店舗を作って、すべてのエリアに地域密着で窓口を作るという構想を描いております。
目標:2020年700店舗、2025年1000店舗
2020年には700店舗。2025年には1,000店舗を達成します。本当はもっと前倒しで狙っておりますが、このように公表しております。
ハウス・リースバック事業 売上高推移
私が一番力を入れている、ハウス・リースバック事業の売上高推移です。こちらの成長度合いを見ていただきたいのですが、前期においては一棟収益の3億9,800万円と、ハウス・リースバックの大型案件が入っておりましたので、28億円の売上が入っています。
今期は21億6,600万円を予定しておりますが、ストック事業という概念でいくと、商いがどんどん増えれば、利益は上がっていくということです。
特別要因を除いても、今期は15億4,600万円の売上が40.1パーセント増ということで、大型物件なしでも確実にこのような計画ができております。
ハウス・リースバック事業 営業利益推移
営業利益はハウス・リースバック事業(単独)で47.9パーセント増加する予定です。
ハウス・リースバック事業(単独)
前々期は18.9件を売っています。前期は25.3件というように売却が増えていきます。今期は36.3件を予定しております。
保有総額・保有件数
6月末時点の保有件数は513件。保有総額は、71億8,600万円になります。今期は保有件数は863件。保有総額は119億円になる予定です。
ハウス・リースバック 地域別保有物件(2017年6月末現在)
ハウス・リースバックの地域別保有物件です。主に首都圏・中部・近畿の3をまたいで集中的に広告を打っていますので、これ以外に広告をすると、まだまだ市場はあります。
今回、九州に集中して広告しましたところ、かなり反響をいただきました。具体的な数字は出せませんが、やはり九州のエリアもかなりニーズがあるということでは、今後仕入れも増えていくと思います。
ハウス・リースバック事業の概要です。まず「住みながら売却できる」というところが、非常に市場に当たりました。これを日本で大々的にやったのはハウスドゥが初めてです。
本当に単純なビジネスなのですが、意外と誰もやっていなかったということで、うちが初めてやって、爆発的に反響をいただいています。この事業の魅力は家賃(インカム)も入るし、売却(キャピタル)も入るということで、非常に万能なビジネスモデルになっています。
そして不動産ストックの流動化にも貢献できているのではないかなと思います。資産の資金化ということです。
もう何点かの背景としては、貸金業者の激減があります。
あとは総量規制です。こちらは前にも説明しましたけど、銀行は対象外です。
一般論ですけど、銀行は保護されてるにも関わらず貸しません。貸せる金融業者には総量規制規制をかけて、貸しつけたらダメだということになっています。
不動産取引のハウス・リースバックという事業においては、これは貸金業法ではありませんので、爆発的にニーズがあるということになっていると思います。これはやってからわかったことで、いわゆるブルーオーシャン市場になっています。
不動産金融事業 売上高推移
売上高は824.3パーセント増です。(元の)額が小さいのでこのようになりますが、今期は121.6パーセント増を計画しています。
不動産金融事業 営業利益推移
営業利益はこのように伸びております。今期は119.9パーセント増を計画しています。
不動産担保ローン累積件数・融資額推移
融資実行件数は6月現在においては124件。融資実行額は31億1,300万円です。今期は1年で207件を融資する計画です。融資実行額は28億円。融資残高は54億円となります。
貸金業者数の推移
貸金業者の推移のグラフはこのようになっておりますので、見ておいていただけたらなと思います。10年間で10分の1になってしまっています。
査定アプリ
こちらは以前にも発表させていただいてますが、フィナンシャルドゥの不動産無料査定の『Do! BANK』と10秒で不動産査定をする『10秒でDo!』の2つをやっております。
ハウスドゥ!グループの「不動産+金融」
不動産担保ローンには、不動産はあるが資金がない、収入がない、外国人対応、資金を資金化するニーズがあります。
そして不動産業者ですので、本当は(不動産を)売却して換金するのが普通なのですが、住みながら売却ということでハウス・リースバックのニーズがあります。
今後は資金を貸していくことよりも、銀行さんに融資してもらって、我々は保証業務に入っていきたいと思っています。
不動産売買事業 売上高推移
不動産売買事業の今期計画は3.7パーセント増です。これをどんどん伸ばす気はありませんが、現状維持あるいはこの程度のプラスに戻していこうと思います。
不動産売買事業 営業利益推移
営業利益は53.2パーセントダウンしています。今期は14パーセント増やしていく計画です。(前期は)安全策を取ったという部分では、結果的には考えすぎたかなと思いますが、これぐらいの気持ちを持ってやったほうが、この売買事業は堅いと思っています。
不動産売買事業 棚卸資産推移
見ていただくとわかるとおり、在庫数は増えております。
これが利益になっていくので、仕入れをやっているということになりますので、今期はこのあたりを水準に、回転重視でしっかり利益を上げていこうと思います。
不動産流通事業(仲介) 売上高推移
住宅販売は順調に安定しております。今期は沖縄と愛知県に2店舗出します。
不動産流通事業(仲介) 営業利益推移
営業利益は2店舗新規出店のために少し落ちて、3億7,300万円から2億5,300万円となります。
不動産流通事業(仲介) 仲介件数・手数料率の推移
仲介件数・手数料の推移はこちらを見ておいていただければと思います。
住宅・リフォーム事業 売上高推移
リフォームは若干横ばいでいきたいと思います。
住宅・リフォーム事業 営業利益推移
営業利益は今期計画では5.1パーセント減となります。
住宅・リフォーム事業 リフォーム件数の推移
リフォーム件数もほぼ横ばいできています。
販売管理費及び一般管理費の内訳
こちらが販売管理費です。とくに人件費と広告宣伝費が多少増えることになります。
連結貸借対照表
こちらは貸借対照表です。
今期見通し
今期の見通しをポイントだけお話しさせてもらいます。
フランチャイズ加盟店数は500店舗を達成しております。
ハウス・リースバック事業は仕入れを今までのペースより伸ばしていこうということで、九州に営業所を出します。
そして優先株式発行30億円の資金調達を行います。
子会社のフィナンシャルドゥの方にも増資をしたいと思います。最低でも10億円ぐらいを増資に回して、さらなる飛躍を目指していこうと考えております。
そして優先出資の30億円が入ると、今期2018年の6月には自己資本比率24.2パーセントをクリアできるのではないかなと思います。ハウス・リースバックのファンド化が実現すれば、さらに上がっていくことになります。ファンドに入れる。借金が減る。自己資本比率が上がるということで、すごくいい循環になっていくと思います。
このあたりは1日でも早く実現したいなと思いますが、今はまだ確実ではありませんので、未定とさせていただきたいなと思います。
2016.8.22発表:中期経営計画 残2年
昨年に3年計画を発表しておりますが、このようなかたちで確実に達成していこうと思いますので、ぜひとも応援していただければなと思います。
この次は会社概要書なので、各自で見ていただければと思います。時間も迫っておりますので、これで終了いたします。ありがとうございました。